JPS5937296Y2 - コイル状熱間圧延線材の冷却搬送装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はコイル状熱間圧延線材を均一に冷却する装置に
関するもので、特にコイル状熱間圧延線材に直接熱処理
を施こして均一な材質を得るための冷却搬送装置の改善
に関する。

一般に線材、特に硬鋼線材は伸線加工前にソルバイト組
織に調整する必要がある。

ソルバイト組織を得るために、熱間圧延後の線材に圧延
温度を利用して行なう直接熱処理方法がある。

−例として、ローラー形式のコンベア上を、線材を移動
させつつ衝風によって冷却するステルモア方式の直接熱
処理方法について述べる。

第１図のごとく、熱間圧延終了後の硬鋼線材２はリール
３によってコイリングされながら、ロー−７−１上に落
下し、該ローラー１上を第２図のように非同心円の重な
ったリング状で移動され集束タブ４に集束される。

この間にローラー１の下方から数個のブロワ−５によっ
て吹付けられる衝風で、硬鋼線材２は急速冷却され、ソ
ルバイト組織を得るものである。

しかしながら、ローラー１上の位置によって線材密度が
異なるため線材全長に亘る均一冷却が行われないという
欠点を有する。

即ち、第２図のごとくローラー１上の幅方向端部は中央
部に比して線材密度が大きいため端部の線材部分２ａは
、中央部の線材部分２ｂより、冷却速度が遅く、ソルバ
イト組織は粗大となる。

従って、線材部分２ａは２ｂに比して、伸線加工性が劣
り、伸賎加工時線材部分２ａで断線したり、また製品の
機械的性質のバランキ要因ともなり問題を生じていた。

このような問題を解決するために各種の線材冷却方法お
よび装置が提案されている。

ローラーを利用する方法、装置として実公昭５２−２１
２８８号公報記載の装置は線材を端部段付ローラーで上
下動させながら進行させるものであるが、線材の先端が
段付部に突かかりコイル形状を乱し、又スリツプを生ず
るおそれがある。

また、線材をチェンコンベアで移行させ、線材端部位の
みに別駆動の短いローラーを用いた方法、装置として特
開昭４９−１５６０８号公報記載のものでは線材端部位
に水平ローラーを設け、実公昭５２−２１２８７号公報
記載の装置ではこれを偏心ローラーとし、いずれも線材
端部のみを上下動させている。

さらに特開昭４９−１５６０９号公報記載のものでは線
材端部位に垂直ロー２−と水平ロー２−を併設して蛇行
させつつ端部のみを上下動させている。

これらはいずれも線材移行用のチェンコンベアと上下動
用の端部ローラーとが別駆動であるためスリップにより
疵発生のおそれがある。

本考案の目的は熱間圧延線材の全長に亘って均一に直接
冷却を施して均一なソルバイト組織となし線材に均一か
つ良好な伸線加工性を付与し、しかもコイル形状の乱れ
、すり疵発生等問題点のないコイル状熱間圧延線材の冷
却搬送装置の提供にある。

本考案は例えば前述のステルモア方式により、線材を直
接冷却するに際し用いられるもので、その要旨とすると
ころは熱間圧延した線材を、連続したリング状となして
ローラーコンベア上を移行させながら冷却するコイル状
熱間圧延線材の冷却搬送装置において、該ローラーコン
ベアは円錐台ローラーからなり、各円錐台ローラーはそ
の大径側および小径側が互いに交互になるよう配設され
ていることを特徴とするコイル状熱間圧延線材の冷却搬
送装置にあり、円錐台ローラーからなるローラーコンベ
ア上で線材を揺動、振動、蛇行または揺動と蛇行、振動
と蛇行を組合せた運動をさせつつ、該線材に衝風を吹付
けることによって、熱間圧延線材の全長に亘って均一に
冷却を施して均一なソルバイト組織となし、線材に均一
良好な伸線加工性を付与し、かつコイル形状の乱れ、す
り疵発生等の問題のない線材を製造しようとするもので
ある。

以下、本考案を図面によって詳細に説明する。

第３図のごとく、円錐台ローラー６を一定周期毎（第３
図では１本毎）にその大径側と小径側とが交互になるよ
うに配設したローラーコンベア上を線材が第２図のごと
く、非同心円の重なったリング状で移動するとき、該ロ
ーラー６の径差によって該線材端部２ａは中央部２ｂに
比して大きく揺動する。

第４図はローラーの回転軸７を上下にずらせて一定周期
毎に落差をもたせたもので、このようなローラーコンベ
ア上を線材が移動するとき線材は一定距離進むごとに落
下し、線材束なり部が離合する。

さらに、第５図はローラー回転軸７を線材の搬送面に平
行な面内で一定周期毎にその軸線が交叉するように傾斜
させたローラーを用いたものでありこのようなローラー
コンベア上を線材が移動するとき線材は蛇行し、重なり
部分が離合する。

また、第３図に示したローラーにおいてローラー回転軸
７を第６図のごとく、線材の搬送面に平行な面内で傾斜
させると、線材は上下に揺動または振動しつつ左右に蛇
行し重なり部分の離合がより顕著になる。

つぎに本考案装置を用いた実施例を述べる。

硬鋼線材５ＷＲＨ６２Ａを５．５１１ｏｌｌ＠に熱間圧
延し、捲取後、非同心円の重なったリング状でロー２−
コンベア上を移動させつつ衝風を吹きつけて冷却した。

冷却後の線材の材質は第１表に示すごとく用いたローラ
ーの形状により異なり、本考案のローラーを用いること
により、ローラーコンベア上の中央部と縁部の差が小で
全長にわたって伸線加工用として均一良好な材質となっ
た。

以上、述べたごとく、熱間圧延後の線材を非同心円の重
なったリング状でローラーコンベア上を移行させつつ衝
風冷却する際に、本考案装置を用いて上下運動、蛇行運
動をさせることによりコイル状線材の重なり部は離合し
て、均一に冷却され線材全長にわたり伸線加工用として
均一良好な材質が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の冷却装置の正面図、第２図は従来のロー
ラー上の線材の詳細図、第３図−第６図は本考案装置の
ローラーの平面図および側面図である。 １・・・・・・ローラー、２・・・・・・線材、３・・
・・・・リール、４・・・・・・集束タブ、５・・・・
・・ブロワ−１６・・・・・・円錐台ローラー ７・・
・・・・ロー２−回転軸。

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）熱間圧延した線材を連続したリング状となしてロ
   ーラーコンベア上を移行させながら冷却するコイル状熱
   間圧延線材の冷却搬送装置において、該ローラーコンベ
   アは円錐台ローラーからなり、各円錐台ローラーはその
   大径側および小径側が互いに交互になるよう配設されて
   いることを特徴とするコイル状熱間圧延線材の冷却搬送
   装置。
2. （２）前記各円錐台ローラーは、その回転軸が搬送面に
   平行な面上で互いに平行になるように配設されている前
   項１記載の装置。
3. （３）前記各円錐台ロー２−は、その回転軸の軸線が搬
   送面に平行な面上で互いに交叉するように傾斜して配設
   されている前項ｌ記載の装置。