JPS5933017B2 - マイクロカプセル用壁財 - Google Patents

マイクロカプセル用壁財

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JPS5933017B2
JPS5933017B2 JP3315080A JP3315080A JPS5933017B2 JP S5933017 B2 JPS5933017 B2 JP S5933017B2 JP 3315080 A JP3315080 A JP 3315080A JP 3315080 A JP3315080 A JP 3315080A JP S5933017 B2 JPS5933017 B2 JP S5933017B2
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JP
Japan
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keratin hydrolyzate
water
keratin
microcapsules
hydrolyzate
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JP3315080A
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JPS56129035A (en
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一成 吉岡
洋一 上村
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Seiwa Kasei Co Ltd
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Seiwa Kasei Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPS5933017B2 publication Critical patent/JPS5933017B2/ja
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J13/00Colloid chemistry, e.g. the production of colloidal materials or their solutions, not otherwise provided for; Making microcapsules or microballoons
    • B01J13/02Making microcapsules or microballoons
    • B01J13/06Making microcapsules or microballoons by phase separation
    • B01J13/08Simple coacervation, i.e. addition of highly hydrophilic material

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Dispersion Chemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Cosmetics (AREA)
  • Manufacturing Of Micro-Capsules (AREA)
  • Fats And Perfumes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は新規なマイクロカプセル用壁材に関する。
マイクロカプセルは、ポリマーや製膜性のある物質を壁
膜とする、顕微鏡的大きさの容器であり、その中に微粒
子状の物質を内蔵保護することができるものであって、
通常シームレスでリジッドな薄膜からできているもので
ある。
このマイクロカプセルは内蔵物質として、固体粉末のほ
かに、液体物質や気体物質をも収容することができ、ま
た親水性、疎水性いずれの物質でも収容できるという利
点があり、すでに溶剤、可塑剤、酸、塩基、着色剤、燃
料、触媒、接着剤、香料、記録材料、医薬品、生体物質
、食品などをはじめ種々の物質が内蔵保護されている。
マイクロカプセルは内蔵すべき物質を微小な形にし、そ
の微小物質を芯にしてその周囲を製膜性物質を被包する
ことによって形成されるものであるが、この製膜性物質
による被膜形成は、マイクロカプセル化と呼ばれ、内蔵
すべき芯物質の性質、用途、その他の要求により、種々
の方法が開発、採用されて(・るが、その基本となる手
順は、いずれもカプセル化媒体中に芯物質を微粒子状に
分散させ、この系中に壁膜となる物質を導入し、何らか
の方法で、壁膜物質を芯物質粒子の周囲に集合、沈積、
包囲させ、カプセル壁を形成し、化学的にあるいは物理
的にこれを強化して安定な膜を形成することからなるも
のである。
そして、マイクロカプセルの壁材物質もまた、多種にわ
たる芯物質の性質、用途、その他の要求により種々のも
のが選択、採用されている。
たとえばゼラチンは、無害で良好な被膜形成能を有する
水溶性の蛋白質であり、安価に一定品質のものを入手し
うるという利点のほかに、その物理化学的性質および化
学的性質がカプセル化に有効に利用できるので水不溶性
芯物質のマイクロカプセル用壁膜材料として好用され、
特に水溶液系のコアセルベーションを利用するマイクロ
カプセル用壁材としては、きわめてすぐれたものである
といわれているが、水不溶性にする段階でホルムアルデ
ヒドなどのアルデヒド類を硬化剤として使用するため、
有害物質となり、医薬、化粧品などの人体と接触するマ
イクロカプセルの壁材としては、使用されえない。
本発明はこのようなゼラチンの有する種々の長所を具備
しながら、しかもアルデヒド類などの硬化剤を要せずに
水不溶性に変化でき、毒性がきわめて少なく、したがっ
て医薬、化粧品などの人体と接触するマイクロカプセル
にも利用できる壁膜材料を提供することを目的としてな
されたものであり、ケラチンをアルカリ域においてメル
カプタン類または硬化物で還元し、ついで特定の蛋白質
分解酵素により加水分解して得た平均分子量が2000
〜20000で1分子中にメルカプト基を平均2個以上
有する水溶性ケラチン加水分解物をマイクロカプセルの
壁膜材料として用いることに関するものである。
すなわち、ケラチンをアルカリ域においてメルカプタン
類または硫化物で還元すると、ケラチン中のシスチンの
ジスルフィド結合が切断されてメルカプト基が生成され
、ついで酵素により加水分解を行なうと、ペプチド結合
が切断され分子量が低下するとともに、カルボキシル基
とアミン基の数が増加する。
その際、加水分解の程度を適宜調節して得られる加水分
解物が水溶性を有し、かつ1分子中にメルカプト基を2
個以上有するようにすると、このケラチン加水分解物は
被膜形成能を有し、しかも空気中の酸素や水中の溶存酸
素(所望により、グルコン酸鉄などの水溶性金属化合物
を触媒として用いてもよいし、また水中に酸素を 4吹
き込んでもよいし、あるいは過酸化水素などの過酸化物
や、臭素酸ナトリウムや臭素酸カリウムなどを酸化剤と
して用いてもよい)によって、該加水分解物中のメルカ
プト基が酸化され、ケラチン加水分解物の他の分子中の
メルカプト基と架橋してジスルフィド結合を形成し、そ
れによって隣接する分子同士が次々と架橋し、て高分子
化し、ついには水不溶性になるという顕著な特性を有す
るのである。
しかも本発明のケラチン加水分解物は、その分子中にア
ミノ基およびカルボキシル基を有しているので、分子間
で造塩したり、あるいはそれらと反応性を有する官能基
を持つ他の物質との間で反応するという性質を有し、か
つ前記ゼラチンと同様に誘導蛋白質であるから毒性が少
なく、ゼラチンと同様のカプセル用壁膜材料として有用
な物理化学的性質ならびに化学白皿質を有するのである
ちなみに本発明のケラチン加水分解物(平均分子量22
00〜10000.1分子あたりの平均メルカプト基数
2.3〜10.5、被膜形成後に空気酸化したもの)の
被膜強度をゼラチンとの比較の形で示すと次の第1表の
とおりである。
第1表に示される膜保持時間は、ガラス板上に厚さ10
0μmのゼラチン被膜およびケラチン加水分解物被膜を
形成し、それを40℃の1/15モルリン酸塩緩衝液に
浸漬し、膜の一部がとけたり、はがれたりするまでの時
間を測定したものである。
しかして、かかる本発明のケラチン加水分解物よりなる
壁材は、毒性がきわめて少ないので、医薬、化粧品など
の人体と接触するマイクロカプセルに好適に適用される
ほか、酵素、香料、その他の種々のものに適用できる。
本発明のケラチン加水分解物を用いてのマイクロカプセ
ル化は、たとえばつぎのようにして行なわれる。
(1) 水不溶性の芯物質を本発明のケラチン加水分
解物の水溶液中に分散させ、これに空気または酸素を吹
き込むと、芯物質の周囲をケラチン加水分解物が包囲し
た状態で高分子化し、水不溶性になってマイクロカプセ
ル化が行なわれる。
(2)このケラチン加水分解物は誘導蛋白質であって、
pH4〜50間に等電点を有する。
したがってカプセル内に内蔵すべき水に不溶性の芯物質
をケラチン加水分解物の水溶液中に分散させた系をつく
り、これにクエン酸、酢酸などの酸類を加えpI(を4
〜5に調整すると、ケラチン加水分解物は等電点に達し
、系中に存在する芯物質を核にして凝集作用が生じ、つ
いにはこれを包囲し沈着して水に不溶化し芯物質を包含
したマイクロカプセルの原型が形成される。
ついでこの状態で空気または酸素を吹き込むと、ケラチ
ン加水分解物中のメルカプト基が酸化され、それらの分
子間でジスルフィド結合を形成し高分子化して、もはや
pHが変動しても水に不溶性の被膜となり、マイクロカ
プセルが完成される。
(3)水溶性または水不溶性の芯物質を本発明のケラチ
ン加水分解物の水溶液中に溶解または分散させ、これを
スプレードライヤーで噴霧し、熱風と接触させ水分を蒸
発、乾燥させることによりマイクロカプセル化が行なわ
れる。
なお、この方法によれば、水溶性、水不溶性のいずれの
芯物質をもマイクロカプセル化することができ、しかも
熱風との接触によりケラチン加水分解物の水不溶化が容
易に行なわれるので、本発明のケラチン加水分解物より
なる壁材の特徴が特に顕著に発揮される。
(4)本発明のケラチン加水分解物はpH4〜50間に
等電点があるので、その水溶液はpH5以上では(ハ)
荷電しており、pH4以下では(イ)荷電している。
このように水溶液のpHを変化させるだけで、ポリカチ
オン、ポリアニオンのいずれの効果をも簡単に発揮させ
ることができる。
そこで、このようなケラチン加水分解物の水溶液へ、た
とえばアラビアゴムなどのようにpHOいかんにかかわ
らず、(ハ)荷電しているポリアニオンの水溶液を添加
すると、ケラチン加水分解物とポリアニオンとの混合希
薄水溶液はpH5以上ではどちらもポリアニオンである
ために別設の作用が見られないが、pH4以下ではケラ
チン加水分解物がポリカチオンに変わるために、ポリア
ニオンとの相互作用が生じケラチン加水分解物−ポリア
ニオンのコアセルベートが形成される。
したがって、前記のようなケラチン加水分解物〜ポリア
ニオンの希薄水溶液中にあらかじめ水不溶性の芯物質を
分散させた系をつくり、その系にクエン酸などの酸類を
加えてpHを下げていくと、系中に存在する芯物質を核
にしてコアセルベートが生成しはじめ、ついには芯物質
を包囲して沈着し、その結果、芯物質の周囲にコアセル
ベートの膜が形成され、これがマイクロカプセルの原型
となり、ついで適宜酸化処理を行なうことにより、水不
溶性になってマイクロカプセル化が完成する。
このような本発明のケラチン加水分解物とコンプレック
スコアセルベートを形成しうるポリアニオンコロイドと
しては、たとえばアラビアゴム、アルギン酸ソーダ、寒
天、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルメチルエ
ーテル−無水マレイン酸共重合体、ポリビニルベンゼン
スルホン酸、ホルマリントナフタレンスルホン酸との縮
合物など、分子中に酸基を有するポリマー、界面活性剤
、有機化合物などがあげられる。
なお本発明のケラチン加水分解物の水溶液に水不溶性の
芯物質を分散させ、この分散液にアルコールなどを添加
していくと、いわゆるシンプルコアセルベーションが生
じ、芯物質の微小滴の周囲をコアセルベートが包囲して
マイクロカプセルの原型が形成されるし、また無機塩を
添加することにより、いわゆるソルトコアセルベーショ
ンカ生じるので、ソルトコアセルベーションによるマイ
クロカプセル化洗も適用可能である。
(5)また本発明のケラチン加水分解物はオリゴマー状
態のものであり、かつカルボキシル基やアミノ基を有す
るので、界面重合法によるマイクロカプセル化が適用可
能である。
すなわち水と混和しない有機溶剤(以下、油という)中
に水不溶性の芯物質と、多塩基酸ハライドやポリイソシ
アネートなどの水不溶性モノマーを溶解させ、これを水
相中に微小滴の形で分散させ、この系に本発明のケラチ
ン加水分解物を導入すると、水と油の界面、すなわち油
の表面で重合反応が起り、芯物質を含有した油を封じこ
めた状態でその表面にポリマーの膜が生成されマイクロ
カプセル化が行なわれるし、逆に水に本発明のケラチン
加水分解物と水溶性の芯物質を溶解させ、これを油相中
に微小滴の形で分散させ、この系に前記水不溶性のモノ
マーを導入すると、水溶性の芯物質を包含したマイクロ
カプセルが生成される。
このように界面重合法により、特に水不溶性モノマーと
して多塩基酸ノ・ライドを使用して、マイクロカプセル
化を行なうと、壁膜の性質を用途に応じ種々変えさせる
ことができる。
このように本発明のケラチン加水分解物よりなるマイク
ロカプセル用壁材は種々のマイクロカプセル化に適用可
能であるが、さらに顕著な特徴はゼラチンやゼラチンを
加水分解して得られるコラーゲン誘導ポリペブタイド(
ゼラチン加水分解物、分子量1000〜5000、既存
化学物質8−585)とのフルンドにおいてである。
すなわち、本発明のケラチン加水分解物はゼラチンと同
様に誘導蛋白質であるから、ゼラチンやゼラチンを加水
分解して得られるコラーゲン誘導ポリペブタイド(以下
、コラーゲン誘導ポリペブタイドという)と任意の割合
で相溶性を有する。
しかして該ケラチン加水分解物とゼラチンおよび(また
は)コラーゲン誘導ポリペブタイドとの混合物でマイク
ロカプセル化を行ない、空気または過酸化水素、臭素酸
ナトリウム、臭素酸カリウムなどの酸化剤で処理すると
ケラチン加水分解物のみが重合し、その部分のみが水不
溶性になる。
したがってゼラチンやコラーゲン誘導ポリペブタイドと
本発明のケラチン加水分解物との配合比を変えることに
よりマイクロカプセルの水に対する溶解時間を変えうる
のである。
第1図は本発明のケラチン加水分解物(平均分子141
00J1分子あたりの平均メルカプト基数4.8)とゼ
ラチンおよびコラーゲン誘導ポリペブタイド(分子量1
200)との混合比と、水に対する溶解時間との関係を
示すものである。
なお試験に使用された混合被膜は空気で自然酸化してケ
ラチン加水分解物部分を架橋させた膜厚100μmのも
のであり、図中、曲線1はケラチン加水分解物とゼラチ
ンとの混合物の場合を表わし、曲線2はケラチン加水分
解物とコラーゲン誘導ポリペブタイドとの混合物の場合
を表わす。
前記本発明のケラチン加水分解物を得るに際して、出発
物質としてのケラチンとしては、羊毛、羽毛、毛髪、角
、つめ、ひずめなどを構成するケラチンがいずれも使用
可能であるが、入手が容易であるという観点から羊毛が
とくに好ましい。
また還元剤として使用するメルカプタン類としては、た
とえばチオグリコール酸、システィン、メルカフトエタ
ノーノ瓢チオグリセリン、チオサルチル酸などがあげら
れ、硫化物としては、たとえば硫化ソーダ、硫化カリウ
ム、硫化アンモニウム、硫化トリエタノールアミン、硫
化ジェタノールアミン、硫化モノエタノールアミンなど
があげられる。
そして加水分解のために使用する酵素としては、たとえ
ばペプシンなどの酸性蛋白質分解酵素、パパイン、トリ
プシン、キモトリプシン、プロメライン、サーモライシ
ンなどの中性蛋白質分解酵素があげられる。
該ケラチン加水分解物を得るに際しての具体的手順とし
ては、まずケラチンをアルカリ域に調整した還元剤の水
溶液に入れ、攪拌下に、好ましくは系内のエアーをチッ
素などの不活性ガスで置換し、0〜40℃の温度でケラ
チン中のジスルフィド結合を還元切断してメルカプト基
を形成させる。
なお還元剤として硫化物などのようにアルカリ性のもの
を用いる場合は、反応溶液をアルカリ域に保つためのア
ルカリ性物質の添加は特に要しないが、還元剤がチオグ
リコール酸やメルカプトエタノールなどのように酸性あ
るいは中性のものである場合には苛性ソーダ、苛性カリ
などのアルカリ剤を添加して反応溶液をアルカリ域に保
つように調整することが望ましい。
そして反応溶液の液性としてはpHが8〜11になるよ
うに調整するのが好ましい。
なお反応溶液に尿素を添加しておくと、尿素がケラチン
を膨潤させて還元剤の作用を容易ならしめるので好まし
い。
還元反応後、反応混合物を減圧濾過して未反応物を濾去
し、濾液をさらに限外濾過にかけて約1/2〜1/4容
にまで濃縮する。
つぎに前記のようにして得られた濃縮液を透析に付し、
残存する還元剤を除去するとともに、つぎの酵素分解に
適するpHになるようにpHを調整する。
透析後、反応生成物に酵素を加え、加水分解を行なう。
酵素分解時のpHとしては、ペプシンなどの酸性酵素の
場合にはpH1〜3の範囲に調整することが好ましく、
またプロメラインなどの中性酵素の場合にはpH5〜8
の範囲に調整することが好ましい。
また反応温度としては30〜45℃が好ましく、反応時
間としては通常3〜24時間が採用される。
酵素の使用量ならびに反応時間と反応温度は加水分解物
の分子量に大きな影響を与える。
そこで酵素をどの程度使用し、反応時間や反応温度をい
かにすべきかは、得られた加水分解物の分子量分布をゲ
ル濾過法によって調べることにより、経験的に目的とす
る加水分解物の分子量にあわせて最適の条件を決定すれ
ばよい。
なお本発明においては、得られる加水分解物の平均分子
量を2000〜20000の範囲に調整する。
すなわち一般にケラチン中にはアミノ酸10個に対して
1個の割合でシスチンが含有されており、かつケラチン
中のアミノ酸の平均分子量が約100であることより、
ケラチン加水分解物の平均分子量を2000以上にする
と、該加水分解物の1分子中にメルカプト基が平均2個
以上含有されることになり、また平均分子量が2000
0を超えると水不溶性になって、取り扱いが困難になる
からである。
そして得られたケラチン加水分解物は、必要に応じ、さ
らに限外濾過、減圧濃縮に付され適宜濃縮される。
以上の説明より明らかなように、本発明のケラチン加水
分解物は、種々の方法のマイクロカプセル化に適用でき
、かつその水に対する不溶化はきわめて容易に行なうこ
とができ、しかも毒性がきわめて少ないので医薬品、化
粧品などの人体と接触するマイクロカプセル用の壁材と
して使用でき、かつゼラチンやコラーゲン誘導ポリペブ
タイドとのブレンドにおいてそれらの水に対する溶解性
を任意に調節できるなど、マイクロカプセル用壁材とし
てきわめて有用なものである。
また本発明のケラチン加水分解物は、上述のマイクロカ
プセル用壁材として有用なばかりではなく、医薬用のゼ
ラチンカプセルに代わるカプセル壁材としても有用なも
のである。
すなわち、たとえば時限粒(time pill )な
どが要望される場合にはゼラチンに代えて本発明のケラ
チン加水分解物を用いることにより毒性のきわめて少な
い水不溶性のカプセルを製造することができるし、また
ゼラチンやコラーゲン誘導ポリペブタイドにブレンドす
ることにより、それらの水に対する溶解性を任意に調節
させたカプセルを提供することが可能である。
つぎに実施例をあげて本発明のマイクロカプセル用壁材
を説明する。
実施例 1 〔ケラチン加水分解物の製造〕 11のビーカーに尿素480gを入れ、蒸留水を加えて
全容を約900m1とし、攪拌して尿素をほとんど溶解
させたのち、2−メルカプトエタノール20rrLlと
EDTAlfを加えた。
つぎに20%(重量%、以下同様)カセイソーダ水溶液
を加えて溶液をpH8に調整し、蒸留水を追加してこの
溶液の全容を11とした。
この溶液に脱脂された羊毛20グを加え、攪拌して発生
する泡を除去したのち、容器に上蓋をし、ときどき攪拌
しながら室温で3日間放置した。
つぎにえられた反応混合物を減圧濾過して、未反応の羊
毛を除去した。
えられた濾液約820m1を限外濾過器(アミコン社製
、402型セル、ダイアフローメンブランU]!111
0 (分画分子量10000))を使用して限外濾過す
ることによって、反応生成物の濃度を高(するとともに
、尿素と還元剤を含む溶媒を濾去した。
400m1にまで濃縮し、えられた濃縮液をセロファン
透析チューブに詰め、0.1Nギ酸51で8時間透析し
、さらに0.1 Nギ酸51で8時間ずつ透析を2回繰
り返した。
透析後の濃縮液を5001rLlのビーカーに移し、こ
れにペプシン10〜を0.IN酢酸4ml!に溶解させ
た溶液を加えた。
湯浴で反応溶液を37℃に保ちながら、電磁式攪拌機に
よって反応溶液を充分に攪拌しつつ、3時間かけてケラ
チンを加水分解した。
反応終了後、容器を氷冷しながら、pHメーターを用い
20%カセイソーダ水溶液で反応溶液をpH7にして、
ペプシンを不活性化させた。
えられた反応溶液を減圧濾過し、濾液に酢酸2mlを加
え、溶液を再び酸性にした。
限外濾過器(アミコン社製、402型セル、ダイアフロ
ーセルUM−2(分画分子量1000))を用い前記の
溶液を限外濾過することにより、脱塩を行ない150m
1まで濃縮し、えられた濃縮液を200m1の共栓付ナ
ス型コルベンに移し、ロータリーエバポレーターにより
減圧濃縮し乾燥残分が20%のケラチン加水分解物をえ
た。
えられたケラチン加水分解物の一部をとり、0、IN酢
酸で0.5%溶液に希釈したのち、ゲル濾過(ファルマ
シア社製アガロースゲルG−50)し、各フラクション
中のベプタイド濃度を紫外部分光光度計で波長278n
mの吸光度を測定することにより求め、さらに標準物質
として食塩およびトリプシンを用いG−50における流
出分画液と分子量の対数値との関係を求め、それに基づ
いてケラチン加水分解物の分子量を求めたところ、平均
分子量が約6500であることが判明した。
また、えられたケラチン加水分解物の一部をとり、結晶
アルブミンを標準物質として用い、ビユレット法により
このもののベプタイド濃度を求め、一方シスナイン塩酸
塩を標準物質として用い、エルマン(Ellman )
法によりこの試料のシスティン残基の濃度を求め、それ
に基づいてこの試料1分子あたりのメルカプト基の数を
算出したところ、平均74個のメルカプト基が含まれて
いることが判明した。
えられたケラチン加水分解物の2%水溶液5グに空気を
流速約5 crit/ seeで8時間吹き込むと、一
部水不溶性のポリマーが生成された。
ビユレット法により沈殿率を求めたところ、全ペグタイ
ド中97%のものが沈殿し不溶化していた。
また沈殿物を遠心分離により除去した上澄液はエルマン
(Ellman )法でメルカプト基が認められず、ま
た前記沈殿物のゲル濾過によって、ペプタイドの分子量
が増大していることが認められた。
CpH調節による不溶化に基づ(レモン油のマイクロカ
プセル化〕 芯物質としてのレモン油5グを前記ケラチン加水分解物
の5%水溶液500m1中に均一に分散させ、攪拌しな
がらこれに5%クエン酸水溶液を滴下し、pH4にして
ケラチン加水分解物を凝結固化させ、1/モン油の周囲
にマイクロカプセルの原型を形成させた。
これを遠心分離により分離し、空気を吹き込んで乾燥し
つつ、空気酸化によりケラチン加水分解物のメルカプト
基を酸化してジスルフィド結合を生成させ、さらに減圧
乾燥してマイクロカプセルを完成させた。
なおえられたマイクロカプセルはpHOいかんにかかわ
らず20℃の水に不溶であった。
実施例 2 〔ケラチン加水分解物の製造〕 羊毛35グをカセイソーダでpH10,5に調整された
1Mチオグリコール酸ナトリウム11に加え、発生する
泡を除いたのち、容器内の空気をチッ素で置換し、とき
どき攪拌しながら室温で12時間放置した。
つぎにえられた反応混合物を減圧濾過して未反応物を除
去し、えられた濾液を実施例1と同様に限外濾過して反
応溶液が1/3容になるまで濃縮した。
えられた濃縮液をセロファン透析チューブに詰め、0.
1Nギ酸31で6時間ずつ透析を3回繰り返した。
透析後の濃縮液を500m1ビーカーに移し、これにペ
プシン20〜を0.IN酢酸2mlに溶解させた溶液を
加え、湯浴で反応溶液を37℃に保ちながら攪拌して3
時間加水分解した。
さらに反応溶液を45℃の湯浴上でロータリーエバポレ
ーターを用いて減圧濃縮し、はぼ蒸発乾固させた。
つぎに蒸留水50m1を加え、反応生成物を溶解させて
から減圧濾過し、えられた濾液にカセイソーダ水溶液を
加えpH5に調整してペプシンを不活性化させ、ついで
蒸留水を追加して乾燥残分が20%のケラチン加水分解
物をえた。
えられたケラチン加水分解物を実施例1と同様にゲル濾
過することにより平均分子量が約4000であることを
確認し、また実施例1と同様にしてエルマン(Ellm
an )法によってシスティン残基の濃度を求めたとこ
ろ、分子量約4000のベプタイドにおいてこのもの1
002あたり10.8′y′のシスティンに相当するメ
ルカプト基が含まれていることが判明し、その結果、分
子量4000のペグタイド1個に対し平均3.6個のメ
ルカプト基が含まれていることが判明した。
〔スプレードライヤーによるメチレンブルーのマイクロカプセル化〕
えられたケラチン加水分解物の2%水溶液500グに芯
物質としてメチレンブルーを2f加えて分散させ、これ
をスプレードライヤーで噴霧し、熱風と接触させ水分を
蒸発、乾燥させることにより、芯物質の周囲に水不溶性
のケラチン加水分解物の被膜を形成させてマイクロカプ
セル化を行なった。
〔ゼラチンとのブレンドによるヒマシ油のマイクロカプセル化〕
えられたケラチン加水分解物5グとゼラチン5グとを溶
解させた水溶液150グに芯物質としてヒマシ油を81
均一に分散させ、攪拌しながらこれに5%クエン酸水溶
液を滴下しpH4に調節して芯物質の周囲にマイクロカ
プセルの原型を形成させた。
これを遠心分離により分離し、減圧乾燥後、空気酸化に
よりケラチン加水分解物のメルカプト基を酸化してジス
ルフィド結合を生成させ、マイクロカプセルを完成させ
た。
このマイクロカプセルの40℃の水への溶解時間は6時
間であった。
なおゼラチンのみによるマイクロカプセルの40℃の水
への溶解時間は0.5時間であった。
実施例 3 〔ケラチン加水分解物の製造〕 羊毛35y′を0.5M硫化ソーダ1 l(0,1%E
DTAを含む)に加え、発生する泡を除いたのち、とき
どき攪拌しながら24時間放置した。
つぎにえられた反応混合物を減圧濾過して未反応物を除
去し、えられた濾液を実施例1と同様に限外濾過して反
応溶液が1/3容になるまで濃縮した。
えられた濃縮液をセロファン透析チューブに詰め、蒸留
水31で6時間ずつ透析を3回繰り返した。
透析後の濃縮液をビーカーに移し、pHメーターを用い
酢酸を加えてpH5に調整した。
これにプロメライン(50万単位/P)200m9とシ
スティン塩酸塩20〜を加え、湯浴で反応溶液を40℃
に保ちながら攪拌して10時間加水分解した。
反応終了後、反応溶液を70℃に昇温してブロメライン
を不活性化させた。
えられた反応溶液を減圧濾過し、以後実施例1と同様に
酢酸21rLlを加え溶液を酸性にしたのち、実施例1
と同様の限外濾過器を用い限外濾過することにより脱塩
を行ない150Tnlまで濃縮し、えられた濃縮液をさ
らにロータリーエバポレーターによって減圧濃縮し、乾
燥残分が20%のケラチン加水分解物をえた。
えられたケラチン加水分解物を実施例1と同様にゲル濾
過することにより、平均分子量が約3300であること
を確認し、また実施例1と同様にしてエルマン(Ell
man )法によってシスティン残基の濃度を求めたと
ころ、分子量約3300のベプタイドにおいてこのもの
1001あたり10.89のシスティンに相当するメル
カプト基が含まれていることが判明し、その結果、分子
量3300のペグタイド1個に対し平均2,9個のメル
カプト基が含まれていることが判明した。
〔界面重合法によるレモン油のマイクロカプセル化〕
芯物質としてのレモン油1ノと21のテレフタル酸ジク
ロライドを50m1のクロロホルムに溶かした溶液を調
製した。
これを0.5%重炭酸ソーダ水溶液250TLlに乳化
分散させ、はげしく攪拌しながら、これに20%ケラチ
ン加水分解物水溶液180m1を20分間かけて滴下し
た。
滴下後、さらに1時間攪拌を続けて反応を終了した。
レモン油の微小滴の周囲にケラチン加水分解物とテレフ
タル酸ジクロライドとの縮合によるポリアミド被膜が形
成されマイクロカプセル化が行なわれた。
これを遠心分離により分離し、マイクロカプセルをえた
実施例 4 実施例1と同様に羊毛の還元から限外濾過までを行なっ
たのち、0゜INギ酸の代わりに、0.2N酢酸−酢酸
ナトリウム緩衝液(pH5,0)を用い、それ以外は実
施例1と同様に透析を行なった。
透析後の濃縮液を500m1のビーカーに移し、これに
パパイン40m1を透析に用いた緩衝液(0,2N酢酸
−酢酸ナトリウム)20mlに溶解させた溶液を加えた
湯浴で反応溶液を40℃に保ちながら、電磁式攪拌機に
害って反応溶液を充分に攪拌しつつ、5時間かけてケラ
チンを加水分解した。
反応終了後、容器を氷冷しながら、pHメータを用い酢
酸で反応溶液をpH2にして、パパインを不活性化させ
た。
えられた反応溶液を減圧濾過したのち、実施例1と同様
の限外濾過器を用いて限外濾過することにより、脱塩を
行ない150m1まで濃縮し、えられた濃縮液を200
m1の共栓付ナス型コルベンに移し、ロータリーエバポ
レーターにより減圧濃縮し乾燥残分が20%のケラチン
加水分解物をえた。
えられたケラチン加水分解物を実施例1と同様にゲル濾
過し、実施例1と同様にして、このケラチン加水分解物
の分子量を求めたところ、平均分子量が約2600であ
ることが判明した。
また実施例1と同様にしてエルマン(EILman )
法によりシスティン残基の濃度を求め、それに基づいて
このケラチン加水分解物1分子あたりのメルカプト基の
数を算出したところ、平均2.6個のメルカプト基が含
まれていることが判明した。
えられたケラチン加水分解物の2%水溶液5グに空気を
流速約5 cril/ secで3時間吹き込むと、一
部水不溶性のポリマーが生成した。
ビユレット法により沈殿率を求めたところ、全ペプタイ
ト沖82%のものが沈殿し不溶化していた。
また沈殿物を遠心分離により除去した上澄液はエルマン
(Ellman )法でメルカプト基が認められず、ま
た前記沈殿物のゲル濾過によって、ペプタイドの分子量
が増大していることが認められた。
CpH調節による不溶化に基づくレモン油のマイクロカ
プセル化〕 芯物質としてのレモン油5グを前記のようにしてえられ
たケラチン加水分解物の5%水溶液500m1中に均一
に分散させ、攪拌しながらこれに5%クエン酸水溶液を
滴下し、pH4にしてケラチン加水分解物を凝結固化さ
せ、レモン油の周囲にマイクロカプセルの原型を形成さ
せた。
これを遠心分離により分離し、空気を吹き込んで乾燥し
つつ、空気酸化によりケラチン加水分解物のメルカプト
基を酸化してジスルフィド結合を生成させ、さらに減圧
乾燥してマイクロカプセルを完成させた。
なおえられたマイクロカプセルはpH0いかんにかかわ
らず20℃の水に不溶であった。
実施例 5 実施例2と同様に羊毛9還元から限外濾過までを行なっ
たのち、0.1Nギ酸の代わりに0.02Nチオグリコ
ール酸ナトリウム(pH7,0)を用い、それ以外は実
施例2と同様に透析を行なった。
透析後の濃縮液を500m1のビーカーに移し、これに
トリプシン20〜を炭酸水素ナトリウムの5%水溶液5
mlに溶解させた溶液を加え、湯浴で反応溶液を37℃
に保ちながら攪拌して5時間加水分解した。
反応終了後、容器を水冷しながら、pHメーターを用い
酢酸で反応溶液をpH2にしてトリプシンを不活性化さ
せた。
えられた反応溶液を減圧濾過したのち、実施例1と同様
の限外濾過器を用いて限外濾過することにより、脱塩を
行ない150m1まで濃縮し、えられた濃縮液を200
dの共栓付ナス型コルベンに移し、ロータリーエバポレ
ーターにより減圧濃縮し乾燥残分が20%のケラチン加
水分解物をえた。
えられたケラチン加水分解物を実施例1と同様にゲル濾
過し、実施例1と同様にして、このケラチン加水分解物
の分子量を求めたところ、平均分子量が約3400であ
ることが判明した。
また実施例1と同様にしてエルマン(Ellman )
法によりシスティン残基の濃度を求め、それに基づいて
このケラチン加水分解物1分子あたりのメルカプト基の
数を算出したところ、平均3.2個のメルカプト基が含
まれていることが判明した。
えられたケラチン加水分解物の2%水溶液5グに空気を
流速約5 crl/ secで4時間吹き込むと、一部
水不溶性のポリマーが生成した。
ビユレット法により沈殿率を求めたところ、全ペグタイ
ド中87%のものが沈殿し不溶化していた。
また沈殿物を遠心分離により除去した上澄液はエルマン
(Ellman )法でメルカプト基が認められず、ま
た前記沈殿物のゲル濾過によって、ペプタイドの分子量
が増大していることが認められた。
〔スプレードライヤーによるメチレンブルーのマイクロカプセル化〕
えられたケラチン加水分解物の2%水溶液500グに芯
物質としてメチレンブルーを21加えて分散させ、これ
をスプレードライヤーで噴霧し、熱風と接触させ水分を
蒸発、乾燥させることにより、芯物質の周囲に水不溶性
のケラチン加水分解物の被膜を形成させてマイクロカプ
セル化を行なった。
〔ゼラチンとのブレンドによるヒマシ油のマイクロカプセル化〕
えられたケラチン加水分解物5グとゼラチン5グとを溶
解させた水溶液150グに芯物質としてヒマシ油を81
均一に分散させ、攪拌しながらこれに5%クエン酸水溶
液を滴下しpH4に調節して芯物質の周囲にマイクロカ
プセルの原型を形成させた。
これを遠心分離により分離し、減圧乾燥後、空気酸化に
よりケラチン加水分解物のメルカプト基を酸化してジス
ルフィド結合を生成させ、マイクロカプセルを完成させ
た。
このマイクロカプセルの40℃の水への溶解時間は5時
間であった。
なおゼラチンのみによるマイクロカプセルの40℃の水
への溶解時間は0.5時間であった。
実施例 6 実施例2と同様に羊毛の還元から限外濾過までを行なっ
たのち、0.1Nギ酸の代わりに0.02Nチオグリコ
ール酸ナトリウム(pH7,0)を用い、それ以外は実
施例2と同様に透析を行なった。
透析後の濃縮液を500m1のビーカーに移し、これに
サーモライシン50〜を炭酸カルシウムの1%水溶液5
mlに溶解させた溶液を加え、湯浴で反応液を40℃に
保ちながら攪拌して1時間加水分解した。
反応終了後、容器を氷冷しながら、pHメーターを用い
酢酸で反応溶液をpH2にしてサーモライシンを不活性
化させた。
えられた反応溶液を減圧濾過したのち、実施例1と同様
の限外濾過器を用いて限外濾過することにより、脱塩を
行ない150m1まで濃縮し、えられた濃縮液を200
m1の共栓付ナス型コルベンに移し、ロータリーエバポ
レーターにより減圧濃縮し乾燥残分が20%のケラチン
加水分解物をえた。
えられたケラチン加水分解物を実施例1と同様にゲル濾
過し、実施例1と同様にして、このケラチン加水分解物
の分子量を求めたところ、平均分子量が約17800で
あることが判明した。
また実施例1と同様にしてエルマン(Ellman )
法によりシスティン残基の濃度を求め、それに基づいて
このケラチン加水分解物1分子あたりのメルカプト基の
数を算出したところ、平均16.8個のメルカプト基が
含まれていることが判明した。
えられたケラチン加水分解物の2%水溶液5vに空気を
流速約5 cffl/ secで4時間吹き込むと、一
部水不溶性のポリマーが生成した。
ビユレット法により沈殿率を求めたところ、全ペプタイ
ト沖99%のものが沈殿し不溶化していた。
また沈殿物を遠心分離により除去した上澄液はエルマン
(Ellman )法でメルカプト基が認められず、ま
た前記沈殿物のゲル濾過によって、ペプタイドの分子量
が増大していることが認められた。
〔界面重合法によるレモン油のマイクロカプセル化〕
芯物質としてのレモン油1グと22のテレフタル酸ジク
ロライドを50m1のクロロホルムに溶かした溶液を調
製した。
これを0.5%重炭酸ソーダ水溶液250m1に乳化分
散させ、はげしく攪拌しながら前記のようにしてえられ
た20%ケラチン加水分解物水溶液180m1を20分
間かけて滴下した。
滴下後、さらに1時間攪拌を続けて反応を終了した。
レモン油の微小滴の周囲にケラチン加水分解物とテレフ
タル酸ジクロライドとの縮合によるポリアミド被膜が形
成されマイクロカプセル化が行なわれた。
これを遠心分離により分離し、マイクロカプセルをえた
実施例 7 実施例2と同様に羊毛の還元から限外濾過までを行なっ
たのち、0.1Nギ酸の代わりに0.02Nチオグリコ
ール酸ナトリウム(pH7,0)を用い、それ以外は実
施例2と同様に透析を行なった。
透析後の濃縮液を500m1のビーカーに移し、これに
キモトリプシン201n9を炭酸水素ナトリウムの5%
水溶液5mlに溶解させた溶液を加え、湯浴で反応液を
37℃に保ちながら攪拌して2時間加水分解した。
反応終了後、容器を氷冷しながら、pHメーターを用い
酢酸で反応溶液をpH2にしてキモトリプシンを不活性
化させた。
えられた反応溶液を減圧濾過したのち、実施例1と同様
の限外濾過器を用いて限外濾過することにより、脱塩を
行ない150m1まで濃縮し、えられた濃縮液を200
m1の共栓付ナス型コルベンに移し、ロータリーエバポ
レーターにより減圧濃縮し乾燥残分が20%のケラチン
加水分解物をえた。
えられたケラチン加水分解物を実施例1と同様にゲル濾
過し、実施例1と同様にして、このケラチン加水分解物
の分子量を求めたところ、平均分子量が約12200で
あることが判明した。
また実施例1と同様にしてエルマン(Ellman )
法によりシスティン残基の濃度を求め、それに基づいて
このケラチン加水分解物1分子あたりのメルカプト基の
数を算出したところ、平均12.1個のメルカプト基が
含まれていることが判明した。
えられたケラチン加水分解物の2%水溶液5グに空気を
流速約5an/secで4時間吹き込むと、一部水不溶
性のポリマーが生成した。
ビユレット法により沈殿率を求めたところ、全ペグタイ
ド中99%のものが沈殿し不溶化していた。
また沈殿物を遠心分離により除去した上澄液はエルマン
(Ellman )法でメルカプト基が認められず、ま
た前記沈殿物のゲル濾過によって、ペプタイドの分子量
が増大していることが認められた。
〔界面重合法によるレモン油のマイクロカプセル化〕
芯物質としてのレモン油1グと21のテレフタル酸ジク
ロライドを50m1のクロロホルムに溶かした溶液を調
製した。
これを0.5%重炭酸ソーダ水溶液250m1に乳化分
散させ、はげしく攪拌しながら前記のようにしてえられ
た20%ケラチン加水分解物水溶液180m1を20分
間かげて滴下した。
滴下後、さらに1時間攪拌を続けて反応を終了した。
レモン油の微小滴の周囲にケラチン加水分解物とテレフ
タル酸ジクロライドとの縮合によるポリアミド被膜が形
成されマイクロカプセル化が行なわれた。
これを遠心分離により分離し、マイクロカプセルをえた
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のケラチン加水分解物とゼラチンおよび
コラーゲン誘導ポリペブタイドとの混合比と、水に対す
る溶解時間との関係を示すグラフである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 ケラチンをアルカリ域においてメルカプタン類また
    は硫化物で還元し、ついでペプシン、ブロメライン、パ
    パイン、トリプシン、キモトリプシンおよびサーモライ
    シンよりなる群から選ばれた少なくとも1種の蛋白質分
    解酵素により加水分解して得た平均分子量2000〜2
    0000で1分子中にメルカプト基を平均2個以上有す
    る水溶性ケラチン加水分解物よりなるマイクロカプセル
    用壁材。 2 ケラチンをアルカリ域においてメルカプタン類また
    は硫化物で還元し、ついでペプシン、プロメライン、パ
    パイン、トリプシン、キモトリプシンおよびサーモライ
    シンよりなる群から選ばれた少な(とも1種の蛋白質分
    解酵素により加水分解して得た平均分子量2000〜2
    0000で1分子中にメルカプト基を平均2個以上有す
    る水溶性ケラチン加水分解物と、ゼラチンおよび(また
    は)ゼラチンを加水分解して得られるコラーゲン誘導ポ
    リペブタイドとの混合物よりなるマイクロカプセル用壁
    材。 3 ケラチンをアルカリ域においてメルカプタン類また
    は硫化物で還元し、ついでペプシン、ブロメライン、パ
    パイン、トリプシン、キモトリプシンおよびサーモライ
    シンよりなる群から選ばれた少なくとも1種の蛋白質分
    解酵素により加水分解して得た平均分子量2000〜2
    0000で1分子中にメルカプト基を平均2個以上有す
    る水溶性ケラチン加水分解物と、多塩基酸ノ・ライドと
    よりなるマイクロカプセル用壁材。
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