JPS5939219B2 - 鍛造用加熱炉 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は鍛造用素材の加熱に用いる加熱炉に関するも
ので、熱効率が高くスケール損失の極めて少ない炉を提
供すること、及び鍛造用素材の供給と排出とが支障なく
円滑に行なえるようにすることを主たる目的とし、更に
炉の主要部分を安価な材料で構成して全体のコストを可
及的低減することを欠目的とする。

従来の燃焼炉方式の加熱炉は、火炎もしくは燃焼ガスが
直接鍛造用素材に接するようになっているから、スケー
ルの発生が著しく、これがため材料ロスが多く、スケー
ル落し作業に手間取る欠点がある。

この発明は上記従来の欠点に鑑み、まず、鍛造用素材よ
り若干大径の中空筒を素材の通路とし、これを炉内に架
設することによって、火炎や燃焼ガスに直接触れない状
態で素材を加熱できるようにしたものである。

しかしてこの場合、長尺の中空筒を単に炉内に架設した
だけでは、中空筒が加熱により膨張し、その端部が素材
供給がわ、もしくは排出がわに突出しで、素材の供給や
排出に支障をきたすおそれがある。

そこでこの発明は、２本の互いにスライド自在に嵌合す
る中空筒で１本の通路を構成することとし、これによっ
て中空筒の熱膨張を炉内部で吸収するようにしたもので
ある。

更にこの発明は２本の中空筒をそれぞれその位置の温度
に応じた素材で構成したものである。

以下この発明の詳細を図示の一実症例に基いて説明する
と、炉本体１は内部に燃焼室２とこれから水平に延出す
る予熱室３とが形成された構造で、燃焼室２の下部にバ
ーナー４用の取付は口５が開口し、予熱室３の終端には
煙道６が連通している。

７．８は鍛造用素材の通路となる２本−組の中空筒で、
そのうちの１本７は加熱すべき素材より僅かに大きい内
径を有し、他の１本８はそれより若干大径で、小径の中
空筒７の内端部に大径の中空筒８の内端部がスライド自
在に外嵌して両者は一直線状に連通している。

小径の中空筒７はステンレス鋼製で、大径の中空筒８は
窒化珪素結合炭化珪素材のような耐火材から成形されて
いる。

これら中空筒７，８は、小径の中空筒７が予熱室３がわ
に、また大径の中空筒８が燃焼室２がわにそれぞれ位置
し且つ２本で両室２，３を貫通する向きで炉本体１内に
水平に装入されており、小径の中空筒７の外端部７ａが
予熱室３終端の炉壁に、また大径の中空筒８の外端部８
ａが燃焼室２前端の炉壁にそれぞれ回転自在だが長さ方
向不動状に固定されでいる。

小径の中空筒７の外端部７ａは炉壁を貫通して外部に開
口しており、大径の中空筒８の外端部８ａは、燃焼室２
内に位置する状態で炉壁に四人形成された取出し口９に
向は開口している。

尚、この２本−組の中空筒７，８は炉本体１の幅方向（
第１図において紙面と直交する方向）に沿って複数列に
架設されるものとする。

予熱室３の下部には、仕切板１０が立設され、この仕切
板１０で中空筒７，８の各部が支承される。

１１は予熱室３の上部に設けた仕切板で、その垂下長さ
が調節できる。

炉本体１は下部１ａと上部とに分割されでおり、上部は
更に前部１ｂと後部１ｃとに分割されて蝶着具１２によ
り結合されている。

上記の構成において、炉本体１の後端で炉外に開口した
中空筒外端部７ａから次々と鍛造用素材を挿入し、これ
によって素材を中空筒７から大径の中空筒８の外端部に
向は順次押し込む。

素材は雨中空筒７，８内を移動する間に、バーナー４の
燃焼熱によって加熱されるのであるが、この素材は中空
筒７，８の筒壁で囲繞されているから、火炎や燃焼ガス
に直接触れることなく、間接的に加熱される。

また素材は予熱室３終端の低温域から順次高温域に移動
するから、急加熱されることがない。

加熱を終えた素材は後続の素材に押されて中空筒８の外
端部８ａから取出し口９に落下する。

更に雨中空筒７，８は加熱により膨張し伸長するが、各
中空筒７，８の内端部がその伸長分だけより内方に突出
し、雨中空筒７，８同士の嵌合深さが深くなることによ
り、雨中空筒７，８の伸長分が吸収される。

雨中空筒７，８の外端部は長さ方向に移動せず炉壁の定
位置に保持される。

この発明は土述のように、中空筒を鍛造用素材の通路と
して炉本体の内部に架設したもので、素材は中空筒に囲
繞された状態で炉本体の内部を移動するから、素材に火
炎や燃焼ガスが触れず、スケールの発生が著しく少ない
。

その場合、単に中空筒を炉本体内に架設しただけでは、
中空筒の熱膨張のために種々の支障の生じることが予想
される。

例えば中空筒の排出がわ端部が熱膨張で取出し口内へ長
く突出すると、その突出した部分が燃焼室から外れてほ
とんど加熱されなくなるから、素材はこの突出部分を通
る間に冷却し、鍛造に悪影響を及ぼす。

また中空筒の供給がわ端部が外部に突出すると、素材の
供給台との位置関係が変動するので、素材の受は渡しが
円滑に行なわれなくなる。

これに対してこの発明では中空筒を２本−組としてその
内端部を互いにスライド自在に嵌合しであるから、中空
筒の嵌合深さの変化で中空筒の熱膨張が吸収されること
になり、中空筒の外端部は炉壁に対して一定位置に保持
され、そのため前記したような不都合は生じない。

更にこの発明では２本の中空筒で１本の通路を構成して
いるから、各中空筒にその温度域に応じた材料のものを
使用でき、これによってコストの低減を図り得る。

実施例に示すように、燃焼室がわの大径の中空筒を窒化
珪素結合炭化珪素材製とし、予熱室がわの小径の中空筒
をステンレス鋼製とすると、燃焼室の高温に充分耐えら
れて、しかも高価な耐火材の中空筒の長さを必要最小限
に抑えられる。

更に予熱室と燃焼室の空間内に鍛造用素材の通路となる
中空筒を渡橋状に支持させたから、中空筒の全周面から
の平均的な熱伝達によって極めて効率的な加熱ができ消
費燃料は従来に比し半減し、極めて経済的である。

尚、中空筒は円筒形のものの他、角筒形のものでもよい
。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明加熱炉の縦断側面図である。 １・・・・・・炉本体、２・・・・・・燃焼室、３・・
・・・・予熱室、７．８・・・・・・中空筒、７ａ、８
ｂ・・・・・・外端部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 鍛造用素材より僅かに大きい内径の中空筒と、この
   中空筒の一端部にスライド自在に外嵌連通する中空筒と
   で鍛造用素材の通路を構成し、これらの中空筒を２本−
   組として炉本体の燃焼室及び予熱室内に該画室を貫通す
   る向きで装入し、雨中空筒のうち小径の中空筒の外端部
   を予熱室終端の炉壁に、また大径の中空筒の外端部を燃
   焼室前端の炉壁にそれぞれ長さ方向不動状に固定した鍛
   造用加熱炉。 ２ 小径の中空筒がステンレス鋼製で、大径の中空筒が
   窒化珪素結合炭化珪素材製である特許請求の範囲第１項
   に記載の鍛造用加熱炉。