JPS5932429Y2 - 鍛造用加熱炉の中空筒 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、鍛造用素材の加熱に用いる加熱炉、詳しく
はその炉本体に素材の通路として架設される中空筒に関
するものである。

従来の燃焼炉炉方式の加熱炉は、火炎もしくは燃焼ガス
が直接鍛造用素材に触れるようになっているから、スケ
ールの発生が著しく、これがため材料ロスが多く、また
スケール落とし作業に手間取る欠点がある。

これに対しては既に、素材より若干大きい内径の耐火材
から成る中空筒を炉内に架設して、この中空筒内に素材
を通すようにしたものが考えられており、これによれば
、素材が火炎や燃焼ガスに直接触れない状態で間接的に
全周から加熱されることになる。

しかしながら、この中空筒を素材通路とした加熱炉にお
いては、中空筒自体が高温に加熱され、その内面には素
材が次々と摺接移動するから摩耗が甚しく、早期に使用
不能になるおそれがある。

特に中空筒の素材排出がわの部分は炉内の最高温域に位
置するから、一段と摩耗の度合いが高く、また中空筒の
排出端も、素材の落下時の擦過で摩耗が早い。

この考案は上記の問題点に鑑み、素材通路となる中空筒
の長寿命化を図ったもので、その詳細を図示の実施例に
基いて説明すると、次の通りである。

第１図において、炉本体１は内部に燃焼室２と、これか
ら水平に延出する予熱室３とが形成された構造で、燃焼
室２の下部に重油バーナー４用の取付は口５が開口し、
予熱室３の終端に煙道６が連通している。

７，８は鍛造用素材の通路となる２本−組の中空筒で、
一方の予熱室３がわにある中空筒７は、加熱すべき素材
より僅かに大きい内径を有し、その内端部に他方のより
大径で燃焼室２がわにある中空筒８の内端部がスライド
自在に外嵌している。

この２本二組の中空筒７，８は、内端部が互いにスライ
ド自在に嵌合する状態で燃焼室２と予熱室３とを貫通す
るよう水平に炉本体１内に装入されて、その複数組が炉
本体１の幅方向（第１図紙面と直交する方向）に沿って
並列している。

小径の中空筒７はステンレス鋼製で、その外端部７ａは
予熱室３の炉壁を貫通して外部に開口しており、この外
端部７ａから素材を供給するようになっている。

大径の中空筒８は窒化珪素結合炭化珪素材のような耐火
材から成形されたもので、その外端部８ａは燃焼室２前
端の炉壁に回転自在だが長さ方向不動状に支持されてお
り、この外端部８ａは、炉壁に外から凹入形成した取出
し口９に向けて開口している。

１０は外端部８ａの鍔である。

しかして耐火材製の中空筒８の肉厚は、第２図に明示す
るように素材供給がわである内端部８ｂから排出がわの
外端部８ａへ漸増的に厚くなっている。

第２図の例では内端部の内径ｄよりも外端部の内径りを
小としくｄ＞Ｄ）、内端部の外径ｅよりも外端部の外径
Ｅを大としくｅ＜Ｅ）、これによって内端部の肉厚ｔよ
りも外端部の肉厚Ｔを大としている（ｔ＜Ｔ）。

尚、外端部の内径りは他方の小径の中空筒７の内径と同
一にすることが望ましい。

前記中空筒８の肉厚は、外径もしくは内径のいずれか一
方のみを変化させることによって漸次的に変化させても
よい。

第３図に示すのは、内径のみを漸次的に変化させた中空
筒８１で、内端部の内径ｄ１よりも外端部の内径Ｄ０は
小さく（ｄｌ〉Ｄｌ）、両端部の外径ｅ１．Ｅ１は相等
しく（ｅｘ ＝Ｅ１ ）、これによって内端部の肉厚
ｔ１より外端部の肉厚Ｔ１が犬となっている。

第４図に示すのは、外径のみを漸次的に変化させた中空
筒８２で、内端部の外径ｅ２よりも外端部の外径Ｅ２が
太きく （ｅ２ ＜Ｅ２ ）、両端部の内径ｄ２ｐＤ
２はほぼ等しく （ｄ２中Ｄｚ ）、これによって内端
部の肉厚ｔ２より外端部の肉厚Ｔ２が大となっている。

１１は予熱室３下部の仕切板で、この仕切板１１で雨中
空筒７，８の中途部や内端部が支承されている。

１２は予熱室３上部の仕切板で、その垂下長さが調節で
きる。

上記の構成において、鍛造用素材は小径の中空筒７の外
端部７ａから次々と挿入し、これによって大径の中空筒
８の外端部８ａへと押し出す。

素材は雨中空筒７，８の内部を通過する間に、火炎や燃
焼ガスに直接触れることなく全周から間接的に加熱され
る。

この場合、中空筒８の素材排出かわば極めて高い温度に
加熱されている状態でその内面に素材が摺接するので、
その内壁面が深く削りとられることとなるが、この中空
筒８は外端部８ａはど肉厚が大となっているので、排出
がわの筒壁に孔があく、といった支障を生じ難い。

この考案は上述のように、加熱炉内で鍛造用素材の通路
として架設される耐火材製の中空筒の肉厚を、素材供給
がわから排出がわへ漸増的に厚くしたもので、高温に加
熱されて摩耗しやすい排出がわほど、肉厚が厚くなって
いるから、素材の摺接で内壁面が削られても、中空筒の
筒壁が長さ方向各部で均一化するだけで、早期に局部的
に孔があいたり割れたりすることがなく、長期間の使用
に耐える。

また中空筒の排出端は最も肉厚が厚いから、素材の落下
に伴なって排出端口縁が削られても、久しく原形を保ち
、排出端が後退するといった不都合を生じない。

特に第１図に示すように、耐火材製の中空筒の素材供給
がわに小径の中空筒を挿嵌接続した場合は、耐火材製の
中空筒の内径を、小径の中空筒の内径と同程度まで絞る
ことができ、これによって素材の移動に何等支障のない
状態で中空筒排出がわの肉厚を充分厚くとれる。

尚、中空筒７，８は断面円形のもののほか、角形のもの
でもよい。

又必ずしも実施例の如く中空筒を定置したものの使用に
限るものではなく、回転盤に一端を支持固定し、回転盤
と共に加熱炉内を移動する形態の鍛造用加熱炉にも使用
できることは言うまでもない。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案中空筒を備えた加熱炉の縦断側面図、
第２図は中空筒の断面図、第３図及び第４図はそれぞれ
他の実施例中空筒の断面図である。 １・・・・・・炉本体、２・・・・・・燃焼室、３・・
・・・・予熱室、７．８，８１．８２・・・・・・中空
筒、ｔ、ｔｌ、ｔ２゜Ｔ、Ｔ１．Ｔ２・・・・・・肉厚
。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 炉本体内に耐火材より成る中空筒をほぼ水平に架設し、
   この中空筒を鍛造用素材の通路とした鍛造用加熱炉にお
   いて、前記中空筒の肉厚を素材供給がわから排出がわへ
   漸増的に厚くしたことを特徴とする鍛造用加熱炉の中空
   筒。