JPS5939887Y2 - 実験動物飼育装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は実験動物飼育装置に関する。

医学や薬学の発展に伴ない動物実験も高度化し、病原微
生物に感染させたり、ＲＩ （ラジオアイソトープ）や
各種の化学物質等を投与した動物を飼育する事が多くな
って来た。

またこのような実験についても、他の病原微生物に汚染
されていない清浄な動物（ＳＰＥ動物、ヌードマウス等
）を使用して行なう事が多くなっている。

この場合は、動物に投与した微生物やＲＩ物質が作業者
や実験者に感染や汚染する危険を防止すると共に清浄な
実験動物に投与した以外の微生物や物質によって動物が
汚染する事を防止せねばならない。

この為には、ビニールアイソレーターや他の類似の装置
のように、完全に外部と遮断された空間で動物を飼育し
、間接的に手袋を介して操作する方法が採用されでいる
。

この方法は非常に危険度の高い微生物や、高濃度のＲＩ
、危険のある化学物質等を使用する時には必要であるが
、それ以外については操作の煩雑さや収容頭数の少なさ
等の欠点があるため、現在では第１図に示すドラフト式
飼育棚のような装置が広く利用されている。

然しこのドラフト式飼育棚は同図からも明らかなように
。

装置が設置されている室内空気を直接扉イと棚板口との
隙間からあるいは扉イにあけた小穴から吹い込む構造で
あるため、室内に浮遊する微生物やＲＩ物質、化学物質
等を吸い込み棚内部の実験動物を汚染する。

また図のように各棚段がら空気を吸い込む事によって室
内の空調が上下で温度差のある場合には最下段と最上段
では１０℃近く差のある事も実際に起こり、動物近傍で
温湿度環境の差が大きく、精密な実験が出来ない事があ
る。

本考案は上記のような従来装置の欠点を除去した実験動
物飼育装置を提供することを目的としたもので、以下本
考案の一実施例を第２図以降に基いて詳述する。

第２図乃至第５図において１は飼育装置を構成するボッ
クス本体で、その前面にはガラス板又は２アクリル等透
明プラスチック板よりなる両開き扉２．２が装備され、
また下面には移動用としてのキャスター３・・・・・・
が取付けられている。

このボックス本体１内には上下複数段に亘って配設され
た棚板４・・・・・・により複数の飼育ケージ収容室５
・・・・・・が構成され、各ケージ収容室５の前面には
複数枚に分割しであるアクリル板等の透明なプラスチッ
ク板等のスライド扉６・・・・・・がレール７に沿って
スライド可能に装備され、各スライド扉６には複数個の
清浄空気吸引孔８が穿設され、そしてこれらスライド扉
６・・・・・・とボックス本体１前面の両開き扉２，２
との間清浄空気導入用空間部９が形成されており、また
飼育ケージ収容室５・・・・・・の後端面を閉塞する背
板１０とボックス本体後壁１１との間に使用済み空気排
出用空間部１２が形成されている。

上記背板１０には複数の使用済み空気排出孔１３・・・
・・・が穿設してあって、各ケージ収容室５内の使用済
み空気を上記空間部２へ排出するようにしている３また
第３図から明らかなように、飼育ケージ収容室５・・・
・・・の各側板１４とボックス本体側壁１５との間には
清浄空気導入用空間部９及び使用済み空気排出用空間部
１２と区分された清浄空気溜め用空間部１６が形成され
、各空間部１６は、第５図に示すように使用済み空気排
出用空間部１２内に配管されたＴ字状の送給管１７及び
該送給管１７に接続される接続管１８を介して清浄空気
供給装置１９に連通連結されていると共に、清浄空気吹
出孔２０・・・・・・を介して清浄空気導入用空間部９
に連通している。

上記Ｔ字状送給管１７の人口側端１７ａはボックス本体
上壁２１から突出しで清浄空気接続口を形威し、出口側
端１７ｂ。

１７ｂの各々は清浄空気溜め用空間部１６を構成する側
板１４の後端部より該空間部１６内に開口しておりまた
上記清浄空気吹出孔２０・・・・・・は上記側板１４の
前端部にその上下に亘って一定ピッチで複数個穿設され
たものである。

上記排出用空間部１２はボックス本体上壁２１に貫設さ
れた排気接続口２２より排出管２３を介し、エアフィル
ター、排気ブロワ−及び他の処理機器を含んで構成され
る使用済み空気処理装置２４に連通連結されている。

前記清浄空気供給装置１９は清浄ないわゆる無垢の空気
を供給できる装置であればよく、また使用済み空気処理
装置２４は実験動物によって使用された病原微生物、Ｒ
Ｉ物質や化学物質等を吸収し清浄空気に処理して外部に
排出できる装置である。

前記ボックス本体１の底壁２５には排水口２６が設けて
あり、これに排水弁２７を有する排水管２８が接続して
あって、ボックス本体１内部を水洗いしてその汚水を排
出できるようにしている。

飼育ケージは図中２９で示しており、このケージ２９は
各飼育ケージ収容室５内においで棚板４の下面に装備し
た両側一対のケージ取付用レール３０゜３０に両側縁部
を係合させた状態で保持される。

次に、上述のような構成よりなる飼育装置の作用を説明
すると、清浄空気供給装置１９からの清浄空気は先ず接
続管１８からＴ字状送給管１７を通ってボックス本体１
内の左右両側にある清浄空気溜め用空間部１６．１６に
供給され、ここで清浄空気圧力の調和をはかるべく一旦
溜められた状態となる。

各空間部１６で調和された清浄空気は該空間部１６前端
の吹出孔２０・・・・・・よりボックス本体１内前部の
清浄空気導入用空間部９へ左右両側から均等に吹き出さ
れる。

そしてこの空間部９内に供給された清浄空気は各スライ
ド扉６に穿設されている吸引孔８・・・・・・、各スラ
イド扉６相互間の隙間あるいは各スライド扉６とレール
７との隙間から各飼育ケージ収容室５内に導入されて、
この収容室５内に収容された飼育ケージ２９内の実験動
物Ｍに清浄な環境を与える。

この実験動物Ｍによって使用された病原微生物、ＲＩ物
質、化学物質等を含む使用済み空気はケージ収容室５・
・・・・・の背板１０の排出孔１３・・・・・・より使
用済み空気排出用空間部１２に排出用空間部１２に排出
される。

そしてこの空間部１２内に排出された使用済み空気は排
気接続口２２より排出管２３を介して、エアフィルター
、排気ブロワ−１適宜処理機器を含む処理装置２４に導
かれ、ここで病原微生物、ＲＩ物質、化学物質等を除去
し清浄な空気に浄化処理されて外部に放出されることに
なる。

上記の説明から明らかなようにボックス本体１前面の扉
２と飼育ケージ収容室５・・・・・・前面の扉６・・・
・・・との間の空間部９内に供給される空気は陽圧に保
持され、また飼育ケージ収容室５・・・・・・の背板１
０とボックス本体壁１１との間の空間部１２内は使用済
み空気処理装置２４の吸引作用で除圧となり、従ぬてボ
ックス本体１内に供給される清浄空気は扉２を開放する
時以外は常に各飼育ケージ収容室５の前面側より背面側
へと流れるようになっている。

尚、上記実施例では飼育ケージ収容室５前面の扉６をス
ライド式のものにしているが、これに限ることはなく他
の型式の扉を用いでもよく、またこの扉６には必ずしも
吸引孔８を設ける必要はない。

以上説明したように本考案の実施動物飼育装置は、前面
に扉を有するボックス本体内に複数の飼育ケージ収容室
を設けると共に、各ケージ収容室の前面に扉を設け、ボ
ックス側扉とケージ収容室側扉との間には清浄空気供給
装置に連通連結された清浄空気導入用空間部を形成し、
飼育ケージ収容室の背板とボックス本体の後壁との間に
使用済み空気処理装置に連通連結された使用済み空気排
出用空間部を形成すると共に飼育ケージ収容室の背板に
該収容室と上記排出用空間部とを連通ずる使用済み空気
排出孔を設けたものであるから、清浄空気供給装置及び
処理装置を作動させると、ボックス本体前面の扉を開放
する時以外は清浄空気導入用空間部内は陽圧、使用済み
空気排出用空間部内は除圧となって、ボックス本体内に
供給される清浄空気は各飼育ケージ収容室の前面側より
背面側へと流れることになり、それにより飼育ケージ収
容室内の動物は常に溝浄な空気が供給されて外部かやの
汚染を防止できると共に、動物に投与した病原微生物、
ＲＩ物質、化学物質等を外部に洩出させることがなく、
実験者や作業者にとってきわめて安全となり、またボッ
クス本体内に供給された清浄空気は清浄空気導入雨空間
部各段のケージ収容室に同時に導入されることになり、
上段から下段に亘って温度差がなく均一な環境の下で精
密な実験を行なうことができる。

またこの場合、ボックス本体内の左右両側部に清浄空気
溜め用空間部を設け、ることにより、清浄空気供給装置
からの清浄空気をこと空間部で一旦溜めた状態で調和し
、この調和した空気を吹出孔から導入用空間部へ供給す
ることにより各ケージ収容室へ等温、等圧の清浄空気を
送給することができる。

更に、清浄空気溜め用空間部に設けた吹出孔及びケージ
収容室背板の排気孔の大きさを適当にすることにより上
下左右の風量を均一とする事ができ、各段の温度、換気
回数を均一にし、再現性の高い実、験を行なうことがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来装置を示す概略縦断面図、第２図は本考案
飼育装置の一実施例を示す一部断面正面図、第３図は同
上の一部断面平面図、第４図は同上の縦断面図、第５図
は第４図の■−Ｖ線断面図である。 １・・・・・・ボックス本体、２・・・・・・ボックス
側扉、５・・・・・・飼育ケージ収容室、６・・・・・
・ケージ収容室側扉、９・・・・・・清浄空気導入用空
間部、１０・・・・・・背板、１２・・・・・・使用済
み空気排出用空間部、１３・・・・・・使用済み空気排
出孔、１６・・・・・・清浄空気溜め用空間部、１９・
・・・・・清浄空気供給装置、２４・・・・・・使用済
み空気処理装置。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ｌ 前面に扉を有するボックス本体内に、相互に隔離さ
   れた複数の飼育ケージ収容室を設けると共に、各飼育ケ
   ージ収容室の前面に別の扉を開け、上記ボックス側扉と
   上記ケージ収容室側扉との間にＬよ清浄空気供給装置に
   連通連結された清浄空気導入用字間部を形成し、上記飼
   育ケージ収容室の背板とボックス本体の後壁との間に使
   用済み空気処理装置に連通連結された使用済み空気排出
   用空間部を形成すると共に、飼育ケージ収容室の背板に
   該収容室と上記排出用空間部とを連通ずる使用済み空気
   排出孔を貫設してなる実験動物飼育装置。 ２ ボックス本体の側壁と飼育ケージ収容室の側板との
   間に清浄空気溜め用空間部を形成し、この空間部を、清
   浄空気供給装置な連通連結させると共に該空間部の前端
   部に設けた吹出孔を介して清浄空気導入用空間部に連通
   させている実用新案登録請求の範囲第１項記載あ実験動
   物飼育装置。