JPS5940579B2 - 立方晶系窒化硼素／焼結カ−バイド研摩体 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は立方晶系窒化硼素部分と焼結カーバイド部分と
を有する切削工具の切削刃体の製造法に関する。

立方晶系窒化硼素（以下ＣＢＮと略記する）の製造法は
ウエントーフの米国特許第２９４７６１７号明細書に記
載されている。

ＣＢＮ結晶を結合させて緊密切削体（コンパクト）を形
成させることはボーベンカークの米国特許第３１３６６
１５号およびウエントーフの米国特許第３２３３９８８
号明細書に記載されている。高速、例えば１５２４ｃｍ
／分より大きな表面速度で、ニッケル基スーパーアロイ
を機械加工するための能力を改良するため、更に密で、
強靭なＣＢＮの緊密体を製造する方法が絶えず探究され
てきた。

立方晶系窒化硼素切削刃体を製造するための超高圧法を
ここに見出した。

この方法によつて例えば最大寸法８０マイクロメーター
より大きいＣＢＮ結晶を用いて切削刃体を製造するとＣ
ＢＮ緊密体（コンパクト）が焼結したカーバイド支持体
プロツクに強固に結合している切削刃体が得られる。即
ち、ＣＢＮ結晶の層が焼結したカーバイド盤の表面に強
固に結合された複合体が得られる。この場合ＣＢＮ層が
本質的に空洞を含まぬことを見出した。本発明を以下図
面を参照して説明する。

本発明の複合切削工具用切削刃体を製造しうる高温、高
圧装置の一つの好ましい形はホールの米国特許第２９４
１２４８号明細書に記載されており、これを第１図に簡
単に示す。

装置１０は一対の焼結タングステンカーバイドバンチ１
１および１１′と同じ材料の中間ベルト即ちダイ部材１
２を含んでいる。

ダイ部材１２は開孔１３を含み、その中に反応容器１４
が位置している。パンチ１１とダイ１２の間およびパン
チ１１′とダイ１２の間にはガスケツトと絶縁材の集合
体１５および１５′を含み、そのおのおのは一対の熱絶
縁性で電気非伝導性のパイロフイライト部材１６および
１７と、中間金属ガスケツト１８を含んでいる。反応容
器１４の一つの好ましい形体は、中空塩シリンダー１９
を含む。

シリンダー１９は他の材料例えばタルクであることがで
きる。この材料は（ａ）高温高圧操作中より強く、強靭
な状態（相転移および／または締め固めによる如き）へ
の変換を生ぜず、５例えばパイロフイライトおよび多孔
性アルミナを用いたとき生ずるような高温高圧下で生ず
る体積不連続を実質的に起さない。ストロングの米国特
許第３０３０６６２号明細書（第１欄５９行〜第２欄第
２行）に記載されている要件に合致する材料がシリンダ
ー１９を製造するのに有用である。シリンダー１９内に
隣接して同心的に配置されているのは、グラフアイト製
電気抵抗加熱管２０である。

グラフアイト加熱管２０内には順次シリンダー状塩ライ
ナー２１が同心的に置いてある。ライナー２１の端には
、それぞれ頂部と底部に配置した塩プラグ２２，２２′
が嵌合してある。以下に説明するように、ライナー２１
は、複数の副複ノ合体を含有する一つの大きな仕込み複
合体を受け入れるためのシリンダー状中空芯を有してい
てよい。

電導性金属端盤２３および２３′は、グラフアィト加熱
管２０への電気的接続を与えるためシリンダー１９の各
端に設ける。各盤２３，２３′に隣接しているのは端キ
ヤツプ集合体２４および２４′である。この各々は電導
性の輪２６によつて取９まかれたパイロフイライトプラ
グまたは盤２５を含有する。この装置において、高圧と
高温を印加するための操作方法は、超高圧技術の当業者
によく知られている。

上述した説明は単なる一つの高圧、高温装置に関するも
のである。種々な他の装置が本発明の範囲内で使用しう
る必要な圧力および温度を生ぜしめる能力を有する。第
２図は多数の円盤形の複合体（それぞれ焼結ＣＢＮ層を
その上に形成した焼結金属カーバイド基体からなる）を
作るための仕込み複合体３０Ａを示す。

仕込み複合体３０Ａは、同じ大きさで示さなかつたけれ
ども第１図の装置の空間３１内に嵌人させる。仕込み複
合体３０Ａは、ジルコニウム、チタン、タンタル、タン
グステンおよびモリブテンからなる群から選択した遮へ
い保護金属のシリンダー状包囲体３２Ａからなる。

シリンダー状遮へい保護金属包囲体３２Ａ内に、包囲体
３２Ａの製造のために例示した群から選択した金属から
作つた遮へい保護金属盤３３Ａで上下を保護した多数の
副複合体を配置してある。全側面でこのように保護され
た各副複合体は、大きな基体塊体３４Ｂと小さい塊体３
６Ａとからなる。各小さな塊体３６Ａは大部分または完
全に全部がＣＢＮ粉末から作られる（粒子の最大寸法は
約８０マイクロメーターより大）。なお、この仕込みＣ
ＢＮ粉末は少量の他の添加剤、例えば焼結しうるカーバ
イド粉末との混合物であつてもよい。塊体３６Ａに対し
ては約１２０メツシユ（米国標準）より大きい清浄な結
晶を、また大きな基体塊体３４Ｂに対しては金属結合材
料を有する前焼結金属カーバイトの盤を用いることによ
つて、本発明方法を実施するとＣＢＮ部分に本質的に空
洞がなく、そのＣＢＮ部分（層）がすぐれた結合によつ
て焼結金属カーバイド盤に固着された一体的な切削刃体
が得られる。

仕込み複合体の機械的に不安定な構造形成による利点を
保有するため、盤３７Ａはシリンダー１９と同じ材料、
例えばＮａｃｌ、六方晶系ＢＮから作つて、高温高圧処
理工程中生ずる各副複合体内の容積減少部分を占有する
のに必要な追補をなすようにする。

本発明において、塊体３４Ｂの如き金属結合材料を含有
する前焼結金属カーバイト基体塊体の代わ９に焼結しう
る金属カーバイド粉末を使用しうる。

かかる場合には金属カーバイド粉末の焼結がその場で生
じ、基体塊体を形成する。非常に高い強度のＣＢＮ材料
と、下側の強固な金属カーバイド支持基体材料の著しく
大きな塊体の間に作られた強固な直接結合関係は、例え
ばろう接から生ずるような結合層の挿人は必要ない。

ＣＢＮ含量の豊富な機械加工用切削刃帯域と直接結合し
た強固な非降伏性支持体（焼結金属カーバイド体）を提
供することによつて、機械加工における切削刃体の使用
中のＣＢＮ材料中の破損の誘起を最小にする。切削刃体
の製造に当つては、仕込み複合体３０Ａを装置１０内に
置き、圧力をそれに印加し加圧を維持しながら次いで装
置を加熱する。

使用する温度は約１３００〜１６００℃であ９、かかる
圧力および温度を与える時間は約３分？上である、なお
圧力はＣＢＮ含有物に対する熱力学的安定状態を確保す
るため、例えば５５キロバール台の非常な高圧にする。
１３００℃では最低圧力は約４０キロバールとすべきで
あり、１６００℃では最低圧力は約５０キロバールとす
べきである。

高温、高圧工程が終了した後、始めに温度を、次いで圧
力を下げる。切削刃体を回収したとき、遮へい保護金属
は、その外面に強く付着したままでいる。複合切削工具
用切削刃体の所望面の露出は遮へい保護金属を単に研摩
し去ることによつて行なう。温度および圧力を低下させ
た後、複合体を取９出し、その後切削工具として使用す
るための形に研摩することができる。

本発明によジ作つた複合体は、生成物を回収するため反
応容器の圧力をもどしている間偶発的に破壊されること
が時にある。

この種の破壊は、仕込み複合体の垂直軸に対卜般に直角
の方向で生ずる。第２図の副複合体から作られた複合体
の場合、ＣＢＮの塊体と焼結金属カーバイド基体塊体の
間の界面はこれと同じ方向にある。この界面での結合の
高品質は大部分の破壊がＣＢＮ層を介して生じた事実に
よつて示される。界面では殆ど破壊が生ぜず、この場合
破壊面は不規則で、ＣＢＮと焼結金属カーバイドを通つ
てかつ界面に沿つて生ずる。従つて界面は一般にＣＢＮ
結晶の引張９強さよりも強力である。切削刃体に成形し
た製品の研摩縁の顕微鏡（３００倍）試験では、この異
常の強力界面結合の理由を示した。

「良好な結合」を形成したときには、界面でのＣＢＮ粒
子は（約３００倍で）焼結金属カーバイドと直接接触し
ているか、あるいはＣＢＮ粒子と焼結金属カーバイドの
間に薄い反応層を有することが見られる。どの反応層も
厚さは１０マイクロメーターよりも小さく、これは如何
なる場合にも焼結金属カーバイド構造の分裂が最小であ
ジ侵害も少ないことを示している。界面には空洞を含ま
ず、マイクロメーター（１〜１００μ）のスケールで不
規則である。これは焼結金属カーバイド中にＣＢＮが押
し込まれ、または塑性変形された焼結金属カーバイドが
、隣接ＣＢＮ結晶間の間隙中に移動していくためである
。相互に係合したこの種の界面およびその品質は前形成
したＣＢＮ緊密体を焼結金属カーバイド盤へろう接する
ことによつては得られないことは明らかである。切削お
よび研摩工具における切削素子として使用するためのＣ
ＢＮ緊密体の製造は前述したウエントーフおよびボーベ
ンカ・−ク等の特許明細書に記載されている。

製造後、その中に作られた緊密体は支持体に取９付けら
れる。これらの特許明細書には、本発明における如く、
形成されたときのＣＢＮ緊密体が焼結金属カーバイド支
持塊体と同時的に一体化されるようにした複合切削工具
用切削刃体の製造についての技術を示す教示は全くない
ｏ 実施例 １ グレード８８３カーボロイ（登録商標）カーバイド粉末
（６（ｆｌ）ＣＯ，９４ｆ）ＷＣ）から作つた硬質焼結
カーバイド基体の一面上に塊体の形で１００メツシユの
大きさの本質的に純粋なＣＢＮ粒子層を置いた。

この組合せを薄いジルコニウム遮へい保護金属包囲体内
に人れ、酸素を除去した。次いでこの複合体を高圧装置
内でＮａｃｌ素子で取９まいた（第１図の空間３１を満
たすまで）。高圧、高温（５５〜６０ｋｂおよび１５０
００Ｃ）を付与して１時間後、複合切削体を回収した。
立方晶系窒化硼素部分には本質的に空洞が見出されなか
つた。そして焼結金属カーバイドと隣？ＢＮの間にすぐ
れた結合が見出された。実施例１の複合体を試験し、Ｃ
ＢＮの塊体（ＣＢＮ９９容量０ｔ））中での空洞の完全
な除去は次のいくつかの機構によつて達成されたことを
見出した。

（ａ）僅かの深さ例えば０．２１１までジルコニウム金
属が外装から侵人すること。

（ｂ） ＣＢＮ粒子の破砕（これは次いで合体できる）
（ｃ）高温処理中（金属カーバイド材料が塑性状態にあ
るとき）ＣＢＮ粒子間にカーバイド材料（（即ちタング
ステンカーバイドおよびコバルト）が侵人すること。

（ｄ）ＣＢＮ粒子間の直接結合。

ＣＢＮ粒子は大きな面積で相互に接触し、ＣＢＮ自体が
部分的に塑性変形して相互に整合するようになるものと
思われる。

本発明の実施に当つては、使用する焼結しうるカーバイ
ド粉末は、１〜５μの粒子の大きさで市場で人手できる
タングステンカーバイド成形粉末（タングステンカーバ
イド粉末とコバルト粉末の混合物）である。

所望によつてはタングステンカーバイドはその全部を、
またはその一部をチタンカーバイドおよびタンタルカー
バイドの何れかでまたはその両方で置換できる。カーバ
イドの結合に当つて若干のニツケルおよび鉄を使用でき
るから、焼結カーバイド中で金属結合を与える材料はコ
バルト、ニツケル、鉄およびそれらの混合物からなる群
から選択できる。しかしながらコバルトは金属結合材料
として好ましい。本発明の実施に当つて有用なカーバイ
ド成形粉末の組成は約７５〜９７％の金属カーバイドと
約３〜２５％の金属結合材料を含有する混合物からなる
。焼結しうる金属カーバイド粉末の例にはグレード８８
３カーボロイカーバイド（ＣＯ６％、ＷＣ９４％）、お
よびグレード９０５カーボロイカーバイド（ＣＯ３％、
ＷＣ９３％、ＴａＣ３．８５％、ＴｉＣＯｌ５％）があ
る。実施例 ２ 高圧、高温装置の空間３１の頂部と底部に２個の副複合
体を導人した。

各副複合体をＺｒカツプ〔直径６，３５ｍ７１Ｌ（０．
２５０１））中に人れ、グレード８８３カーボロイ焼結
カーバイド〔厚さ１．２７ｍｍ（０．０５０１）〕のプ
ラグと、１００〜１２０メツシユのＣＢＮ粒子（０．０
６５９）の塊体で構成した。下方副複合体中のＣＢＮ粒
子はＴａ金属メツキした薄層で被覆した。各副複合体に
６０分間、１５１０℃の温度で５５ｋｂの圧力を付与し
た。副複合体を回収し、研摩し、顕微鏡の下で試験した
。上方の副複合体はＣＢＮ粒子間に強度の直接結合を示
し、強力な切削刃体を形成した焼結カーバイドに対する
ＣＢＮ粒子のすぐれた接着も得られた。

下方の副複合体（Ｔａ被覆ＣＢＮ）はＣＢＮ粒子が相互
に焼結している多くの部域を有することが判つた。

他のＣＢＮ結晶はＴａマトリツクスに結合していた。焼
結カーバイドに対するＣＢＮ−Ｔａ系の良好な接着が見
られた。実施例 ３ 実施例２の副複合体と同様にして複合体を作つた。

Ｚｒカツプ包囲体〔直径６，３５ｍｍ（０．２５０１つ
厚さ０．０５ｍｍ（０．００２′つ〕中に、冷間圧縮し
たグレード８８３カーボロイカーバイド粉末（０．５９
）と、その面に接触させて４００メツシユのＣＢＮ粒子
（０．０６０９）、グレード８８３カーボロイカーバイ
ド粉末（０．０２１９）およびＢｅ粉末（０．００３ｆ
１）からなる混合物を人れた。この複合体を６０分間１
５２０らＣの温度で５６ｋｂの圧力にさらした。かくし
て一側を固化したＣＢＮの層〔０．０７１ｍｍ（０．０
２８′ｆの厚さ〕で被覆された焼結金属カーバイド支持
体〔厚さ１．７８ｍ視（０．０７０′つ〕を有し、５，
８９ｍｍ（０．２３２′つの均一直径を有する複合盤を
得た。ＣＢＮ粒子と焼結金属カーバイドの間のみならず
ＣＢＮ粒子とＣＢＮ粒子との結合も見られた。本発明の
実施によつて製品として作られた切削刃体即ち複合体は
よリ大きな支持体例えば工具シヤンクまたはドリルビツ
トに結合させうることは判るであろう。以上のように本
発明は高温高圧技術により、立方晶系窒化硼素塊体とそ
れを支持する焼結金属カーバイド塊体とが強固に一体的
に結合された複合体よりなる切削工具用切削刃体の製造
を可能ならしめたものである。

なお、立方晶系窒化硼素の塊体は７０容量％以上の相互
に結合した立方晶系窒化硼素の結晶を含有していなくて
はならない。これが７０容量％に満たないということは
該塊体中の立方晶系窒化硼素結晶の密度が低く（即ち結
晶相互の直接の接触が少なく立方晶系窒化硼素結晶相互
値接結合が充分に得られず、したがつて所望の強固な構
造が達成されていないことを意味する。この塊体中の立
方晶系窒化硼素以外の部分はわずかの空隙（実際には殆
どないが）、仕込時に用いられた添加剤に由釆するもの
（例えば焼結金属カーバイド）、および（または）高温
高圧の付与のために金属カーバイド材料が塑性化しこれ
がＣＢＮ粒子間に流人したもの、等があるがこれらはな
るべく少ないのが好ましい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明を実施するに当つて有用な高圧高温装置
の→１を示し、第２図は本発明を実施するに当つて第１
図の装置内で使用する仕込み複合体配置の他の例を示す
断面図である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ （ａ）遮へい保護金属包囲体内に、金属結合材料を
   含有する前焼結金属カーバイト基体塊体と立方晶系窒化
   硼素結晶を入れ、（ｂ）上記包囲体とその内容物に対し
   少なくとも３分間約４０キロバール以上の圧力と約１３
   ００〜１６００℃の温度を与え、（ｃ）上記包囲体への
   熱の導入を停止し、（ｄ）上記包囲体へ付与した圧力を
   除き、（ｅ）作られた切削刃体を回収することを特徴と
   する立方晶系窒化硼素結晶の塊体と焼結金属カーバイト
   の塊体とからなり、これらの両塊体は相互に強固に結合
   されて複合体を形成しており、立方晶系窒化硼素の塊体
   は相互に結合した立方晶系窒化硼素結晶を７０容量％以
   上含有する切削工具用切削刃体の製造法。 ２ （ａ）遮へい保護金属包囲体内に、金属結合材料を
   含有する焼結しうる金属カーバイド粉末と立方晶系窒化
   硼素結晶を入れ、（ｂ）上記包囲体とその内容物に対し
   て少なくとも３分間約４０キバール以上の圧力と約１３
   ００〜１６００℃の温度を与え（ｃ）上記包囲体への熱
   の導入を停止し、（ｄ）上記包囲体へ付与した圧力を除
   き、（ｅ）作られた切削刃体を回収することを特徴とす
   る立方晶系窒化硼素結晶の塊体と焼結金属カーバイドの
   塊体とからなり、これらの両塊体は相互に強固に結合さ
   れて複合体を形成しており、立方晶系窒化硼素の塊体は
   相互に結合した立方晶系硼素結晶を７０容量％以上含有
   する切削工具用切削刃体の製造法。