JPS5932635Y2 - Ｘ−ｙ送り装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 技術分野 この考案は加工物をＸ−Ｙ方向へ送るためのＸ−Ｙ送り
装置に関するもので、例えば、工業用刺しゅう縫ミシン
等において、刺しゅう枠上に緊張状態で保持された加工
布をミシンの縫製位置にてＸ−Ｙ平面上の任意の位置に
移送するようにしたＸ−Ｙ送り装置に関するものである
。

目 的 この考案の目的は構造を簡略化し得るとともに、移動台
及び加工物を保持した加工物保持台を所定位置へ軽く正
確に移動させることができ、しかも加工物保持台の近傍
における固定台上に空間を設けることができて、その加
工物保持台に対する加工物の着脱作業等を容易に行うこ
とができる新規なＸ−Ｙ送り装置を提供することにある
。

実施例 以下、この考案を工業用刺しゅう縫ミシンにむける加工
布のＸ−Ｙ送り装置に具体化した実施例に基づいて詳細
に説明すると、固定台としてのミシンテーブル１１上に
はベッド部１２ａ及びアーム部１２ｂを有するミシン本
体１２が装着されている。

前記ベッド部１２ａ上には針板１３が取付けられ、その
ほぼ中央部には針孔１３ａが形成されている。

前記アーム部１２ｂには下端に針１４を装着した針棒１
５が設けられ、この針棒１５の上下運動に伴い前記針１
４とミシン本体１２内の釜（図示しない）との協働作用
により、加工布１６に本縫縫目が形成されるようになっ
ている。

前記□シンテーブル１１の土面後側にはポリアセタール
等の合成樹脂よりなる左右一対の取付枠１７．１８が、
複数個のネジ１９により所定間隔をおいてそれぞれ固定
されている。

前記ミシンテーブル１１の土面にてそれと平行に延びる
ように、面取付枠１７，１８間には送シネジ軸２０が回
転可能に支承されている。

一方の取付枠１７の左側部には第１のパルスモータ２１
が装着され、その取付枠１７内に設けられた一対の歯車
２２，２３を介して前記送りネジ軸２０を回転させるよ
うになっている。

前記送シネジ軸２０に近接してそれと平行に延びるよう
に、面取付枠１７，１８間には断面多角形状（実施例で
は四角形状）をなす回転伝達軸２４が回転可能に支承さ
れ、第６図に示すようにその軸線が前記ミシンテーブル
１１の上面においてそれと平行で、かつ送りネジ軸２０
の軸線と共通の平面内に配置されている。

他方の取付枠１８の右側部には第２のパルスモータ２５
が装着され、その取付枠１８内に設けられた一対の歯車
２６，２７を介して前記回転伝達軸２４を回転させるよ
うになっている。

前記送りネジ軸２０にはその軸線方向へ移動できるよう
に移動台２８が挿嵌され、第１，２図に示すように送り
ネジ軸２０及び回転伝達軸２４に対し平面形はぼ丁字彫
金なすように前方へ向かつて延びている。

前記移動台２８はポリアセタール等の合成樹脂よりなる
後方の支持台部２９と、同じくポリアセタール等の合成
樹脂よりなる前方の支持台部３０と、両支持台部２９，
３０間に架設されたアル□ニウム等の軽金属よりなる左
右一対の案内パイプ３１とより構成されている。

そして、前記後方支持台部２９の前面両側にはパイプ挿
嵌孔２９ａ及びそれに連続するすり割り部２９ｂがそれ
ぞれ形成され、前記案内パイプ３１の後端部がこのパイ
プ挿嵌孔２９ａ内に挿嵌されて、ボルト３２及びナツト
３３により固定されている。

又、前記前方支持台部３０の後面両側にもパイプ挿嵌孔
３０ａ及びそれに連続するすり割り部３０ｂがそれぞれ
形成され、案内パイプ３１の前端部がこのパイプ挿嵌孔
３０ａ内に挿嵌されて、ボルト３４及びナツト３５によ
り固定されている。

そして、この実施例では第４，５図に示すように、前記
案内パイプ３１の軸線が互に平行に延び、しかも前記ミ
シンテーブル１１の上面においてそれと平行で、かつ共
通の平面内に位置するようになっている。

第６図に示すように前記送りネジ軸２０の挿嵌部上力に
おいて、後方支持台部２９には左右一対の収容孔３６が
形成され、その収容孔３６内には保合ボール３７及び圧
縮バネ３８が収容されるとともに、バネ圧調節ボルト３
９が螺合され、前記係合ボール３７と送りネジ軸２０の
谷部との係合により、その送りネジ軸２０の回転に従っ
てその軸線方向（Ｘ方向）へ移動台２８を移動させるよ
うになっている。

前記前方支持台部３０の下面中央には前後方向へ延びる
支持ピン４０によりボールベアリングからなる案内ロー
ラ４１が回転自在に取着され、第５，１図に示すように
前記ミシンテーブル１１の上面に係合して移動台２８の
移動を案内するようになっている。

前記移動台２８の後方支持台部２９には左右一対のスト
ップリング４２によりスリーブ４３が回転可能に貫通支
承され、第３，６図に示すように断面四角形状をなす中
心孔４３ａには前記回転伝達軸２４が挿嵌されるととも
に、両端外周には螺旋溝４３ｂがそれぞれ形成されてい
る。

そして、前記スリーブ４３は、送りネジ軸２０の回転に
従って移動台２８が移動される時、その移動台２８とと
もに前記回転伝達軸２４上を摺動し得、又回転伝達軸２
４が回転される時、それとともに回転し得るようになっ
ている。

第２図に示すように前記スリーブ４３と平行に延びるよ
うに前方支持台部３０には回転軸４４が貫通支承され、
その一端には外周に螺旋溝４５ａを有するプーリ４５が
一体に形成されている。

前記回転軸４４の他端にはネジ４６により今一つのプー
リ４７が挿嵌固定され、その外周には螺旋溝４７ａが形
成されている。

前記移動台２８の案内パイプ３１にはその移動台２９の
移動方向と匝交する方向へ移動し得るように、ポリアセ
タール等の合成樹脂からなる刺しゅう外枠４８が基端の
取付板部４８ａにて挿嵌支承され、第１，２，８図に示
すようにその取付板部４８ａの端部には外周の一部を開
放した環状の加工布保持部４８ｂが形成されている。

前記刺しゅう外枠４８の取付板部４８ａに釦ける上部左
端と上部右端の前後両側にはすり割り部４９がそれぞれ
形成され、下面の左右両側には前後方向に延びる凹所５
０がそれぞれ形成されている。

前記刺しゅう外枠４８の加工布保持部４８ｂＫは加工布
１６を装着した状態で、ポリアセタール等の合成樹脂よ
りなる環状の刺しゅう内枠５１が挿嵌され、締付ボルト
５２及びナツト５３にて前記加工布保持部４８ｂの開放
部を締付けることにより、前記両枠４８．５１間に加工
布１６を緊張状態で保持するようになっている。

前記スリーブ４３の左側螺旋溝４３ｂと左側プーリ４５
の螺旋溝４５ａとの間、及びスリーブ４３の右側螺旋溝
４３ｂと右側プーリ４７の螺旋溝４７ａとの間には、無
端状の連結ワイヤ５４がそれぞれ掛装され、第１，２，
８図に示すようにそれらの上方ワイヤ部が前記刺しゅう
外枠４８の左側及び右側のすり割り部４９にそれぞれ挿
嵌されて、固定ネジ５５によりその刺しゅう外枠４８に
固定され、下方ワイヤ部が刺しゅう外枠４８下面の左側
及び右側の凹所５０内を通過するようになっている。

そして、前記回転伝達軸２４の回転にともなうスリーブ
４３の回転により、この連結ワイヤ５４を介して刺しゅ
う外枠４８及び刺しゅう内枠５１が移動台２８の案内パ
イプ３１上で前後方向（Ｙ方向）へ移動されるようにな
っている。

又、この実施例では、前記第１及び第２のパルスモータ
２１，２５がマイクロコンピュータ等の制御装置（図示
しない）から読出された一針ごとの送り情報に基づいて
駆動制御され、加工布１６を保持した刺しゅう外枠４８
及び刺しゅう内枠５１が第１，２図に示すＸ、Ｙ方向に
移動されて、その加工布１６が針１４と対応する所定の
縫製位置に配置されるようになっている。

前記のように構成された工業用刺しゅう縫□シンについ
て、次に作用を説明する。

さて、前記制御装置からの送り情報に基づいて第１のパ
ルスモータ２１が駆動されると、歯車２２．２３を介し
て送りネジ軸２０が回転され、移動台２８が回転伝達軸
２４に沿って左右方向（Ｘ方向）に移動される。

この移動時においては、移動台２８の前方支持台部３０
の下面に設けられた案内ローラ４１がミシンテーブル１
１の上面に係合して転動されるため、移動台゛２８の移
動は円滑に行われる。

又、前記制御装置からの送り情報に基づいて第２のパル
スモータ２５か駆動されると、歯車２６゜２７を介して
回転伝達軸２４が回転され、その回転にともなってスリ
ーブ４３が一体的に回転される。

それにより、スリーブ４３の螺旋溝４３ｂとプーリ４５
．４７の螺旋溝４５ａ、４７ａとの間に掛装された無端
状の連結ワイヤ５４が回転され、刺しゅう外枠４８及び
刺しゅう内枠５１が前記移動台２８上でその案内パイプ
３１に沿って前後方向（Ｙ方向）に移動される。

従って、前記両枠４８．５１間に緊張状態で装着保持さ
れた加工布１６は、針１４の一針の動作ごとにその針１
４と対応する所定の縫製位置に移動配置され、針１４と
釜との協働作用によりその加工布１６に刺しゅう縫が施
される。

又、この実施例においては、移動台２８上にモータ２１
，２５等の重量物が載置されておらず、その移動台２８
の後方支持台部２９、前方支持台部３０、それに刺しゅ
う外枠４８及び刺しゅう内枠５１がそれぞれポリアセタ
ール等の合成樹脂にて形成されるとともに、移動台２８
の案内パイプ３１がアルミニウム等の軽金属にて形成さ
れているため、前記加工布１６のＸ、Ｙ方向への移動が
軽く円滑に行われ、所定位置への加工布１６の送りを正
確に行うことができる。

さらに、この実施例では、送りネジ軸２０及び回転伝達
軸２４がミシンテーブル１１の上面に釦いて、互に近接
して平行に配置され、移動台２８がそれらの軸２０゜２
４上から前方に延びて平面形はぼ丁字形をなすように構
成されているため、第１図に示すように移動台２８の左
右両側方及び刺しゅう外枠４８の前方にかけるミシンテ
ーブル１１上に空間が形成され、この空間を利用して刺
しゅう外枠４８及び刺しゅう内枠５１に対する加工布の
着脱作業等を容易に行うことができる。

なお、この考案は前記実施例の構成に限定されるもので
はなく、例えば回転伝達軸としてスプライン軸を使用し
たり、移動台を送りネジ軸及び回転伝達軸から垂下状態
に配設し、その移動台上に加工物保持台を上下動可能に
支承して、加工物を左右方向及び上下方向へ移行させ得
るように構成したりする等、この考案の趣旨から逸脱し
ない範囲で各部の構成を任意に変更することもでき、又
この考案のＸ−Ｙ送り装置を工作機Ｖ等における加工物
送り装置に具体化して実施することも可能である。

効果 以上詳述したように、この考案によれば、次のような優
れた効果を得ることができる。

（１） 送りネジ軸及び回転伝達軸が、移動台及び加
工物保持台を作動するための駆動軸、移動台を支持する
ための支持軸、並びに移動台の移動を案内するための案
内軸を兼用するようになっているため、構造が簡単で部
品点数を著しく減少させることができる。

（２）移動台上にモータや駆動伝達機構等の重量物が全
く載置されておらず、それらが固定台上に配設されてい
るため、移動台及びその移動台上の加工物保持台を所定
位置へ軽く正確に移動させることができる。

（３）送りネジ軸及び回転伝達軸が固定台上において互
に近接して平行に配置され、その両軸にて移動台が支承
されているため、その移動台上に設けられた加工物保持
台の近傍における固定台上に空間を設けることができ、
その空間を利用して加工物保持台に対する加工物の着脱
作業等を容易に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案を具体化した工業用刺しゅう縫ミシン
の部分斜視図、第２図はその加工布送り装置を拡大して
示す部分平面図、第３図は第２図の３−３線における部
分断面図、第４図は第２図の４−４線における部分断面
図、第５図は第２図の５−５線における部分断面図、第
６図は第２図の６−６線における部分断面図、第７図は
第２図の７−７線における部分断面図、第８図は第２図
の８−８線における部分断面図である。 □シンテーブル（固定台）１１、ミシン本体１２、針１
４、加工布１６、取付枠１７，１８、送りネジ軸２０、
第１のパルスモータ２１．回転伝達軸２４、第２のパル
スモータ２５、移動台２８、後方支持台部２９、前方支
持台部３０、案内パイプ３１、係合ボール３７、案内ロ
ーラ４１、スリーブ４３、中心孔４３ａ、回転軸４４、
グー’Ｊ ４５ 、４７、刺しゅう外枠４８、刺しゅう
内枠５１（この４８，５１等により加工物保持台が構成
される）、連結ワイヤ５４（この５４＠により連結手段
が構成される）。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 固定台１１上に回転可能に支承された送りネジ軸２
   ０と、 その送りネジ軸２０に回転運動を付与するために、前記
   固定台１１上に設けられた第１のモータ２１と、 前記送りネジ軸２０に近接してそれと平行に延びるよう
   に、前記固定台１１上に回転可能に支承された回転伝達
   軸２４と、 その回転伝達軸２４に回転運動を付与するために、前記
   固定台１１上に設けられた第２のモータ２５と、 前記送りネジ軸２０に挿嵌され、その送りネジ軸２０の
   回転に従ってその軸線方向に移動される移動台２８と、 その移動台２８に回転可能に支承され、前記回転伝達軸
   ２４を挿嵌するための中心孔４３ａを有するスリーブ４
   ３と、 そのスリーブ４３は、前記送りネジ軸２００回転に従っ
   て移動台２８が移動される時、その移動台２８とともに
   前記回転伝達軸２４上を摺動し得、かつ回転伝達軸２４
   が回転される時、それとともに回転し得るようになって
   いることと、 前記移動台２８上において、その移動台２８の移動方向
   と直交する方向へ移動可能に支承された加工物保持台４
   ８，５１等と、 その加工物保持台４８，５１等と前記スリーブ４３との
   間に設けられ、そのスリーブ４３の回転に従って加工物
   保持台４８．５１＠を移動させるための連結手段５４等
   とを設けたことを特徴とするＸ−Ｙ送り装置。 ２ 前記第１及び第２のモータ２１，２５ば、いずれも
   パルスモータからなっている実用新案登録請求の範囲第
   １項記載のＸ−Ｙ送り装置。 ３ 前記回転伝達軸２４は断面多角形状をなし、かつ前
   記スリーブ４３の中心孔４３ａもそれと合致する断面形
   状となっている実用新案登録請求の範囲第１項に記載の
   Ｘ−Ｙ送り装置。 ４ 前記送りネジ軸２０及び回転伝達軸２４の軸線は、
   前記固定台１１の上面においてそれと平行で、かつ共通
   の平面内に配置されている実用新案登録請求の範囲第１
   項に記載のＸ−Ｙ送り装置。 ５ 前記移動台２８は前記送りネジ軸２０及び回転伝達
   軸２４に対しほぼＴ字状をなすように延び、かつその先
   端には前記固定台１１の上面と係合して移動台２８の移
   動を案内するための案内ローラ４１が設けられている実
   用新案登録請求の範囲第４項に記載のＸ−Ｙ送り装置。