JPS593963B2 - 徐放性酵素製剤 - Google Patents

徐放性酵素製剤

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JPS593963B2
JPS593963B2 JP55086266A JP8626680A JPS593963B2 JP S593963 B2 JPS593963 B2 JP S593963B2 JP 55086266 A JP55086266 A JP 55086266A JP 8626680 A JP8626680 A JP 8626680A JP S593963 B2 JPS593963 B2 JP S593963B2
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JP
Japan
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enzyme
sustained release
membrane
enzyme preparation
microporous membrane
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JP55086266A
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JPS5711915A (en
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隆志 川崎
康夫 木原
佐雄 宗伊
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Nitto Denko Corp
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Nitto Electric Industrial Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は徐放性酵素製剤に関する。
従来、酵素反応は酵素の水溶液中で基質を反応させるこ
とにより行なわれてきたが、酵素の回収、再利用が困難
であるために、近年、酵素を担体に固定化して水不溶性
とした固定化酵素が提案されており、この固定化方法と
しては既に共有結合法、イオン結合法及び物理的吸着法
の担体結合法、架橋法並びに包括法が知られている。
そして、この固定化酵素を医療分野に利用することが最
近、試みられているが、従来の固定化酵素においては、
酵素の回収を考慮して、酵素が担体から離脱しないよう
に担体に強固に固定化することに注力されてきた。
従って、従来の固定化酵素を医療に利用する場合には、
治療効果として表われる基質と酵素との反応が担体表面
又は担体内部に局限されており、担体の外部の空間では
酵素作用は何ら発現されないので、十分な治療効果を得
ることができなかった。
勿論、従来から一般に行なわれているように、酵素を遊
離の状態で投与すれば、当初の治療効果にはすぐれるで
あろうが、特に酵素が体液と接触するような場合には、
酵素が容易に且つ速やかに変質したり失活したりするの
で、長期間にわたって一定した治療効果を得ることはで
きない。
尚、酵素以外の化学薬剤については、微細孔を有する重
合体膜で形成した中空容器内に薬剤を充填すると共に、
微細孔に薬剤が限定された溶解性を有する拡散媒体を存
在させ、かくして、薬剤の拡散媒体への限定された溶解
性と拡散媒体中における拡散を利用して、薬剤の徐放化
を図った製剤又はデバイスが提案されている(特開昭5
0−114896号)。
しかしながら、一般に酵素は、拡散媒体として代表的な
水に対して、酵素の限定された溶解と拡散を可能にする
よりもはるかに大きい溶解性を有し、従って、所謂液膜
の原理を応用した上記のような製剤によっては適度の徐
放性を達成することができない。
本発明は固定化酵素における上記問題、特に徐放性酵素
製剤を得る場合における上記問題を解決するためになさ
れたものであって、微孔性重合体膜の孔径を制御するこ
とにより酵素が徐放されるようにした徐放性酵素製剤を
提供することを目的とする。
本発明の徐放性酵素製剤は、微孔性膜で囲まれた内部空
間に酵素の貯蔵層を有し、上記微孔性膜が上記酵素につ
いて70%以下の分画性能を有すると共に、上記酵素の
約2倍の粒径をもつタンパク質について70%以上の分
画性能を有することを特徴とする。
第1図及び第2図は本発明の徐放性酵素製剤10の一実
施例を示す。
一対の微孔性膜11が重ね合せられ、周縁に沿って相互
に接合されて、密閉された内部空間に酵素貯蔵層12が
形成されている。
酵素貯蔵層は酵素のみを含有していてもよいが、また、
図示したように、酵素を含有させた適宜の多孔性基材1
3が配されてもよい。
多孔性基材としては織布、不織布、ガーゼ、高分子発泡
成形体等、種々の素材及び形態のものが用いられる。
多孔性基材に酵素を含有させる方法は特に制限されず、
基材に酵素の粉末や顆粒を散布してもよく、水その他の
溶剤と混練して基材に塗布してもよ(、或いはまた、酵
素の懸濁液又は溶液中に基材を含浸してもよい。
水その他の溶剤の存在下に酵素を〉ご保存すると、酵素
が失活しやすいので、含液状態で酵素を基材に含有させ
た場合には、凍結乾燥等により酵素を乾燥させるのが望
ましい。
微孔性膜は断面構造が一様な均一性膜でもよく、また、
表面の緻密な多孔質層が内部の粗な多孔質層で一体に支
持されている異方性膜でもよい。
これらの膜は既に精密沢過膜や限外濾過膜として知られ
ており、セルロース、アセチルセルロース、エチルセル
ロース、ニトロセルロース、エチレン−酢酸ビニル共重
合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、
ポリスルホン等の水不溶性の重合体から形成される。
本発明においては、微孔性膜は貫通孔を有し、この微孔
の孔径を酵素に応じて制御することによって、酵素の膜
透過性を調整し、酵素が膜を通して徐放されるようにす
るのである。
微孔孔径は酵素粒径の1〜5倍が適当であり、酵素にも
よるが通常、50〜500人である。
微孔性膜が異方性膜の場合は、上記微孔は緻密層の有す
る微孔を意味する。
上記範囲の微孔を有する膜は、一方においては、膜内に
封入される酵素について70%以下の分画性能を有する
と共に、この酵素の約2倍の粒径を有するタンパク質に
ついて70%以上の分画性能を有するとして規定される
ここに、膜の分画性能とは、酵素又はタンパク質の水溶
液を膜面に接触させたときに、膜透過液が で表わされるタンパク質濃度を有することをいう。
膜の分画性能が酵素について70%を超えると、酵素の
放出速度が小さすぎて十分な酵素活性が得られず、一方
、この酵素の約2倍の粒径を有するタンパク質について
70%より小さいときは、模倣孔が酵素粒径よりも著し
く大きいので、酵素の放出速度が大きすぎる。
尚、酵素の約2倍の粒径な有するタンパク質は、酵素の
約8倍の分子量を有することが経験的に知られている。
微孔性膜の有する厚さは通常、30〜3000μ、好ま
しくは50〜500μである。
一定の分画性能を有する微孔性膜は、従来から知られて
いる方法によって得ることができる。
本発明においてはエチレン−ビニルアルコール共重合体
膜やポリスルホン膜等の異方性膜が好ましく用いられる
が、このような微孔性異方性膜は、通常、重合体と無機
塩類等の添加剤を水混和性有機溶剤に溶解してドープを
調製し、このドープをガラス板、不織布シート等適宜の
基材上に塗布し、必要ならば有機溶剤の一部を蒸発させ
た後、水中に浸漬して重合体を凝固させることによって
得られ、ドープ中の重合体濃度や用いる添加剤の種類や
量によって、また、有機溶剤の蒸発量や水中への浸漬温
度等によって、微孔性膜の微孔孔径を制御することがで
きる。
密封された内部空間を膜内に形成するための微孔性膜の
接合手段は特に制限されず、膜の素材に応じて接着剤に
より接着したり、熱融着したりすればよい。
また、本発明においては、第3図に示すように、シート
型の徐放性酵素製剤においては、一方の表面からのみ酵
素が徐放されるように、一方の微孔性膜に代えて、実質
的に微孔を有しないか、又は酵素を実質的に透過させな
い程度に小さい微孔を有する酵素非透過性フィルム14
を用いることもできる。
更に、本発明においては、徐放性酵素製剤は、上記シー
ト状に限らず、例えば、第4図に示すように、酵素を円
柱状の多孔性基材13に含有させ、これを微孔性膜11
で包み、両端を封じた棒状とすることもでき、必要に応
じてその他の適宜の形状とすることができる。
即ち、徐放性酵素製剤の形状はそれが適用される人体部
位に応じて決定され、例えば、眼の治療剤や創傷貼着剤
としては薄いシート状が適し、口腔内洗浄剤等には比較
的厚い円板状が適し、また、膣カンデイダ症治療剤には
棒状が適する。
用いる酵素もまた、必要とする酵素活性、適用される人
体部位の環境条件等によって各種の消炎酵素や溶菌酵素
が適宜に選ばれる。
例えば、眼の治療剤にはりゾチーム等の細菌細胞壁溶解
酵素、口腔内洗浄剤や創傷貼着剤には上記リゾチームの
ほか、トリプシン、α−キモトリプシシ、パパイン、プ
ロパライン等のタンパク質分解酵素、また、膣カンテイ
ダ症治療剤にはカンデイダ・アルビカンス(Candi
da albicans )を溶菌するβ−グルカナ
ーゼやこれとホスホマンナーゼ、プロテアーゼ等が併用
される。
本発明の徐放性酵素製剤は、以上のように、微孔性膜内
に酵素を封入すると共に、微孔性膜の微孔孔径を酵素の
粒径に応じて制御することによって、酵素が膜を通して
適度の放出速度で徐放されるようにしたから、酵素によ
る治療効果は担体表面や担体内部に局限されず、担体の
外部空間に広く及ぶと共に、長期間にわたって維持され
る。
以下に実施例を挙げるが、本発明はこれら実施例に何ら
限定されるものではない。
実施例 1 エチレン−酢酸ビニル共重合体(エチレン単位含量13
重量%、日本合成化学工業■製ソアレツクスFH)(7
)98モル%ケン化物25グを水50グとn−プロパツ
ール50グからなる混合溶剤に加熱下に溶解させた。
この重合体溶液を40℃の温度でガラス板に厚さ300
μに塗布し、50秒間空気中に放置して溶剤の一部を蒸
発させた後、0℃の水中に約1時間浸漬して重合体を凝
固させて膜化した。
このようにして得たエチレン−ビニルアルコール共重合
体からなる異方性微孔性膜をガラス板から剥離し、アセ
トン、次にn−ヘキサンに浸漬して膜中の水をこれらの
有機溶剤と置換した後、乾燥した。
この膜は卵白リゾチーム(分子量14300)について
15%の分画性能を有し、分子量1100000球状タ
ンパク質について86%の分画性能を有していた。
次ニ、厚さ300μの2枚のポリエステル不織布(2C
rrLx 2cm )間に卵白リゾチーム5m9を挾み
こみ、不織布の四隅を接着した後、土で得た微孔性膜(
3(11771X 3cIIl) 2枚の間に挾み、周
縁に沿って熱融着し、本発明による徐放性酵素製剤を得
た。
この徐放性酵素製剤を30℃の水5rulに浸漬し、2
時間ごとに水を新しく入れ替えて、水中に溶出した酵素
の活性を測定した。
結果を第5図に示す。尚、酵素活性は、660μmにお
ける吸光度が2.0になるように調製したミクロコツカ
ス・ラインデイクテイカス(m 1crococcus
1ysode 1kticus )水懸濁液Q、 5
mlを、酵素製剤引上げ後の水2mlに加え、30℃
の温度で10分間振とうした後の吸光度によって評価し
た。
実施例 2 微孔性膜としてセルロース混合エステ4 PSJM((nmwl 1ooooo )ミリポア社
製)を用い、周縁を接着剤により接着した以外は、実施
例1と全く同様にして、徐放性酵素製剤を得た。
上記沢過膜は卵白リゾチームについて21%の分画性能
を有し、分子量110000のタンパク質について94
%の分画性能を有した。
この酵素製剤を30℃の水5r/Llに浸漬、振とうし
、2時間ごとに水を新しく入れ替えて、水中に溶出した
酵素の活性を測定したところ、24時間にわたって酵素
活性が認められた。
酵素活性は、実施例1と同様にして660μmにおける
吸光度が0.4となるように調製したミクロコツカス・
ラインデイクテイカス水懸濁液の吸光度が0.1以下に
なった場合を活性があるとした。
実施例 3 ポリスルホン(ユニオン・カーバイド社製P−1700
)18グをN−メチルピロリドン801に溶解し、更に
硝酸リチウム21を添加、溶解した。
この溶液をガラス板上に厚さ200μに塗布した後、3
重量%のN−メチルピロリドンを含む0℃の水中に浸漬
して、重合体を凝固させ、膜化させた。
この膜は卵白リゾチームについて21%の分画性能を有
し、分子量1100000球状タンパク質について91
%の分画性能を有していた。
この膜を用い、周縁を接着剤により接着した以外は、実
施例1と全く同様にして徐放性酵素製剤を得た。
この酵素製剤の酵素活性を実施例2と同様に測定したと
ころ、30時間にわたって酵素活性が認められた。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による徐放性酵素製剤の一実施例を示す
平面図、第2図は第1図■−■線に沿う断面図、第3図
及び第4図は別の実施例を示す断面図、第5図は本発明
の徐放性酵素製剤における時間と酵素活性(吸光度)の
関係を示すグラフである。 10・・・・・・徐放性酵素製剤、11・・・・・・微
孔性膜、12・・・・・・酵素貯蔵層、13・・・・・
・多孔性基材、14・・・°°・酵素非透過性フィルム

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 微孔性膜で囲まれた内部空間に酵素の貯蔵層を有し
    、上記微孔性膜が上記酵素について70%以下の分画性
    能を有すると共に、上記酵素の約2倍の粒径を有するタ
    ンパク質について70%以止の分画性能を有することを
    特徴とする徐放性酵素製剤。 2 微孔性膜がエチレン−ビニルアルコール共重合体又
    はポリスルホンからなることを特徴とする特許請求の範
    囲第1項記載の徐放性酵素製剤。 3 酵素の貯蔵層が酵素を含有する多孔性基材であるこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第1項又は第2項記載の
    徐放性酵素製剤。 4 酵素が消炎酵素及び/又は溶菌酵素であることを特
    徴とする特許請求の範囲第1項乃至第3項いずれかに記
    載の徐放性酵素製剤。
JP55086266A 1980-06-24 1980-06-24 徐放性酵素製剤 Expired JPS593963B2 (ja)

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