JPS5938090B2 - プラスチック成形金型面のクリ−ニング装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、プラスチック成形金型面のクリーニング装
置の改良に関するものである。

ところで、プラスチック成形において、その成形時に金
型の合わせ面へ流出して付着形成された成形樹脂のバリ
は、成形品の取出時にその大部分が成形品と共に剥離さ
れるのであるが、これが僅かでも残存していると成形上
諸種の弊害をもたらすため、成形一工程毎に上記バリを
金型面から完全に剥離且つ除去する必要がある。

この発明は、金型面に残存するバリを効率良く剥離除去
するクリーニング装置に関するもので、以下これを図に
示す実施例について説明する。

図において、１はプラスチック成形機で、適宜動力によ
つて上下動可能とされた移動金型２と、該金型の上方に
対設された固定金型３とを有し、該固定金型は移動金型
２の外周四隅に立設した四本の軸杆４によつて支受され
ている。５は上記各軸杆４の上方外周面に適宜固着した
固着具で、該固着具の反金型側の側面に設けられた支持
部５ａには適当な螺子杆６の上端部が螺着若しくは固着
されると共に、その下端部は上記軸杆４の軸方向（上下
方向）と平行に垂下されている。

７は上記固着具５の下方位置における各軸杆４の外周面
に嵌装された摺動可能な固定具であり、該固定具はボル
ト及びナット等の適宜な固定手段８を緊締することによ
つて、軸杆４に固定可能であると共に、該手段を弛緩す
ることによつて、軸方向へ摺動可能とされ、また、該固
定具の反金型側の側面に設けた連結部Ｔａには、軸方向
の通孔９が穿設されると共に、該通孔には前記固着具５
側から垂設された螺子杆６の下端部が挿通され、更に、
上記連結部７ａの上下両面位置に各対応する螺子杆６の
下端部には調整用のナット１０が各螺装されている。

従つて、上記した各固定具７の夫々は、固定手段８の弛
緩緊締操作によつて、各軸杆４上を軸方向へ摺動可能と
されるのみならず、この摺動距離は、上記した上下の両
ナット１０の回転操作によつて調整可能とされている。
１１は左右両軸杆上の固定具７における金型側の側面に
おいて夫々水平方向に、且つ平行して架設されたガイド
用レールで、該両レールにおける一端部は成形機１の同
一側方へ適当な長さとして延設されている。

１１ａは上記両レール１１における金型側の側面に削設
されたレールの長手方向（左右水平方向）のガイド溝、
１１ｂは両レール１１の下面に形成されたラツクである
。

１２は上記両レール１１間において左右方向へ移動可能
に装設された金型２，３面のクリーニング作用部１３と
、成形機１の側方において移動自在に配置された上記作
用部１３の操作部１４とから成るクリーニング装置本体
である。

然して、上記作用部１３は上下一対のヘツドフレーム１
５を有し、また該フレームにおける前記両レール１１側
の上部には適当な支持板１６が各立設されると共に、該
支持板には複数個のローラ１７が左右方向へ回転自在と
して各配設され、且つ該ローラは各レールのガイド溝１
１ａ内に夫々嵌合されている。

更に、上記作用部１３における両レール１１側の両側面
には、正逆両用モータ（図示なし）側と連結された駆動
軸１８の軸端部が各突出されると共に、該軸端部に設け
た駆動ギヤ１９と、両レールのラツク１１ｂとは適当な
伝動ギヤ２０を介して夫々噛合されている。従つて、上
記作用部１３は、各ローラ１７を介して左右方向へ移動
可能に吊持されているから、上記モータの正逆いずれか
の回転駆動力が軸１８、ギヤ１９を介して伝動ギヤ２０
に伝えられると、左右いずれかの方向へ移動するのであ
る。

なお、第３図において、符号１７ａで示されるものは、
両レール１１の対向側面に各接当するように枢着した接
当ローラで、該ローラを、上記した作用部１３の吊持用
ローラ１７間に複数個配設することによつて、該作用部
の上記移動をスムーズに行なうことができるのである。

２１は上記両フレーム１５に各設けられた中空状のブラ
シホルダーで、該ホルダーの一端側には内部連通状態と
された支持アーム兼用のダクト２２が連結されると共に
、該ダクトの基端部は軸体２３を介して枢着されている
。

２４は上記ダクト２２（ブラシホルダー２１）を外方へ
押動させることにより、後述するブラシ部材の先端部を
金型２，３面に押圧する機構であつて、該押圧機構は、
上記フレーム１５の壁部等に軸体２５を介して枢着され
たシリンダー２６と、該シリンダーに各設けられたピス
トン２７とから成り、該ピストンの突出軸端部は適当な
枢着体２８を介してダクト２２におけるブラシホルダー
２１側の端部に各枢着され、また、上記両シリンダー２
６内におけるピストン２７軸には、該ピストンをシリン
ダーの枢着軸体２５側へ押動するためのスプリング２９
が巻装されると共に、該シリンダー内には、ピストン２
７を反軸ＦＩ２５側へ押動させるための圧縮エアー３０
を夫々導入し得るように構成されている。

３１は上記ブラシホルダー２１に各装着された金型２，
３の型面クリーニング用の平ブラシ部材で、該部材の先
端は型面に向つて夫々突設されると共に、該部材の取付
基板３２は上記ホルダー２１側に設けられた揺動可能な
自在軸３３にゴム等の防振材３４を介して装着されてい
る。

３５は、例えば、モータの回転力を偏心カム等を利用し
て振動させるように構成した適当な加振機構である。

３６は操材部１４に設けられた集塵ケースで、該ケース
と集塵器本体３７とはバキユームホース３８を介して連
結されると共に、該ケースと前記作用部１３側の各ダク
ト２２とは屈曲自在なバキユームホース３９を介して夫
々連結されており、従つて、上記集塵器本体３７を作動
させると、連通状態として連結されたホース３８、集塵
ケース３６、ホース３９、ダクト２２及びブラシホルダ
ー２１内には吸気圧が生ずることとなる。

然して、この吸気圧は、上記ホルダー２１における平ブ
ラシ部材３１の外周附近に多数穿設した集塵孔４０を通
して、上記部材外周囲の外気４１を強制的に吸引可能と
されている。４２は操作部１４に設けられた圧縮エアー
４３の供給器で、該供給器とコンプレツサ一（図示なし
）側とは管４４を介して連結されると共に、該供給器と
前記両フレームにおけるダクト４５とは屈曲自在なホー
ス４６を介して連結されている。

また、上記ダクト４５はバキユームホース３９を連結し
た前述のダクト２２と一体的に設けられてブラシホルダ
ー２１の支持アームを兼ねるのであるが、上記ダクト２
２とは内部連通することはなく、更に、平ブラシ部材の
各取付基板３２に形成した圧縮エアー導入部３２ａとは
屈曲自在なホース４７を介して連通されており、従つて
、上記圧縮エアー供給器４２を作動させると、そのエア
一４３は連通状態として連結されたホース４６、ダクト
４５及びホース４７を通して上記基板における導入部３
２ａ内に圧送されることとなる。然して、この圧送され
たエアーは、上記導入部３２ａと連通し、且つ平ブラシ
部材３１の突設方向と略同じ方向に向つて穿設開口され
た多数のエアー噴出孔３２ｂを通して外部に噴出可能と
されている。なお、上記作用部１３は駆動ギヤ１９を回
転させて左右方向へ移動させるのであるが、該ギヤ回転
用の駆動モータを作動させるための電気的信号を、例え
ば、移動金型２の上下往復動等の動作に対して応動可能
に併設したリミツトスイツチ（図示なし）を介して与え
ることにより、金型２，３による型開時には該金型の上
下間へ、また、その型締時にはこれに先行して成形機１
の側方位置へ夫々自動的に移動、退避可能に構成されて
いる。

また、上記加振機構３５は、例えば、その駆動モータの
回転数を可変となすことによつて、強振動、弱振動若し
くは微振動の夫々の状態に適宜変更可能な構成を採用し
てもよい。次に、上記実施例に示すクリーニング装置に
基づいてその作用を説明する。

いま、移動金型２が下動して型開きが行なわれ、且つ成
形品が取り出されて成形一工程が終了すると、クリーニ
ング作用部１３の，駆動モータは自動的に回転されると
共に、該回転力は駆動軸１８、駆動ギヤ１９を介して伝
動ギヤ２０に伝えられて該作用部を金型２，３間に移動
することになる。

従つて、作用部１３の上記移動開始と略同時に、加振機
構３５、集塵器３７及び圧縮エアー供給器４２を夫々作
動させると、平ブラシ部材３１には上記加振機構３５に
よつて生じた方向性の無いパイプレーシヨン（振動）が
加えられることになり、該部材がこの状態で金型２，３
の型面上を移動すると、前述した残存バリには上記パイ
プレーシヨンに基づく方向性の無い加傷力が加えられる
のである。然して、このとき、平ブラシ部材３１の先端
部から圧縮エアー４３が金型面に向つて噴出されると共
に、該部材の外周面には外気の吸引力が働いているから
、結局、上記残存バリに対しては、エアー４３の冷却に
よる型面からの剥離容易化と、方向性の無い平ブラシ部
材３１による加傷と、型面から加傷剥離されたバリの機
外への吸引除去といつた各作用が共に相俟つて行なわれ
ることとなるのである。なお、このとき、両平ブラシ部
材３１の押圧機構２４におけるシリンダー２６内に圧縮
エアー３０を導入してそのピストン２７をスプリング２
９の弾性に抗して押動すると、該ピストン軸は枢着体２
８を介して上記ダクト２２を反シリンダー２６側へ夫々
押回動させることになり、従つて、両平ブラシ部材３１
の先端部は金型２，３面に押圧されて該金型面のバリを
確実に加傷、剥離するものである。

以上、要するに、本発明装置は、プラスチツク成形機に
おける金型面に対して進退可能に装設したクリーニング
作用部と、該作用部を操作する操作部とから成るクリー
ニング装置において、上記作用部には金型面のクリーニ
ング用ブラシ部材と、該ブラシ部材に無方向性のパイプ
レーシヨンを附与する加振機構、及び該ブラシ部材の先
端部を上記金型面に押圧する機構を装設すると共に、上
記ブラシ部材の外周附近には、集塵孔を設けたものであ
るから、例えば、ブラシ部材を水平に、或は垂直に揺動
させるための複雑な機構が不要となつて、該装置の保守
、点検作業が容易となるのみならず、構成簡易化による
コストダウンが図れると共に、加振機構側とブラシホル
ダー（ダクト）側との間には防振材が介在されているた
め、その振動がダクト側へ伝わるのを可及的に防止し得
て、該装置の全体的耐久性を向上することができる等の
優れた効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

図は本発明の実施例を示すもので、第１図は金型面のク
リーニング装置を備えたプラスチツク成形機の一部切欠
正面図、第２図及び第３図は第１図１−１線及びＨ−線
における一部切欠断面図及び一部切欠拡大断面図、第４
図は第２図−線における一部切欠拡大断面図である。 １・・・・・・プラスチツク成形機、２・・・・・・移
動金型、３・・・・・・固定金型、１２・・・・・・ク
リーニング装置本体、１３・・・・・・クリーニング作
用部、１４・・・・・・操作部、２４・・・・・・押圧
機構、３１・・・・・・ブラシ部材、３４・・・・・・
防振材、３５・・・・・・加振機構、４０・・・・・・
集塵孔、４１・・・・・・外気。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ プラスチック成形機における金型面に対して進退可
   能に装設したクリーニング作用部と、該作用部を操作す
   る操作部とから成るクリーニング装置において、上記作
   用部には金型面のクリーニング用ブラシ部材と、該ブラ
   シ部材に無方向性のバイブレーションを附与する加振機
   構、及び該ブラシ部材の先端部を上記金型面に押圧する
   機構を装設すると共に、上記ブラシ部材の外周附近には
   、集塵孔を設けたことを特徴とするプラスチック成形金
   型面のクリーニング装置。 ２ クリーニング作用部におけるクリーニング用ブラシ
   部材と、該ブラシ部材に無方向性のバイブレーションを
   附与する加振機構とを防振材を介して夫々装設したこと
   を特徴とする特許請求の範囲第１項記載のプラスチック
   成形金型面のクリーニング装置。