JPS5932661Y2 - らせん階段踊場の支持装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、らせん階段の踊場の先端部を、建屋の踊場
基礎に係止、固着されるためのらせん階段踊場の支持装
置に関するものである。

ビル等の建屋に付設される避難用のらせん階段の一般的
な構造では、建屋に沿って立設された中柱にらせん状に
多数の片持式段板が固設されると共に、建屋の各階のレ
ベルに対応した中柱の高さ個所には、建屋への出入通路
を威す踊場の基部が固着されていて、かつ水平に建屋側
に張出した同踊９場の先端部は、建屋に打設された踊場
基礎の上に係止、固着されている。

ところで、この種のらせん階段の工事の施工に当っては
、先ず、型図に基づいてらせん階段を建てた後、最後に
踊場の先端部を建屋の踊場基礎に組付けるようにしてい
るが、らせん階段の建設仕上がり寸法精度は、一般の機
械構造体に比べてかなり低いことから、踊場先端部と踊
場基礎上面との間の相対高程に狂いが生じることが避は
難く、このため従来の工事では、現場の作業者の経験と
工夫によって適当に該くい違いを吸収するようにしてい
たが、このような吸収方法によると、労力や手間がかか
つて工事の施行性が極めて悪いという欠点があった。

本考案は、上記欠点を解消するためになされたものであ
って、すなわち、本考案の目的は、踊場先端部と踊場基
礎との間の高程の狂いを容易に吸収した上で踊場先端部
を踊場基礎に安全に取付は得るようにしたらせん階段踊
場の支持装置を提供することにある。

以下、図示の一実施例に基づいて本考案を説明する。

実施例の支持装置を用いて建屋に連絡されたらせん階段
は、第１図および第２図に示すように、建屋１に沿う地
上の階段基礎２に立設された中柱３と、同中柱３にらせ
ん状に固定された多数の片持式段板４と、各段板４の側
縁周りに付設された格子５・手摺６等と、中柱３の所要
の高さに基部が固着された踊場７とによって形成されて
おり、一方、建屋１の踊場７のレベルより若干低い位置
には、踊場基礎８が打設されている。

しかして踊場７は、方形の基辺が斜めに切落とされた形
状を有し、かつ図示しない取付ボルトで枠隅部が中柱３
に締着された踊場枠１０と、同踊場枠１０の内枠１０
ａと外枠１０ ｂとの間および各側枠１０ Ｃ，１０ｄ
の上面に重着された適宜数の根太と称される桟板１１と
、同桟板１１の上面にタッピングビス１２で締着、展装
された側つば付きの踏板１３とにより形成されている。

更に、外枠１０ｂの複数個所（図示では、３個所）には
、ボルト貫通用の軸孔１０ ｅが水平に開けられると共
に、各側枠１０ Ｃ，１０ｄの内側面の外端寄りには、
１対のＬ型レベルアングルよりなるレベル材１４が固設
されていて、各レベル材１４の横板部分には、軸孔１４
ａが開けられている。

次に、踊場基礎８上面の外枠１０ ｂの下方に対接する
個所には、外枠１０ ｂとほぼ等しい長さを有する断面
り形のアングルよりなる支持材１５が固設されていて、
同支持材１５の横板部分１５ａの複数個所（図示では、
４個所）は、長孔１５ｂを介し、前後位置調整可能に基
礎８のアンカボルト１６に固定されている。

また、支持材１５の縦板部分１５ Ｃには、上述した外
枠１０ｂの軸孔１０ ｅの外側に連通ずる長孔１５ｂが
開けられていて、踊場枠１０の外枠１０ｂは、両孔１５
ｂ、１０ ｅを貫通する結合具としての結合ボルト１
７と固定ナツト１８とにより、支持材１５に高さ調整可
能に締着、固定されている。

一方、各側枠１０ Ｃ，１０ｄのレベル材１４ノ軸孔１
４ａには、下端に丸頭が成形されたねし棒よりなるアジ
ャスター９が下方から挿通されると共に、同アジスター
９は、上下に螺合する１対のダブルナツトよりなる支持
具１９の挟着によってレベル材１４に高さ調整可能に締
着されており、かつアジャスター９下端の丸頭は、支持
板１５の横板部分１５ａに衝合している。

なお、上進構成における縦板部分１５ Ｃの長孔１５ｄ
と、外枠１０ｂの軸孔１０ ｅとの形状を入替えて、縦
板部分１５ Ｃに軸孔を室間すると共に、外枠１０ ｂ
に長孔を穿設しても、全く同作用が得られることは言う
までもない。

このように構成された実施例の支持装置においては、ら
せん階段の工事施行時の最後に、踊場７の先端部を基礎
８に取付ける際に、基礎８の上面高さと踊場枠１０の下
面高さとの間の高程にバラツキがあっても、結合具１７
の調整によって上下のバラツキを吸収し得るほか、支持
材１５の前後位置を調整して、外枠１０ｂを支持材の縦
板部分１５ Ｃに密着させることが可能であり、かつそ
の作業は極めて容易である。

また、踊場７の重量負荷は、中柱３と、アジャスター９
を介して踊場基礎８との両方で両持式に担持されること
から、踊場７に対する支持力は堅牢であり、かつ、結合
ボルト１７の締着部に、無用な摺れ外力がかからない。

以上述べたように、本考案に係るらせん階段踊場の支持
装置によれば、らせん階段踊場の先端部を、長孔を介す
る結合具の締着と、アジャスターを介する重量担持との
両取付構造によって相対位置調整可能に建屋の踊場基礎
に支持させるように構成したので、らせん階段と建屋と
の間の付き合わせ位置の狂いを、容易に吸収させること
が可能となり、これにより、らせん階段の工事施行性を
向上させるほか、踊場支持力の信頼性を高める効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の一実施例を示すらせん階段踊場の支
持装置の側面図、第２図は、第１図の踊場の分解斜視図
である。 １・・・・・・建屋、３・・・・・・中柱、７・・・・
・・踊場、８・・・・・・踊場基礎、９・・・・・・ア
ジャスター、１０・・・・・・踊場枠、１０ ｅ・・・
・・・枠の軸孔、１４・・・・・・レベル材、１４ａ・
・・・・・レベル材の軸孔、１５・・・・・・支持材、
１５ Ｃ・・・・・・縦板部分、１５ｄ・・・・・・長
孔、１７．１８・・・・・・結合具としてのボルト及び
ナツト、１９・・・・・・支持具。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 基部がらせん階段の中柱に固着されると共に、建屋に向
   って水平に張出した先端部を、建屋の踊場基礎の上面至
   近に臨ませている踊場枠を、同踊場基礎に係止して固着
   させるための踊場の支持装置において、支持材の縦板部
   分を、上記踊場棒先端部の側面に対接させた状態で、上
   記踊場基礎に固設されている支持材と、上記支持材の縦
   板部分に穿設された上下方向の長孔と上記踊場枠側面に
   穿設された軸孔とを連通させた状態で、同支持材の縦板
   部分と踊場枠とを重合、締着させる結合具と、上記踊場
   枠の先端部に固設されると共に、軸孔が室間されている
   レベル材の横板部分を水平に張出させているレベル材と
   、上記レベル材の横板部分の軸孔を貫通すると共に、そ
   の下端を上記踊場基礎の上面に衝合させているアジャス
   ターと、このアジャスターの中間部に固定されると共に
   、上記レベル材の横板部分を支持するアジャスターの支
   持具と、を具備するらせん階段踊場の支持装置。