JPS5937507B2 - 透明樹脂包埋用植物標本の染色法 - Google Patents
透明樹脂包埋用植物標本の染色法Info
- Publication number
- JPS5937507B2 JPS5937507B2 JP12441375A JP12441375A JPS5937507B2 JP S5937507 B2 JPS5937507 B2 JP S5937507B2 JP 12441375 A JP12441375 A JP 12441375A JP 12441375 A JP12441375 A JP 12441375A JP S5937507 B2 JPS5937507 B2 JP S5937507B2
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- Japan
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- plant
- transparent resin
- plant body
- resin
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Description
【発明の詳細な説明】
本発明は、透明樹脂包埋用植物標本の製造に好適な植物
体の染色法に関するものである。
体の染色法に関するものである。
透明樹脂包埋用植物標本は、置物などの室内装飾品ある
いは被服の装飾品などとして、最近各種の方法によつて
製造されているが、アントンアン、ベルトシアンなど、
化学的に不安定な色素を含む植物体は、人工色素で補色
すると、美しくかつ原色に近い生態を呈するので、補色
することが望まれており、また目的によつては、原形態
を保つたまゝ他の色彩を加える必要のある場合もある。
いは被服の装飾品などとして、最近各種の方法によつて
製造されているが、アントンアン、ベルトシアンなど、
化学的に不安定な色素を含む植物体は、人工色素で補色
すると、美しくかつ原色に近い生態を呈するので、補色
することが望まれており、また目的によつては、原形態
を保つたまゝ他の色彩を加える必要のある場合もある。
ところで、植物体に色素を含浸させることは比較的容易
に行いえられるのであるが、単に色素を含浸させただけ
では、樹脂への包埋作業中に植物体に含浸させた色素が
液体樹脂中に溶出してしまい、硬化後の樹脂を着色した
り、汚染したりして商品価値を失うことになる。この際
、完全な染色、すなわち、通常の染色条件である煮沸一
水洗−乾燥などの一連の作業により染色を行えば、前記
のように植物体に染色した色素が包埋作業中に溶出する
ことはないのであるが、スターフラワー、貝がら菊など
のように、空気中で風乾させても原形態を保つようなも
のを除いては、通常の染色条件にしたがつて、煮沸−水
洗−乾燥などの一連の作業により完全な染色を行うこと
は、植物の生態標本にとつて苛酷にすぎ、その形態を完
全に失つてしまうことになる。
に行いえられるのであるが、単に色素を含浸させただけ
では、樹脂への包埋作業中に植物体に含浸させた色素が
液体樹脂中に溶出してしまい、硬化後の樹脂を着色した
り、汚染したりして商品価値を失うことになる。この際
、完全な染色、すなわち、通常の染色条件である煮沸一
水洗−乾燥などの一連の作業により染色を行えば、前記
のように植物体に染色した色素が包埋作業中に溶出する
ことはないのであるが、スターフラワー、貝がら菊など
のように、空気中で風乾させても原形態を保つようなも
のを除いては、通常の染色条件にしたがつて、煮沸−水
洗−乾燥などの一連の作業により完全な染色を行うこと
は、植物の生態標本にとつて苛酷にすぎ、その形態を完
全に失つてしまうことになる。
本発明者は、上記実情から、通常の染色条件にしたがう
ことなく、すなわち、置物の生態標本の形態を失なわな
いようにして、かつ、樹脂への包埋作業中に植物体に染
色された色素が溶出しない染色方法について研究の結果
、溶媒の変化による色素の沈澱ないし不溶化に着目し、
植物標本の製作に当つて使用される固定脱水液の組成が
、1種類の標本に対して2種あるいはそれ以上あること
を利用して染色を行つたところ、所期の目的を達成する
ことを確認し、本発明を完成するに至つたのである。す
なわち、本発明は、植物標本の製作に当つて通常使用さ
れている固定液であるアルコール類、アセトン、あるい
はその混合液のうち1種の固定液に色素を溶解し、これ
に植物体を浸漬して植物体に色素を含浸着色させた後、
この植物体を前記浸漬液より溶解度の小さい別種の固定
液に浸漬する透明樹脂包埋用植物標本の染色法である。
ことなく、すなわち、置物の生態標本の形態を失なわな
いようにして、かつ、樹脂への包埋作業中に植物体に染
色された色素が溶出しない染色方法について研究の結果
、溶媒の変化による色素の沈澱ないし不溶化に着目し、
植物標本の製作に当つて使用される固定脱水液の組成が
、1種類の標本に対して2種あるいはそれ以上あること
を利用して染色を行つたところ、所期の目的を達成する
ことを確認し、本発明を完成するに至つたのである。す
なわち、本発明は、植物標本の製作に当つて通常使用さ
れている固定液であるアルコール類、アセトン、あるい
はその混合液のうち1種の固定液に色素を溶解し、これ
に植物体を浸漬して植物体に色素を含浸着色させた後、
この植物体を前記浸漬液より溶解度の小さい別種の固定
液に浸漬する透明樹脂包埋用植物標本の染色法である。
植物標本を製造するに当つては、固定、脱水な、どの操
作を行うことは当然であり、それに使用される固定液と
して、当該植物の形態を損なわないものが選定されるの
も、これまた当然のことである。これら固定液のうち、
本発明においては、アルコール類、アセトン、あるいは
その混合物を使、用する。この固定液の具体例としては
、たとえば、葉に対しては、メタノール、エタノール、
プロパノール、ブタノール、すみれの花に対しては、ア
セトン、ブタノール、しいたけに対しては、メタノール
、アセトンおよびその含水物などである。本発明におい
ては、上記固定液のいずれか1種に、それに溶解可能な
着色目的色素を溶解して、これに植物体を浸漬し、充分
に着色するまで色素を含浸させる。この際、必要があれ
ば媒染剤を同時に溶解して使用してもよい。上記のよう
にして着色された植物体が得られるのであるが、このま
\では色素が植物体に定着していないので、透明樹脂中
に包埋する際6ご色素が樹脂中に溶出して、硬化後の樹
脂を着色したり、汚染したりすることになる。
作を行うことは当然であり、それに使用される固定液と
して、当該植物の形態を損なわないものが選定されるの
も、これまた当然のことである。これら固定液のうち、
本発明においては、アルコール類、アセトン、あるいは
その混合物を使、用する。この固定液の具体例としては
、たとえば、葉に対しては、メタノール、エタノール、
プロパノール、ブタノール、すみれの花に対しては、ア
セトン、ブタノール、しいたけに対しては、メタノール
、アセトンおよびその含水物などである。本発明におい
ては、上記固定液のいずれか1種に、それに溶解可能な
着色目的色素を溶解して、これに植物体を浸漬し、充分
に着色するまで色素を含浸させる。この際、必要があれ
ば媒染剤を同時に溶解して使用してもよい。上記のよう
にして着色された植物体が得られるのであるが、このま
\では色素が植物体に定着していないので、透明樹脂中
に包埋する際6ご色素が樹脂中に溶出して、硬化後の樹
脂を着色したり、汚染したりすることになる。
そこで、本発明においては、前述したように、溶解度の
小さい固定液に前記の着色された植物体を浸漬して、色
素の沈澱ないし不溶化を行うのである。
小さい固定液に前記の着色された植物体を浸漬して、色
素の沈澱ないし不溶化を行うのである。
たとえば、イソプロパノール溶液を使用して着色した植
物体は、次にアセトン溶液に浸漬し、ターシヤリーブタ
ノール溶液を使用して着色した植物体は、次にノルマル
ブタノール溶液に浸漬するというように、溶解度の異な
る固定液を適宜に選定して使用する。これによつて、色
素が沈澱ないし不溶化される理論的根拠は明らかでない
が、前記のようにして着色処理した植物体は、樹脂中に
包埋する際に、少なくとも包埋樹脂が硬化するまでの間
に樹脂中に色素を溶出することはない。
物体は、次にアセトン溶液に浸漬し、ターシヤリーブタ
ノール溶液を使用して着色した植物体は、次にノルマル
ブタノール溶液に浸漬するというように、溶解度の異な
る固定液を適宜に選定して使用する。これによつて、色
素が沈澱ないし不溶化される理論的根拠は明らかでない
が、前記のようにして着色処理した植物体は、樹脂中に
包埋する際に、少なくとも包埋樹脂が硬化するまでの間
に樹脂中に色素を溶出することはない。
包埋樹脂が硬化すれば、もはや色素の溶出の心配が全く
ないことは云うまでもない。前記のようにして着色処理
した植物体は、そのま\あるいは乾燥した後、常法にし
たがい透明樹脂中に包埋する。
ないことは云うまでもない。前記のようにして着色処理
した植物体は、そのま\あるいは乾燥した後、常法にし
たがい透明樹脂中に包埋する。
次に本発明の実施例を記載する。
実施例 1
エオジンをターシヤリーブタノール90部および水10
部からなる溶液に溶解し、これにターシヤリーブタノー
ルで脱水固定した雪晃の花を浸漬し、充分に着色したな
らば、取り出してノルマルブタノール中に浸漬した後、
この雪晃の花を乾燥して樹脂中に包埋する。
部からなる溶液に溶解し、これにターシヤリーブタノー
ルで脱水固定した雪晃の花を浸漬し、充分に着色したな
らば、取り出してノルマルブタノール中に浸漬した後、
この雪晃の花を乾燥して樹脂中に包埋する。
実施例 2
エタノール30部、水65部、石炭酸5部よりなる溶液
にフクシンを溶解し、熟した桃の実を浸漬して適当な色
を呈したところで取り出し、この着色溶液に同量のブタ
ノールを加え、これに再び前記桃の実を浸漬した後、取
り出して表面のみを熱風で乾燥して樹脂中に包埋する。
にフクシンを溶解し、熟した桃の実を浸漬して適当な色
を呈したところで取り出し、この着色溶液に同量のブタ
ノールを加え、これに再び前記桃の実を浸漬した後、取
り出して表面のみを熱風で乾燥して樹脂中に包埋する。
実施例 3
エタノール70部、石炭酸10部、水20部よりなる溶
液にブクシンを溶解し、デンフアレの白色花を浸漬して
充分に着色したところで、該溶液にブタノール100部
を加えてしばらく放置しておき、次に純ブタノールの液
中に浸漬した後、取り出して樹脂中に包埋する。
液にブクシンを溶解し、デンフアレの白色花を浸漬して
充分に着色したところで、該溶液にブタノール100部
を加えてしばらく放置しておき、次に純ブタノールの液
中に浸漬した後、取り出して樹脂中に包埋する。
Claims (1)
- 1 固定液として使用されるアルコール類、アセトン、
あるいはその混合液に色素を溶解し、これに植物体を浸
漬して植物体に色素を含浸着色させた後、この植物体を
前記浸漬液より溶解度の小さい固定液に浸漬することを
特徴とする透明樹脂包埋用植物標本の染色法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12441375A JPS5937507B2 (ja) | 1975-10-17 | 1975-10-17 | 透明樹脂包埋用植物標本の染色法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12441375A JPS5937507B2 (ja) | 1975-10-17 | 1975-10-17 | 透明樹脂包埋用植物標本の染色法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS5249129A JPS5249129A (en) | 1977-04-19 |
JPS5937507B2 true JPS5937507B2 (ja) | 1984-09-10 |
Family
ID=14884847
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12441375A Expired JPS5937507B2 (ja) | 1975-10-17 | 1975-10-17 | 透明樹脂包埋用植物標本の染色法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS5937507B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104616578B (zh) * | 2015-02-12 | 2017-04-12 | 洞头县水产科学技术研究所 | 一种羊栖菜标本的制作工艺 |
-
1975
- 1975-10-17 JP JP12441375A patent/JPS5937507B2/ja not_active Expired
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS5249129A (en) | 1977-04-19 |
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