JPS5939888Y2 - 実験動物飼育装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 動物実験が広範囲に且つ多方面で行なわれている現在、
微生物学的に清浄な動物（ＳＰＦ動物、ヌードマウス等
）を使って実験を行なう事も一般化して来つつあり、実
験精度の向上や再現性の向上に必要な事として使用され
る動物自体の均質性や清浄性は勿論のことなから、実験
中飼育する環境も、病原菌や他の微生物等に汚染されず
温度及び湿度がある一定巾で充分な換気と験音のないそ
して必要のされる明るさ等が確保されることが必要であ
る。

この飼育環境を建築物で実現するには多額の費用を要し
、小規模な実験を行なう場合にはもつと小形の飼育装置
でこの環境を作る事が要求され、現実に各種の装置が考
案されている。

然し、微生物学的に清浄な動物を使っての実験には、動
物自体を清浄な環境で飼育すれば良い場合と、動物に病
原微生物やＲＩ（ラジオアイソトープ）、あるいは人間
に危険な化学物質等を投与して行なう場合とがあって後
者の場合はあくまでも動物自体を実験目的以外の微生物
やその他の汚染物質から保護し且つ作業者が実験者に対
しては安全でなければならないのであるが、従来ではこ
の両方の場合に使用できる装置は未だ提供されてぃなか
った。

本考案は上記に鑑みてなされたもので、陽圧型及び除圧
型とに共用できる実験動物飼育装置を提供することを目
的としており、以下にその一実施例を図面に基いて詳述
する。

第１図乃至第３図において１は飼育装置を槽底するボッ
クス本体で、それぞれ断熱材よりなる左右側壁パネル２
，３と後壁パネル４と前部周壁パネル５と土壁及び底壁
パネル６．７とにより箱形に組み立てられ、各パネル相
互はファスナー８によって締付けられ且つ連結されてい
る。

このボックス本体１の前面、即ち前部周壁パネル５内に
はガラス板、好ましくは熱損失の少ない複層ガラス９を
有する両開き扉１０が開閉可能に装備してあり、またボ
ックス本体１下面には移動用としてのキャスター１１が
取着しである。

ボックス本体１内部の背面側には複数個の通気孔１２を
穿設した背板１３が配備されて、この背板１３とボック
ス本体１の後壁４とと間に密閉状のリヤー空間部１４が
形成されている。

背板１３の前面側には棚板取付用受金具１５が上下方向
に一定間隔で取着してあって各受金具１５に棚板１６が
着脱自在に取付けられ、これらの棚板１６・・・・・・
により相互に隔離された上下複数段の飼育ケージ収容室
１７・・・・・・が構成され、そして各飼育ケージ収容
室１７の前面には、例えば複数枚に分割されたアクリル
板等よりなるスライド扉１８・・・・・・が、棚板１６
前端縁部に設けられたレール１９に沿ってスライド可能
に配装され、各スライド扉１８には複数個の通気孔２０
が穿設しである。

上記飼育ケージ収容室１７・・・・・・前面のスライド
扉１８・・・・・・とボックス本体１前面の両開き扉１
０との間にフロント空間部２１が形成されており、また
棚板１６の両サイドには飼育ケージ収容室側板２２．２
２が配備しであって、この側板２２．２２とボックス本
体１の側壁パネル２゜３との間にサイド空間部２３．２
４が夫々形成されている。

サイド空間部２３．２４とリヤー空間部１４とは背板１
３の両側端部が隔壁部分１３ ａ 、 １３ ｂを形成
することにより相互に隔絶されており、またサイド空間
部２３．２４とフロント空間部２１とは同様な隔壁部分
２２ ａ 、 ２２ ａを形成する側板２２．２２の前
端延設部により互いに隔絶されているが、この隔壁部分
２２ａ、 ２２ａには所要箇所に開口（図示省略）が穿
設してあってこの開口にエアフィルター２５が配装され
、このエアフィルター２５を通じてサイド空間部２３．
２４の各々とフロント空間部２１とは互いに連通してい
る。

また、上記リヤー空間部１４内の下方には略Ｆ字を威し
ていて三つの開口端を有する分岐管２６が挿入配置され
てお・す、この分岐管２６の一つの開口端２６ａはボッ
クス本体１の側壁パネル３を貫通してボックス本体１外
部に開放され、他の二つの開口端２６ ｂ 、 ２６
ｃは背板１３の側端隔壁部分１３ ａ 、 １３ ｂを
貫通してサイド空間部２３．２４にそれぞれ開口させて
おり、そしてまたリヤー空間部１４内に面する側壁パネ
ル３部分には連通口２７が貫設されている。

上記分岐管２６の外部開口端２６ａ及び上記連通口２７
の外部開口端部には夫々接続管２８゜２９を介して使用
済み空気吸引排出処理装置３０及び清浄空気送給装置３
１がそれぞれ交互に取換え可能に接続されている。

尚、この場合清浄空気送給装置３０と使用済み空気吸引
排出処理装置３１とを備える代わりに、清浄無垢の空気
で空調できると共に排気処理機能を備えた小型の専用空
調機を備えてその送気ダクトと吸気ダクトとを前記分岐
管２６の外部開口端２６ａと連通口２７とに適宜接続さ
せてもよい。

前記ボックス本体１を構成する底壁パネル７の所要部に
は栓３２付きの排出口３３が設けであってこれに排水管
３４が接続され、それによってボックス本体１内部及び
飼育ケージ収容室１７を容易に水洗いできるようにして
いる。

次に上述のような構成よりなる実１験動物飼育装置の作
用を説明すると、先ず本装置を陽圧型として使用する場
合には第２図に示すように連通口２７に接続管２９を介
して清浄空気送給装置３１を、また分岐管２６の外部開
口端２６ａに接続管２８を介して使用済み空気吸引排出
処理装置３０をそれぞれ接続する。

そしてこれらの装置３０．３１を作動させると、送給装
置３１からの清浄無垢の空気は連通口２７からボックス
本体１内に人ってリヤー空間部１４の圧力を高め、図中
に矢印で示している如く背板１３の通気孔１２・・・・
・・より均等に各飼育ケージ収容室１７内に導入されて
、各ケージ収容室１７に収容される飼育ケージ（図示省
略）内の実験動物の使用に供する。

この実、装動物により使用・された使用済み空気は各飼
育ケージ収容室１７前面のスライド扉１８に設けである
通気孔２０あるいは扉１８の隙間等を通ってフロント空
間部２１に流入し、そしてこのフロント空間部２１に入
った使用済み空気は左右方向に分岐し該空間部２１の左
右両端にある隔壁部分２２ａ、 ２２ａに設けられたエ
アフィルター２５・・・・・・を通過してサイド空間部
２３．２４に流入するに至る。

尚、エアフィルター２５・・・・・・の通過時に使用済
み空気中の粗いゴミ等が除去される。

サイド空間部２３．２４に流入した使用済み空気は、該
空間部２３．２４後端の隔壁部分１３ａ、 １３ｂに開
口された開口端２６ ｂ 、 ２６ ｃより分岐管２６
に吸い込まれ、該分岐管２６の外部開口端２６ａから接
続管２８を経て装置３０に吸引排出される。

而して飼育ケージ内の動物は清浄無垢の空気の中で飼育
され、またボックス本体１の外部に動物の臭気を洩出さ
せることがない。

また、本装置を陽圧型として使用する場合には上述した
陽圧型の場合と逆の接続を行なえば本装置内の気流方向
は図面に示している矢印方向と全く逆となる。

このことは、フロント空間部２１を清浄無垢の空気で陽
圧にして扉１０の隙間から汚染物質が侵入しないように
保持できることにより常に各飼育ケージ収容室１７には
無垢空気が流入することとなり、感染実験や発癌実験に
使用されている動物を他の汚染物質で汚染することなく
飼育でき且つ装置の設置場所の汚染を防止できる効果を
もたらす。

尚、上記実施例におけるように各棚板１６を取外し可能
としたことにより棚板１６を水洗いすることができると
共に大型の飼育ケージを入れる時等に便利となり、また
ボックス本体１をパネルで構成してファスナーで相互連
結する方式をとることにより組立、分解が容易となり、
更にファスナーを外部からの操作式にすることによりフ
ァスナ一部のシールが必要でなくなる。

以上説明したような本考案飼育装置によれば、ボックス
本体側に対し清浄空気送給装置と使用済み空気吸引排出
処理装置とを適宜交換して接続できる構成をとっている
ので、１つの装置で陽圧型と防圧型との両方の使用が可
能となり、従って実験動物自体を清浄な環境下で飼育す
ることができる一方、動物に病原微生物やラジオアイソ
トープ、あるいは人体に危険な化学物質等を投与して実
験を行なう場合においても動物自体を実験目的以外の微
生物その他の汚染物質から保護し且つ実、験者や作業者
に対する安全性を確保することができるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案飼育装置の一実施例を示す縦断側面図、
第２図は横断面図、第３図は第２図の■−■線断面図で
ある。 １・・・・・・ボックス本体、１０・・・・・・両開き
扉、１２・・・・・・通気孔、１３・・・・・・背板、
１４・・・・・・リヤー空間部、１６・・・・・・棚板
、１７・・・・・・飼育ケージ収容室、１８・・・・・
・スライド扉、２１・・・・・・フロント空間部、２２
・・・・・・側板、２３゜２４・・・・・・サイド空間
部、２５・・・・・・エアフィルター、２６・・・・・
・分岐管、２６ａ・・・・・・分岐管の外部開口端、２
７・・・・・・連通口、３０・・・・・・使用済み空気
吸引排出処理装置、３１・・・・・・清浄空気送給装置
。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 前面に扉を有するボックス本体内に、相互に隔離された
   上下複数段の飼育ケージ収容室を設けると共に、各飼育
   ケージ収容室の前面に別の扉を設け、上記ボックス本体
   側扉と上記ケージ収容室側扉との間にフロント空間部を
   、飼育ケージ収容室の背板とボックス本体の後壁との間
   にリヤー空間部を、また飼育ケージ収容室の側板とボッ
   クス本体の側壁との間には左右のサイド空間部をそれぞ
   れ相互に隔離状態にて形成し、リヤー空間部内には分岐
   管を配して、その−開目端をボックス本体を貫通してそ
   の外部に臨ませると共に他の開口端をリヤー空間部と各
   サイド空間部との隔壁部分を貫通して該サイド空間部内
   に臨ませ、またボックス本体にはリヤー空間部からボッ
   クス本体外部に通じる連通口を貫設し、この連通口の外
   部開口端と上記分岐管の外部開口端とに清浄空気送給装
   置及び使用済み空気吸引装置をそれぞれ交換可能に能に
   接続し、更に飼育ケージ収容室の背板に複数個の通気孔
   を配設すると共に、各サイド空間部とフロント空間部と
   の隔壁部分に開口を穿ってこれにエアフィルターを配装
   してなる実験動物飼育装置。