JPS63315717A

JPS63315717A - 消波装置

Info

Publication number: JPS63315717A
Application number: JP62153146A
Authority: JP
Inventors: Tomoji Ono; 智司小野
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 1987-06-19
Filing date: 1987-06-19
Publication date: 1988-12-23

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕この発明は、海や湖において岸に打ち寄せる波を静める
消波装置に関する。

〔従来技術〕

水面上で発生する波は、水の上下運動がある速度で広が
ってゆく現象であって、沖では波長が長く速度も速いの
であるが、岸に近づくにつれて浅瀬で抵抗を受けるため
、速度は遅くなるが波の高さは大きくなり、ついには裂
は波となる。また、岸に斜めに向かう波であっても先に
岸に近い浅い箇所に達した部分が言わば歩調をゆるめ岸
に遠い部分が追い付くのを待つことになるので、波は次
第に方向を変え、海岸線に平行になっていっせいに砂浜
に打ち上げることになる。

波はこのように岸においてエネルギーが集中して衝突す
るため、停泊中の船舶の転覆、海岸の侵触等の各種の被
害をもたらす。このような波による被害を防止するため
に、従来は防波堤や護岸提を構築していた。

防波堤や護岸提の構築には、コンクリートの打設工事や
テトラポット等のブロック積み工事が多く行われている
。

〔発明が解決しようとする問題点〕

しかし、コンクリートの打設工事によって防波堤や護岸
堤を構築した場合には、その雅工事のために具入な費用
が掛るために、その工事費用を受は持つ地方自治体等に
過大な負担を掛ける。

また、テトラポット等のブロック積みの場合は、コンク
リートの打設工事とは違って難工事とはならないが、ブ
ロック自体の価格が高いために、コンクリートの打設の
場合に比べて工事が比較的安価に済むが、それでも自治
体等にとってはかなりの負担となる。また、ブロック積
みの場合は、波の渦によって下の砂が削り取られて徐々
に沈下し、少しづつ防波機能を喪失することになるため
、ブロックを追加する等の保守・管理費が掛る負担も大
きい。

しかも、ブロック積みの場合は、その乱雑な積み重ね風
景が海岸の美観を著しく損ね、周囲の景観を殺風景とす
るために、殊に、観光資源を活かそうとする地域には不
向きである。

この発明は、上記のような実情に鑑みて、工費が格段に
安価であるために経済的負担が少なくて済み、また、海
面下の構築物によるために周囲の美観を全く損なわない
消波装置を提供することを目的としたものである。

〔問題点を解決するための手段〕

上記の目的を達成するためのこの発明の構成は、海岸近
くの海底に沈下させた基礎に通気パイプを波と略平行方
向に配設し、通気パイプに空気を噴出するノズルを間隔
おきに設け、コンプレッサーにより通気パイプに空気を
圧送するようにした消波装置をその要旨とする。

〔作　用〕

上記の構成によれば、通気パイプの上方の水面にはノズ
ルから噴出された空気により盛上がり部分が生じ、その
盛上がり部分が軽軟であり、それに波が当たると波動が
変調されることによって波どうしのエネルギーで相殺さ
れ、泡と砕けてエネルギーを失う。

〔実施例〕

以下、図面に基づいてこの発明の詳細な説明する。

第１図ないし第３図は一実施例を示したもので、その消
波装置は、基礎１と、２通気パイプ２と、送気パイプ３
と、コンプレッサー４等から構成される。

基礎１は、二列にして波と平行となるように、つまり海
岸６に平行に設けられ、それには海底７に玉石１ａを敷
き、その上にコンクリート製の四角のブロック１ｂを等
間隔おきに載置して構成される。しかし、通気パイプ２
を安定して支持できれば、杭等の他の基礎であってもよ
い。

ブロック１ｂには通気パイプ２の支持金具８を植設し、
支持金具８にはＵ字形の受け９を設け、その受け９に通
気パイプ２を納めてボルト１０で締めである。

通気パイプ２は、それに上向きのノズル１２を等間隔お
きに列設されたもので、位置については、波の最高の高
さ、消波の目的、海岸の環境等の諸条件により一概には
限定できないが、普通には５〜１５ｍ程度の水深に配列
される。

ノズル１２は、弁座１４を有する筒状ケース１３と、球
状弁体１５と、弁体止め用のキャップ１６とからなり、
キャップ１６に空気噴出口１７が形成されている。

ノズル１２をこのように弁として構成すると、空気の圧
送時以外には弁体１５が水圧で弁座１４を封じることに
より逆水止めがなされるので、コンプレッサー４の作動
と略同時にノズル１２がら空気を噴出させ得るように、
通気パイプ２内への水の侵入を防止できる。

送気パイプ３は、コンプレッサー４から引き出され、海
底に配置し両方の通気パイプ２，２に連結されている。

コンプレッサー４は、モーターにより作動するもので、
陸上に設けられ、波センサー５の感知により一定の波の
高さ以上において作動するようになっている。

しかし、風力や波力によりコンプレッサー４が作動する
ようにしてもよい。

大きな波の発生時には、コンプレッサー４が作動して送
気パイプ３により通気パイプ２に空気が圧送される結果
、各ノズル１２．１２・・・から−斉に空気が海水中に
噴出する。

海水中に放出された空気は、泡状に玉となって上昇し、
分裂または集合しながら次第に上昇速度を速めると共に
膨張し、水面上において破裂する。

そこで、通気パイプ２の上方の水面は、沸騰しているよ
うに盛り上がっている。

波Ｗはこの盛り上がり部分Ｐに突きあたるが、その部分
が空気の混入により非常に軽軟であるため、その部分に
おいて波動のリズムが変調され、腰くだけとなって平滑
化されることによって勢いを喪失する。また、泡を作る
ことによってエネルギーが消費される。

上記のように消波装置を構成した場合は、海岸６が波に
より侵触される被害を防止することができる。そして、
基礎１を波の影響をほとんど受けなく海水が静止状態に
ある海底にのみ設置するので、工事がテトラポットの場
合に比し１０分の１ないし２０分の１程度で足りる。

〔他の実施例〕

第４図は漁港に実施した例を示したもので、左右一対の
縦防波堤１５．１５と、その前方の横防波堤１６との間
に漁船の出入口１７．１７を有する港湾となっており、
横防波堤１６の両横に斜めに通気パイプ２を配列し、出
入口１７．１７において波が静まるように構成されてい
る。

また、横防波堤１６にコンプレッサー４を設置し、その
コンプレッサー４は風車により駆動させられるように省
エネ化が図られている。

このように消波装置を構成した場合は、出入口１７にお
いて荒波のために漁船が防波堤１５．１６に衝突する危
険を防止できる。また、防波堤１５．１６を下の砂が波
により取られないようにして保護できる。

第５図はコンクリートの護岸壁１７の前方にそれと平行
に通気パイプ２を配列したものでその前方に波動装置１
８を設置し、波のエネルギーでコンプレッサー４が作動
するように構成されている。

このような消波装置によれば、護岸壁１７を保護すると
共に、その上への波の打ち上げを防止できる。

なお、通気パイプ２を山形、あるいは格子状、ジグザグ
状に配列してもよく、そのようにすると、消波効果がさ
らに大きくなる。

〔発明の効果〕

以上説明したように、この発明によれば、波の影響の少
い海底にのみ基礎を設置するので、その基礎を堅牢に構
築する必要が無く、基礎の簡単な構築により工費を格段
に安価にできる。また、基礎や通気パイプ等の主要構造
が海面下にあって見えないので、周囲の美観を損ねるお
それは全くなく、却って、基礎が漁礁の役目を果たし、
漁獲資源のために有益な存在となり得る。

また、波を物理的な力で受けて静止させるのではなく、
波を波の力で打ち消して静止させるため、合理的であり
予想外の高い波によっても装置が破壊されることはない
。

さらに、電気等の有償のエネルギーを使用するにしても
、波高のときにのみ作動させればよく、維持費が少なく
て済み、また、工費が格段に安価なことと相俟って、テ
トラポット等のコンクリート製ブロックを積み重ねる従
来の護岸堤や消波工事に比して極めて割安であり、経済
的に有利である等の優れた効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第３図は一実施例を示し、第１図は平面図
、第２図は断面図、第３図は通気パイプの断面図である
。第４図および第５図はそれぞれ他の実施例を示す平面図
である。

Claims

【特許請求の範囲】１）海岸近くの海底に沈下させた基礎に通気パイプを波
と略平行方向に配設し、通気パイプに空気を噴出するノ
ズルを間隔おきに設け、コンプレッサーにより通気パイ
プに空気を圧送するように構成した消波装置。２）ノズルが逆水止めの弁構造となっていることを特徴
とする特許請求の範囲第１項記載の消波装置。