JPS5939011A - 変圧器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 本発明は金属シートと絶縁シートを重ねて巻回した箔巻
巻線を備え、且つ冷却媒体が通される冷却ダクトを巻線
内に内蔵した変圧器に関する。

〔発明の技術的背景〕

箔巻巻線を備えた箔巻変圧器は、占積率がよく、小形・
軽量化を実現できる特長があるために、数ｋＶ、数１０
０　ｋＶＡ程度の比較的電圧の低い小容量の変圧器にお
いてはすでに実用化されており、さらにより高電圧・大
容量の変圧器例えば２７５ｋＶ、　３００　）−ＷＡ変
圧器にも適用拡大が研究されている。この箔巻変圧器に
おける巻線に対する冷却方式としては、巻線内に冷却ダ
クトを内蔵させ、絶縁特性の秀れた冷媒を送り込んで巻
線損失から発生する熱を直接的に冷やす、いわはヒート
パイグ式のものが考えられている。

第１図はこのような方式の変圧器を示している。図中１
は絶縁媒体として絶縁油あるいはＳＦ６ガスなどの絶縁
ガスを封入したタンクで、このタンク１の内部には鉄心
２が設けられる。

この鉄心２の主脚２ａの外側には絶縁筒３を介して低圧
巻線４が巻装され、この低圧巻線４の外側には絶縁バリ
ヤ６を介して高圧巻線５が巻装されている。これら低圧
巻線４と高圧巻線５はアルミニウム箔などの金属シート
７と樹脂フィルムなどの絶縁シート８を重ねて巻回して
なる箔巻巻線により構成されている。なお、各巻線４．
５はタンク１内に封入された絶縁油あるいは絶縁ガスに
より絶縁されている。また、低圧巻線４の内部には例え
ば１個の冷却ダクト９が、高圧巻線５の内部には複数の
冷却ダクト９が夫々内蔵されている。この冷却ダクト９
はステンレス鋼などの金属板からなる薄い平形ダクトを
例えばギャップを残して円筒状に彎曲させた形状をなす
ものであって、巻線４，５内部に同心円的に配置されて
一緒に巻込まれている。

この冷却ダクト９内には、フロン１１３やＦＣ７５など
の冷媒が通されるようになっており、この冷媒は冷却ダ
クト９内を通る過程で巻線４゜５内の発熱を冷媒の蒸発
潜熱で奪って巻線４゜５を冷却する。そして、この冷媒
は凝縮器１０において水冷却により冷却されて凝縮され
、液化した冷媒は冷媒タンク１１に貯められてＩフグ１
２により巻線４，５内に設けた冷却ダクト９内に送り込
まれる。すなわち、この冷媒循環回路と変圧器の絶縁媒
体とは分離されている。

また、巻線４，５の上下両端部側に設けられて冷媒を導
び〈導液管１３はステンレス鋼などの金属で作られてい
るが、この導液管１３と冷却ダクト９の両端部との接続
には絶縁パイプ１４が用いられ、導液管１３とタンク１
などのアース電位とは絶縁されている。冷却ダクト９の
電位は巻線４．５内に巻き込まれている関係上、略巻線
４，５と同じ電位に結合されている。

なお、第１図では本発明と直接関係のない巻線４．５の
リード線や、引出しブッシングなどは省略しである。

しかして、この変圧器において箔巻巻線である各巻線４
．６に内蔵される冷却ダクト９は、第２図で示すように
厚さ０８〜１ｗＬ程度の金属板を冷媒通路として中間に
Ｉｗ程度の間隔をおいて重ね合せてなる平形ダクトをギ
ャップを残して円筒状に成形したものや、あるいは第３
図で示すように前記の平形ダクトを円弧状に形成した分
割型の冷却ダクト９を複数個円筒状に配置する構成のも
のが用いられている。そして、これら冷却ダクト９は内
部に金属製の複数の間隔片を一定間隔毎に取付はダクト
内外周側の金属板を押えて通路間隙を保持することによ
り、巻線製作時の巻回張力や巻線に短絡機械力が加わっ
た時に冷媒通路がつぶれないように機械的強度をもたせ
である。また、冷却ダクト９は巻線４，５の製作時に巻
線に取付けるもので、金屑シート７と絶縁シート８を張
力を与えながら巻回し巻線の外周側に冷却ダクト９を配
置し、さらに冷却ダクト９の外周側に各シート７．８を
巻回するようにしている。

〔背景技術の問題点〕

しかして、冷却ダクト９はシート巻同時の外力により通
路間隙がつぶれないように強度を有しているので、巻回
するシートによって外力を加えても容易に変形しない。

このため、冷却ダクト９を取付ける場合には、シート巻
回時の力により冷却ダクト９を変形させてダクトを巻線
のシートに密着させることが困難であり、冷却ダクト９
の曲率半径が巻線の外径と一致していないと、冷却ダク
ト９の内外周側表面、特に内周側表面と巻線のシートと
を密着さぜることか難しい。しかしながら、巻線の外径
に一致するように曲率をもたせて冷却ダクト９を成形す
ることは実際上伸々困難である。従って、箔巻巻線にお
いて冷却ダクト９の表面と巻線のシートの密着が不充分
であることが多く生じている。

しかしながら、このように冷却ダクト９と巻線のシート
との密着が不充分であると、次のような問題が発生する
。その１つは巻線と冷却ダクト９の固定が不充分で巻線
軸方向に位置ずれを生じることである。すなわち、箔巻
巻線すなわち巻線４，５は金属シート７と絶縁シート８
を張力を与えて巻回し、両シート７．８問および両シー
ト７．８と冷却ダクト９の間の摩擦力によシ冷却ダクト
９を含む巻線全体を支えている。しかし、巻線と冷却ダ
クト９との密着性が悪いと、ダクトとシートの間の充分
な摩擦力が得られず、この部分で巻線や冷却ダクト９の
上下方向のずれを生じてしまう。この状態を第４図で示
す。箔巻巻線は、金属シート７に鎖交する半径方向の漏
れ磁束が非常に少ないために軸方向の短絡機械力が小さ
いが、前記のように冷却ダクト９間毎に巻線に軸方向の
段差ができると、金属シート７に鎖交する漏れ磁束が増
大するために、軸方向の機械力が働き半径方向の機械力
との相乗効果で巻線が損傷する虞れがある。

第２の点は冷却ダクト９と巻線との間の熱伝導率が低下
し、冷却効率が低下する点である。

すなわち、巻線の金属シート７で発生した熱は金属シー
ト）７と絶縁シート８の熱伝導によって冷却ダクト９内
の冷媒に伝えるが、冷却ダクト９と巻線のシートの密着
性が悪い場合、巻線の熱を冷却ダクト９とこれに隣接す
るシートの間に存在する（タンク１内に刺入された）絶
縁媒体の熱伝導により冷却ダクト９に伝えねばならない
。一般に絶縁媒体の熱伝導率は小さく、特に気体である
場合には非常に小さいので、この部分での温度差が増大
する。このため巻線に対する冷却ダクト９の冷却効率が
低下する。また、冷却効率を上げるため冷媒の温度を低
下させるためには、大型の凝縮器１０が必要となる。

〔発明の目的〕

本発明は箔巻巻線のシートと冷却ダクトとの密着性が大
で、巻線と冷却ダクトとの固定強度および巻線と冷却ダ
クトの間の熱伝導率を向上させた変圧器を提供するもの
である。

〔発明の概要〕

本発明の変圧器は、冷却ダクトの内周側表面と巻線のシ
ートを確実且つ充分に密着させたものである。

〔発明の実施例〕

本発明の変圧器の全体的な構成は、第１図で示すように
絶縁媒体を封入したタンク１の内部に設けた鉄心２に、
金属シート７と絶縁シート８を巻回した箔巻巻線からな
る低圧巻線４と高圧巻線５を巻装し、これら各巻線４．
５の内部に冷却ダクト９を設けたものである。

本発明の変圧器の一実施例を第５図について説明する。

第５図は低圧巻線４と高圧巻線５の部分を拡大して示す
もので、第１図と同一部分は同一符号を付して説明を省
略する。

第５図において低圧巻線４および高圧巻線５の内部に設
けた冷却ダクト９は、例えば第２図で示す円筒状をなす
もので、この冷却ダクト９は各巻線４，５の内部に同心
円的に配置され一体に組込まれている。

各冷却ダクト９の内周側表面９ａの全体と外周側表面９
ｂの全体には、夫々接着剤１５例えばエポキシ系接着剤
などの熱硬化性接着剤が塗布しである。このため、各冷
却ダクト９の内周側表面９ａと、冷却ダクト９の内周側
に巻回された巻線４．５における冷却ダクト９の内周側
表面９ａに隣接する金属シート７または絶縁シート８の
周面は、全体にわたシ互に重合密着して内周側表面９ａ
の接着剤１５によシ接着されている。各冷却ダクト９の
外周側表面９ｂと、冷却ダクト９の外周側に巻回された
巻線４，５における冷却ダクト９の外周側表面９ｂに隣
接する金属シート７または絶縁シート８の周面は、全体
にわたり互に重合密着して外周側表面９ｂの接着剤１５
によシ接着されている。従って、各冷却ダクト９とその
内周側および外周側に巻回されている巻線４，５は接着
剤１５により接着されることによシ互に充分に密着して
固定されている。なお、図中１６は冷却ダクト９の内部
に取付けられた間隔片である。

冷却ダクト９と各巻線４．５を組立てる場合を第６図に
ついて述べる。巻線を製作する場合には巻取シトラム１
ｑを用意し、この巻敗りドラム１７を回転させるととも
に金属シート７と絶縁シート８を張力を与えながら互に
重ね合せて巻取シトラム１７に巻取っていく。金属シー
ト７と絶縁シート８を所定回数まで巻回した後に、巻回
したシートすなわち巻線の外周側に円筒状をなす冷却ダ
クト９を組合せて取付ける。

冷却ダクト、９・の内周側表面９ａには予め接着剤１５
を塗布する。接着剤１５は必要に応じた硬化時間のもの
が得られるために、作業時間に見合った硬化時間を有す
る接着剤１５を選択し使用する。接着剤１５を塗布する
際には、接着剤１５の厚さが不均一となり硬化後に内部
に気泡が生じないように薄い層で数回に分けて塗布する
。そして冷却ダクト９に塗布した接着剤１５が硬化する
前に冷却ダクト９を巻線に取付け、冷却ダクト９の外側
から内側に向は半径方向の圧力を加えた状態で接着剤１
５を硬化させる。

圧力を加える方法としては、冷却ダクト９を巻線の１巻
回分として利用する場合には、例えば第６図で示すよう
に冷却ダクト９を取付けた後に巻線の金属シート７と冷
却ダクト９の一端部とを固着し、金属シート７と絶縁シ
ート８を切断し、次に冷却ダクト９の外周側にバンド１
８を掛けて締付ける。また、冷却ダクト９を巻線の１巻
回分として利用しない場合には、例えば第７図で示すよ
うに冷却ダクト９の長さよシ大なる長さの複数の締付板
１９を冷却ダクト９の外周側にその軸方向に沿って並べ
、冷却ダクト９の両端側に突出する締付板ＩＢの両端部
にバンド１８を掛けて締付ける。

このようにして冷却ダクト９に圧力を加えて接着剤１５
を硬化させると、冷却ダクト９の内周側表面９ａと、巻
線の最外周側の金属シート７または絶縁シート８が接着
剤１５を介して強固に接着し、冷却ダクト９と巻線とが
固定される。

その後に冷却ダクト９の外周側表面９ｂにも接着剤１５
を塗布して、その上に金属シート７と絶縁シート８を巻
回して前記のように作業を行なう。

しかして、このように構成された低圧巻醒４と高圧巻線
においては、冷却ダクト９の表面と巻線４．５の金属シ
ート７″！、たは絶縁シート８が接着剤１５によシ接着
しているので、冷却ダクト９とシートとは互いに確実且
つ充分に密着して固定している。このため、巻線４，５
を鉄心２に巻装した状態において、冷却ダクト９を含む
巻線４．５全体を確実に支えることができ、特に大容量
の変圧器において巻線４の重量が増大した場合でも第２
図で示すように冷却ダクト９と巻線４．５（金属シート
７および絶縁シート８）との上下方向のずれの発生を防
止できる。

このため、巻線４，５は冷却ダクト９とのずれの発生に
伴う機械力による損傷を回避できる。

また、冷却ダクト９の表面と巻線４，５の金属シート７
または絶縁シート８が充分密着しているので、両者の間
にタンク１内に封入されている絶縁媒体が侵入して存在
することがない。このため、冷却ダクト９とシートとの
間の熱伝導率が良く、冷却ダクト９内の冷媒による巻線
４゜５に対する冷却知集が大である。

なお、前述した実施例では冷却ダクト９の内周側表面９
ａと外周側表面９ｂの両方に夫々接着剤１５を塗布した
が、これに限らず少くともいずれか一方の表面に接着剤
１５を塗布すれば良い。例えば、冷却ダクト９の外周側
に金属シート７と絶縁シート８を巻回する場合に、シー
ト７．８が冷却ダクト９に良好になじむｉ咋触世は接着
剤１５が不要なことがある。

冷却ダクト９としては円筒状のものに限らず、第３図で
示すように円弧状のダクトを複数個円周方向に並べて巻
線４．５内部に設ける場合にも適用できる。第８図は円
弧状をなす複数の冷却ダクト９を用いた場合における冷
却ダクト９と巻線との組立状態の一実施例を示している
。

なお、第８図にて第７図と同一部分は同一符号を付しで
ある。

前述した実施例では接着剤を冷却ダクトの表面に塗布す
る場合について述べたが、これに限定されず巻線のシー
トの表面に接着剤を塗布しても良く、さらに冷却ダクト
とシートの両方に接着剤を塗布しても良い。

〔発明の効果〕

本発明の変圧器は、箔巻巻線に内蔵した冷却ダクトと、
箔巻巻線のシートとを接着剤にょシ接着して確実且つ充
分に密着固定しであるので、冷却ダクトと巻線とを確実
に支えることができ両者間にずれを生じることを防止で
き、また冷却ダクトとシートとの間の熱伝導率が良く冷
却ダクトの冷媒による巻線に対する冷却特性を向上でき
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は箔巻巻線を備えた変圧器を示す断面図、第２図
および第３図は夫々冷却ダクトを示す斜視図、第４図は
冷却ダクトと巻線がずれを生じた場合を示す変圧器の断
面図、第５図は本発明の変圧器の一実施例における巻線
部を拡大して示す断面図、第６図および第７図は夫々冷
却ダクトと巻線との組立て状態を示す斜視図、第８図は
本発明の変圧器の他の実施例における冷却ダクトと巻線
との組立てを示す斜視図である。 １・・・タンク、２・・・鉄心、４・・・低圧巻線、５
・・・高圧巻線、７・・・金属シート、８・・・絶縁シ
ート、９・・・冷却ダクト、１５・・・接着剤、１７・
・・巻取りドラム。 出願人代理人　　弁理士　鈴　江　武　彦第１図 ０ ４１３ 第２図 第３図 第４図 ｎ 第５図 ２ 第１図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 金属シートと絶縁シートとを重ねて巻回した箔巻巻線を
   備え、この箔巻巻線の内部に冷媒を流す冷却ダクトを設
   けたものにおいて、前記冷却ダクトの内周側表面または
   外周側表面の少なくとも一方が、前記金属シートまたは
   絶縁シートに接着剤を介して接着されていることを特徴
   とする変圧器。