JPS5932203Y2 - 固定子コイル插入装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は回転電機の固定子鉄心のスロットにコイルを挿
入する固定子コイル挿入装置の改良に関する。

一般に固定子コイル挿入装置によって固定子鉄心のスロ
ット内にコイルを挿入する場合にはできるだけ挿入抵抗
を小さくして、円滑に挿入することが必要で、挿入後の
コイルに傷や漬れかあってはならない。

そのために従来から種々の形状の挿入治具が用いられて
きたが、一般には挿入治具の主構成要素であるストリン
パの形状によって挿入性が改善される物合が多い。

以下その代表的なものについて第１図乃至第５図に基づ
いて説明すると、コイル挿入治具は第１図及び第２図に
示すように、その一端を基台１に植設された複数のブレ
ード２が円筒状に配置され、ブレード２の外側ニは同数
のウェッジガイド３が基台に植設されている。

一方ブレード２の内側には周囲に溝を有したストリッパ
４がブレード２の内面に沿って自由に摺動できるように
軸５にボルト６によって固定されており、軸５は前記基
台１を貫通して図示しない油圧シリンダ等に連結されて
いる。

また、フレード２は第３図に示すように固定子鉄心７の
歯頭７ａに向い合わせて、円筒状に配置されている。

このストリッパ４を使用してコイル８を挿入するには、
第１図に示すようにストリッパ４をブレード２の下方に
引き下げ、コイル８をフレード２の決められた位置に引
っ掛けてストリッパ４の上端に接する１で押し下げる。

次に固定子鉄心７の歯頭７ａをフレード２に向い合せて
挿入し、図示しないクランプ装置によって固定子鉄心７
な固定する。

続いて、油圧シリンダ等（図示せず）を駆動して軸５に
よりストッパ４を上方に押し上げると、第１図において
外径がＤであったコイル８は第２図に示したように内径
ｄのスロット９に挿入されるためコイル８はスロット９
の底部９ａの位置で湾曲し、コイル８の挿入抵抗が増大
することからコイル８の一部８ａかブレード２とストリ
ンパ４とのコーナー１０付近において、一体に１と１つ
た状態の１１、スロット９に挿入される。

しかし、この状態における挿入抵抗は非常に大きく、コ
イル８の掛っているブレード２に曲げ力が働くために第
３図におけるコイルの掛っているブレード２の間隙２ａ
が拡大しこのためにコイル８に島や潰れが発生すること
がある。

特にスロット９内のスペースファクターが増大した場合
にこの現象が著しく、コイル８の挿入困難が生じる場合
があった。

又さらに、第４図に示すようにブレード２の間隙２ａ内
において、コイル素線径と巻回数との積りが大きい場合
は、フレード２とコイル８との摩擦抵抗も大きくなり、
コイル８に島や潰れが発生したり、コイル８の挿入が困
難となるという欠点があった。

又以上の従来例の欠点を除去する方法として第５図乃至
第６図の構造のものがあるが、ストリンパ４の上部に挿
入コイルと対応する位置に溝１１を切り込んだサブスト
リッパ１２をストッパ４に固定したもので、その他の構
成は上記従来例と同一であり、同一符号を付して説明を
省略する。

上記の改良コイル挿入治具を用いてロイル８を挿入する
とストリンパ４をブレード２の下方に引き下げ、コイル
８をブレード２の決められた位置に引っ掛けて、第６図
に示すようにサブストリッパ１２の上端に尚接する１で
押し下げる。

次に固定子鉄心７の歯頭７ａをブレード２に沿わして挿
入し、図示しないクランプ装置によって固定子鉄心７を
画定する。

続いて、サブストリッパ１２と一体のストリッパ４を上
方に押し上げてコイル８の一部をサブストリッパ１２の
溝１１で挾持しなから、コイル８をスロット９内に挿入
する。

その結果溝１１に挾持されたコイルの挿入抵抗は溝１１
の側面で受ける為に、コイル８の挿入抵抗は多少減少す
る。

しかるに、以上の従来の改良例では第６図に小すように
溝１１の深さ１１ｄを変化させても溝１１に挾持烙れる
コイル素線の量は全体の一部分である為にコイル挿入抵
抗を大巾に減少８ せることはできず先の従来例と同様
にスロット９のスペースファクターが大きい場合や、コ
イル素線径と巻回数との積りが大きい場合においては、
コイル８に島や潰れが発生したり、コイル挿入が困難で
あった。

なお、溝１１の長さ１１１を長くすれば、溝１１に挾持
されるコイルが多くなりコイル挿入抵抗は減少するが、
上記溝１１の深さ１１ｄを変化させた場合より以上にサ
ブストリッパ１２の溝加工が複雑となり、しかも溝１１
の内側を研摩する必要がある等コイル挿入治具が高価と
なる欠点を有していた。

本考案の目的は上記の従来の欠点を除去するためになさ
れたもので、ストリンパにピンを設けることにより、ス
ロットへのコイル挿入抵抗を小さくして、コイルに島や
潰れが発生しない固定子コイル挿入装置を提供すること
にある。

以下、本考案の一実施例につき第７図乃至第１０図を参
照して説明すると本考案の固定子コイル挿入装置は基台
１および複数のブレード２と、ピン１４を有するストリ
ッパ１３から成っており、以下にそれらの詳細な構成を
述べる。

基台１には複数のブレード２か円筒状に配置されその一
端が基台１に植設されており、フレード２の外側にはブ
レード２と同数のウェッジガイド３が基台１に植設され
ている。

一部ブレード２の内側には、周囲に溝を有し上部の斜面
１３ａで後述する位置にピン１２を設けたストリッパ１
３か、ブレード２の内面に沿って自由に摺動できるよう
に、軸５にボルト６によって固定される。

この軸５は前記基台１を貫通し、図示しない油圧シリン
ダ等に連結されている。

又、ストリッパ１３は第１０図に示すように、コイル８
と対応するストリッパ１３の斜面１３ａに、ブレード２
の近傍で且つブレード２の放射方向センタと同センタに
なる位置へ、ブレード２０間隙２ａと略同−の間隙１４
ａを有するピン１４か複数個植設されている。

。又、複数のブレード２は固定子鉄心７の歯頭７ａに向
い合わせて円筒状に配置されている。

以下本考案の作用につき説明するとコイル８をブレード
２の決められた位置に引っ掛けて、コイル８かストリッ
パ１３の上面に当接する１で押し下げる。

この状態におけるストリッパ１３の上面は第１０図に示
すようにコイル８かフレード２の間隙２ａおよびピン１
４の間隙１４ａに挾持されている。

次に固定子鉄心７の歯頭７ａをフレード２に沿わせて固
定子鉄心７をブレード２に挿入し、図小しないクランプ
装置によって固定する。

続いて、図示しない油圧シリンダ等を駆動して軸５及び
ストリッパ１３を上方に押し上げるとコイル挿入が開始
されるか、第８図及び第９図に示すようにコイル８のス
トリッパ１３の根元に近い一部８ｂはピン１４で保持さ
れ、残りのコイル８ｃはブレード２に沿って、スロット
９内に挿入される。

この状態に釦いてはブレード２とストリッパ１３とのコ
ーナー１０付近にコイル８が一体に１と１つた状態とな
らず、ピン１４で保持されないコイル８ｃのみかフレー
ド２に沿ってスロット９に挿入される。

以上本考案によれば、コイルがストリッパ及びブレード
により摩擦を受は易いコーナ付近で、ブレードとピンの
２段に分けて保持される。

このため摩擦がないので、ブレード２０間隙２ａか押し
拡げることによる変形が起こらず、コイル８に傷や潰れ
も生じない、しかもピンの長さをかえることによりピン
の間隙に挾持されるコイル素線数を自由に調整でき、ス
ロットのスペースファクターが高い場合やコイル素線径
と巻回数との積が大きい場合でもコイルに潰れが生じる
ことナク、スロットへのコイル挿入が容易であり、作動
力も減少し固定子コイルの品質が向上し、製品の安定化
等の優れた効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は従来のコイル挿入治具の要部断正面
図で、第３図は第２図の平面図、第４図はブレードの部
分拡大図で、第５図は従来の改良例コイル挿入治具の要
部断正面図、第６図は第５図の一部除去斜視図で、第７
図及び第８図は本考案のコイル挿入治具の要部断正面図
、第９図は第８図の要部拡大断面図で、第１０図は第８
図の一部拡大平面図である。 １・・・基台、２・・・ブレード、２ａ・・・ブレート
ノ間隙、３・・・ウェッジガイド、７・・・固定子鉄心
、８・・・コイル、８ｂ、８ｃ・・・コイルの部分、９
・・・スロット、１０−・・コーナ、１３・・・ストリ
ッパ １３ａ・・・ストリッパの斜面、１４・・・ピン
、１４ａ・・・ピンの間隙。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 回転電機の固定子鉄心のスロットにコイルを収納するた
   めの基台上に環状で細隙をもって植設した複数個のブレ
   ードとこの中央にブレードＫ［合し摺動する溝を周囲に
   設はブレードに懸架したコイルをスロットへ挿入するた
   めのストリッパよりなるコイル挿入装置においス該スト
   リンパの斜面でブレードの近傍であり且つブレードの放
   射方向センタと同センタになる位置に、”ｉレードの間
   隙と略等しい間隙で複数個のピンを植設したことを特徴
   とする固定子コイル挿入装置。