JPS5942342Y2 - 弛み防止栓体 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、頚部にねじを有し、蓋をねじ込むことによ
って密封を行うようにした容器の密封栓において、ねじ
込みの終期において容器と蓋とを弾性的に締着するよう
にした弛み防止栓体に関する。

薬剤容器や食品容器等、家庭に普通に見られる密封容器
であって、不注意な取扱いや子供によって容易に開ける
ことが出来ないように蓋を固く緊締することが望ましい
ものが多数見受けられる。

このような容器においては、当初は普通の容器のように
容易にねじ閉めることが出来、ねじ込みの終期において
容器の頚部のねじ山あるいは蓋のねじ山の弾性を利用し
て両者を固く嵌合させるような密封栓が提案されている
。

（特公昭４６−７５１３号）この密封栓は容器頚部のね
じ山下側、あるいは蓋の内側のねじ山上側に段部を設け
、蓋をねじ閉めて行き、蓋の底面が容器頚部の上面に当
ってスラストが発生した場合に、このスラストによって
蓋側のねじが容器頚部のねじに対して相対的に引上げら
れ、この相対的なねじ山の中心軸方向の運動によって、
上記の段部に相対するねじ山が嵌合し締着される構造と
なっている。

このようなねじは、蓋をねじ閉める場合、容器の方に押
しつけるようにしながらねじ込めば、容器頚部の上級の
開口端が完全に蓋の底面に衝合した場合にのみスラスト
を発生し、容器の密閉用栓として勝れた点はあるけれど
も、蓋をねじ閉める場合、途中において蓋は持ち上がる
ような運動が加わったときは、ねじ込みの途中でもねじ
山と段部の嵌合、締着が生じてし１う恐れが強く、家庭
等での不注意な取扱いによって容器口を密閉しない１１
に、密閉し終ったものとして取扱われてしまうという問
題を生ずるものであった。

またねじ山の形状も特殊なものとなっている。

この考案は、このような欠点を含１ず、不注意ｉねじ込
みによっても、常にねじ締めの最終部分においてのみね
じ山の締着が生ずるようにしたものである。

以下図面によって詳細に説明する。

第１図は例えばプラスチック製の容器１０顆部の側面図
であり、蓋内面の雌ねじが螺合するねじ山２が設けられ
ている。

ねじ山の間は谷となるが、ねじの終端部に釦いては、第
２図に部分拡大図を示すようにねじ山間の谷を埋める段
部３が設けられ、この段部ｄの高さはこれに螺合される
蓋内面の雌ねじのねじ山４が、段部への進入によって嵌
合し、摩擦力によってこれに締着される程度にされてい
る。

一般に、この種の容器の蓋を螺着するためのねじは、ピ
ッチを粗くし、ねじ締めに要する蓋の回転数を少なくし
てあり、そのため、ねじ山は第３図にその平面図を示す
ように２条２，２′ないし３条設けるのが普通である。

従って、上記の段部もそれぞれのねじ山２，２′に対し
てそれぞれの段部３．３′が設けられる。

このように、段部が蓋に対して軸対称に設けられると、
蓋の雌ねじのねじ山４が段部３に係合しても、そのため
に容器に対して蓋が傾いて締着され、容器開口の密封が
不完全になったり、使用者に密封出来ないのではないか
といった不安感を起させるような恐れはない。

この実施例では、ねじ山間の段部３，３′は容器側のね
じの終端部に設けられたが、これは蓋内面の雌ねじの終
端部近くに設けられてもよいことは云う筐でもない。

この考案は上記のように極めて簡単な構造であるが、次
のような顕著な効果を生ずる。

■ ねじ終端部に段部を設けるだけで、蓋をねじ閉める
と、閉め終る直前にトルクが増し、取扱い中小用意に蓋
がゆるむことがない。

■ この段部は容器や蓋の成形時に一緒に成形でき、し
かもねじ山の形状は従来のものと同一なので、製造が極
めて容易である。

■ ねじはその終端部においてのみ嵌合するので、公知
のもののように締め方に特に注意を払う必要はない。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の栓体の側面図、第２図はその部分Ａ
の拡大断面図、第３図は同じく平面図である。 １：容器、２：ねじ山、３：段部、４：雌ねじのねじ山
。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 容器頚部の２条あるいは３条のねじに蓋を螺着するよう
   にした栓体において、互に螺合する雄・雌ねじの各々の
   ねじ山の少なくとも一方の終端部に、該ねじ山間の谷を
   埋め連続してのびる段部を、該ねじの中心軸に対称に設
   け、これに螺合するねじ山が、ねじ締めの終期に、該段
   部に嵌合締着されることを特徴とする弛み防止栓体。