JPS5929175Y2 - 自動車用エンジンのクランクプ−リ構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車用エンジンのクランクプーリ構造に関す
るものである。

自動車車体、特に前部車体は前面衝突時フレーム等が後
方に潰れ、その潰れにより衝突エネルギーの吸収緩和を
はかるようになっている。

（例えば実開昭５０−２１８０９号公報参照） 上記のようなものにおいては、車体の潰れ変形のストロ
ーク（クラッシュストローク）を大きくとるほど衝突エ
ネルギー吸収量が大きくなり乗員の安全対策上有効であ
るが、クラッシュストロークを大きくするとエンジンル
ーム内に内臓されているエンジンの後退量が太き（なり
、該エンジンが車室内側に突出してかえって乗員に危害
を与えることになるので、クラッシュストロークの設定
は上記エンジンの許容後退量に規制されざるを得ないの
が現状である。

本考案は車体の潰れ変形に対するエンジン後退量を減少
させる構成を提供することによりクラッシュストローク
を増大させ乗員の安全性の著しい向上をはかるもので、
以下附図実施例につき説明する。

第１図において１はエンジンルーム２内に装着されたエ
ンジンで、エンジンルーム２内前方部にはラジェータ３
が設置され、エンジンルーム２の後方はトーボード４に
より車室側と区画されている。

エンジン１の前部には例えばウォータポンプや冷房装置
のコンプレッサ等の補益類にエンジン回転力を伝達する
為のクランクプーリ５が突出して設けられている。

該クランクプーリ５は通常鋳物にて一体に形成されてお
り、前面衝突時車体が前端部から潰れクランクプーリ５
にＦなる衝突荷重がかかると、クランクプーリ５は変形
や破損することなくエンジン１と一体となって後退する
が、本考案では第２図に示すようにクランクプーリ５に
肉厚を薄くした脆弱部分Ａを形成しておき、該クランク
プーリ５の前面に衝突時の荷重が作用した場合、該クラ
ンクプーリ５は脆弱部分Ａから破損する構成としている
。

脆弱部分Ａは第２図に示すように前後の各プーリ部５ａ
、５ｂの中間部附近に設けるのが好ましいが、その他前
後のジーり部５ａ、５ｂとクランクシャフト１ａへの取
付ボス部５Ｃの連結部５ｄ附近等、クランクシャフト前
端より前方に突出したプーリ部を破壊脱落させ得る任意
の個所を選定し得る。

又脆弱部分Ａは動力伝達時の荷重等平常時の荷重には充
分耐えることができ且つ衝突時の大荷重に対しては容易
に破損するよう構成されねばならないことは当然である
が、実験の結果Ａ部の肉厚をほぼ４山程度に設定してお
けば上記要望を満足させることができることを確認した
。

本考案は上記のようなりランクプーリ構造を採ることに
より、衝突時クランクプ・−りの前方突出部は破壊脱落
し、該破壊脱落分ａだげエンジン１の後退量が減少する
ので、それだけクラッシュストロークの増大をはかるこ
とができ、衝突エネルギー吸収量が増大し、それに伴な
い安全性の著しぃ向上をはかり得るものである。

【図面の簡単な説明】

附図は本考案の実施例を示すもので、第１図は自動車の
エンジンルーム部の断面説明図、第２図は本考案にかか
るクランクプーリの一例を示す縦断側面図である。 １・・・・・・エンジン、５・・・・・・クランクプー
リ、５ａ・・・・・・前方プーリ部、５ｂ・・・・・・
後方プーリ部、５ｃ・・・・・・ボス部、Ａ・・・・・
・脆弱部分。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ■、エンジンの前端部に前方に突出して設けられたクラ
   ンクプーリに、衝突時の荷重により破損する肉薄等の脆
   弱部分を設けたことを特徴とする自動車用エンジンのク
   ランクプーリ構造。 ２、脆弱部分はクランクプーリの前方プーリ部と後方プ
   ーリ部の中間部附近に設けられていることを特徴とする
   実用新案登録請求の範囲第１項記載の自動車用エンジン
   のクランクプーリ構造。