JPS59579B2 - 焼結電磁ステンレス材の製法 - Google Patents
焼結電磁ステンレス材の製法Info
- Publication number
- JPS59579B2 JPS59579B2 JP13588981A JP13588981A JPS59579B2 JP S59579 B2 JPS59579 B2 JP S59579B2 JP 13588981 A JP13588981 A JP 13588981A JP 13588981 A JP13588981 A JP 13588981A JP S59579 B2 JPS59579 B2 JP S59579B2
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- sintering
- sintered
- electromagnetic stainless
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Description
【発明の詳細な説明】
本発明は、耐食性と電磁特性の優れた電磁ステンレス材
の製法に関する。
の製法に関する。
フェライト系ステンレス材は、いわゆる電磁ステンレス
として、電磁弁や磁気シールド等に使用されている。
として、電磁弁や磁気シールド等に使用されている。
電磁ステンレスが、純鉄やケイ素鋼の代りに使用される
理由は、電磁ステンレスの耐食性が優れているからであ
る。特に電磁弁のプランジャ−等においては、クリアラ
ンスが極めて小さいため、錆が発生するとたちまち動作
不良をおこし、事故につながるため、耐食性が重要視さ
れている。電磁ステンレスは適度の磁気特性を備えた耐
食材として重宝されていたが、溶製材から削り出すほか
なかつたため、電磁ステンレス部品は極めて高価な部品
にならざるを得なかつた。ステンレス材は炭素鋼に較べ
ると難削材であり、フェライト系の電磁ステンレスも難
削材である。このため、非切削加工または省切削加工方
法である粉末冶金法によつて、電磁ステンレス部品を製
造することが望まれている。しかし、粉末冶金法で電磁
ステンレス部品を製造することは、種々の工業的問題を
有しているため容易でなかつた。磁気特性や耐食性は、
空孔によつて著しく劣化することが知られているため、
空孔率を極力低くしなければならない。しかし乍ら、ス
テンレス粉末は硬く圧縮性が低いため、成形体の密度を
高くできない。従つて、焼結密度も高くすることが困難
であつた。このため、一旦焼結したものを再圧縮後、再
焼結する方法もとられたが、経済性に難点があつた。本
発明では、この焼結密度を上げるために、Fe−Pの共
晶を利用した部分液相焼結が有効であり、且つ磁気特性
に悪影響の少ないPの添加範囲を見出した。一般の構造
材や、純Fe系電磁材料を焼結する際に、Pは焼結密度
を上げるのに有効であり、種種の用途において実用化さ
れている。
理由は、電磁ステンレスの耐食性が優れているからであ
る。特に電磁弁のプランジャ−等においては、クリアラ
ンスが極めて小さいため、錆が発生するとたちまち動作
不良をおこし、事故につながるため、耐食性が重要視さ
れている。電磁ステンレスは適度の磁気特性を備えた耐
食材として重宝されていたが、溶製材から削り出すほか
なかつたため、電磁ステンレス部品は極めて高価な部品
にならざるを得なかつた。ステンレス材は炭素鋼に較べ
ると難削材であり、フェライト系の電磁ステンレスも難
削材である。このため、非切削加工または省切削加工方
法である粉末冶金法によつて、電磁ステンレス部品を製
造することが望まれている。しかし、粉末冶金法で電磁
ステンレス部品を製造することは、種々の工業的問題を
有しているため容易でなかつた。磁気特性や耐食性は、
空孔によつて著しく劣化することが知られているため、
空孔率を極力低くしなければならない。しかし乍ら、ス
テンレス粉末は硬く圧縮性が低いため、成形体の密度を
高くできない。従つて、焼結密度も高くすることが困難
であつた。このため、一旦焼結したものを再圧縮後、再
焼結する方法もとられたが、経済性に難点があつた。本
発明では、この焼結密度を上げるために、Fe−Pの共
晶を利用した部分液相焼結が有効であり、且つ磁気特性
に悪影響の少ないPの添加範囲を見出した。一般の構造
材や、純Fe系電磁材料を焼結する際に、Pは焼結密度
を上げるのに有効であり、種種の用途において実用化さ
れている。
しかしFe一Cに系の焼結においては、Fe−P液相の
偏析により、磁気特性の劣化が予想されたため、応用さ
れていなかつた。本発明では、赤リンと違いPが偏析し
難いFe3P等のいわゆるフェロリンで添加し、焼結す
・ る方法によりまず均一な液相の発生を促した。
偏析により、磁気特性の劣化が予想されたため、応用さ
れていなかつた。本発明では、赤リンと違いPが偏析し
難いFe3P等のいわゆるフェロリンで添加し、焼結す
・ る方法によりまず均一な液相の発生を促した。
次にFe−P系の液相が1050℃で発生することによ
り、寸法収縮が大きくなり、寸法精度が劣化するのを防
ぐため、共晶点直下までの温度で充分焼結し骨格を固め
た。その上で、Fe−Pの共晶を発・ 生させて、液相
焼結によつて急速に緻密化を促進させ、更に118OO
C以上の温度で焼結することによつて、液相を分解して
Pをマトリックス中に拡散させ、粒界偏析を防ぐ。この
ような一連の焼結工程によつてはじめて、Pの偏析のな
い高密度の焼結体が、高寸法精度でもつて得られる。焼
結雰囲気は、従来水素ガスやアンモニア分解ガスで焼結
するのが一般的であるが、純H2ガスは高価であり、安
価なアンモニア分解ガスでは2501)含有されている
N2ガスや僅か乍らも残留している未分解アンモニアガ
スによつて窒化が生じ、磁気性能を損うため最適の雰囲
気ガスがなかつた。真空で焼結することは、これらのガ
スの消費の問題から解放されることになる上、粉末中に
微量乍らも残留している炭素とCr酸化物が還元反応を
生じるため、良好な焼結体が得られる。しかし、Cr量
の多い組成の焼結においては、高温におけるCrの蒸発
が問題となる。そこで、真空雰囲気の長所を有し、且つ
蒸発の問題を抑える焼結方法として、減圧水素雰囲気焼
結が適していることを見出した。減圧水素雰囲気は、高
真空排気を行つて、02やCO2を充分低分圧にした上
で、H2を導入し、大気圧以下の気圧に調整し、連続的
に排気しながら、H2を少量流す雰囲気である。
り、寸法収縮が大きくなり、寸法精度が劣化するのを防
ぐため、共晶点直下までの温度で充分焼結し骨格を固め
た。その上で、Fe−Pの共晶を発・ 生させて、液相
焼結によつて急速に緻密化を促進させ、更に118OO
C以上の温度で焼結することによつて、液相を分解して
Pをマトリックス中に拡散させ、粒界偏析を防ぐ。この
ような一連の焼結工程によつてはじめて、Pの偏析のな
い高密度の焼結体が、高寸法精度でもつて得られる。焼
結雰囲気は、従来水素ガスやアンモニア分解ガスで焼結
するのが一般的であるが、純H2ガスは高価であり、安
価なアンモニア分解ガスでは2501)含有されている
N2ガスや僅か乍らも残留している未分解アンモニアガ
スによつて窒化が生じ、磁気性能を損うため最適の雰囲
気ガスがなかつた。真空で焼結することは、これらのガ
スの消費の問題から解放されることになる上、粉末中に
微量乍らも残留している炭素とCr酸化物が還元反応を
生じるため、良好な焼結体が得られる。しかし、Cr量
の多い組成の焼結においては、高温におけるCrの蒸発
が問題となる。そこで、真空雰囲気の長所を有し、且つ
蒸発の問題を抑える焼結方法として、減圧水素雰囲気焼
結が適していることを見出した。減圧水素雰囲気は、高
真空排気を行つて、02やCO2を充分低分圧にした上
で、H2を導入し、大気圧以下の気圧に調整し、連続的
に排気しながら、H2を少量流す雰囲気である。
従つて、常圧の炉と比較すると、消費されるH2ガス量
は著しく少量ですみ、しかも減圧下での還元反応は、常
圧よりも進行しやすくなるため、極めて有用な焼結雰囲
気である。
は著しく少量ですみ、しかも減圧下での還元反応は、常
圧よりも進行しやすくなるため、極めて有用な焼結雰囲
気である。
この雰囲気で焼結することにより、先のCrの蒸発は自
然に解決され、しかも、脱炭効果も他の雰囲気より優れ
ていることが確められた。
然に解決され、しかも、脱炭効果も他の雰囲気より優れ
ていることが確められた。
〔実施例 1〕
Fe−13Cr合金粉末にFe3pをP量にして0.1
〜1.0重量%添加混合した粉末を6t0n/?で型押
し、第1図に示した温度パターンで、真空度10−4T
0rrで焼結した。
〜1.0重量%添加混合した粉末を6t0n/?で型押
し、第1図に示した温度パターンで、真空度10−4T
0rrで焼結した。
第2図に焼結体の焼結比重に対する、第3図に焼結体の
最大磁束密度に対するそれぞれP添加の効果を示した。
これらの結果より明らかな如く、Pの添加は、焼結体比
重の向上に大きな効果があるが、多量のP添加はむしろ
液相の残留を招き、焼結比重の低下および磁気特性の低
下を招くことが判明した。
最大磁束密度に対するそれぞれP添加の効果を示した。
これらの結果より明らかな如く、Pの添加は、焼結体比
重の向上に大きな効果があるが、多量のP添加はむしろ
液相の残留を招き、焼結比重の低下および磁気特性の低
下を招くことが判明した。
従つてPの添加量は、0.2〜0.8重量%であること
が必要である。また、本発明の方法による焼結体の磁気
特性は従来の焼結法によるものと比較して、優れている
ことが第3図からも分る。〔実施例 2〕 Fe−17Cr合金粉末に0.5%PとなるようにFe
3p粉末を添加混合して、6t0n/〜で型押し、実施
例1と同様の方法で、100T0rrの減圧H2雰囲気
中にて焼結した。
が必要である。また、本発明の方法による焼結体の磁気
特性は従来の焼結法によるものと比較して、優れている
ことが第3図からも分る。〔実施例 2〕 Fe−17Cr合金粉末に0.5%PとなるようにFe
3p粉末を添加混合して、6t0n/〜で型押し、実施
例1と同様の方法で、100T0rrの減圧H2雰囲気
中にて焼結した。
焼結体の最大磁束密度は11KGaussであつた。
第1図は本発明の製法(実線)と従来の製法(破線)と
の温度パターンの相違説明図、第2図は従来焼結法によ
るもの(X印)、従来組成(●印)、本発明の方法によ
るもの\、それぞれPの重量%と比重との関係図、第3
図は焼結体の最大磁束密度B(×:従来焼結法によるも
の、●:従来組成、○:本発明の方法によるもの)に対
するP添加の効果を示す図である。
の温度パターンの相違説明図、第2図は従来焼結法によ
るもの(X印)、従来組成(●印)、本発明の方法によ
るもの\、それぞれPの重量%と比重との関係図、第3
図は焼結体の最大磁束密度B(×:従来焼結法によるも
の、●:従来組成、○:本発明の方法によるもの)に対
するP添加の効果を示す図である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 10〜20重量%のクロム系ステンレス粉末0.2
〜0.8重量%のリン(P)をフェロリン(Fe−P)
の粉末によつて添加混合した粉末体を型押し、1000
〜1045℃で10〜40分焼結し、引続き1180℃
以上で20〜60分焼結することを特徴とする焼結電磁
ステンレス材の製法。 2 減圧水素雰囲気中で焼結することを特徴とする特許
請求の範囲第1項記載の焼結電磁ステンレス材の製法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13588981A JPS59579B2 (ja) | 1981-08-29 | 1981-08-29 | 焼結電磁ステンレス材の製法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13588981A JPS59579B2 (ja) | 1981-08-29 | 1981-08-29 | 焼結電磁ステンレス材の製法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS5837149A JPS5837149A (ja) | 1983-03-04 |
JPS59579B2 true JPS59579B2 (ja) | 1984-01-07 |
Family
ID=15162158
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13588981A Expired JPS59579B2 (ja) | 1981-08-29 | 1981-08-29 | 焼結電磁ステンレス材の製法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS59579B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1989003479A1 (en) * | 1987-10-07 | 1989-04-20 | Marlen Research Corporation | Compact twin piston pump |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB2172550B (en) * | 1985-01-24 | 1988-11-16 | Svecia Antiqua Ltd | A method for the manufacture of a material in the form of paper sheets or a paper web provided with a watermarklike pattern. |
KR930001336B1 (ko) * | 1988-06-27 | 1993-02-26 | 가와사키세이데쓰 가부시키가이샤 | 내식성이 우수한 소결합금강 및 그 제조방법 |
CN108160987B (zh) * | 2017-12-28 | 2020-06-16 | 鞍钢(鞍山)冶金粉材有限公司 | 一种汽车用含磷混合铁粉及其制备方法 |
-
1981
- 1981-08-29 JP JP13588981A patent/JPS59579B2/ja not_active Expired
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1989003479A1 (en) * | 1987-10-07 | 1989-04-20 | Marlen Research Corporation | Compact twin piston pump |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS5837149A (ja) | 1983-03-04 |
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