JPS5931806B2 - 耐雷碍子 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は送配変電設備の異常電圧保護を対象にした耐
雷碍子関するものである。

一般に、酸化亜鉛（ＺｎＯ）を主材とし、微量の酸化ビ
スマス、酸化アンチモン、酸化コバルト、酸化マンガン
、酸化クロームなどの添加物を加え、造粒、成形後１２
００〜１３０００Ｃの温度で焼成することにより、非直
線抵抗特性の極めて優れた抵抗体が得られる。

この素子を避雷器要素にすると、常時の運転電圧に対し
ては抵抗値が無限大となり、異常電圧に対しては低抵抗
となる所謂無続流形避雷器が製作できる。この避雷器は
直列ギャップを要要としないため小形構造に出来る特徴
がある。Ｊ 例えば、第１図に示す如く、避雷器要素で
ある酸化亜鉛を主材とした非直線抵抗体５を磁器碍管２
と一体焼成した装置を作ると、支持碍子と避雷器を兼用
した装置が出来る。

同図において、１は上述の如く構成された耐雷碍子を示
し、また３はセメント付け部４にて碍管２に取付けられ
たフランジ、６は非直線抵抗体に対し電極端子の役割も
果たす金属蓋、Ｔは密封用Ｏリングパッキン、８は取付
用ピンである。碍管２と非直線抵抗体５の一体焼成は、
各々の素材の焼成による収縮率を合せて同時焼成する方
法と、あらかじめ非直線抵抗体５を焼成しておき、碍管
２の素材と組合せて焼成によりー体化する方法などがあ
る。第１図の構造のものを架空送電線の支持碍子として
、通常の磁器製支持碍子の代りに使用すると、避雷器を
内蔵した自己保護形の耐雷碍子が得られ、送電系の雪害
を防止できる。

また、変雷所に使用した場合は、避雷器と母線支持を兼
用出来る利点がある。しかしながら、この従来の構造の
ものにおいては、碍管２と非直線抵抗体５を一体焼成化
する従来の作業は、焼成時の相互の収縮率を合せること
により可能であるが、素材の選定と焼成条件を厳密に管
理する必要があり、焼成時に碍管２と非直線抵抗体５の
接触面に亀裂を生ずる可能性が高く、１０％以下の合格
率しか期待できない。

この発明は上記のような従来のものの欠点を除去するた
めになされたもので、一体化焼成をしようとする物体間
に別素材による中間層をもうけることにより焼成時の合
格率を９０％以上まで向上した構成を得ることを目的と
している。

以下この発明の一実施例を図にもとづいて説明する。

第２図はこの発明の一実施例を示しており、１０はこの
発明に基づく耐雷碍子である。

また同図において２〜８は第１図に示す従来のものと同
一物であり、９は碍管２と非直線抵抗体５に比較して低
い融点をもつ無機素材による中間層で、例えば３５０〜
８００℃程度の融点を持つ低融点ガラスや７５０℃前後
の融点を持つ酸化アンチモン、酸化ビスマスの混合体な
どで構成される。第２図において、碍管２と非直線抵抗
体５の双方とも素材の状態のものを組合せて１２００〜
１３００℃で焼成する場合と、非直線抵抗体５の酸化亜
鉛素子はあらかじめ焼成しこれを素材の碍管２と組合せ
て一体化焼成する場合のいずれの場合でも、中間層９は
次のように作用する。

すなわち、一体化焼成時に温度を最高温度まで上昇した
後、焼成温度を降下させる際、中間層９の融点が碍管２
と非直線抵抗体５より低いため、碍管２と非直線抵抗体
５の収縮率に多少の差が生じても中間層９がクツシヨン
の役割を果たし、常温に降下したときに亀裂のない碍管
２と非直線抵抗体５と中間層９の一体化焼成物質を容易
に得ることができる。尚、この一体化物体が避雷装置と
しての良好な性能を発揮するためには、焼成後の中間層
９が非直線抵抗体５に比較して高い比抵抗を持つことが
必要である。

以上のように、この発明によれば、碍管と酸化亜鉛等を
主材とした非直線抵抗特性の良好な非直線抵抗体を容易
に一体化焼成することが出来、安価な耐雷碍子が得られ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の耐雷碍子を左半分断面にて示す正断面図
、第２図はこの発明の一実施例である耐雷碍子を左半分
断面にて示す正断面図である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 非直線抵抗特性の良好な非直線抵抗体と碍管とを一
   体化焼成したものにおいて、上記非直線抵抗体と碍管間
   に該両者より低融点の材料による中間焼成層を形成した
   ことを特徴とする耐雷碍子。 ２ 非直線抵抗体が酸化亜鉛を主材としたものであるこ
   とを特徴とする特許請求の範囲第１項記載の耐雷碍子。 ３ 中間焼成層が上記非直線抵抗体に比較して高い比抵
   抗を有することを特徴とする特許請求の範囲第１項記載
   の耐雷碍子。