JPS595567Y2 - 通水層を有する止水断熱板 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はトンネルの施工に用いて有用な通水層を有する
止水断熱板に関するものである。

トンネルの建設に際しては、出来上ったトンネルが堅牢
であることは勿論、防水性、耐寒性に富んだものである
ことが望まれる。

その理由は、防水性がないと、トンネル上の岩や土から
水がトンネル内に滲出、滴下するし、また防水性、耐寒
性がないと、冬期特に寒冷地においては、前記のトンネ
ル内に滲出した水が凍ってつららとなり、トンネル上壁
から垂下して事故の原因になるばかりでなく、凍結によ
ってトンネルに歪が生じ、この歪は解凍しても全部は復
元しないで残留するため、長年月の間には損壊するに至
るおそれがあるからである。

本考案は上記のような事情に鑑み、トンネルの施工に用
いれば、トンネルに防水性、耐寒性を付与することので
きる止水断熱板を提供することを目的としてなされたも
ので、その構成は、通水性のある不織布、合成樹脂又は
ゴムの連続気泡性スポンジ板等からなる通水層の片面に
、防水シート、防水板等からなり前記通水層より大きい
止水層を適宜ずらして積層し、該止水層の上に不織布、
合成樹脂又はゴムの独立気泡性スポンジ等からなり前記
止水層より小さい断熱層を適宜ずらして形成したことを
特徴とするものである。

次に本考案の実施の一例を図に拠り説明する。

１は通水性のある不織布或は合成樹脂又はゴムの連続気
泡性スポンジ板からなる通水層、２は合成樹脂シート又
は合成樹脂板からなり前記通水層１上に積層定着した止
水層、３は不織布、合成樹脂又はゴムの独立気泡性スポ
ンジからなり前記止水層２の上に積層定着した断熱層で
あり、第２図に示すように、止水層２は、その面積を通
水層１のそれより大きくすると共に通水層１と上端及び
左側端をそろえて積層し、又、断熱層３は、その面積を
止水層２のそれより小さくすると共に止水層２と下端及
び右側端をそろえて形成することにより、通水層１と断
熱層３が止水層２に対し対称的にずれた状態となるよう
になっていて、以上１乃至３により通水層を有する止水
断熱板Ａを構成するが、この止水断熱板Ａをトンネルの
施工に使用する場合は各層を可撓性材料により形成する
ものとする。

而して、トンネルの建設に際しては、例えば常法により
アーチ状に掘削し一次覆工を施したトンネルの一次覆工
の表面に止水断熱板Ａをその通水層１を当てて貼付け、
これを順次接合貼着して所要郡全体に貼着し終ったら、
その上に二次覆工を施して工事を終了するのである。

このようにして建設された１〜ンネルは、その上の岩や
土から水が一次覆工に滲出してきても止水断熱板Ａの通
水層１に入り、止水層２によりそれ以上の滲透を阻止さ
れると共に通水層１を通って排水路から外部へ排出され
るので、水がトンネル上部から滴下するおそれはなく、
また、寒冷時にトンネル内を冷たい風が吹き抜けても、
冷気は断熱層３により内部に滲透するのを阻止されるか
ら、１〜ンネルが凍結するおそれもない。

なお、上記において、止水断熱板Ａを順次接合貼着した
場合、接合部分は止水層１が重合するので、全体として
凹凸が生じるが、その上に二次覆工を施すから何等支障
はなく、むしろ、止水層１が二重になるため、接合部の
止水機能は向上する。

従来、１ヘンネルの建設に際し、該トンネルが漏水した
り凍結するのを防止できるようにするためには大がかり
な工事を行わなければならなかったが、本考案の止水断
熱板を用いれば、工事を極めて簡略化でき、工事費の大
幅な節減を期待できる。

本考案は上述の通りであるから、特に寒冷地に建設する
トンネルに内在させて凍結を防止させるための止水断熱
板として好適であり、また現に漏水しているトンネルの
修理などに用いても有用である。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の実施の一例を示すもので、第１図は断面拡
大図、第２図は平面図、第３図は第２図ＩＩＩ−ＩＩＩ
線断面図、第４図は第２図ＩＶ−ＩＶ線断面図、第５図
は本考案の使用例を示す断面図である。 １・・・通水層、２・・・止水層、３・・・断熱層。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 通水性のある不織布、合成樹脂又はゴムの連続気泡性ス
   ポンジ板等からなる通水層の片面に、防水シート、防水
   板等からなり前記通水層−より大きい止水層を適宜ずら
   して積層し、該止水層の上に不織布、合成樹脂又はゴム
   の独立気泡性スポンジ等からなり前記止水層より小さい
   断熱層を適宜ずらして形成したことを特徴とする通水層
   を有する止水断熱板。