JPS596265Y2

JPS596265Y2 - 軸支構造

Info

Publication number: JPS596265Y2
Application number: JP1978180534U
Authority: JP
Inventors: 修司鳥居; 重夫栗原; 純輔黒木
Original assignee: 日産自動車株式会社
Priority date: 1978-12-25
Filing date: 1978-12-25
Publication date: 1984-02-27
Also published as: JPS5594916U

Description

【考案の詳細な説明】本考案は自動車のステアリングリンケージのアイドラア
ーム等に好適な揺動軸または回動軸の軸支構造に関する
ものである。

前記アイドラアーム等の如く、揺動するアームを車体側
の支持部材に支持させる構造として、従来では第１図、
第２図に夫々示すような構造が採用されている。

これらの図において、１は車体に固定したブラケット２
に支持させたシャフト、３はこのシャフト１にその基端
円筒部４を軸転可能に支持させたアイドラアーム、５は
円筒部４の脱落を防止するためのワッシャであり、前記
シャフト１に螺合するナット６を回動することによりワ
ツシャ５と前記ブラケット２との軸方向間隔を調整でき
るようになっている。

そして、第１図における７はシャフト１と円筒部４との
間に介装したシール兼用のプッシュであり、また第２図
における８，９は夫々別体に形或したプッシュ、シール
部材である。

即ち、第１図のものはアイドラアーム３のシャフト１に
対する軸方向位置決めをプッシュ７と円筒部４の接触面
をテーパ状にすることで行なう一方、該プッシュ７の端
部にリップ７ａを形或することにより円筒部４とシャフ
ト１とのシールを図っている。

この場合、プッシュ７はアーム３の円滑な回動を保障す
るためにはアーム３のシャフト１の軸方向移動を拘束す
べくある程度の剛性が必要であり、シール機能を果すた
めには逆に軟がさが必要であるため、前記ナット６によ
る締付荷重が所定の荷重内であればプッシュ機能とシー
ル機能は両立するが、該荷重が大きくなるとプッシュの
撓みが大きくなり、リップ７ａ部が浮き上がって隙間が
発生したり、割れが入ったり、リップが変形したり等し
てシール機能が悪化する欠点がある。

また、第２図のものは、プッシュ８を剛性のあるポリア
セタール系樹脂にて形成する一方、シール９はゴム等に
て形戊する構造である。

この構或では締付荷重に拘らずシール性は良好であるが
、アイドラアーム３のシャフト１に対する位置決めは、
プッシュ８の弾性が殆んど無いので専らその寸法精度に
よるところが大であるため、アームとシャフトとの間に
ガタが生じ易く、また生じたガタはプッシュが硬いため
に吸収作用が低下する。

一方、ナット６を締めすぎるとプッシュ８とブラケット
２及びワツシャ５間での摩擦抵抗が大となりアイドラア
ームの揺動に必要なトルク、すなわち自動車のステアリ
ング操作力が大となる等の欠点がある。

本考案は上記に鑑みなされたものでその目的とするとこ
ろは、プッシュとシールとを別部材として構或すると共
にシールの一部をプッシュと円筒部材との軸方向に隙間
に挾み込む構或とすることにより、締付荷重如何によっ
ても円筒とシャフトとのガタや揺動トルクの増大を防止
する一方良好なプッシュ機能、シール機能を発揮させる
ことができる軸支構造を提供することにある。

以下、第３図及び第４図に示す各異なる実施例につき説
明する。

第３図の実施例において、１は前述の従来例と同様に車
体に固定したブラケット２に支持させたシャフト、４は
このシャフト１に嵌挿したアイドラアーム３の円筒部、
５はワツシャ、６は締付用のナットである。

そして、比較的に剛性がありかつ自己潤滑性のある部材
、例えばポリアセタール樹脂からなるプッシュ１０．
１０を、筒状の本体１７，１７とその外側に突設したフ
ランジ１１．１１とから構或し、シャフト１と円筒部
４との間には本体１７．１７を嵌装し、フランジ１１
．１１を円筒部４の端縁４ａ，４ａとブラケット２、
ワツシャ５との間に介装する。

一方、シール１２．１２はゴム等の比較的軟かい部材
にてプッシュ１０．１０とは別体で、リング状の本体
１４，１４とその外側に設けたリップ１３，１３と
がら構威し、そのリップ１３．１３をブラケット２、
ワツシャ５内面に当接させながら、前記円筒部４の端縁
４ａ，４ａとプッシュ１０，１０のフランジ１１，１
１間に本体１４．１４を介装させている。

１５．１５は金属材からなる補強板であり、シール１
２．１２の上面に一体形戒することにより円筒部４，
４と当接し、本体１４．１４の変形がシールリップ１
３．１３に及んで変形させることを防止する。

１６はプッシュ１０，１０の各摺動面へのグリース到
達を容易とするためのスリットである。

本実施例は以上の構或であるから、円筒部４とシャフト
１とはプッシュ１０．１０の作用により円滑な相対回動
が可能になる。

また、両者の軸方向の支持関係は円筒部４とフランジ１
１，１１換言すれば円筒部４とブラケット２、ワツシ
ャ５との間に夫々軟質材のシール１２，１２を介装し
ているので、プッシュ１０．１０に多少の寸法精度誤差
があってもシールにより吸収し、両者間でのガタの発生
を防止する。

また、ナット６による締付荷重が多少大となってもシー
ルの変形により吸収し、円筒部端縁における摩擦抵抗の
増大を防止して揺動トルクを良好に維持する。

シールは軟材より構或しているため、締付荷重の増大に
よっても本体１４，１４のリツプ１３，１３の当接
力が低下することはなく、良好なシール効果を発揮する
のである。

第４図は他の実施例を示し、この例は円筒部材４を車体
側に固定する一方、シャフト１にアイドラアーム３を一
体的に取り付けてシャフト１を円筒部材４に対して軸転
回動するようにしたものである。

６はシャフト１に螺合する締付ナットであり、ワツシャ
５及びアーム端面３ａとの間に円筒部４を挾持する。

プッシュ２０，２０及びシール２１，２１は前例と同
様に別体に形成し、プッシュ２０．２０を、筒状の本
体２４，２４とその外側に突設したフランジ２２．
２２とから構威し、筒状の本体２４，２４をシャフト
１と円筒部４の径方向間に介装する一方、シール２１，
”２１はリング状の本体２６．２６とその外側に設
けたリップ２５．２５とから構或し、プッシュのフラ
ンジ２２，２２とシール２１，２１とを両者の軸方
向間、換言すれば円筒部４の両端縁とワッシャ５、アー
ム端面３ａとの間に介装する。

このとき、シール２１．２１内にはリテーナ２３．
２３を内装してシールリップの変形の抑止を図る一方、
シール２１，２１は円筒部端縁とプッシュフランジ２
２．２２との間に介在するように構或するのである。

本実施例においても、円筒部端縁とプッシュ２０．２
０との間に介装した軟質材シール２１．２１の作用に
よって、シャフトと円筒部材とのガタを防止すると共に
、アームの円滑な揺動を可能にし、がつ良好なシール効
果を確保できることは言うまでもない。

前記各実施例は円筒部４の両端側に本考案によるプッシ
ュとシールを用いた構戒となっているが、円筒部４の一
端側のみを本考案の構戊とし、他端側は従来の構或でも
よい。

尚、前記各実施例はアイドラアームに本考案を適用した
が回転または揺動する軸支部を有する部材ならば同様に
実施できることは勿論である。

以上要するに本考案の軸支構造は、プッシュと別体に形
或した軟質材料のシールを円筒部材とプッシュとの間に
介装するように構威したから、円筒部とシャフトとの間
のガタを防止する一方で両者の円滑な相対回動を可能し
、更に両者間の締付荷重が増大しても良好なシール効果
を得ることができるという実用上大なる効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は夫々異なる従来例の断面図、第３図
は本考案の実施例の断面図、第４図は他の実施例の一部
破断側面図である。１・・・シャフト、３・・・アイドラアーム、４・・・
円筒部、５・・・ワツシャ、６・・・ナット、１０・・
・プッシュ、１２・・・シール、１３・・・リップ、１
５・・・補強板、１６・・・スリット、２０・・・プッ
シュ、２１・・・シール。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

一端に大径部を他端にねじ止めされたワッシャを有する
シャフトと、このシャフトの前記大径部と前記ワッシャ
間において前記シャフトに相対回動可能に嵌装された円
筒部と、この円筒部の両端側において、前記シャフトと
の間にそれぞれ介装された一対のプッシュ及びシールと
を有する軸支構造において、前記一対のプッシュ及びシ
ールの少くとも一方を別体に形或すると共に、前記プッ
シュを、前記シャフトに嵌装される筒状の本体と、前記
大径部または前記ワッシャに接してその外周に突設した
フランジとから構威し、一方前記シールをリング状の本
体とその外周に設けたリップとから構或し、前記リング
状の本体を前記円筒部の端縁と前記プッシュの前記フラ
ンジとの軸方向間に介装すると共に、前記リップを前記
大径部または前記ワツシャに当接させ、前記プッシュは
比較的に剛性のある材質にて構或し、前記シールは軟質
材にて構或したことを特徴とする軸支構造。