JPS5952495B2 - 感圧導電性シ−ト - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は常態においては絶縁性でありながら、圧力を加
えると、その厚さ方向に容易に導電性を生じる感圧導電
性シートの製造方法に関するものである。

従来、第１図に示すようなスイッチボタン１等に使用さ
れる感圧導電性のゴムシート２は、銅や銀の微粉体、カ
ーボンブラック等の導電性微粉体をゴムに適当量配合す
ることにより得られ、これらの感圧導電性ゴムシート２
においては指３等により、絶縁性ゴム６を介して感圧性
導電性ゴムシート２を押すと、圧力Ｐにより感圧導電性
ゴムシート２中の各粉体間の距離が接近することにより
導電性を増大し、絶縁体基板４に設けられた複数のスイ
ッチ電極５間を接続する。

一方、センサーとしては圧力による導電性の変化がなる
べくシャープなものが望ましいが、従来の微粉体充填型
感圧導電性ゴムシート２においては、これのシャープな
ものを得ることが困難であるという欠点があった。

そこで本発明は前記従来の欠点を解消するため、エラス
トマーシートの圧縮変形により、常態では絶縁性であり
ながら圧力を加えると急激に導電性に変化する感圧導電
性シートの製造方法を提供することを目的としたもので
ある。

則ち、本発明は、電気絶縁性エラストマーシートの厚み
方向に多数の線状導電体が配向しており、かつ前記線状
導電体は前記シートの厚みよりも短い長さを有するとと
もに、その両端がシートの表面を加圧したときにのみシ
ートの各表面から露出するように構成されている感圧導
電性シートの製造方法において、硬化してエラストマー
を形成する液状物に長さのそろった多数の線状磁性導電
体を分散させた混液を、該線状体の長さよりも大きい間
隔に保った２平面間に保持し、該平面に垂直方向の磁界
の作用下に、該液状物を硬化せしめることを特徴とする
ものである。

以下、本発明の構成について詳しく説明する。

まず、第２図は、本発明の感圧導電性シート２の基本的
構造を示す実施例１であり、この感圧導電性シート２は
、絶縁性エラストマーシート７の中に、そのシート７の
厚さよりも僅かに短い、一定長さに切りそろえられた強
磁性を有する多数の線状導電体８を好ましくは互いに独
立し、かつ平行に、絶縁性エラストマーシート７の厚み
方向に配列している。

更に、その線状導電体８の両先端が絶縁性エラストマー
シー１−７の両面から内部に引込んでいる。

そこで上記線状導電体８の両先端に圧力を加えた際、突
出しやすいように突出通路９が設けられている。

次に第３図及び第４図は、第２図の感圧導電性シート２
の変形例を示す実施例２および実施例３で゛あり、第２
図に示す部品と同じ部品は同じ部品番号で示している。

第３図においては第２図の感圧導電性シート２の基本構
造体の片面に高充填タイプの導電ゴム１０を附着せしめ
て、面導電性層を形成しており、また第４図においては
、その片面にフィルム状に形成されている導電層１１を
附着せしめた後、その上面を絶縁性フィルム１２積層し
て、面導電性層を形成している。

ここで感圧導電性シート２の厚さは０．２ｍｍ以上、５
ｍｍ以下とすることが望ましく、その素材としてはウレ
タンゴム、シリコンゴムその他軟質合成樹脂等のエラス
トマー材料が最適であり、これらの素材中に小気泡を多
量に包含するものが特に感圧性に優れている。

また、上記感圧導電性シート２より短くきりそろえられ
る線状導電体８の長さをし、その直径をＤとした場合、
その線状導電体８においては；Ｌ／Ｄ＞５ の関係にあることが望ましく、線状導電体８の導通抵抗
は、１本当り１キロオーム以下が適している。

次に第５図を参照して、第３図における本発明の実施例
２の感圧導電性ゴム状シート２をスイッチボタン１に使
用した例を説明するが、第１図と同じ部品は同じ部品番
号で示している。

即ち、本発明の感圧導電性シート２を使用することによ
り、指３等により導電ゴム部を圧力Ｐで押すと、複数の
スイッチ電極５は感圧導電性シート２の線状導電体８及
び導電ゴム１０を経由して接続するので、感圧導電性シ
ート２の部分を電極５から浮かせておく必要がないので
、卓上電気計算器等を従来のものより薄型に、かつコン
パクトに製作することができる。

つぎに、本発明の感圧導電性シート２の製造方法につい
て説明する。

まず絶縁性エラスＩ・マーシー１−７の厚さよりも僅か
に短い長さにきりそろえた多数の強磁性の線状導電体８
を絶縁性エラスＩ・マーシート７の原液中に分散して混
合した混液を、該線状導電体８の長さよりも大きい間隔
で適宜な厚さのシート状に保持し、磁界を垂直方向に作
用させて、線状導電体８を絶縁性エラストマーシート７
の厚み方向に平行に、好ましくは独立にあるように配向
せしめながら硬化成形する。

上記により成形された感圧導電性シート２に圧力Ｐが加
わった際、線状導電体８の両先端が絶縁性エラスＩ・マ
ーシート７の両面から突出しやすいようにする方法とし
て、第６図に示すように線状導電体８の長さと同等以下
のギャップをもつ２個のローラー１３間を通過させ、突
出通路９を形成しておくことなどが考えられる。

また不必要に長すぎる線状導電体８が混入している場合
、その長すぎる線状導電体８を電気的に焼き切って除去
するために、第７図に示すように適当なギャップを有す
る２個の電極ローラー１４間を通過せしめることも均質
な導電性をうる上で望ましい。

この場合、両電極ローラー１４に同時に触れる長い線状
導電体８は電流によって消去される。

従って、本発明の感圧導電性シートの製造方法によれば
、エラストマーシート圧縮変形により導電性線状体が絶
縁性シートの両表面から露出するとそれまで絶縁体であ
ったものが急激に導電体に変化してシャープな導電性が
得られるという感圧導電性シートを容易に得ることがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の感圧導電性シートを使用したスイッチボ
タン要部の側断面図、第２図は本発明の感圧導電性シー
トの基本構造体を示す実施例１の側断面図、第３図及び
第４図はそれぞれ本発明の実施例２及び実施例３の感圧
導電性シートの側断面図、第５図は本発明の感圧導電性
シートを使用したスイッチボタン要部の側断面図、第６
図及び第７図は本発明の感圧導電性シートを製造する方
法において、それぞれ、突出通路形成のためのローラ通
過時の側断面図及び長すぎる線状導電体除去のための電
極ローラー通過時の側断面図である。 １・・・スイッチボタン、２・・・感圧導電性シート、
５・・・電極、７・・・絶縁性エラストマーシー１〜．
８・・・線状導電体、９・・・突出通路、１ｏ・・・導
電ゴム、１３・・田−ラー、１４・・・電極ローラー。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 電気絶縁性エラストマーシートの厚み方向に多数の
   線状導電体が配向しており、かつ前記線状導電体はシー
   トの厚みよりも短い長さを有するとともに、その両端が
   シートの表面を加圧したときにのみシートの各表面から
   露出するように構成されている感圧導電性シートの製造
   方法において、硬化してエラストマーを形成する液状物
   に長さのそろった多数の線状磁性導電体を分散させた混
   液を、該線状体の長さよりも大きい間較に保った２平面
   間に保持し、該平面に垂直方向の磁界の作用下に、該液
   状物を硬化せしめることを特徴とする感圧導電性シート
   の製造方法。