JPS594966B2 - 延縄漁船における延縄処理方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は延縄漁船において海中から延縄を引揚げるライ
ンホーラの運転者がラインホーラの操作を行うと同時に
延縄の引揚げ速度、搬送装置上の滞留状況に応じて搬送
速度と格納庫への送り込み速度とを制御する延縄処理方
法に係り、一人の運５ 転者によつて幹線の処理を整然
と行うことができるようにしたものである。

第１図は延縄漁船の概略を示し、舷側の作業台５の上に
設置したラインホーラ６によつて海中の延縄１を引揚げ
、枝線３および浮子４を外して幹１０縄２を甲床上のス
ローコンベアＴに載せ反対側の舷側へ向つて移動させ、
これよりもつれ取り水槽８をくぐらせて舷側に沿い配置
したガイドリング９、ガイドローラ１０、ガイドパイプ
１１を通つて空中を搬送し、更にガイドローラ１２、も
つれ１５直しローラ１３を経て処理機１４へ至らせ、格
納庫１５にコイル状に巻きながら積重ねて収納する。

枝線３および浮子４は漁具送りコンベア１６によつて格
納庫１５と並んで船尾近くに設置した倉庫ＩＴへ納める
。スローコンベアＴ、ガイドリング２０９、ガイドロー
ラ１０、ガイドパイプ１１、ガイドローラ１２は幹線２
の搬送装置１８を構成している。投縄にあたつては格納
庫１５の幹線２をもつれ直しローラ１３、ガイドパイプ
１９を経て船尾の投縄機２０により海中へ繰出すと共に
倉庫２５１？の枝線３、浮子４をスローコンベア２１に
よつて船尾へ送り幹線２に取付ける。延縄１の引揚げ速
度は魚の捕獲率、海中における延縄１の張力、漁船上で
の枝線３、浮子４の取外し作業速度等に応じて運転者が
ラインホーラ６３０の運転速度を制御することによつて
調整され、更にスローコンベア１の上の幹線２の滞留状
態に応じてスローコンベアＴと処理機１４との運転速度
をそれぞれに配属させた運転者が制御する。

従つて少なくとも玉入の運転者が必要であり、しかも３
５各運転者がタイミングよくそれぞれの運転速度を制御
するのはきわめて困難である。また、格納庫は複数個数
設けるのが普通であつフ１−て、その一つに格納し終つ
て次に幹縄を移すときに作業員が必要であり、しかもこ
の移しかえ作業は危険を伴う。

本発明はこれらの問題点を解決することを目的としたも
のであつて、延縄引揚げ用のラインホーラと、幹縄搬送
用のスローコンベアを含んだ搬送装置と、幹縄を格納庫
へ収納させる処理機とを具え、前記格納庫は一個であつ
てその中心の竪の旋回軸に取付けた水平方向へ延びる腕
に前記処理機が装備されている延縄漁船において、ライ
ンホーラ運転者の操作によりラインホーラの運転速度を
制御して延縄の引揚げ速度を調整し、また前記ラインホ
ーラ運転者が発する電気信号によつて前記スローコンベ
ア、旋回軸および処理機の運転速度を制御して幹縄の送
り速度を最低から最高まで変化させ、且つ幹縄を少しず
つずらしながら螺旋状に格納庫へ収納することを特徴と
している。

次に本発明の実施態様を説明する。図面において、ライ
ンホーラ６は液圧モータからなる原動機２２を具え、ス
ローコンベア７は電動機からなる原動機２３を具えてい
る。

甲床上の格納庫１５は平面正八角形の外壁２４とその中
心の円形の内壁２５と外側から中心に向い低くなる傾斜
した底２６とによつて形成され、中心の支柱を兼ねた内
壁２５の上方に竪に支持させた旋回軸２７に水平方向へ
延びる腕２８の基端部が片持ち式に取付けられていると
共にこの腕２８の先端部に処理機１４が装備され、液圧
モータからなる原動機２９を旋回軸２７へ伝動機構３０
により結合して旋回軸２７および腕２８を所定方向へ連
続的に旋回させる。処理機１４は格納庫１５の外壁２４
と外壁２５との中間点上を円状の軌跡を画いて移動する
もので、液圧モータからなる原動機３１により駆動され
る送り転子３２およびこれと対向した挟み転子３３と、
それらの隙間の下方に配置され出口端が下側方へ開口し
ている曲管３４と、この曲管３４の出口端に突出長さお
よび角度が可調整に取付けられた樋状の案内３５とを具
え、曲管３４は前記原動機３１より伝動機構３６を経て
回転させられる。搬送装置１８によつて送られ格納庫１
５の中心上方に設置したもつれ直しローラ１３を通つた
幹縄２は送り転子３２と挟み転子３３との間を通過して
送りを与えられ、次で曲管３４を通過して方向を変えな
がら下側方へ放出されて格納庫１５へ螺旋状に収納され
る。

このとき旋回軸２Ｔを回転することによつて螺旋が少し
ずつずれながら形成され、格納庫１５へドーナツ状にほ
ぼ隙間なく積重ねられるのである。尚、腕２８は中央部
で折曲げ可能となつていて、投縄時に先端側を中心方向
へ折返し幹縄２の繰出しに支障を与えないようになつて
いる。前記の各液圧モータからなる原動機２２，２９，
３１は漁船のエンジンで駆動される液圧ポンプで発生さ
せた圧液によつて運転されるもので、それぞれの圧液管
路に挿入した電磁切換弁、比例電磁流量制御弁のような
制御弁を自動操作して流量を制御し或いは可変容量液圧
モータを採用してそれらのサーボモータを自動操作する
ことによつて運転速度を無段階に制御する。

また電動機からなるスローコンベア７の原動機２３は極
数を変える等にょって運転速度を制御する。もつとも、
各原動機を全て液圧モータで構成し或いはいくつかを電
動機で構成することは任意であり、更に運転速度は変速
機を設けてこれを自動操作することにより無段階或いは
有段階に制御し、更にまた運転者の発する電気信号を有
段階としてその指令に応じた運転速度に制御することも
ある。スローコンベア７、旋回軸２７、処理機１４の各
原動機２３，２９，３１は各別にまたは連動して制御さ
れる。

第４図は前記三つの原動機２３，２９，３１による運転
速度制御用の電気信号を各別に発する例を示し、ライン
ホーラ６の原動機２２の運転速度を制御する中空軸状の
操作レバー３７の先端部に三個の環状の握り３８，３９
，４０を各別に回動可能に嵌装すると共にそれぞれに対
応する可変抵抗器４１，４２，４３を操作レバー３７に
内蔵固定し、それらの摺動子４４，４５，４６を操作レ
バー３７の円周方向へ延びる溝４７，４８，４９に嵌入
して握り３８，３９，４０に固定して構成されている。

操作レバー３７によつてラインホーラ６による延縄１の
引揚げ速度を調整し、それによつてスローコンベア７の
上に滞留する幹縄２の量が増大したときはスローコンベ
ア７、旋回軸２７、処理機１４を高速度で運転し、減少
したときはこれらを低速度で運転するように握り３８，
３９，４０を回動する。電気信号は可変抵抗器４１，４
２，４３によつて連続的に変化する電流値となつて発せ
られる。第５図はスローコンベア７、旋回軸２７、処理
機１４を一斉に連動して制御する例を示し、ラインホー
ラ６の原動機２２の運転速度を制御する操作レバー５０
に停止、低速、中速、高速の四種の電気信号を発する押
釦５１，５２，５３，５４を設けたもので、単一の信号
で一斉に運転速度が制御される。

第６図はラインホーラ６の原動機２２の運転速度を制御
する操作レバー５５に第４図の実施例と同様の二個の可
変抵抗器を内蔵しそれらの摺動子を固着した二個の握り
５６，５７を回動可能に嵌装したものであつて、一つの
握り５６はスローコンベア７の運転速度を無段階に制御
し、別の握り５７は旋回軸２ｒと処理機１４との運転速
度を同時に無段階に制御する。

尚、このような制御用の電気信号はラインホーラ６に附
設したまたはその近くに設置した操作盤のダイヤル、押
釦等によつて発することもできる。

また、漁具送りコンベア１６の運転速度も併せて制御す
ることが可能であり、幹縄更には枝縄、浮子の送り速度
を零を含む最低から最高まで変化させる。以上のように
本発明は、ラインホーラ運転者がその受持ちであるライ
ンホーラを操作して延縄の引揚げ速度を調整すると同時
にスローコンベア、処理機およびその旋回軸の各駆動用
原動機の速度を直接または間接に変えて運転速度を制御
する電気信号を発するものであるから、魚の捕護率、海
中における延縄の張力、漁船上での枝縄や浮子の取外し
作業状況などに応じて延縄の引揚げ速度を調整したとき
、これによつて搬送装置上の幹縄の滞溜量が増加または
減少してもラインホーラ運転者の判断によつてスローコ
ンベア、旋回軸、処理機のいずれかまたは全部の運転速
度を高速成いは低速に制御しまたは停止させ、搬送装置
に常時適量の幹縄を滞溜させることができるのである。
また、格納庫は一個でありその中心の旋回軸に取付けた
腕に処理機を装備したので、幹縄をドーナツ状に積重ね
連続して収納することができ、従来のように次の格納庫
へ移しかえるという危険を伴う作業が解消され安全と能
率の向上が計れるばかりか、搬送装置上の幹縄の滞溜量
に応じて旋回軸と処理機の運転速度を制御することによ
つて幹縄を少しずつずらしながら螺旋状に収納し整然と
且つほぼ隙間なく格納庫に積重ねることができるのであ
る。即ち、本発明によると延縄を海中から引揚げてその
幹縄を格納庫に収納するまでの原動機駆動の各機器を一
人の運転者でタイミングよく操作し、且つ格納庫間で幹
縄を移しかえる作業員も不要で、最大限の省人化を計つ
て延縄を合理的に処理できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は延縄漁船の概略を示す斜視図、第２図はその処
理機と格納庫との部分の縦断面図、第３図は第２図Ｘ−
Ｘ線に沿う拡大断面図、第４図、第５図および第６図は
電気信号を発する機構のそれぞれ異なる実施例を示す図
である。 １・・・・・・延縄、２・・・・・・幹縄、６・・・・
・・ラインホーラ、７・・・・・・スローコンベア、１
４・・・・・・処理機、１５・・・・・・格納庫、１６
・・・・・・漁具送りコンベア、１８・・・・・・搬送
装置、２２，２３，２９，３１・・・・・・原動機、３
７・・・・・・操作レバー ３８，３９，４０・・・・
・・握り、４１，４２，４３・・・・・・可変抵抗器、
５０・・・・・・操作レバー、５１，５２，５３，５４
・・・・・・押釦、５５・・・・・・操作レバー ５６
，５７・・・・・・握り。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 海中の延縄を引揚げるラインホーラと、枝縄を外し
   た幹縄を搬送するスローコンベアを含んだ搬送装置と、
   幹縄を格納庫へ送り込んで積重ね収納する処理機とを具
   え、前記格納庫は一個であつてその中心の竪の旋回軸に
   取付けた水平方向へ延びる腕に前記処理機が装備されて
   いる延縄漁船において、ライデホーラ運転者の操作によ
   りラインホーラの運転速度を制御して延縄の引揚げ速度
   を調整し、また前記ラインホーラ運転者が発する電気信
   号によつて前記スローコンベア、旋回軸および処理機の
   運転速度を制御して幹縄の送り速度を最低から最高まで
   変化させ、且つ幹縄を少しずつずらしながら螺旋状に格
   納庫へ収納することを特徴とする延縄処理方法。