JPS5931832Y2 - シ−ルド掘進機におけるカッタ−ホイ−ル中心軸のシ−ル装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はシールド掘進機におけるカッターホイール中心
軸のシール装置に関する。

特にトンネルを掘削するシールド掘進機において、ボー
ルレースに支持されて回転駆動されるカッターホイール
の流体配管を通すための中心軸の外周を掘進部とガーダ
一部との間でシールするためのシール装置に関する。

一般的な機械掘りシールドを第１図に示す。

カッターホイール１はボールレース２によって回転自在
にシールド本体３に取付けられる。

カッターホイール１の中央の中心軸１ａ内にはカッター
ホイール１内に設けられた油圧、水圧、空気圧等のアク
チュエータ５の流体配管取出口を有する。

シールドのフード部３ａとガータ部３ｅを仕切るバルク
ヘッド３ａにはホッパ７を有する。

ホッパ７はバルクヘッド３ａからフード部３ｄ内に突出
しカッターホイール１によって掘削された土砂を取込む
。

ホッパ７に取込まれた土砂はスクリューコンベア８等の
搬送機によって外部に搬出される。

バルクヘッド３ａからフード部３ｄに突出した側板３Ｃ
とホッパ斜板７ａとで面板３ｂを支持する。

面板３ｂ、側板３ｃ、ホッパ斜板７ａに取囲まれ、バル
クヘッド３ａから突出した部分はフード部３ｄ内の土砂
から完全に隔離される。

中心軸１ａは面板３ｂを貫通して突出する。

面板３ｂと一体のシールケース４内に充填したシール４
ａはゴム等の弾性体で製作され中心軸１ａの外周に密着
して取付けられており、フード部３ｄ内の土砂や水が中
心軸１ａの外周部からガーダ部３ｅ内に入るのを防ぐ。

シールケース４のフランジ部４ｂの内径と中心軸１ａの
外径との間隙ｌｉｔはできるだけ小さくして砂のかみこ
みを防ぐ。

上述の通常のシールド掘進機に生ずる問題点は次の通り
である。

（１）カッターホイール、シールド本体の製作公差や軸
受間隙等に基く中心軸は偏心はシール４ａによって吸収
する必要があるが、偏心量が太きくなればシール４ａで
は吸収できず、回転中に中心軸とシールとの間の密着不
良を生じ、地下水圧、土砂圧等によってシールドのガー
タ部３ｅ内に土砂が流入する。

（２）限定圧気工法等の切羽側圧力を保持しながら掘削
する工法では、シールと中心軸との間の密着不良となれ
ば圧力保持が不可能となり、工法自体に致命的悪影響を
生ずる。

（３）シールケース４のフランジ部４ｂと中心軸１ａの
外周との間隙４７はできるだけ小さくするのが望ましい
が、偏心量を加算すれば小さな値とするのが不可能であ
り、間隙内に土砂がかみこみ、摩耗を著しく増大する。

（４）現在は回転中の大きな偏心を吸収し、かつ切羽圧
力を保持し得る構造のシールがない。

本考案の目的は上述の欠点をなくするための偏心回転軸
のシール装置を提供するにある。

本考案によるシール装置は、シールド掘進機のシールド
本体にカッターホイールを回転自在に支承し、流体配管
取出口としてカッターホイール中心軸をシールド本体側
に突出させ、中心軸外周をシール装置によってシールす
る場合に、回転中の中心軸の偏心量を吸収するためにシ
ール装置とシールド本体面板との間に弾性材料製の可撓
体を介挿する。

中心軸の取付誤差等に基く偏心回転を弾性材料製の可撓
体によって吸収することによって、シール装置と中心軸
との間は主として回転封鎖のみとなり、シール装置の寿
命は長くなり、中心軸外周に沿う漏洩、土砂のかみこみ
の問題はほとんど生じない。

本考案の実施例によって、可撓体をシール装置と本体と
の間に非直線状に延長させ、偏心運動吸収に際して可撓
体に強い伸長が作用しないようにする。

上述の構成によって、可撓体の偏心運動吸収は可撓体の
伸びでなく形状の変形によって行われる。

このため、剛性の高い材料を使用してもシール装置と中
心軸との間に偏心運動による摩耗を生ずることは少ない
。

本考案を例示とした実施例並びに図面について説明する
。

説明を明瞭にするために、第１，２図と同じ符号によっ
て同様の部品又は部分を示し、重複説明を行なわない。

バルクヘッド３ａに固着してフード部３ｄ内に突出する
側板３Ｃに固着した面板１１に大きな開口を形威し、押
え板１３によって可撓体１４の外周部をボルト等で取付
ける。

例えば第５図に示す通り複数の孔１４ ａによってボル
ト止めする。

可撓体１４の開口１５の内周部にシールケース１６を押
え板１７によって取付ける。

シールケース１６に充填するシール１８は例えばグラン
ドパツキン等とし、シールケース１６と中心軸１ａとの
間隙ＩＩの変化が生じないように充填し、シールケース
１６のカバー１９をボルト２０で締めこむことによって
シール１８と中心軸１ａ外周との密着度を高め所要の封
鎖を行なう。

かくして、シールケース１６は可撓体１４を介して面板
１１に取付けられ、中心軸１ａの回転偏心量は可撓体１
４の弾性変形によって吸収される。

可撓体１４はフード部３ｄ内に作用する土砂圧、流体圧
に抗して原形を保ち、中心軸１ａの偏心回転を吸収する
寸法・材質の弾性材料とし、例えば天然ゴムは人造ゴム
等で成形されたものとする。

上述の構成によって、中心軸１ａの偏心回転はシールケ
ース１６内のシール１８で吸収するのではなく、そのま
ま可撓体１４に伝えられ可撓体１４によって吸収され、
シールケース１６内のシール１８は中心軸に対して単に
回転接触のみを行なう。

このためシール１８と中心軸１ａとの間の封鎖はほぼ完
全に良くなり、フード部３ｄからガーダ部３ｅに対する
漏洩の生ずることはない。

本考案の第２の実施例を第６図に示す。

可撓体１４の内周部にシールケース２１を押え板１７に
よって取付ける。

シールケース２１に取付けた砲金等の平軸受２２は中心
軸１ａを支承する。

ゴム製のＯリング等のパツキン２３は平軸受２２と中心
軸１ａとの間の封鎖を保つ。

本考案によって、シールケース２１は中心軸１ａの偏心
に追随して動くため、平軸受２２と中心軸１ａとの組合
せが可能となる。

平軸受２２は回転支承のみを行なうため、長寿命であり
、所要の封鎖を保つ。

本考案の別の実施例を第７図に示す。

側板２４を第１〜６図の側板３Ｃよりも短かくシ、可撓
体２５は円筒部２６と内向きのフランジ部２７と外向き
のフランジ部２８を有する形状とし、フランジ部２７゜
２８を押え板１３．１７とボルトによって面板１１．シ
ールケース１６に取付ける。

図は誇張して示したが、第１図のホッパ７を削減しない
程度に円筒部２６を短かくしである。

第７図に示す可撓体２５とすることによって、中心軸１
ａの偏心回転に際して可撓体２５に対する伸張力の作用
は僅であり、可撓体材料として伸張力の顧慮を必要とし
ない材料５例えばワイヤ又はグラスファイバ補強ゴム等
を使用することが可能となる。

第８図に示す実施例は第３図の実施例とほぼ同様である
が、可撓体２９に曲り部３０を有する形状とする。

第７図の実施例と同様に可撓体材料に伸張力が作用せず
、従って第３図の材料よりも剛性の大きな、引張力の顧
慮のない材料を使用することができ、材料の選択範囲を
広くして、長寿命の可撓体とすることが可能である。

図にはシールケース１６内にシール１８を充填する型式
として示したが、第６図に示す平軸受付きのシールケー
スとすることもできる。

この場合は軸受部の軸線方向移動防止のためには中心軸
１ａの浅い溝にはめこんだリング等によって簡単に行な
うことができ、可撓体１４，２５．２９の選択が容易に
なる。

本考案の効果を要約すれば次の通りである。

第１に、中心軸１ａの回転偏心量は可撓体１４，２５．
２９によってすべて吸収されるため、シールケース及び
シールは中心軸１ａの偏心回転に追随し、シール１８又
は平軸受２２と中心軸１ａとの間には偏心回転の影響は
無くなり所要軸受間隙を保ち長寿命となる。

第２にシールケースと中心軸との間隙Ｊｌは所要の小さ
い値に保たれ、土砂の噛みこみの問題は生じない。

可撓体の面板１１．シールケース１６．２１に対する取
付部の封鎖は完全であり、漏洩は生じない。

可撓体の構造を第７，８図の構造とすることによって、
中心軸１ａの回転偏心量が可撓体の屈曲部で集中的に吸
収されるため、偏心量の吸収性が良くなり、可撓体とし
て剛性の比較的大きな長寿命の材料を選択することが可
能となる。

更に可撓体取付孔に作用する力が小さくなり、可撓体が
長寿命となる。

可撓性が良くなったため、シールに作用する力が小さく
なり、シールの寿命が長くなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は在来のシールド掘進機の断面図、第２図は第１
図の掘進機の中心軸シール部の拡大断面図、第３図は本
考案によるシールド掘進機の断面図、第４図は第３図の
中心軸シール部の拡大断面図、第５図は第３，４図の本
考案可撓体の平面図、第６図は本考案の別の実施例によ
る中心軸シール部の拡大断面図、第７図と第８図とは本
考案の別の実施例によるシールド掘削機の部分断面図で
ある。 符号の説明 １・・・・・・カッターホイール、１ａ・
・曲中心馳、２・・・・・・ボールレース、３・・・・
・・シールド本体、３ａ・・・・・・バルクヘッド、３
ｂ、１１・・・・・・面板、３ｄ・・・・・・シールド
フード部、３ｅ・・・・・・シールドガーダ一部、４゜
１６．２１・・・・・・シールケース、４ａ、１８・・
・・・・シール、７・・・・・・ホッパ、１３．１７・
・・・・・押え板、１４，２５．２９・・・・・・可撓
体、１６．２１・・・・・・シールケース、２２・・・
・・・平軸受。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ■、シールド掘進機のシールド本体にカッターホイール
   を回転自在に支承し、流体配管取出口としてカッターホ
   イール中心軸をシールド本体側に突出させ、中心軸外周
   をシール装置によってシールする場合に、中心軸の回転
   偏心量を吸収するために、シール装置とシールド本体の
   面板との間に弾性材料製の可撓体を介挿することを特徴
   とするシールド掘進機におけるカッターホイール中心軸
   のシール装置。 ２、前記可撓体をシール装置と本体面板との間に非直線
   状に延長させ、偏心運動吸収に際して可撓体に強い伸張
   が作用しないようにする実用新案登録請求の範囲第１項
   記載のシールド装置。