JPS596201Y2 - 温水器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は温水器に関するもので、その目的とするところ
は凍結事故を防止することにある。

冬期の冷え込みの厳しい日には、給湯パイプを含む給湯
回路が大気に開放して構戊された元止め給水式の温水器
においては、加熱膨張水が給湯パイプ内等で凍結してし
まうことがある。

そして、この場合には再加熱時に膨張水の排出ができな
くて、貯湯タンクに異常圧力がかかり、これにより貯湯
タンクが変形したり破損したりすることがあった。

そこで、本考案は沸き上げ完了後は、給湯回路内の膨張
水を凍結する以前に、貯湯タンク内に逆流させて給湯回
路内を常に空にし、これにより凍結による破損事故等を
未前に防止しようとするものである。

以下、本考案の一実施例を添付図面にもとづいて説明す
る。

図に示すごとく、本実施例では次のように構或されてい
る。

すなわち、本体Ａ内に加熱ヒータ１と、貯湯タンク２を
内蔵している。

また、貯湯タンク２と給水パイプ３は逆止弁４と湯水混
合コツク５と給水パイプ６を介して接続され、さらに貯
湯タンク２と給湯口７は給湯パイプ８と湯水混合コツク
５を介して接続されている。

上記貯湯タンク２内の水は加熱ヒータ１により加熱され
て８５℃に沸き上げられる。

その時に約３％の熱膨張量があり、この膨張分は給湯パ
イプ８から湯水混合コツク５を通って給湯口７より洗面
器９に排出される。

沸き上げ完了後は、外気温により貯湯タンク２内の湯が
冷却される為その体積が縮小し、またこれに給湯口７か
らの落差も加わって給湯パイプ８内に膨張していた湯が
、貯湯タンク２内に逆流する。

この場合、貯湯タンク２内の湯が冷却され縮小する容量
をＱ、また給湯パイプ８の容量を上記Ｑより極く小さく
設定しているので、給湯パイプ８内の膨張水は元の貯湯
タンク２内に逆流し、これにより給湯パイプ８内は空の
状態にできるのである。

すなわち、本実施例の貯湯タンク２の容積は１１ｌとな
っており、今、８０℃に沸き上げられ一定時間経過後６
０℃に冷却した場合の水の収縮量を計算すると、６０〜
８０℃までの水の体膨張率は０．５８７Ｘ１０−３であ
るので容積変化は１．１７４％となり、ｌ１ｌの水の収
縮量は約１２９ ｃｃとなる。

従って、給湯パイプ８、湯水混合コツク５の給湯路、給
湯口７よりなる給湯回路の全合計容量は６０ ｃｃとし
ているので湯の沸き上げ完了後一定時間経過し例えば湯
温が８０℃から６０℃に冷却した状態では必らず上記給
湯パイプ８、湯水混合コツク５の給湯路、給湯口７は空
の状態となることになる。

以上のように本考案によれば次のような効果があるので
ある。

すなわち、寒冷地域及び一般地域の冷え込みの厳しい日
には、給湯パイプ内の膨張水が沸き上げ完了後冷却され
て凍結して凍結事故を起こしてしまっていたが、本考案
ではこの膨張水を凍結する前に貯湯タンク内へ逆流させ
てパイプ内を空の状態にすることができる。

このため、再加熱時に貯湯タンクが変形したり、破損し
たりすることはなくなるのである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例にかかる温水器の断面図である
。 １・・・・・・加熱ヒータ、２・・・・・・貯湯タンク
、８・・・・・・給湯パイプ、Ａ・・・・・・本体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 加熱ヒータと貯湯タンクを内蔵する本体と、この本体よ
   りも上方に位置する湯水混合コックとを給水パイプと給
   湯パイプで接続するとともに、上記給湯パイプを含む給
   湯回路を大気に開放し、この給湯回路の容積を、上記貯
   湯タンク内の水が湯沸時から一定時間経過後冷却するこ
   とによって収縮する容積よりも小さく設定した温水器。