JPS594494B2 - 押出加工性のすぐれた中力アルミニウム合金 - Google Patents

押出加工性のすぐれた中力アルミニウム合金

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JPS594494B2
JPS594494B2 JP6571377A JP6571377A JPS594494B2 JP S594494 B2 JPS594494 B2 JP S594494B2 JP 6571377 A JP6571377 A JP 6571377A JP 6571377 A JP6571377 A JP 6571377A JP S594494 B2 JPS594494 B2 JP S594494B2
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strength aluminum
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庸 竹内
紘一 大堀
昌文 初鹿
進一 小森
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Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、すぐれた押出加工性を持つと共に、構造材
として使用できる適度な強度(中力)を有するアルミニ
ウム合金に関するものである。
近年、アルミニウムおよびアルミニウム合金は、軽くて
美しく、シかも適度の強度や耐食性を有する上に、加工
性にもすぐれていることから、建築運輸車輛等の各種構
造物材料として使用されるようになり、これ等のアルミ
ニウムおよびアルミニウム合金の持つ特性をできる限り
発揮するために押出形材として使用されている。
これは押出形材として使用することによって製作時の手
間や時間の節減、材料歩留りや寸法精度の向上等が期待
できるからである。
従来、古くから使用されている熱処理型展伸用合金とし
てはAl−Mg−8i系合金があり、特にMg:0.4
5〜0.9%、Si:0.2〜0.6%を含有するAl
−Mg−8i系合金、すなわちJI86063合金は、
押出加工性が極めてすぐれていることから、現在アルミ
ニウム押出型材のほとんど大部分を占めているのが現状
である。
しかしながら、この合金は、比較的低い強度しか有して
おらず、構造材としで使用する場合に要求される適度な
強度(中力)を備えていないという問題点がある。
また、Al−Mg−8i系合金としては、この他に、M
g:0.8〜1.2%、S i : 0.4〜0.8%
を含有するJI86061合金や、Mg:0.5〜1.
2%、S i : 1.0〜1.7%を含有するAA6
070合金が知られ、使用に供されている。
この両合金は、上記のJIS6063合金に比較して熱
処理後の強度が著しく大きいので、構造材等の強度部材
として使用するのに適したものではあるが、加工性、特
に押出加工性に難点があり、したがって押出加工に際し
て生産性が低く、シかもしばしば加工割れによる欠陥が
発生する等の問題点を有していた。
このようなことから、構造材として使用することのでき
る適度な強度(中力)を有し、かつ加工性、特に押出加
工性にすぐれたアルミニウム合金の開発が強く望まれて
いるのである。
そこで、本発明者等は、上述のような観点にもとづき、 (a) 構造材として使用できる適度な強度、すなわ
ち、熱処理後30kg/ma以上の材料強度(中力)を
有すること。
(b) 建築用材料等の構造材として用いても、十分
な耐食性を有すること。
(C) 押出加工性が良好で、加工中に加工割れによ
る欠陥を生ずることがなく、特にその押出加工性が従来
のJI86063合金に匹敵するものであること。
(d) 材料コストが従来のものに比して高くならな
いものであること。
以上(a)〜(d)項に示す条件を満足するアルミニウ
ム合金を得べく研究を行った結果、kl−Mg−8i系
の合金のうち、加工性、特に押出加工性が極めてすぐれ
ているJI86063合金を基本とし、この合金のMg
とSiの含有量を厳密な特定の範囲に選んだものに、種
々の合金元素の中でも、特にZnを含有していくと、Z
nは合金中に固溶してゆき、Znをある特定の値を越え
て含有させると、他の性質にはほとんど影響を与えずに
マトリックスを強化し、同時に合金中のMgおよびSi
の見掛けの過飽和度を増し、Mg2Siをより微細に析
出させて、その合金の強度を向上させるという現象が現
れ、さらにその含有量を増加させた場合、ある特定の値
を越えると、今度は耐食性や延性が阻害されるという現
象が現われるという知見を得たのである。
したがって、この発明は上記知見にもとづいてなされた
ものであって、重量%で、 Mg:0.45〜1%未満、 Si:0.3〜0.8%、 Zn:1〜2.5%、 を含有し、さらに必要に応じて、 Cu : 0.05〜0.3%、 Z r : 0.03〜0.25%、 Mn : 0.0 :3〜0.5%、 Cr : 0.03〜0.3%、 のうちの1種または2種以上を含有し、残りがklと不
可避不純物からなる組成を有し、かつJI86063合
金と同等、あるいはこれ以上の押出加工性を有し、しか
もJIS6063合金に比して高強度を有するアルミニ
ウム合金に特徴を有するものである。
つぎに、この発明のアルミニウム合金において、成分組
成範囲を上記の通りに限定した理由を説明する。
(a) Mg + S t NおよびZnMg、Si
、およびZn成分には、これらが共存した状態で合金の
強度を向上させる作用がある。
すなわち、これらの成分を、それぞれMg:0.45〜
1%未満、Si:0.3〜0.8%、およびZn :
1〜2,5%含有させると、合金のマトリックス中に、
主としてMg2SiからなるG、P。
ゾーンあるいは中間相が析出するようになり、このMg
2Siの析出によって合金の強度が向上するようになる
ものであり、しかもこの場合、Znはマトリックス中に
固溶して、これを固溶強化すると共に、微細なMg2
S 1の析出量を増加させるべく作用するものである。
したがって、Mg:0.45%、Si:0.3%未満、
およびZn:1%未満の含有では、Mg2Siの析出量
が少なくて所望の中力強度を得ることができず、一方M
gおよびSiにあっては、Mg : 1%以上、Si:
0.8%を越えて含有させても、より一層の強度向上効
果が現われないばかりでなく、合金の押出加工性および
耐応力腐食割れ性に劣化傾向が現われるようになり、ま
たZnにあっては、その含有量が2.5%を越えても、
MgおよびSiと同様により一層の強度向上効果は現わ
れず、かえって合金の耐食性、耐応力腐食割れ性、およ
び延性に劣化傾向が現われるようになることから、それ
ぞれの成分の含有量を、Mg:0.45〜1%未満、S
i : 0.3〜0.8%、Zn:1〜2.5%と定
めた。
(b)Cu Cu成分には、合金の強度を高める作用があるので、よ
り高強度が要求される場合に必要に応じて含有されるが
、その含有量が0.05%未満では所望の強度効果が得
られず、一方0.3%を越えて含有させると、合金の耐
食性および押出加工性が低下するようになることから、
その含有量を0.05〜0.3%と定めた。
(c)Zr Zr成分には、押出加工性を害することなく、耐食性お
よび展延性を改善し、さらにMg成分を多く含有する場
合には耐食性および耐応力腐食割れ性をも改善す−る作
用があるので、これらの特性が要求される場合に必要に
応じて含有されるが、その含有量が0.03%未満では
前記作用に所望の効果が得られず、一方0.25%を越
えて含有させると、押出加工性および強度に劣化傾向が
見られるようになることから、その含有量を0.03〜
0.25%と定めた。
[d)CrおよびMn これらの成分には、脆性破断を防止し、展延性を改善す
る作用があり、さらにMg成分を多く含有する場合には
強度および押出加工性にほとんど悪影響を及ぼすことな
く、耐応力腐食割れ性を改善する作用があるので、これ
らの特性が要求される場合に必要に応じて含有されるが
、その含有量がMn:0.03%未満、Cr:0.03
%未満では前記の作用に所望の効果が得られず、一方M
n:0.5%およびCr:0.3%をそれぞれ越えて含
有させると、強度および押出加工性が劣化するようにな
ることから、その含有量を、それぞれMn : 0.0
3〜0.5%、Cr:0.03〜0.3%と定めた。
なお、この発明のアルミニウム合金においては、Tiお
よびBのうちの1種または2種を、Ti:0.01〜0
.2%、B:O,0O01〜0.01%の範囲内で含有
させると、鋳造組織が微細化し、品質向上がはかられる
ようになる。
つぎに、この発明のアルミニウム合金を実施例により具
体的に説明する。
実施例 通常の溶解鋳造法にて、それぞれ第1表に示される成分
組成をもった本発明A1合金1〜23およびJI860
63合金に相当する組成を有する従来A1合金をそれぞ
れ製造した。
なお、いずれのA1合金も不可避不純物としてFe:0
.14%を含有した。
まず、この結果得られた本発明A1合金1〜23および
従来A1合金について、押出試験とねじり試験を行なっ
た。
押出試験は、上記本発明A1合金1〜23および従来A
1合金のビレット(寸法:直径60mrL×長さ250
mm)を用い、300tonの水圧押出機を使用し、押
出湿度480℃、平均押出速度20m/ruttの条件
で押出加工して巾30iitx厚さ3mmの寸法をもっ
た押出材とした場合の最大押出圧力を測定することによ
って行なった。
また、ねじり試験は、一般に押出加工性を評価するもの
として加工割れを生ずることなく押出しを行ないうる限
界の最高押出速度、すなわち限界押出速度が用いられ、
これは高温低歪速度ねじり試験におけるねじり変形能に
対応すると云われていることふら、変形温度450°C
1歪速度10sec’の条件でねじりを加え、変形抵抗
と変形能の指標としての最大せん断応力と破断ひずみと
をそれぞれ測定することによって行なった。
これらの結果を第2表に示した。
第2表に示される結果から明らかなように、本発明A1
合金1〜23は、いずれも従来1’合金よりも低い変形
抵抗をもち、しかもほぼ同等の変形能を有していること
がわかる。
なお、Zrを含有した本発明A1合金においては、低い
最大押出圧力を示しているが、圧力の最大値を通過した
後の圧力の低下は極めてわずかなものであった。
ついで、本発明A[合金1〜23および従来A1合金の
鋳塊に均質化処理、熱間および冷間圧延を施j7て厘さ
1m7ILの桁材2した後、温度550°Cに1時間保
持して溶体化処理し、引続いて水冷あるいは空冷し、さ
らに湿度160°Cに24時間保持の時効処理(以下1
段時効処理という)を施した。
この結果得られた水冷板材および空冷板材につ健て引張
試験を行なったところ、第3表に示される結果が得られ
た。
第3表に示されるように、本発明A1合金1〜23は従
来A[合金に比してかなり高い強度を有し、構造材とし
て使用するのに十分な満足する強度を 有することが明らかである。
また溶体化処理に際して適用される水冷および空冷の焼
入速度の差によってもたらされる強度低下の度合は、本
発明A1合金の方が従来A1合金より小さく、従って本
発明Aj金合金従来A1合金に比して焼入感受性が鈍感
であることが推察される。
なお、上記焼入れ後の本発明A1合金に、温度80〜1
20℃で1〜4時間の予備時効処理を施し、ついで温度
160℃で8〜24時間の最終時効処理を施す、いわゆ
る2段時効処理を施した場合には、さらに1ゆ/−強の
強度向上が見られた。
また上述の押出試験後の本発明A1合金1〜23に、上
述した熱処理(上記2段時効処理は行なわず、上記1段
時効処理を適用する)と同一の条件で熱処理を施し、引
張試験を行なったところ、上記の圧延板材とほとんど同
じ値を示した。
なお本発明A1合金1〜23の陽極酸化処理性は従来合
金に比して遜色なく、シかもその酸化皮膜の耐食性は従
来A1合金のそれと同等あるいはそれ以上のものであっ
た。
これらの結果から、一般に建築用材料等は通常陽極酸化
処理を施してから使用に供されることを考慮するならば
、本発明に1合金の耐食性は構造材として使用しても満
足しつるものであることが明らかである。
なお、上記本発明A1合金1〜23に関して、耐応力腐
食割れ性について試験したが、Znの含有によって懸念
される応力腐食割れの発生は全く見られなかった。
上述のように、この発明のアルミニウム合金は、構造材
として使用できる適度な強度、すなわち熱処理後30
ky/ma以上の強度(中力)を有し、さらに押出加工
性にもすぐれた工業上有用な特性をもつのである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 I Mg:0.45〜1%未満、 Si:0.3〜0,8%、 Zn:1〜2.5%、 を含有し、残りがAlと不可避不純物からなる組成(以
    上重量%)を有することを特徴とする押出加工性のすぐ
    れた中力アルミニウム合金。 2 Mg二〇、45〜1%未満、 Si:0.3〜0.8%、 Zn:1〜2.5%、 を含有し、さらに、 CU:0.05〜0.3%、 を含有し、残りがAlと不可避不純物からなる組成(以
    上重量%)を有することを特徴とする押出加工性のすぐ
    れた中力アルミニウム合金。 3 Mg二〇、45〜1%未満、 Si:0.3〜0.8%、 Zn:1〜2.5%、 を含有し、さらに、 Z r : 0.03〜0.25%、 を含有し、残りがAlと不可避不純物からなる組成(以
    上重量%)を有することを特徴とする押出加工性のすぐ
    れた中力アルミニウム合金。 4 Mg:0.45〜1%未満、 Si:0.3〜0.8%、 Zn:1〜2.5%、 を含有し、さらに、 Mn : 0.03〜0.5%、 Cr : 0.0 :3−0.3%、 のうちの1種または2種を含有し、残りがAAと不可避
    不純物からなる組成(以上重量%)を有することを特徴
    とする押出加工性のすぐれた中力アルミニウム合金。 5 Mg:0.45〜1%未満、 Si:0.3〜0.8%、 Zn:1〜2.5%、 を含有し、さらに、 Cu : 0.05〜0.3%、 Z r : 0.0 :3−0.25%、を含有し、残
    りがAlと不可避不純物からなる組成を有することを特
    徴とする押出加工性のすぐれた中力アルミニウム合金。 6 Mg:0.45〜1%未満、 Si:0.3〜0.8%、 Zn:1〜2.5%、 を含有し、さらに、 Cu 二 0.05〜0.3 %と、 Mn : 0.03〜0.5%、 Cr : 0.0 :3−0.3%、 のうちの1種または2種とを含有し、残りがiと不可避
    不純物からなる組成(以上重量%)を有することを特徴
    とする押出加工性のすぐれた中ヵアルミニウム合金。 7 Mg:0.45〜1%未満、 Si:0.3〜0.8%、 Zn:1〜2.5%、 を含有し、さらに、 Z r : 0.03〜0.25%と、 Mn : 0.0 :3〜0.5%、 Cr : 0.0 :3〜0.3%、 のうちの1種または2種とを含有し、残りがl’と不可
    避不純物からなる組成(以上重量%)を有することを特
    徴とする押出加工性のすぐれた中力アルミニウム合金。 8 Mg:0.45〜1%未満、 Si 二 0.3〜0.8%、 Zn : 1〜2.5%、 を含有し、さらに、 Cu 二 0.05〜0.3 %と、 Z r : 0.0 :3〜0.25%と、Mn :
    0.0 :3〜0.5%、 Cr : 0.03〜0.3%、 のうちの1種または2種とを含有し、残りがAlと不可
    避不純物からなる組成(以上重量%)を有することを特
    徴とする押出加工性のすぐれた中力アルミニウム合金。
JP6571377A 1977-06-06 1977-06-06 押出加工性のすぐれた中力アルミニウム合金 Expired JPS594494B2 (ja)

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