JPS5951296B2 - フライヤ− - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は天ぷら鍋、フライ鍋等の新規な加熱源に関する
ものである。

最近、高層ビル・病院・老人施設・心身障害者施設・地
下街・ホテル・学校等、火災に対して高い安全性が要求
される建物や施設の、特に厨房設備の防災性か゛強く要
求されている。

火災の原因となる厨房設備の１つとして業務用フライヤ
ーがある。

従来の業務用フライヤーとしては、第１図ａおよび市に
示すガス燃焼式のものや、第１図Ｃに示す投込み電熱器
式のものが用いられている。

ガス燃焼式フライヤーは油鍋１の底部から所定間隔へだ
てた上方位置に鍋底とほぼ平行な複数のパイプ４を鍋を
貫通するように配置し、当該パイプ４にガスバーナ５か
ら燃焼ガスを送ってパイプ４を加熱し、パイプ４の熱で
油３を１８０°〜２５０℃に加熱して調理を行うもので
あるが、火災による加熱であるので゛、使用中、油に引
火のおそれがあるばかりでなく、パイプ４の損耗により
油が漏れたり又は流れ出したりした場合には大火災を招
く危険が大きい。

また投入み電熱器式のものは、油鍋１内に抵抗発熱線を
埋め込んだパイプヒータ６を投げ込んで油３を加熱する
もので、一見安全性が高いように思われるが、パイプヒ
ータ６の中に埋め込まれている抵抗発熱線は通常１００
０℃程度の高温となるので、パイプの破損等によって油
が浸透することによる発火のおそれが多分にある。

本発明者は、従来のフライヤーに存する上記のような危
険は熱源が油より高温であるために生ずるものであるこ
とに着目し、熱源が油の温度を多少上回る程度で極端に
高くはならない防災性のきわめて高いフライヤーを提供
しようとするものである。

本発明の特徴とするところは、油鍋の油を循環方式で加
熱するに除毛、循環通路となる循環パイプ自身を１次巻
線から発生する磁束の磁路とし、磁束によって誘起する
誘導電流によるパイプ自身の誘導発熱効果によって油の
昇温を計るという、従来における熱交換器を省略した油
の加熱方法を基本とする。

本発明を第２図ａに示した実施例に従って説明する。

油鍋１の鍋壁の所定位置には、上下方向において１対の
貫通開孔部１ａおよび１ｂが穿孔される。

貫通孔部１ａおよび１ｂの開孔周部は鍋壁から直角に突
出して突出部１ａ’およびｌｂ’となっており、当該突
出部１ａ’、 ｌｂ’の外周にはニップル８と螺合可
能なねじが形成されている。

７はＵ字状パイプで、その両端開口部は開孔部１ａおよ
び１ｂと適合するように構成されている。

Ｕ字状パイプ７の両端部外周にもニップル８と螺合する
ねじが形成されている。

従って貫通開孔部１ａ、１ｂとＵ字状パイプ７の該当す
る両端開口部とはニップル８をもって着脱可能である。

Ｕ字状パイプ７はたとえば鋼管のごとき強磁性体材料か
らなり、衛生上の見地からは内周にステンレスあるいは
アルミパイプを重合した複合パイプを用いるのが好まし
い。

Ｕ字状パイプ７の腕７１ａと７１ｂは開口端近傍で、磁
路形成用材料例えば積層硅素鋼板からなる連結部材９で
強固に連結されている。

腕７１ａ、７１ｂの連結部材９の装着部を除くそれぞれ
の平行部には図示しない交流電源に接続する多数巻回の
１次巻線１０．１０が巻回されている。

このような構成において、Ｕ字状パイプ７の両端開口部
をニップル８を用いて油鍋１の貫通開孔部１ａ、ｌｂに
装着した後、交流電源を投入すると、電流は１次巻線１
０，１０に流れ磁束を発生し、当該磁束はＵ字状パイプ
７の腕７１ａ、７１ｂ、彎曲部７２および連結部材９に
よって構成される閉回路を磁路として流れ、かつ誘導電
流を誘起する。

前述のように、Ｕ字状パイプ７は強磁性体材料からなる
ので、上記誘導電流による発熱によって効果的に発熱す
る。

Ｕ字状パイプ７内には開口１ａ’、 ｌｂ’から油鍋
１中の油３が流入して充満しているので、パイプ７の内
壁に接している油３は昇温したパイプ７の熱を熱伝導に
より直ちに奪い昇温する。

昇温した油３は対流によって上方に位置する腕７１ａよ
り開口１ａ’を通って油鍋１内に流出し、これにかわっ
て低温の油３が開口１ｂ′を通って腕７１ｂへ流入する
。

油３のＵ字状パイプ７を介しての循環が繰り返えされる
ことによって、油鍋１の油３は次第に昇温する。

この場合、磁路の一部を構成している連結部材９は上述
の如く積層硅素鋼板からなっているので、はとんど発熱
しない。

油鍋１内の油温が所望となった時調理をする。

上記実施例では、連結部材９は油鍋１の壁から離れた位
置に配置されているが、鍋外壁と一体のよう固定配置し
てもよい。

本発明の第２の実施例を第２図すに示す。

本実施例が第１の実施例と異るところはＵ字状パイプ７
の両端部が鍋壁の開孔１ａおよび１ｂに挿通されて油鍋
１内に突出し、当該両端部を鍋の内壁にそって配置され
た強磁性体の連結部材９またとえば鋼材をステンレスな
どで被覆したもので連結して閉回路が構成され、たとえ
ばパイプ７のそれぞれの端部外周に形成されたねじに螺
合可能な２組づつのナラ）８’、 ８’および８″、
８″によって鍋壁に緊定されていることであり、その他
は同じ構成である。

従って交流電源を投入すると、１次巻線１０゜１０から
発生する磁束はＵ字状パイプ７の腕７１ａ、７１ｂ、彎
曲部７２および油鍋１の内壁側にある連結部材によって
構成される閉回路を磁路として流れ、かつ誘導電流を誘
起する。

この場合パイプ７と同様連結部材９１も強磁性体の材質
からなるので、第１の実施例でＵ字状パイプの誘導電流
による発熱によって油３の循環加熱が行われる他、油鍋
１内の連結部材９１にも誘導電流による発熱が生じ、鍋
内で直接油３の加熱が並行して行われることとなり、第
１の実施例より更に効率的に油温の上昇をもたらすこと
が可能である。

なお、鍋壁、Ｕ字状パイプ７ならびに連結部材９１との
緊定は上記実施例に限定されるものではなく、鍋壁とパ
イプ７とが着脱可能な構成で、例えば連結部材９１は鍋
壁に固着とされていてもよい。

また１次巻線１０は必ずしもそれぞれの腕部７１ａ、７
１ｂに巻回する必要はなく、いづれか一方の腕部７１に
巻回しても本発明の目的は達せられる。

本発明において、油温の調整は調理者の測温にもとすく
電源の開閉によって行ってもよいが、たとえば油鍋１の
内壁または外壁に温度センサ１１ａを取付け、当該温度
センサｌｌａの温度検知によって電源の投入・遮断を行
ってもよく、さらにそれに加えてＵ字状パイプ７の所定
外周に他の温度センサ１１ｂを取付け、当該温度センサ
１１ｂによって空焚き時におけるパイプ７の昇温を検知
して、電源を断とするようにすればさらに安全性が確保
される。

また本発明において使用される交流電源としては商用周
波数電源または高周波電源が用いられるが、高周波電源
を用いた場合には、１次巻線の巻回数が少くてすみ、加
熱源装置の軽量化が可能となる。

本発明によれば、 （１）油の加熱は、油に接しているＵ字状パイプまたは
Ｕ字状パイプと油鍋内の連結部材そのものの発熱によっ
ているので、パイプ等の発熱は熱伝導によって直ちに油
にうぽい去られ、従ってパイプ等は油温をはるかに越え
るような高温になることはなく、はぼ油温程度であるの
で、従来のフライヤーに存する高温熱源と昇温して引火
点温度に近づいた油との接触による引火事故は生ずるこ
とはない。

（２）油の加熱方法は循環式であるが、油に接するパイ
プ等そのものの誘導による発熱を利用するので、きわめ
てエネルギー変換効率が高く、省エネルギーに資すると
ころ大である。

（３）油鍋とパイプとは着脱可能に構成されているので
、油鍋の製造と加熱源側の製造とを別個に行うことがで
き、また油鍋の清掃も電源側と切離して簡易に行うこと
ができる。

（４）本発明は油鍋の油の加熱だけでなく、他の液体の
安全加熱にも応用可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図ａは従来のフライヤーの例を示す縦断面図、第１
図すは第１図ａのＡ−Ａ線断面図、第１図Ｃは従来のフ
ライヤーの他の例を示す縦断面図、第２図ａは本発明の
実施例を示す縦断面図、第２図すは本発明の他の実施例
を示す断面図である。 １・・・・・・油鍋、ｌａ、ｌｂ・・・・・・貫通開孔
部、１ａ’、 ｌｂ’・・・・・・開口端部、７・・
・・・・Ｕ字状パイプ、７１ａ、７１ｂ・・・・・・Ｕ
字状パイプの腕、９・・・・・・磁路形成用の連結部材
、９１・・・・・・強磁性体の連結部材、１０・・・・
・・１次巻線。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 油鍋の鍋壁の所定位置に穿設された１対の貫通開孔
   部に対応する端部を着脱可能なように構成した強磁性体
   よりなるＵ字状パイプと、当該Ｕ字状パイプの対向する
   開口端部を鍋壁外で連結する磁路形成用の連結部材と、
   上記Ｕ字状パイプのそれぞれの腕部またはいづれか一方
   の腕部を巻回する交流電源に接続された１次巻線とから
   なるフライヤー。 ２ 油鍋の鍋壁の所定位置に穿設された１対の貫通開孔
   部に対応する端部を着脱可能なように構成した強磁性体
   よりなるＵ字状パイプと、当該Ｕ字状パイプの対向する
   開口端部を鍋の内壁側で連結する強磁性体の連結部材と
   、上記Ｕ字状パイプのそれぞれの腕部またはいづれか一
   方の腕部を巻回する交流電源に接続された１次巻線とか
   らなるフライヤー。