JPS5943381Y2 - 鋼材の脱脂洗浄装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、鋼材の脱脂洗浄装置に係わり、特に作業員
が有害な有機溶剤蒸気と接触することなく脱脂洗浄作業
が行なえるよう構成した鋼材の脱脂洗浄装置に関するも
のである。

一般に冷間抽伸等によって加工される管等の鋼材は、例
えば熱処理前に加工時に使用した潤滑油等を除去する目
的をもってトリクロルエチレン（通称トリクレン）等の
有機溶剤を用いて脱脂洗浄される。

そしてその脱脂洗浄作業は、前記有機溶剤を入れた脱脂
槽内に処理すべき鋼材を浸漬する方法が簡単かつ能率的
であるため多用されている。

ところで、この種有機溶剤は毒性が強く、有害であるた
め実＠に際してその発生蒸気が槽外へ飛散しないよう注
意する必要上、従来は第１図に示す如く脱脂槽１の上部
開口２Ｖｃ例えばシリンダー３駆動により開閉する密閉
蓋４を備えると共に、槽内上部周壁に有機溶剤蒸気を冷
却凝固せしめる冷却管５を配設した脱脂洗浄装置が用い
られていた。

しかしながら、かかる従来装置［４つでも前記有機溶剤
の蒸気は一般に使用する有機溶剤の濃度が低濃度であり
、不飽和蒸気であるため冷却によって期待通りの凝結効
果を得ることは事実上不可能であった。

従って、脱脂槽１内の有機溶剤６浴面上には有害蒸気Ｉ
がたえず充満してかり、この状態で材料８を浸漬し、取
出すことになるから、脱脂槽１の蓋４を開ける度毎に有
機溶剤の蒸気Ｉが脱脂槽１の外へ拡散し、作業員が蒸気
の害を直接受ける重大な問題があった。

本考案は、上記問題を解決すべくなされたものであり、
有機溶剤の有害蒸気が脱脂槽外へ拡散することがなく、
作業員が安全に脱脂作業を行なえるよう構成した脱脂洗
浄装置の提供を目的とするもので、以下、実施例として
掲げた第２図Ｖｃｌづき本考案を説明する。

第２図は本考案脱脂洗浄装置の機構説明図であり、前記
第１図の従来装置と同様部分には同一符号をもって示し
である。

図において、１は上部開口２にシリンダー３駆動により
開閉する密閉蓋４を備えた脱脂槽。

脱脂槽１内壁上部に取付けられた９は有機溶剤吐出ノズ
ル、同じく１０は洗浄ｍ出ノズルであり、洗浄液吐出ノ
ズル１０にはシャワーあるいはスプリンクラ−等の数本
式ノズルが使用されている。

１ｋ、脱脂槽１の内底部直上［は材料８を乗せる簀の子
１１が備えられ、脱脂槽１底部には排液口１２が設けら
れている。

１３は脱脂槽１外部に設置された有機溶剤タンク、１４
ｄ同じく脱脂槽外部に設置された洗浄液タンクであって
、上記有機溶剤吐出ノズル９と有機溶剤タンク１３とは
有機溶剤供給管１５で接続され、上記洗浄液吐出ノズル
１０と洗浄液タンク１４とは洗浄液供給管１６で接続さ
れている。

これらの各供給管１５及びｌｔｌは夫々原動機Ｍ。

Ｍ′で駆動されるポンプＰ、Ｐ’が設置されており、タ
ンク１３内の有機溶剤、タンク１４内の洗浄液はこれら
のポンプＰ、Ｐ’＜よって夫々の供給管１５及び１６へ
送給され、前記有機溶剤吐出ノブル８及び洗浄液吐出ノ
ズル１０から脱脂４１内に供、治される。

また、洗浄液タンク１４Ｖｃは脱脂槽１底部の排液口１
２と接続される洗浄液回収管１８が設けられ、有機溶剤
タンク１３には上記洗浄液回収管１８途中に設けた切換
弁１９Ｖｃ接続される有機溶剤回収管１７が設けられて
いる。

すなわち、前記の如く脱脂槽１に供給された有機溶剤は
排液口１２から洗浄液回収管１８へ流れ、途中、切換弁
１８の切換によって有機溶剤回収管１７へ流れを転じ、
有機溶剤回収管１γを通って有機溶剤タンク１３に回収
される。

同じく洗浄液の場合は、排液口１２から洗浄液回収管１
８へ流れ、途中、切換弁１９の切換によってそのｉｔ真
直に洗浄液タンク１４へ回収される。

この切換弁１９Ｖｉ排液口１２の開閉機構と流体の二方
向切換機構とを兼備えるもので、自動遠隔操作され、＠
６己した如く流体が有機溶剤の場合は有機溶剤タンク１
３へ、洗浄液の場合は洗浄液タンク１４へとバッチ的Ｖ
Ｃ流路を切換え、両流体の混合を防止する段割を果して
いる。

有機溶剤タンク１３及び洗浄液タンク１４の前記各供給
管ｉ５．ｉ６及び各回収管１７．１８の配管形式は図示
実施例に限定されるものではなく、例えば有機溶剤供給
菅１５の途中に上記洗浄液回収管１８ｖＣｈけると同様
の切換弁１９を設けて、該切換弁と他の一方の洗浄液供
給管１６を接続すれば、切換弁の切換によって一つのノ
ズルで有機溶剤と洗浄液とを切換えて吐出させることが
でき、あるいは逆に切換弁１９を廃止して脱脂槽１底部
に排液口１２を二個設け、有機溶剤回収管１７と洗浄液
回収管１８の夫々を直接排液口１２と接続してもよい。

また、脱脂槽１内部に備えた前記前の子１１は脱脂処理
材料８が鋼管等である場合には、簀の子を長手方向に若
干傾斜させておけば、これらの材料金有機溶剤あるいは
洗浄液に浸漬した際、管内部に気泡を生じることがなく
、捷た排液時に液体が管内部に残溜することも防止でき
る。

上記構成の本考案脱脂洗浄装置を用いて鋼材の脱脂処理
を行なう場合、まず脱脂槽１の密閉蓋４をシリンダー３
を駆動して開け、簀の子１１上に材料８を装入する。

材料８の装入を終えると再びシリンダー３を駆動して密
閉蓋４を閉じ、ポンプＰを駆動して有機溶剤吐出ノズル
９から有機溶剤の所要量を吐出して材料８を有機溶剤に
浸漬させる。

一定の処理時間経過後、切換弁１９を有機溶剤タンク１
３へ切換えて脱脂槽内の有機溶剤を排液口１２から洗浄
液回収管１８へ排出させ、有機溶剤回収管１７を通して
有機溶剤タンク１３ｖｃ回収する。

有機溶剤の回収を終えると切換弁１９をニュー・トラル
に戻し、排液口１２を閉じる。

続いてポンプＰ′を駆動させて洗浄液吐水ノズル１０か
ら洗浄液を吐出し、脱脂槽内に残溜した有機溶剤を充分
に洗浄する。

洗浄が終ると切換弁１９を洗浄液タンク１４へ切換えて
槽内の洗浄液を排液口１２から洗浄液回収管１８へ排出
し、洗浄液タンク１４ＶＣ回収する。

脱脂構内の有機溶剤が完全に洗浄され、洗浄液が回収さ
れた後、再びシリンダー３を駆動して密閉蓋４を開き、
材料８を棚旨槽１から取出す。

以上に説明した通り、本考案脱脂洗浄装置によれば、有
機溶剤は脱脂操業時にのみ有機溶剤タンクから密閉脱脂
槽に供給されて脱脂処理後は再び有機溶剤タンクに回収
され、有機溶剤の回収後は洗浄液が構内に供給されて残
溜有機溶剤を完全に除去するから、作業易が有害蒸気に
触れる恐れは皆無であり、安全かつ衛生的に脱脂作業を
行なうことができる優れた効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の脱脂槽の機構説明図、第２図は本考案脱
脂洗浄装置の機構説明図である。 １：脱脂槽、３ニジリンダ−Ｘ ４：密閉蓋、９：有機
溶剤吐出ノズル、１０二洗浄液吐出ノズル、１１：簀の
子、１２：排液口、１３二有機溶剤タンク、１４：洗浄
面タンス １５：有機溶剤供給管、１６：洗浄液供給管
、１７：有機溶剤回収管、１８：洗浄液回収管、１９二
切換弁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 開閉自在な密閉蓋４を有し、内壁上部に洗浄液吐出ノズ
   ル１０と有機溶剤吐出ノズル９とを備え、かつ内底部直
   上ＶＣ簀の子１１を備えた脱脂槽１の外部に、前記洗浄
   液吐出ノズルに接続された洗浄液タンク＆４と前記有機
   溶剤吐出ノズルに接続された有機溶剤タンク１３とを設
   け、これらの各タンク１３．１４と前記脱脂槽１底の排
   液口１２とを切換弁１９を介して接続したことを特徴と
   する鋼材の脱脂洗浄装置。