JPS5939395B2 - 炭化珪素焼結体の製法

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【発明の詳細な説明】本発明は炭化珪素焼結体の製法に関し、より詳細には、
反応焼結法における珪化処理方法の改良に関する。

従来、反応焼結法による炭化珪素焼結体の製法において
は、炭素粉末から成る成形体又は炭素粉末と炭化珪素粉
末との混合物から成る成形体を１５００〜１６００℃の
温度で金属珪素の溶融体に接触させるか、又は金属珪素
の蒸気に曝すことにより、成形体中の炭素と反応させて
炭化珪素を生成せしめている。

しかしながら、溶融珪素が完全に成形体中に浸透するこ
となく、表面に残留し、その結果焼結体に珪素が付着す
ることになり、この付着珪素により焼結体同志が接着し
たり、或いは焼結体と珪素との熱膨張差により焼結体に
亀裂が発生したりする弊害があった。

本発明は、上記欠点を解消するために、焼結体への珪素
の付着を可及的に防止したものであり、高温で安定な無
機材料粉末と金属珪素粉末との混合粉末中に成形体を埋
込んで焼成することにより珪化処理することを特徴とす
る炭化珪素焼結体の製法を提供するものである。

以下、本発明の製法について詳細に説明する。

先ず、炭素粉末又は炭素粉末と炭化珪素粉末の混合物に
粘結剤として例えばフェノール樹脂が添加され、プレス
法により所望形状に成形する。

この成形工程は従来方法が適用され、原料粉末の混合比
は焼結体の使用目的に応じて任意に変更される。

上記成形体は珪化処理する前に、粘結剤を除去或いは炭
化させるために、１００〜６００℃の温度で仮焼成され
るか、或いは緻密化の促進のために、１５００℃以上の
湿度で焼成される。

かくして仮焼または焼成された成形体は後述の珪化処理
工程を経て最終の炭化珪素焼結体となる。

本発明においては、珪化処理用粉末として高温で安定な
無機材料、例えば窒化珪素、炭化珪素、アルミナ等の粉
末と、金属珪素粉末とを混合した粉末を用いる。

この無機材料粉末と金属珪素粉末の混合比は重量比で２
：８乃至７：３の範囲に任意に設定される。

珪化処理工程は上記珪化処理用混合粉末中に成形体を埋
め込み、これを焼成することにより行なわれる。

焼成条件としては１ｍｉＨｇ〜１０−’ ｉｍＨｇの減
圧下もしくはアルゴンガスのような不活性雰囲気が好ま
しく、焼成湿度は１５００〜１８００℃の範囲であれば
よい。

混合粉末中の金属珪素は１４２０℃で溶融して成形体中
に浸透し、成形体中の炭素と反応することなより、緻密
な炭化珪素給体が得られる。

本発明の製法によれば、金属珪素を含有した混金粉末を
使用するため、焼結体への残留珪素の付着が極少となり
、更に混合粉末中に成形体を埋め込んで焼結するため、
一度に多数の成形体を珪化処理しても、焼結体同志が接
着することがない。

従って、焼結体の製造歩留りが大幅に向上すると共に、
焼結体に付着した珪素を切削する等の加工も不要となる
。

以下、本発明の実施例について説明する。

（実施例１）炭化珪素１００ｗｔ、％とカーボンブラック３０ｗｔ、
％を混合した粉末にフェノール樹脂を加え、これをプレ
ス成形し５Ｘ８Ｘ５５ｍｍの成形体を得た。

次いで該成形体を５００℃の温度で仮焼し、フェノール
樹脂の揮発及び炭化を行なった。

次いで仮焼後の成形体を、炭化珪素粉末４０ｗｔ１％と
金属珪素６０ｗｔ０％との混合粉末中に埋め込んで、こ
れを真空炉中において１５５０℃の温度で３０分間保持
して珪化処理し、最終の炭化珪素焼結体を得た。

この焼結体を４点曲げ試験法によらて強度測定を行なっ
たところ、６０．５ｋｇ／ｖａｓｔであり、充分高強
度のものであった。

また、焼結体表面には溶融珪素の付着はほとんど見られ
なかった。

（実施例２）実施例１の方法において、珪化処理用粉末として、窒化
珪素５０ｗｔ０％と金属珪素５０ｗｔ０％との混合粉末
を用いた。

その結果は、焼結体には溶融珪素の付着は見られず、そ
の強度４９．２ｋｇ／ｍａであった。

（実施例３）実施例１の方法において、珪化処理用粉末として、アル
ミナ６０ｗｔ０％と金属珪素４０ｗｔ、％との混合粉末
を用いた。

その結果は、焼結体には溶融珪素の付着はほとんど見ら
れなかった。

焼結体の強度は５３．３ｋｇ／ｘｉであった。

（実施例４）実施例１の方法において、珪化処理用粉末として炭化珪
素４０ｗｔ、％と金属珪素６０ｗｔ、％との混合粉末を
用い、焼成はアルゴンガス雰囲気中で２２０゛０℃の温
度に１時間保持して行なった。

その結果は焼結体には珪素の付着は見られず、焼結体の
強度は４８．７ｋｇ／ｍａであった。

【特許請求の範囲】