JPS5951803B2 - 合成樹脂製連続フアスナ−エレメント列を有するスライドフアスナ− - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、合成樹脂の押出し成形手段によって成形さ
れた連続ファスナーエレメント列、即ち、回転するダイ
ホイールの外周に単位ファスナーエレメントを成形する
多数のキャビティを有機的に連続して連続キャビティと
し、これに合成樹脂材を押出し成形し、次いでダイホイ
ールより引き出して得られる連続ファスナーエレメント
列を織込み、編込みあるいは縫付は等の手段でファスナ
ーテープの一側縁に取付けであるスライドファスナーに
関する。

合成樹脂の押出し成形手段によって各ファスナーエレメ
ントを連結部によって連続一体にしている連続ファスナ
ーエレメント列を製造すれば、各単位ファスナーエレメ
ント間の間隔が一定となり、しかも長尺のものが得られ
、ファスナーエレメント列として有益である。

そこで押出し成形によって製造する一つの手段として、
ダイより板状を成す合成樹脂素材を押出し、該素材にパ
ンチング及び屈曲などの加工を施こして、噛合頭部と上
下脚部とを備えた単位ファスナーエレメントを互いに脚
端部で合成柑脂素材の一部で連結したものを製造するこ
とを試みた。

しかし上記の連続ファスナーエレメント列は、板状の素
材にパンチングを施こす加工手段によることから、各単
位ファスナーエレメントを継ぐ部分は素材の板厚でしか
も巾広く残されるため、スライドファスナーに要求され
る柔軟性に欠けるもので、製品化には不向きであった。

これに対し柔軟性に優れた製品が得られるように研究し
て種々提案されており、例えば特公昭４５−２５５１号
公報に開示されている技術によれば、各単位ファスナー
エレメントを、上下脚部においてそれぞれ隣接する脚部
をコードで連結すると共に、隣接する各脚部間を一つ置
きにコードを合成樹脂で被覆し、その被覆する合成樹脂
で隣接する各脚部を一体に連結しており、更に被覆する
合成樹脂は上下脚部においては互い違いに設けたもので
ある。

このスライドファスナーによると、コードが一つ置きに
被覆されていない裸のままであるから、その間には他の
合成樹脂で被覆された部分とは異なり担持作用が全く無
く、スライドファスナーに強い横引力あるいは折曲げ突
上げ力などが作用すると、コードが被覆されていない部
分から脚部及び被覆部分に向って伝染的に剥離して仕舞
うことがあり、ファスナーとしての機能を低下するのみ
ならず破損を招くこともある。

また、ファスナーエレメント列をテープに取付ける場合
、織込みによっても取付けられるが、その場合テープ構
成糸をコードの被覆部分及び非被覆部分に巡らされる。

しかし両者のこらえる力が異なることがら単位ファスナ
ーエレメントが傾むき、定ピツチに取付けずらい難点が
ある。

上記従来の欠点を除去すべく出願人は先に特願昭５５−
１８８３８６号および特願昭５５−１８６００５号によ
るスライドファスナーの提案を行った。

該提案のものは、各隣接エレメント間にエレメント列と
連続一体に弾性的に屈曲し得る合成樹脂製の連結部を設
け、かつ該連結部を連続ファスナーエレメント列の開閉
時における各単位ファスナーエレメントの旋回中心点を
通って画く連続ファスナーエレメント列の中心軸線上に
合致した位置に配置することにより上記従来の欠点を除
去し、特にスライドファスナー開閉時におけるスライダ
ーの摺動抵抗を適切かつ円滑にし安定したファスナー作
用が得られるようにしたものである。

上記光に提案のものは従来のスライドファスナーに比べ
て、突上げ力（スライドファスナーのエレメント噛合部
に集中的に作用するテープに垂直方向）および゛折曲げ
力（スライドファスナーを長手方向に折曲げる力）に対
する強度がかなり改善されたが、カバンやズボン等にお
けるスライドファスナーのごとき特に大きな突上げ力や
折曲げ力が作用する用途については十分安全とはいえな
い。

ファスナーの突上げ強度および折曲げ強度をさらに向上
させるためには隣接エレメント間の連結部をエレメント
の脚端付近に配置することが望ましいことが解っている
が（ファスナーに折曲げ力又は突上げ力が作用すると折
曲げ或は突上げ頂部に位置するエレメントはエレメント
間隔が拡がろうとすると同時に頂部に位置するエレメン
トの噛合頭部は隣りの噛み合っているエレメントの噛合
頭部を押しのけて浮き上ろうとする。

このとき噛合頭部から連結部までの距離が長いと隣り合
うエレメントは互いに噛み合ったま・大きく動くことが
できる。

また、噛合頭部から連結部までの距離が長いとエレメン
トは弾性変形し易く噛合いは外れにくい。

）、このように連結部をエレメントの脚端付近に配置す
ると、゛今度は連結部が連続ファスナーエレメント列の
中立軸線を外れる結果、ファスナー開閉時における伸縮
量が大きくなりスライダーの摺動抵抗を増す欠点を生ず
る。

また、このように連結部の伸縮量が増すと変車なるファ
スナーの開閉操作に伴って連結部が疲労し、該連結部と
脚部との接合部境界にて亀裂を生じて永続的な使用に耐
えることができない。

本発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、その目的
とするところはスライドファスナーとしての適切な柔軟
性および円滑な開閉機能を有するとともに永続的な使用
にも耐えかつ突上げおよび折曲げ強度も十分に備えた合
成樹脂製連続ファスナーエレメント列を有するスライド
ファスナーを提供することにある。

以下、この発明を図面の実施例に従って説明する。

第１図は本発明の合成樹脂製連続ファスナーエレメント
列を有するスライドファスナーを示しｆは左右一対を成
すファスナーストリンガ−１Ｓはスライダーでファスナ
ーストリンガ−ｆはファスナーテープ１の一側縁に合成
樹脂製連続ファスナーエレメント列２をエレメント取付
糸３で止着してあって、合成樹脂製連続ファスナーエレ
メント列２は、第２図及び第３図図示の如く、押出し成
形によって得られた平担状を成す連続ファスナーエレメ
ント列素材４を折曲げ手段によってＵ字状に屈曲して製
造されるもので、この素材４は回転するダイホイールを
有する押出し機（図示せず）で成形されたもので、ダイ
ホイールに連続ファスナーエレメント列素材４に相応し
た連続キャビティが形成されており、個々の単位ファス
ナーエレメント素材５を合成樹脂製連結部９で一体に連
結していると共に、該連結部９と平行して連結糸１０を
挿通している。

この連続ファスナーエレメント列素材４を噛合頭部６を
中心としてＵ字状に屈曲することにより第４図及び第５
図図示のように、噛合頭部６と該噛合頭部６から延設し
た上下脚部７，７から成る各単位ファスナーエレメント
８・・・・・・を、該エレメント８と連続一体を成す合
成樹脂製連結部９・・・・・・で互いに一定の間隔を保
って連結してあり、且つ各上下脚部７，７の端部側に連
結糸１０，１０を、前記連結部９の列と平行し、各隣接
する脚部７，７を貫通し、しかもその脚部７，７に止着
した状態に介在している。

尚、１１はエレメント列２内に挿入されている芯紐であ
って、これを除いた構成にしても良い。

そして図示の如く、前記合成樹脂製連結部９・・・・・
・は、ファスナーエレメント８の脚端付近に配置され、
これによりスライドファスナーに十分な突上げ強度と折
曲げ強度とを付与している。

即ち、第６図に示すごとく互いにファスナーニレメン１
−８が互いに噛合ったスライドファスナーに突上げ力又
は折曲げ力Ｆが加わると、頂部に位置する噛合頭部６は
隣りの噛み合っているエレメントの噛合頭部を押しのけ
て浮、き上ろうとする。

このとき噛合軸部６は第７図に示すごとく連結部９付近
の旋回中心Ｏまわりを回動して開こうとするが、図示の
ように連結部９が脚端付近に配置されていると噛合頭部
の旋回半径が大きくエレメント頭部６は隣接するエレメ
ント頭部６と噛合したま・大きく動くことができる。

また、連結部９が脚端付近にあると、頭部６に力がかか
つても該頭部６と連結部９間のエレメント脚部の弾性変
形によって力を支えることもできる。

一方、このように連結部９を脚端付近に配置すると連結
部が連続ファスナーエレメント列の中立軸線Ｐを外れる
結果、ファスナー開閉時における連結部９の伸縮量が増
大してスライダーの摺動抵抗を増したり該連結部の疲労
破壊を招き易くなる。

そこで、本発明では図示のように連結部９の断面を隣接
ニレメンＩ・間の中央にて極小断面（第２図〜第７図の
例では円筒部含む）としてファスナー開閉時における折
曲りを容易にしてスライダーの摺動抵抗を小さくすると
ともに、隣接エレメントの対向壁１２付近にて漸次断面
を大きくしおよび該連結部９に隣り合わせて平行に連結
糸１０を設けることにより該連結部の対向壁付近におけ
る疲労破壊を防止している。

なお、連結糸１０はエレメント８の旋回中心Ｏか゛脚端
付近にくるように図示のように連結部９近くに配置され
ることがましい。

また、連結糸１０は後述する理由により連結部９より脚
端側に配置されることが望ましい。

更に、上記連続ファスナーエレメント列２はファスナー
テープ１にエレメント取付糸３で取付けられるもので、
第４図と第５図に示す実施例は織込み手段によるもので
あり、合成樹脂製連結部９と連結糸１０とを巡ぐるエレ
メント取付糸３となるテープ緯糸１３とエレメント上下
面に形成された溝ｇに係止された経糸１４との係合によ
って取付けられており、その緯糸はニードル織機（図示
せず）（ごよってエレメント１ピツチに対し２ダブルピ
ツクで打込まれている。

尚、エレメントピッチは合成樹脂製連結部９によって定
められているため、エレメント列２に掛る緯糸打込み本
数は、エレメントピッチに直接影響しない利点がある。

また、図示のように連結糸１０が連結部９よに脚端側に
配置されていると、第５図に示すごとく織り込みタイプ
の場合、連結糸１０が柔軟性を有するために緯糸が脚端
で連結糸に引き締められ緯糸と連結部に隙間を生ずるこ
とがない。

第８図の例は連結部９の隣接エレメント間の中央におけ
る断面を極小断面とし、該極小断面部より直接エレメン
トの対向壁１２に向けて漸次連結部の断面積を増大せし
めたものである。

また、第９図の例は連結糸１０を連結部９よりエレメン
ト頭部６側に配置したものである。

これらの変形例によっても先の実施例のものとほぼ同様
な作用効果が得られる。

第１０図および第１１図の例は縫い付けによるもので、
該実施例のものは合成甜脂製連結部９と連結糸１０との
間に位置し、脚部７を跨いで逆走し、該脚部７を締付け
るエレメント取付糸３と成る縫糸で例えば二重環縫いに
よって連続ファスナーエレメント列２をファスナーテー
プ１に取付けたものである。

尚、連結糸１０は糸あるいは紐によるもので図示のもの
は上下脚部７，７にそれぞれ１本あて挿通しであるが、
連結部９付近にて平行して複数本あて設けても良い。

以上のように、本発明にあっては各エレメント間の連結
部が脚端付近にあるために十分な突上げ強度と折曲げ強
度とが得られ、さらに隣接エレメントの脚部間の上下に
それぞれ同様な連結部と連結糸とを有し、各上下の連結
部は隣接エレメント間の中央にて断面が極小でしかも隣
接エレメントの対向壁付近にて対向壁に向って漸次その
断面が増大して対向壁に連なっているために、連結部中
央の極小断面部分がファスナー開閉時に折曲り易くこれ
によってスライダーの摺動抵抗を小さくすることができ
、また各エレメント間に上下２つの連結部を設け、かつ
該連結部の対向壁付近における断面積を上述したように
増大せしめるとともに連結部に隣り合わせて平行に連結
糸を設けたことにより該連結部の折れを防止しかつエレ
メント間の十分強力な連結を得ることができる。

従って本発明によるスライドファスナーは全体的に十分
な柔軟性と強さとを併せもち、スライダーの摺動抵抗が
小さく円滑に開閉操作を行うことができかつ永続的な使
用に耐えることができる。

【図面の簡単な説明】

図面はこの発明による合成樹脂製連続ファスナーエレメ
ント列を有するスライドファスナーの実施例を示すもの
で、第１図はスライドファスナーの正面図、第２図は連
続ファスナーエレメント列素材を示す正面図、第３図は
第２図ＩＩＩ−ＩＩＩ線矢視の断面図、第４図は一側の
ファスナースＩ・リンガ−の要部を拡大して示す正面図
、第５図は第４図ｖ−ｖ線矢視の断面図、第６図はファ
スナーエレメントの噛合状態を示す断面図、第７図は各
単位ファスナーエレメントの旋回（揺動）状態を示す正
面図、第８図は連結部の変形例を示すファスナーエレメ
ント列の正面図、第９図は変形例によるファスナーエレ
メント列の断面図、第１０図は連続ファスナーエレメン
ト列を縫着によって取付けている類例を示すファスナー
ストリンガ−の部分的拡大正面図、第１１図は第１０図
のＶＩ−ＶＩ線矢視断面図である。 ｆ・・・・・・ファスナーストリンガ−１Ｓ・・・・・
・スライダー、１・・・・・・ファスナーテープ、２・
・・・・・連続ファスナーエレメント列、３・・・・・
・ニレメン１へ取付糸、６・・・・・・噛合頭部、７・
・・・・・脚部、８・・・・・・単位ファスナーエレメ
ント、９・・・・・・合成樹脂製連結部、１０・・・・
・・連結糸、１１・・・・・・芯紐、１２・・・・・・
対向壁。 ２０−

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ファスナーテープと連続キャビティを有する押出し
   成形手段で製造され、前記テープの一側縁にエレメント
   取付糸によって取付けである合成樹脂製連続ファスナー
   エレメント列とを含み、その連続ファスナーエレメント
   列は、噛合頭部と該頭部から延設する上下脚部から成る
   各単位ファスナーエレメントを、該エレメントの脚端付
   近で脚部と連続一体を成す合成樹脂製連結部で互いに一
   定間隔を保って連結しであると共に、該上下の連結部は
   隣接エレメント間の中央にて断面が極小でかつ隣接エレ
   メントの対向壁付近にて対向壁に向って漸次その断面が
   増大して同対向壁に連っており、また前記上下の連結部
   に隣接して平行に設けられかつ各脚部を貫通するととも
   に該各脚部に止着されている連結糸を備えていることを
   特徴とする合成甜脂製連続ファスナーエレメント列を有
   するスライドファスナー。 ２ 前記各上下の連結部は、隣接エレメント間の中央部
   に前記極小断面の円筒部を含む特許請求の範囲第１項の
   スライドファスナー。 ３ 前記各上下の連結部は、前記隣接エレメント間中央
   の極小断面部より対向壁に向って漸次その断面が増大し
   ている特許請求の範囲第１項のスライドファスナー。 ４ 前記連結糸は、隣接する連結部のエレメント頭部側
   又は脚端側に位置する特許請求の範囲第１項のスライド
   ファスナー。 ５ 合成樹脂製連続ファスナーエレメント列は、合成樹
   脂製連結部と連結糸とを巡るエレメント取付糸によって
   ファスナーテープに取付けであることを特徴とする特許
   請求の範囲第１項のスライドファスナー。 ６ 合成樹脂製連続ファスナーエレメント列は、合成樹
   脂製連結部と連結糸との間に位置し、脚部を跨いで逆走
   するエレメント取付糸によってファスナーテープに取付
   けであることを特徴とする特許請求の範囲第１項のスラ
   イドファスナー。