JPS5935614Y2 - 津波、高潮による海上浮上構造物の陸上への移動防止装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、津波や台風による高潮が発生した場合、港
湾内に停泊している船舶等の海上浮上構造物が陸上に移
動してしまうことを防止するための防止装置に関するも
のである。

従来、津波や台風による高潮が発生すると、港湾に停泊
している船舶等の海上浮上構造物は、係留索を切断し、
陸上に移動してしまい、波、潮が引いた後、陸上にその
まま残留する事態が発生する。

陸上に残留した海上浮上構造物が船舶等の大型構造物で
あると再び海上に戻すことは不可能であるので解体して
スクラップにせざるを得ず、多大の損害をこうむること
になる。

また、さらに、このような大型構造物が道路、鉄道路上
に残留した場合には、交通面でも大きな問題点が発生す
ることとなる。

この考案は、前述の津波や台風による高潮により、海上
浮上構造物が陸上に移動してしまうことを防止するため
の装置を提供するものであって、岸壁の海側に、通水孔
を設けた、外筒を立設し、該外筒内に上部に空気溜りを
有する内筒を浮上状態で挿入してなることに特徴を有す
る。

この考案を以下実施例とともに図面を参照しながら説明
する。

第１図は、この考案の実施例の平常水位時の側面図であ
り、第２図は、この考案の実施例の異常水位時の側面図
である。

図面において、１は岸壁、２は水底、３は、下方部に通
水孔３′ を有する外筒で岸壁１に対し固着され、その
断面形状は円筒、または角筒をなすものである。

４は前記外筒３内に挿入され、上部に空気溜り４′を設
けた内筒であって、適度の浮力が該空気溜り４′により
与えられて、外筒３内に浮上できるようにしたものであ
る。

前記外筒３及び内筒４は、岸壁１の長手方向に沿って複
数設けられている。

尚、５は平常時の水位、６は船舶等の海上浮上構造物、
７はボラード、８は係留索、９は異常時の水位を示す。

この考案は以上の構成からなるので、津波、高潮が発生
し、異常水位９になると、第２図に示すごとく、内筒４
と、船舶６が共に浮上する。

従って、船舶６が陸上方向に移動しようとしても、外筒
３により支持されている内筒４により、その移動が阻止
される。

一方、船舶６が海側へ移動しようとしても、船舶６は係
留索８により内筒４に係留されているので移動しない。

以上説明したように、この考案によれば、簡単な構造で
特別な動力を要することなく、津波、高潮による異常水
位に対して、船舶等の海上浮上構造物が陸地に移動して
しまう事故を未然に防止できるといったきわめて有用な
効果がもたらされる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案の実施例の平常水位時の状態を示す
側面図。 第２図は、この考案の実施例の異常水位時の状態を示す
側面図である。 図面において、 −１・・・・・・岸壁、２・・・・・・水底、３・・・
・・・外筒、３′・・・・・通水孔、４・・・・・・内
筒、４′・・・・・・空気溜り、５・・・・・平常時の
水位、６・・・・・・海上浮上構造物、７・・・・・ボ
ラード、８・・・・・・係留索、９・・・・・・異常時
の水位。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 岸壁の海側に、通水孔３′を設けた外筒３を立設し、該
   外筒内に、上部に空気溜り４′を有する内筒４を浮上状
   態で挿入してなることを特徴とする津波、高潮による海
   上浮上構造物の陸上への移動防止装置。