JPS5949311B2 - 模様付ホウロウ製品並びにその製造方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は模様付ホウロウ製品とその製造方法に関するも
のである。

ホウロウ浴槽、ホウロウ洗面台等のホウロウ製品におい
ては、そのホウロウの美麗性、堅牢性、耐腐食性等のた
めに長期にわたつて豪華な外観を保有する。

しかしながら、最近においては、ホウロウ製品にも、模
様面でのデザイン化が望まれている。

かかるホウロウ面への模様付方法としては、低火度フリ
ットを使用する土練焼付けが知られているが、製品使用
中での頻繁な摩擦下では剥げ易く、特に、清掃、入浴者
の出入が頻繁である浴槽においては問題がある。ところ
で、ホウロウ浴槽においては、ホウロウ面がすベク易い
面であり、入浴者がすベクのために入浴に不便を感じた
ヤ、特に、老人、子供等においてはすべつて怪我をする
可能性もあるので、すベク止めを付することが安全であ
る。

而るに、上記模様にすベク止め機能をも具備させること
ができれば、すベク止め付施の工程を省略でき、ホウロ
ウ浴槽の製造工程上有利である。しかしながら、上記し
た土練焼付けによる模様付けでは、別にすベク止め付施
を行う必要があり、か・る点からホウロウ浴槽の製造工
程上も不利である。上記模様にすベク止め機能をも具備
させる手法として、浴槽母材を製造する際に母材の素地
に凹凸模様を付し、該母材にホウロウを焼付けることが
考えられるが、ホウロウ焼成時に凹面でのホウロウのた
れ現象が避けられず、ホウロウ層厚さの不均一化による
焼成不良が発生し、しわ等による外観不良が顕著となる
。本願発明は、上述の点に鑑み、ホウロウ面の美麗さを
保持して、摩損がなく、かつすベク止め機能を具備せる
模様を付した模様付ホウロウ製品とその製造方法を提供
することにある。

すなわち、本願第１発明に係る模様付ホウロウ製品は、
製品母材上にホウロウ層が形成され、該ホウロウ層には
模様状の凹部が形成されていると共に、該凹部内には前
記ホウロウ層と異色の無機質塗料が、その表面を前記ホ
ウロウ層上面よシ高く盛う上げて充填されて成ることを
特徴とし、本願第２発明に係る模様付ホウロウ製品の製
造方法は、ホウロウ層を形成した製品表面に模様付マス
キングシートを添着し、ホウロウ面を研磨材の吹付けに
よう上記マスキングシートの模様部分に｝いて除去させ
、研磨材の吹付け後、マスキングシートをホウロウ面よ
）剥離することなく、異色の無機質塗料を塗布し、乾燥
後にマスキングシートをホウロウ面より剥離することを
特徴とするものである。

本発明の対象であるホウロウ製品は、鋳鉄、鋼板製等の
製品母材にホウロウを焼成せるものであればよく、主な
製品はホウロウ浴槽、ホウロウ洗面台等である。

以下、本願発明をホウロウ浴槽についての実施例に基づ
き説明する。

第１図は本願第１発明の実施例に係るホウロウ浴槽の断
面図を示している。

第１図に｝いて、１は鋳鉄又は鋼板製の浴槽母材、２は
焼成したホウロウ層であう、このホウロウ層２は、下引
釉２１と上面釉２２とから構成されている。

３，・・・は浴槽底面並びにフランジ面に｝ける模様パ
ターンの凹部である。

４は凹部３内に焼付けた耐熱性の異色無機質塗料（例え
ばシリコンを主成分とする無機質塗料）であう、この焼
付塗料によつて、模様はホウロウ面に対して着色模様と
されている。

上記に｝いて、焼付塗料４の厚さは、第２図に示すよう
に、ホウロウ面２０よ）もや〜盛上げた厚肉とされてい
る。

第３図Ａ乃至第３図Ｃは本願第２発明の実施例に係る模
様付ホウロウ浴槽の製造方法を示している。

第３図Ａに｝いて、Ａはホウロウ浴槽を示し、１は鋳鉄
又は鋼板製の浴槽母材、２はホウロウ層であり、下引釉
２１と上面釉２２とから構成されている。

Ｂｉ・・はマスキングシートであう、例えば、第４図に
示すような模様が打抜かれている。このマスキングシー
トＢには、裏面粘着プラスチツクシートを使用すること
ができる〇本願第２発明を実施するには、まず、第３図
Ａに示すように浴槽内底面、浴槽フランジ面等に上記マ
スキングシートＢｉ・・を添着し、而るのち、研磨材の
吹付け、例えば、サンドブラスト（ガラスビーズ、砂等
の硬質粒子を空気又は水で吹付ける方法）によつて、第
３図Ｂに示すように、マスキングシートＢＶＣ＄？ける
模様部分のホウロウ上層２２を研磨除去する。

この除去によシ出来る凹部の深さは下引釉２１に達しな
い深さである。

この研磨除去後は第３図Ｃに示すように耐熱性の異色無
機質塗料４をスプレー法にようホウロウ凹部内面３，・
・・に塗布し、該塗料の乾燥後、マスキングシートＢを
剥離し、塗布層４，・・・を焼付ける。

この焼付け温度は通常１００〜２００℃である。上記に
｝いて、マスキングシートＢには、第５図に示すように
、シヨツトプラストで容烏に研磨除去できるフイルムｂ
を貼着したものを使用できる。上述した通り、本願第１
発明に係る模様付ホウロウ製品に｝いては、模様がホウ
ロウ面の凹部に充填した無機質塗料の盛）付けによつて
付施されているから、上絵焼付けの場合のように摩耗に
よる消失のおそれがなく、又、凹凸模様を付した製品母
材にホウロウを焼成する場合のようにホウロウ面の外観
不良もない。

而して、本願第１発明に係るホウロウ製品はホウロウ面
の美麗さを保持して耐摩耗性に秀れた模様を備えて寂う
、特に、ホウロウ浴槽の場合は、その模様がすべう止め
としても機能する利点がある。又、本願第２発明に係る
模様付ホウロウ製品の製造方法は、上記模様付施のため
の凹部形成に、サンドブラスト等の研磨材吹付け法を使
用して｝り、研磨速度の調節が容易であるから、過剰エ
ツチングによる製品母材の損傷がなく、特に、ホウロウ
浴槽に適用する場合はその模様が滑り止め機能を有する
ため、別途滑ジ止め加工を行う必要がなく、ホウロウ浴
槽の製造工程上、有利であるといつた利点もある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本願第１発明に係る模様付ホウロウ製品を示す
説明図、第２図は第１図に｝ける点線枠内を示す拡大説
明図、第３図Ａ、第３図Ｂ並びに第３図Ｃは本願第２発
明に係る模様付ホウロウ製品の製造方法を示す説明図、
第４図は本願第２発明に訃いて使用するマスキングシー
トを示す説明図、第５図は本願第２発明に｝いて使用す
るマスキングシートの別例を示す説明図である。 図に｝いて２はホウロウ層、３，・・・・・・は凹部、
４，・・・・・・は無機質塗料、Ｂはマスキングシート
である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 製品母材上にホウロウ層が形成され、該ホウロウ層
   には模様状の凹部が形成されていると共に、該凹部内に
   は前記ホウロウ層と異色の無機質塗料が、その表面を前
   記ホウロウ層上面より高く盛り上げて充填されて成るこ
   とを特徴とする模様付ホウロウ製品。 ２ ホウロウ層を形成した製品表面に、模様付マスキン
   グシートを添着し、ホウロウ面を研磨材の吹付けにより
   上記マスキングシートの模様部分において除去させ、研
   磨材の吹付け後、マスキングシートをホウロウ面より剥
   離することなく、異色の無機質塗料を塗布し、乾燥後に
   マスキングシートをホウロウ面より剥離することを特徴
   とする模様付ホウロウ製品の製造方法。