JPS5935985B2 - 耐熱鋳鋼 - Google Patents
耐熱鋳鋼Info
- Publication number
- JPS5935985B2 JPS5935985B2 JP9137481A JP9137481A JPS5935985B2 JP S5935985 B2 JPS5935985 B2 JP S5935985B2 JP 9137481 A JP9137481 A JP 9137481A JP 9137481 A JP9137481 A JP 9137481A JP S5935985 B2 JPS5935985 B2 JP S5935985B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- temperature
- cast steel
- strength
- creep rupture
- resistant cast
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired
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- Turbine Rotor Nozzle Sealing (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
本発明は耐熱鋳鋼に関する。
従来、石油化学工業におけるエチレンクラツキングチュ
ーブ材として、ASTM規格HK40材(JISSCH
22相当)やHP材(JISSCH24相当)等のNi
−Cに含有耐熱鋳鋼が汎用されてきたが、近年操業の高
温化につれて高温でのクリープ破断強度の改善が要求さ
れ、これに対して、Wを含むHP材が開発され、実用に
供されている。
ーブ材として、ASTM規格HK40材(JISSCH
22相当)やHP材(JISSCH24相当)等のNi
−Cに含有耐熱鋳鋼が汎用されてきたが、近年操業の高
温化につれて高温でのクリープ破断強度の改善が要求さ
れ、これに対して、Wを含むHP材が開発され、実用に
供されている。
しかしながら、操業条件の一そうの苛酷化に伴ない、上
記W含有HP材よりも更に高温クリープ破断強度の高い
材料が要請されるに到っている。本発明者等は、上記要
請に応えるべく、CにyNiおよびWを含む耐熱鋳鋼を
基本成分組成とし、高温特性に対する各種添加元素の影
響について鋭意研究を重ねた結果、NおよびTi並びに
A7またはBをそれぞれ一定量複合添加することにより
、高温度、特に1000℃を越える苛酷な使用条件に耐
え得る、高温クリープ破断強度、耐熱衝撃性等卓越した
高温特性を具備せしめ得ることを見出し、本発明を完成
するに到った。
記W含有HP材よりも更に高温クリープ破断強度の高い
材料が要請されるに到っている。本発明者等は、上記要
請に応えるべく、CにyNiおよびWを含む耐熱鋳鋼を
基本成分組成とし、高温特性に対する各種添加元素の影
響について鋭意研究を重ねた結果、NおよびTi並びに
A7またはBをそれぞれ一定量複合添加することにより
、高温度、特に1000℃を越える苛酷な使用条件に耐
え得る、高温クリープ破断強度、耐熱衝撃性等卓越した
高温特性を具備せしめ得ることを見出し、本発明を完成
するに到った。
すなわち、本発明は、C約0.3〜0.6%(重量%、
以下同じ)、Si約2.0%以下、Mn約200%以下
、Cr約20〜30Ll)、Ni約30〜40%、W約
005〜500%、N約0904〜0015%、Ti約
0004〜0315%およびA7約0002〜0007
%、B約0.0002〜0.004%のいずれか一種、
残部実質的にFeからなる耐熱鋳鋼を提供する。
以下同じ)、Si約2.0%以下、Mn約200%以下
、Cr約20〜30Ll)、Ni約30〜40%、W約
005〜500%、N約0904〜0015%、Ti約
0004〜0315%およびA7約0002〜0007
%、B約0.0002〜0.004%のいずれか一種、
残部実質的にFeからなる耐熱鋳鋼を提供する。
以下、本発明鋳鋼の成分限定理由について詳しく説明す
る。
る。
なお、以下の説明中「%」はすべて1重量%」である。
Cは、鋳鋼の鋳造性を良好にするほか、一次炭化物を形
成し、クリープ破断強度を高めるのに必要である。
Cは、鋳鋼の鋳造性を良好にするほか、一次炭化物を形
成し、クリープ破断強度を高めるのに必要である。
このために少くとも約033%を要する。C量の増加と
ともにクリープ破断強度も高くなるが、過度に多くなる
と二次炭化物が過剰に析出し、使用後の靭性低下が著し
くなるほか、溶接性も悪化するので、約006%を上限
とする。Siは、溶製時の脱酸剤としての役割を有する
ほか、耐浸炭性の改善に有効な元素である。
ともにクリープ破断強度も高くなるが、過度に多くなる
と二次炭化物が過剰に析出し、使用後の靭性低下が著し
くなるほか、溶接性も悪化するので、約006%を上限
とする。Siは、溶製時の脱酸剤としての役割を有する
ほか、耐浸炭性の改善に有効な元素である。
ただし、過剰に加えると、溶接性を損なうので、約20
0%以下とする。Mnは、上記Siと同様に脱酸剤とし
て機能するほか、溶鋼中の硫黄Sを固定・無害化する元
素として有効であるが、あまり多《加えると耐酸化性が
低下するので、約2.0係を上限とする。
0%以下とする。Mnは、上記Siと同様に脱酸剤とし
て機能するほか、溶鋼中の硫黄Sを固定・無害化する元
素として有効であるが、あまり多《加えると耐酸化性が
低下するので、約2.0係を上限とする。
Crは、後記Niとの共存下に、鋳鋼組成をオーステナ
イト化し、高温強度や耐酸化性を高める効果を有する。
その効果はCrの増加とともに高められ、特に約100
0℃以上の高温度における強度、耐酸化性を十分なもの
とするには、約20係以上加えられる。ただし、あまり
多く加えると、使用後の靭性の低下が著しくなるので、
約30%を上限とする。Niは、上記のように、Crと
共存して、鋳鋼をオーステナイト組織となし、組織を安
定化し、耐酸化性および高温強度等を高めるのに有効な
元素である。
イト化し、高温強度や耐酸化性を高める効果を有する。
その効果はCrの増加とともに高められ、特に約100
0℃以上の高温度における強度、耐酸化性を十分なもの
とするには、約20係以上加えられる。ただし、あまり
多く加えると、使用後の靭性の低下が著しくなるので、
約30%を上限とする。Niは、上記のように、Crと
共存して、鋳鋼をオーステナイト組織となし、組織を安
定化し、耐酸化性および高温強度等を高めるのに有効な
元素である。
特に、約1000高C以上の高温域において良好な耐酸
化性および高温強度を発揮させるには、約30%以上の
添加を要する。Niの増加とともに上記両特性は向上す
るが、約40係を越えても効果は飽和し、経済的に不利
であるので、約40係を上限とする。Wは、高温強度に
寄与する。
化性および高温強度を発揮させるには、約30%以上の
添加を要する。Niの増加とともに上記両特性は向上す
るが、約40係を越えても効果は飽和し、経済的に不利
であるので、約40係を上限とする。Wは、高温強度に
寄与する。
この効果を得るために約0.5%以上の添加を要するが
、多量に加えると耐酸化性が損なわれるので、約5.0
%を上限とする。本発明鋼は、上記諸元素に加えて、N
とTiおよびA7,Bのいづれか一種を複合的に含有す
る点に最大の特徴を有する。
、多量に加えると耐酸化性が損なわれるので、約5.0
%を上限とする。本発明鋼は、上記諸元素に加えて、N
とTiおよびA7,Bのいづれか一種を複合的に含有す
る点に最大の特徴を有する。
これら元素の複合添加によって高温特性の飛躍的改善が
達成され、いづれか.1つの元素を欠いてもその効果は
得られない。すなわち、Tiは鋼中のC,Nと炭窒化物
を形成し、BまたはAlはこれら化合物を微細に分散さ
せるとともに結晶粒界を強化し、耐粒界割れ性を高める
ことにより、高温強度、特にクリープ破断強度、あるい
は高温熱衝撃特性、長時間クリープ破断強度等の顕著な
改善効果をもたらす。Nは、固溶窒素の形態でオーステ
ナイト相を安定化並びに強化するとともに、Ti等と窒
化物を形成し、前記のようにA7またはBとの共存下に
微細分散することにより結晶粒を微細化し、かつその粒
成長を阻止して高温強度や熱衝撃特注の改善に寄与する
。
達成され、いづれか.1つの元素を欠いてもその効果は
得られない。すなわち、Tiは鋼中のC,Nと炭窒化物
を形成し、BまたはAlはこれら化合物を微細に分散さ
せるとともに結晶粒界を強化し、耐粒界割れ性を高める
ことにより、高温強度、特にクリープ破断強度、あるい
は高温熱衝撃特性、長時間クリープ破断強度等の顕著な
改善効果をもたらす。Nは、固溶窒素の形態でオーステ
ナイト相を安定化並びに強化するとともに、Ti等と窒
化物を形成し、前記のようにA7またはBとの共存下に
微細分散することにより結晶粒を微細化し、かつその粒
成長を阻止して高温強度や熱衝撃特注の改善に寄与する
。
この効果を十分に得るためのN量は少くとも約0、04
係であることが望ましい。但し、多量に加えると、窒化
物が過剰に析出し、また該窒化物の粗大化を招き、却っ
て耐熱衝撃特性が劣化するので、好ましくは約0.15
%を上限とする。Tiは、上記効果を発揮させるために
、約0.04%以上とするのが好ましい。
係であることが望ましい。但し、多量に加えると、窒化
物が過剰に析出し、また該窒化物の粗大化を招き、却っ
て耐熱衝撃特性が劣化するので、好ましくは約0.15
%を上限とする。Tiは、上記効果を発揮させるために
、約0.04%以上とするのが好ましい。
その添加量の増加と共にクリープ破断強度の向上が認め
られるが、多量に加えると析出物の粗大化のほか、酸化
物系介在物の増加を招き強度がやや低下するので、好ま
しくは約0.15%を上限とする。Alは、上記効果を
得るために約0.02%以上添加するのが望ましい。
られるが、多量に加えると析出物の粗大化のほか、酸化
物系介在物の増加を招き強度がやや低下するので、好ま
しくは約0.15%を上限とする。Alは、上記効果を
得るために約0.02%以上添加するのが望ましい。
添加量の増加とともに高温強度が増加するが、多量に加
えると却って強度低下を招くので、約0.07%を上限
とするのが好ましい。Bは、鋼の基地の結晶粒界を強化
するほか、前記Ti系析出物の粗大化を防止し、その微
細析出に寄与するとともに、析出後の凝集粗大化を遅ら
せることにより、クリープ破断強度の向上をもたらす。
えると却って強度低下を招くので、約0.07%を上限
とするのが好ましい。Bは、鋼の基地の結晶粒界を強化
するほか、前記Ti系析出物の粗大化を防止し、その微
細析出に寄与するとともに、析出後の凝集粗大化を遅ら
せることにより、クリープ破断強度の向上をもたらす。
このために約0.0002%以上加えるのが望ましく、
一方多量に加えても強度向上は進まず、また溶接性の劣
化を招くので、好ましくは約0.04係以下とする。そ
の他、P,S等の不純物は、この種の鋼に通常許容され
る範囲内で存在してもかまわない。
一方多量に加えても強度向上は進まず、また溶接性の劣
化を招くので、好ましくは約0.04係以下とする。そ
の他、P,S等の不純物は、この種の鋼に通常許容され
る範囲内で存在してもかまわない。
次に実施例を挙げて本発明鋳鋼の高温特性について具体
的に説明する。実施例 高周波溶解炉(大気中)で各種成分の鋳鋼を溶製し、遠
心鋳造により鋳塊(外径136mmX肉厚20mmX長
さ500mm)を製造した。
的に説明する。実施例 高周波溶解炉(大気中)で各種成分の鋳鋼を溶製し、遠
心鋳造により鋳塊(外径136mmX肉厚20mmX長
さ500mm)を製造した。
各供試鋼の化学成分組成を第1表に示す。各鋳塊かも試
験片を採取し、クリープ破断試験および耐熱衝撃性試験
を行なった。クリープ破断試験はJISZ2272の規
定に準拠し、かつ(ホ)温度1093荷重1.9k9f
/一および(B)温度850℃・荷重7.3kgf/M
Aの2通りの条件で行なった。耐熱衝撃性試験は、第1
図に示すような形状・寸法に調製した試片(厚さ8mm
)を用い、これを温度900℃に加熱して30分間保持
したのち水冷する操作を繰返し、この操作を10回行な
うごとに試片に発生したクラツクの長さを測定した。耐
熱衝撃性はクラツク長さが5mmに達したときの繰返し
回数にて評価した。試験結果を第2表に示す。なお、供
試材A1〜4は、NpTiおよびAlまたはBの各元素
すべてを、前記所定の範囲内で含有する本発明鋼、AI
l〜20は比較鋼である。比較鋼のうち、A.llはW
を含むHP材、厘12〜14はTi,AlまたはBを含
まず、またAl5〜20はN,TiおよびAlまたはB
のいずれをも含むが、その量が本発明の規定する前記範
囲から逸脱するものである。第2表に示されるように、
本発明鋼A1〜4は、従来高温クリープ破断強度が高い
とされているW含有HP材Allその他の比較鋼に《ら
べ高温クリープ破断強度および耐熱衝撃性のいづれにも
すぐれている。
験片を採取し、クリープ破断試験および耐熱衝撃性試験
を行なった。クリープ破断試験はJISZ2272の規
定に準拠し、かつ(ホ)温度1093荷重1.9k9f
/一および(B)温度850℃・荷重7.3kgf/M
Aの2通りの条件で行なった。耐熱衝撃性試験は、第1
図に示すような形状・寸法に調製した試片(厚さ8mm
)を用い、これを温度900℃に加熱して30分間保持
したのち水冷する操作を繰返し、この操作を10回行な
うごとに試片に発生したクラツクの長さを測定した。耐
熱衝撃性はクラツク長さが5mmに達したときの繰返し
回数にて評価した。試験結果を第2表に示す。なお、供
試材A1〜4は、NpTiおよびAlまたはBの各元素
すべてを、前記所定の範囲内で含有する本発明鋼、AI
l〜20は比較鋼である。比較鋼のうち、A.llはW
を含むHP材、厘12〜14はTi,AlまたはBを含
まず、またAl5〜20はN,TiおよびAlまたはB
のいずれをも含むが、その量が本発明の規定する前記範
囲から逸脱するものである。第2表に示されるように、
本発明鋼A1〜4は、従来高温クリープ破断強度が高い
とされているW含有HP材Allその他の比較鋼に《ら
べ高温クリープ破断強度および耐熱衝撃性のいづれにも
すぐれている。
比較鋼のなかには、クリープ破断強度または耐熱衝撃性
のいづれかが高い値を有するものもあるが、総合的な評
価において本発明鋼に及ばない。特に本発明鋼は、85
0℃などの1000℃以下の温度域よりも、1098℃
などのように1000℃を越える高温域において、一段
とすぐれたクリープ破断特性を示すことは注目すべきで
ある。以上のように、本発明に係る耐熱鋳鋼は、従来の
W含有HP材などよりもすぐれた高温特性、就中高温ク
リープ破断強度および耐熱衝撃性を有し、石油化学工業
におげるエチレンクラツキングチューブや改質炉内のり
フオーマチューブとして、あるいは鉄鋼関連設備におけ
るノ・−スロールやラジアントチューブなど、温度10
00℃を越える高温域で使用される各種設備部品の好適
な材料として供することができる。
のいづれかが高い値を有するものもあるが、総合的な評
価において本発明鋼に及ばない。特に本発明鋼は、85
0℃などの1000℃以下の温度域よりも、1098℃
などのように1000℃を越える高温域において、一段
とすぐれたクリープ破断特性を示すことは注目すべきで
ある。以上のように、本発明に係る耐熱鋳鋼は、従来の
W含有HP材などよりもすぐれた高温特性、就中高温ク
リープ破断強度および耐熱衝撃性を有し、石油化学工業
におげるエチレンクラツキングチューブや改質炉内のり
フオーマチューブとして、あるいは鉄鋼関連設備におけ
るノ・−スロールやラジアントチューブなど、温度10
00℃を越える高温域で使用される各種設備部品の好適
な材料として供することができる。
第1図は耐熱衝撃性試験片の形状を示す説明図である。
Claims (1)
- 1 C0.3〜0.6%(重量%、以下同じ)、Si2
.0%以下、Mn2.0%以下、Cr20〜30%、N
i30〜40%、W0.5〜5.0%、N0.04〜0
.15%、Ti0.04〜0.15%およびAl0.0
2〜0.07%、B0.0002〜0.004%のいづ
れか一種、残部実質的にFeより成る耐熱鋳鋼。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9137481A JPS5935985B2 (ja) | 1981-06-13 | 1981-06-13 | 耐熱鋳鋼 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9137481A JPS5935985B2 (ja) | 1981-06-13 | 1981-06-13 | 耐熱鋳鋼 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP56003605A Division JPS596910B2 (ja) | 1981-01-12 | 1981-01-12 | 耐熱鋳鋼 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS57116765A JPS57116765A (en) | 1982-07-20 |
JPS5935985B2 true JPS5935985B2 (ja) | 1984-08-31 |
Family
ID=14024593
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9137481A Expired JPS5935985B2 (ja) | 1981-06-13 | 1981-06-13 | 耐熱鋳鋼 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS5935985B2 (ja) |
-
1981
- 1981-06-13 JP JP9137481A patent/JPS5935985B2/ja not_active Expired
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS57116765A (en) | 1982-07-20 |
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