JPS5952011B2 - 円筒の端縁部絞り加工装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、比較的肉厚の金属板製の中空円筒の端縁部を
内側に絞り加工する装置に関するものである。

第１図に示す如く金属板製の円筒１の一端を内側に絞ら
れた形状とし円筒内径Ｄ、よりも小さいＤ。

なる径の開口部２を設けたい場合、従来は次の方法によ
り製造されていた。ａ 第２図に示す如く、円筒３と同
一の肉厚を有する平板を絞り加工して円筒３と同一外径
を有する鏡板４を造り、その鏡板を円筒３の端縁に溶接
した後開口部を切断加工するか、或いは鏡板に予め開口
部５を穿ちこれを円筒３の端縁に溶接する方法。

ｂ 第３図に示す如く、円筒６の端部を赤熱した後ハン
マ等で口旧）て、端縁部を内側に曲げ加工する方法。

上記ａの方法は本来必要としない鏡板４を製造しなけれ
ばならず、かつその溶接、切断などの加工に時間と労力
を必要とする。

また上記ｂの方法は、加熱のための設備と副資材とを要
する上に、全周にわたつて正確な形状に加工するには高
度の熱線と多大の時間および労力とを必要とする。上記
の如き従来技術の欠点を解消せんがため、円筒の端縁部
をロールによつて間加工することも試みられたが、次の
理由により不可能であるとされていた。即ち、第４図ａ
の如く円筒６の端縁部６ａの内側を型ロールで押えなが
ら、外側から紋りロール１０によつて矢印イ方向の力を
加えて鎖線６ｂの形状に曲げようとすると、同図ｂの点
線で示したように矢印イ方向の力を加えられた局部は内
側に凹み、これと同時にその両側が矢印口方向に膨らん
で変形する。この現象によつて、曲げ加工しようとして
いる局部に発生すべき内部応力が分散してしまうので思
うように 性変形が行われない。特に円筒６を回転させ
ながら上記の絞り加工を行うと前記の理由により円筒６
の端縁部が・波形に変形するだけで、どうしても第１図
に示す如き製品を製造するこができない。こうした事情
で従来一般に厚板製円筒の冷間ロールによる端縁部絞り
加工は不可能であるとされていた。本発明は上記の事情
に鑑みて為され、従来不可フ能とされていた厚さ５爪型
程度以上の鋼板製円筒の端縁部を容易に絞り加工し得る
装置を提供することを目的とする。

次に本発明の基本的構成を説明する。

第５図は本発明を模式的に表わした説明図で、５ａは被
加工円筒６の軸に垂直な方向から見た一部断面図、ｂは
円筒６の軸中心方向から見た図である。

本発明は第５図のａ、ｂに示すように回転自在に支承さ
れた円筒６の内面に接して型ロール７を配設し、その型
ロールと対向する円筒の端縁部６ａの外側に絞りロール
８を配設し、かつ該紋りロール８の両側に左右一対のガ
イドロール］１，１１を配設し、その左右一対のガイド
ロール１］，１１を型ロール７に向けて矢印ハの如く押
圧しながら双方のガイドロールの間に位置する紋りロー
ル８を型ロール７に向けて矢印イの如く押圧すべくなし
たることを特徴とする。次に本発明の一実施例を第６図
について具体的に説明する。

第６図において円筒６、型ロール７、絞りロール８、及
びガイドロール１１は第５図に示したものと同等の部材
である。１２は円筒支承装置で、円筒保持具１２ａを具
えた円筒取付円板１２ｂは回転軸］２Ｃ及びテーパロー
ラベアリング１２ｄによつて回転自在に支承されている
。

このテーパローラベアリングは、軸１２ｅによつてドラ
ム支持台１２ｆに対して傾動自在に軸支されたアーム１
２ｇに、ブラケツト１２ｈを介して回動自在に取りつけ
られている。１２１は前記アーム１２ｇを傾動させる為
の油圧シリンダ、］２ｊは前記ドラム支持台１２ｆを本
機械装置の固定部に対して左右に移動させるための油圧
シリンダである。

１３は絞りロール支承装置で、油圧シリンダ１３ａのピ
ストンロツドの先端に固着されたブラケツト１３ｂに紋
りロール８が回転自在に軸支されている。

アーム１３Ｃの一端は軸１３ｄによつて本機械装置の固
定部に対し回動自在に軸支され、同アーム１３Ｃの自由
端と、前記油圧シリンダ］３ａのシリンダ底部と、油圧
シリンダ１３ｅのピストンロツド先端部とは軸１３ｆに
よつて相互に回動自在なように軸着されている。

１３ｇは上記軸］３ｉのガイドレールで、前記の軸１３
ｄを中心とする円弧状に形成され、本機械装置の固定部
に固設されている。

前記油圧シリンダ１３ｅのシリンダ底部は本機械装置の
固定部に対して回動自在に軸支されている。

油圧シリンダ］３ｈはそのピストンロツドの先端を前記
ブラケツト１３ｂに対し軸１３１を介して回動自在に軸
着され、そのシリンダ底部を本機械装置の固定部に対し
て回動自在に軸支されている。フ １４は型ロール駆動装置で、その内部に電動機および減
速機（共に図示せず）を備え、型ロール７に固着された
軸１４ａを介して型ロール７を支承し、かつ回転せしめ
るようになつている。

ガイドロール支承装置］５は、油圧シリンダ１５ａのピ
ストンロツドの先端に固着されたブラケツト１５ｂによ
つてガイドロール］１を回転自在に軸支している。この
ガイドロール支承装置１５は第６図においては省略した
が、第５図に示すように絞りロール８の両側にそれぞれ
設けられている。上記ガイドロール支承装置１５の油圧
シリンダ１５ａはそのピストンロツドを前記型ロール７
の軸心に向けた姿勢で本機械装置の固定部に対して配設
されており、左右一対のガイドロール１１，］１を円筒
６の円周方向に関して前記絞りロール８の両側に位置せ
しめている。

前記５箇の油圧シリンダ１２１，１２ｊ，１３ａ，１３
ｅ，］３ｈおよび］５ａは、それぞれ油圧操作弁（図示
せず）を介して油圧源（図示せず）に配管接続されてい
て、自在にかつ強力に伸縮作動せしめ得るようになつて
いる。

前記型ロール７の形状の詳細を第７図について説明する
。

第７図は第６図で示した型ロール７の（Ａ）部を拡大し
て示している。被加工円筒の仕上げ目標形状を鎖線１６
とすると、型ロール７の輪郭はこの仕上げ目標形状線１
６に対し、その端部において若千の隙間］７を有する形
になつている。そして円筒の絞り加工部と非加工部との
境界付近において適宜の膨らみ部］８が設けられている
。以上説明した実施例の装置を用いてドラムの絞り加工
を行うには、第６図に示すごとく被加工物である円筒６
を保持具１２ａによつて取付円板１２ｂに固定し、油圧
シリンダ１２１及び同１２ｊを適宜操作して円筒６の内
側の端縁部が型ロール７に当たるようにし、油圧シリン
ダ１５ａを伸長作動させ、左右一対のガイドロール１１
，１］を型ロール７に向けて押しつけ、型ロール７と、
ガイドロール１１との間に円筒６を挟持する。

この伏態で型ロール駆動装置］４を運転して型ロール７
を回転させると円筒６が回転せしめられる。このように
して円筒６を回転させながら油圧シリンダ］３ａを伸長
操作し、紋りロール８を円筒６の外周に押しつけ、型ロ
ール７に向つて強く押圧しながら回転を続けることによ
つて円筒６の端縁部６ａを想像線で示した６ｂの如く絞
り加工することができる。この絞り加工に際し、油圧シ
リンダ１３ｅを適宜に伸縮させることによつて油圧シリ
ンダ１３ａの底部をガイドレール１３ｇに沿つた任意の
位置に調節すると共に、それに応じて油圧シリンダ１３
ｈを伸縮させることによつて絞りロール８の向きを変え
、このようにして紋りロール８による円筒６の押圧位置
および押圧方向を自由に調節して絞り加工を行なう。

円筒６の端縁部６ａを型ロール７と絞りロール８との間
に挟んで、これをドラム内側に変形させるように力を加
えると、第４図について説明したように両ロールに挟ま
れた部分が矢印イ方向に曲げられると同時にその両側部
が矢印叩 口方向に膨れ出ようとするが、本発明の装置
においては、第５図に示す如く、ガイドロール１１，１
１が矢印ハ，ハ方向にドラム６を押圧しているので前記
の膨らみ変形を未然に防止する。

この為、型ロール７と絞りロール８とに挾まれた部分に
発生する内部応力は両側に分散されることなく両ロール
７， ８間に集中し、有効に絞り加工が行なわれる。こ
の絞り加工により、円筒は第８図に斜線を附して示した
ように型ロール７の輪郭に沿つた形にロールされるが、
ロール作業を終ると円筒は若干スプリングバツクする。
このため仕上げ目標形状である鎖線１６よりも隙間１７
に相当する過大歪みを受けていた部分はスプリングバツ
クによつて目標形状である鎖線１６の形まで復元方向に
変形し、所望の仕上形状となる。また上記のスプリング
バツクにおいて、型ロール７の膨らみ部１８に沿つた形
になつていた個所は仕上げ目標形状である鎖線１６の如
く変形し、最終的に所望の仕上げ形状となる。以上説明
したように、本発明によれば、端部を絞つた形状の円筒
を製作するについて、ｉ 別個に鏡板を製作する必要が
ない。

Ｉｉ溶接や切断を行なう必要がない。

Ｉｉｉ加熱を行なう必要がない。

ノＩｖ格別の熟練を要しないで正確に加工できるなどの
効果を奏させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は所望とする製品の一部を断面した図、第２図は
前記製品の製作方法の従来例を示す一部を断面した図、
第３図は同じく従来の製作方法の他の例を示す一部を断
面した図、第４図はロール加工によつて前記製品を製作
する場合の技術的問題説明図、第５図は本発明の基本的
構成を示す模式的な説明図、第６図は本発明の一実施例
を示す断面図、第７図は第６図における型ロールのＡ部
拡大図、第８図は本発明の一実施例における作業説明図
である。 ６ ・・・・・・円筒、６ａ・・・・・・円筒の端縁部
（加工前）、６ｂ・・・・・・円筒の端縁部（加工後）
、７ ・・・・・・型ロール、８・・・・・・絞りロー
ル、１１・・・・・・ガイドロール、１２・・・・・・
円筒支承装置、１２ｉ，１２ｊ，１３ａ，１３ｅ，１３
ｈ，１５ａ・・・・・・油圧シリン 、ダ、１２ａ・・
・・・・円筒保持具、１３・・・・・・紋りロール支承
装置、１３ｂ，１５ｂ・・・、・・・ブラケツト、１４
・・・・・・型ロール駆動装置、１５・・・・・・ガイ
ドロール支承装置。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 被加工物である円筒を回転自在に支承する保持具と
   、前記円筒の内面に接して配設された型ロールと、その
   型ロールに対向して前記円筒の端縁部外側に設けられた
   絞りロールと、この絞りロールの両側に配設された一対
   のガイドロールとよりなり、この左右一対のガイドロー
   ルを前記型ロールに向けて押圧しながら、そのガイドロ
   ールとガイドロールとの間に位置する前記絞りロールを
   前記型ロールの方向へ押圧して円筒の端縁部を絞り加工
   すべく構成したことを特徴とする円筒の端縁部絞り加工
   装置。