JPS5949309B2 - スチ−ル部材を電気泳動によりホウロウ処理する方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はスチール部材の電気泳動によるホウロウ処理技
術に利用される。

従来の技術 電気泳動によるホウロウ仕上を完全なものにするために
は、スチール部材をあらかじめ亜鉛の薄い層で被覆する
ことが必要である。

然しながら、従来の亜鉛メッキ法では、形成された亜鉛
被覆層の厚さが不均一になるという欠点がある。

特にスチール部材が独特の形をした変形部材や角部、縁
部の場合、その上に形成された亜鉛被覆層は平坦部に被
覆された亜鉛被覆層よりも厚くなるという欠点が生じる
。この様に亜鉛被覆層の厚さが不均一になる結果、後続
の電気泳動によるホウロウ処理において電流の強い箇所
では亜鉛被覆層の過度の厚さのためにホウロウの密着性
が障害を受ける。発明が解決しようとする問題点 本発明は、これら従来法の欠点を改良し、均一な薄い亜
鉛被覆層をスチール部材に施すことができる新規な亜鉛
電気メッキ方法を解決する。

更に、本発明はスチール部材の表面に均一且つ強固にホ
ウロウを密着させるスチール部材の電気泳動によるホウ
ロウ処理方法を解決する。問題点を解決するための手段 上述した問題点は、スチール部材を電気泳動によりホウ
ロウ処理するに当ク、スチール部材を鉄よりも標準電極
電位の高い金属の塩を含有する活性化溶液中に浸漬して
、該スチール部材の表面を活性化し該金属の薄層を非電
気的に沈着させ、ついでこの様に金属の薄層が被覆され
たスチール部Ｊ材を亜鉛の塩を含有する亜鉛メッキ浴中
に浸漬して該スチール部材に亜鉛の層を電気メッキした
後電気泳動によりホウロウ処理することによつて解決さ
れる。

本発明の特徴は電気泳動によりホウロウ処理さ、れるス
チール部材を鉄よりも標準電極電位が高い金属の塩の形
で含む活性化溶液に浸漬しあらかじめ該金属の薄層を被
覆するという点にある。

本発明で使用する活性化溶液は通常酸から成つていて、
スチール部材の表面を活性化するために使用される。本
発明の活性化溶液は代表的には塩酸あるいは硫酸の如き
鉱酸と酢酸の如き有機酸を使用する浴である。

本発明で使用する代表的な活性化溶液の組成を下記に示
す。ここで例示した活性化溶液の内パラジウム、錫ある
いはコバルトを使用するものは高価であるので実用上は
鋼か銀が好ましく、安価であるという点から銅がより好
ましい。

上述した活性化溶液でスチール部材を処理する温度は約
１８℃〜約９０℃の範囲であり１好ましくは約１８℃〜
２５℃の間に維持される。

又、活性化溶液中でスチール部材を処理する時間は活性
化溶液の組成およびその温度に依存して約１０秒〜約１
分間あるいはそれ以上の範囲で変化される。活性化溶液
のＰＨは約０．３〜６．０の範囲であシ、好ましくは約
０．３〜約１．０の範囲に維持される。活性化溶液中の
条件は上記標準電極電位が鉄ようも高い金属の被膜の厚
さがスチール部材の表面積１イ当り０．１ｆを越えない
様に調節されなければならない。標準電極電位が鉄よシ
も高い金属は、スチール部材の表面が活性化されると、
薄く且つそれ程稠密でない被覆としてスチール部材の表
面に沈着される。電気化学的観点からは、スチール部材
の表面に標準電極電位が鉄よりも高い金属が存在するた
め表面がよう活性化され、更にその表面を亜鉛を電気メ
ツキすると、亜鉛がスチール部材表面に強く且つ均一に
分布される。

本発明の利点は、標準電極電位が鉄ようも高い金属の存
在によ）電気化学的観点からスチール部材表面がより活
性になつているため亜鉛が均一且つ強固にメツキされる
ということである。

例えば、スチール部材の先端部、角部や縁部に亜鉛が過
度に厚く被覆されることがない。従つて、本発明により
、スチール部材にホウロウ処理を施すに先立つて、標準
電極電位が鉄よジも高い金属の薄層で被覆した後その表
面を亜鉛メツキしないでホウロウ処理することによつて
、亜鉛被覆と形成されたホウロウ被覆がスチール部材表
面に密着して形成されるという利点がある。本発明で使
用される亜鉛メツキ処理浴は通常のものでよく、代表的
な亜鉛・ツキ浴の諸元は、塩化亜鉛（１９０〜２００ｒ
／ｔ）＄？よびノンアルキルフエノールポリグリコール
エーテルの如き湿潤剤（３０〜４０Ｖ／ｔ）から成ｌ！
）．ＰＨ（４．５〜５．５）；温度（１８〜３０℃）；
浸漬時間（１０〜６０秒）｝よび電流（１．０〜３．５
ａｍｐｖ／Ｄｍ２）である。

以下実施例訃よび比較例を掲げて本発明の構成訃よび効
果を説明する。

実施例１ Ａ．使用した活性溶液の組成およびＰＨ Ｂ．使用した亜鉛メツキ浴の組成｝よびＰＨｌＯＯｌｍ
ｔＸｌ５Ｏｌ×１ｍのスチール板を活性化溶液に２０℃
で約１分間浸漬してスチール部材に表面積１イ当ＶＯ．
Ｏ８グラムの厚さの均一なＣｕの薄層を被覆した。

ついで、スチール板を活件化浴からとシ出して洗滌した
後亜鉛メツキ浴に２０℃で３５秒間浸漬して２ａｍｐシ
勺Ｍ２通電して１イ当シ０．７グラムの均一な厚さの亜
鉛を被覆した。第１図は亜鉛メツキした表面を示す写真
で、スチール部材の端から中央部まで亜鉛の層の厚さが
均一であることがわかる。

写真の白い無数の線はメツキ後に出来た傷である。然る
後、スチール板を電気泳動法によつてホウロウ処理した
。

ホウロウと亜鉛被覆層との密着度をテストするためホウ
ロウ表面に、先端に８．５１（φ）のボールを有する重
量１１！Ｃｆの金属棒を７０ｃｍの高さから重力落下さ
せて目視観察した所ホウロウの剥落は殆どなかつた。第
３図はその状態を示す写真である。表示した活性化溶液
｝よび亜鉛メツキ浴を用いた以外には実施例１と同じ条
件を用いて同じ形状のスチール板を電気泳動によりホウ
ロウ処理して同じテスト法によつてホウロウの仕上度を
テストした所ホウロウは殆ど剥落しなかつた。

比較例 １００Ｕ１Ｘ１５０１ａ１１×１１ｍｉのスチール板に
、実施例１で用いた同じ組成の亜鉛メツキ浴を用い同じ
条件で亜鉛を被覆した。

第３図はその状態を示す写真である。スチール板の縁周
辺部がまだらにメツキされていることがわかる。尚、無
数の白い線はメツキ後形成された傷である。然る後実施
例１と同じ条件で電気泳動によつてホウロウ処理した後
、実施例１と同じテスト方法でホウロウの仕上度をテス
トした所金属棒が接触した部分のホウロウは５０９１１
以上が剥落しスチール板が露出した。第４図はその状態
を示す写真である。発明の効果 実施例１〜５｝よび比較例を通覧することによつてスチ
ール部材を直径Ｚｎの薄層で被覆した後電気泳動法によ
りホウロウ処理する従来技術にくらべ、スチール部材を
Ｃｕ．Ａｇ，．Ｐｄ．．Ｓｎ．ＣＯ等標準電極電位がＦ
ｅよシも高い金属の薄層で被覆し、更にＺｎの薄層で被
覆した後電気泳動法によシホウロウ処理することによつ
てホウロウとＺｎ層が強固に密着することが理解される
。

これはＣｕ．Ａｇ．．Ｐｄ，．Ｓｎ↓ｏ等標準電極電位
がＦｅよジも高い金属で被覆した後Ｚｎ層を被覆するこ
とによりＺｎが均一な厚さで被覆され、従つてスチール
部材の全表面の電気伝導度が均一になシ後続工程の電気
泳動法によるホウロウ処理に寄与するものと考えられる
。

【図面の簡単な説明】

第１図｝よび第２図は各々本発明｝よび従来法によるＺ
ｎメツキの表面状態を示す写真であシ、第３図｝よび第
４図は各々本発明｝よび従来法による電気泳動法による
ホウロウの仕上度をテストした結果を示す写真である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ スチール部材を電気泳動によりホウロウ処理するに
   当り、スチール部材を標準電極電位が鉄よりも高い金属
   の塩を含有する活性化溶液中に浸漬して該スチール部材
   の表面に標準電極電位が鉄よりも高い金属の薄層を無電
   解メッキし、ついでスチール部材を亜鉛の塩を含有する
   亜鉛メッキ浴中に浸漬して該スチール部材に亜鉛の薄層
   を電気メッキした後電気泳動によりホウロウ処理するこ
   とから成るスチール部材を電気泳動によりホウロウ処理
   する方法。