JPS5928141B2 - 直流大電流発生装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は核融合装置などに使用される磁場コイルの励磁
用電源装置に関する。

強力な磁場を得るために短時間直流大電流をコイルに流
す必要があり、その電源となる直流大電流発生装置とし
ては従来フライホィール付電動発電装置が使用されてい
た。

即ち、大きな機械的慣性を有するフライホィールと交流
発電機と交流電動機とのΞ者を機械的に直結し共通ベー
ス上に組立て、交流発電機の出力側に静止形整流装置を
介して磁場コイルに接続し、交流電動機にはリアクトル
起動装置など適当な起動装置を設けて成る。最初交流電
動機を起動して装置を加速しフライホィールに回転エネ
ルギを蓄積し全速に達したら電源を切り、今度は磁場コ
イルに接続する開閉器を投入すると、今まで王にフライ
ホィールに貯えられていた機械的エネルギが交流発電機
の電気的出力となつて一気に放出され整流装置により直
流大電流に変換され磁場コイルに供給される。この様な
従来の装置では電動発電装置が軸方向に長くなり、長大
な据付スペースを要すると共に機械的レベルや芯出しな
どに高度な据付技術を要した。又交流電動発電装置やそ
の起動装置、励磁装置など金額的にも高価な装置であつ
た。従つて本発明はコンパクトで据付も容易で安価な直
流大電流発生装置を得ることを目的とする。

以下本発明による直流大電流発生装置の一実施例につい
て図面を参照しながら詳細に説明する。第１図は基本回
路の単線結線図で、図において１は高圧又は特別高圧の
商用電源よりの引込位置に設けた断路図、２はそれに続
く受電用しや断器、３は次に述べるサイリスタ変換器に
適当した電圧に降圧する第一の変圧器、４は王に順変換
作用を行なわせる第一のサイリスタ変換器、５は負荷を
短絡するバイパススイッチ、５ａは起動運転時第一のサ
イリスタ変換器４の出力電流を平滑化する直流リアクト
ル、６は負荷である磁場コイル、６ａは負荷の開放、投
入用スイッチ、Ｔは順、逆変換いずれも可能な第二のサ
イリスタ変換器、８はサイリスタ変換器および交流発電
機の両者を互・ に適当した電圧で結合する第二の変圧
器、９は交流電動機として起動可能な交流発電機、９ａ
は同交流発電機の静止形励磁装置、１０は大きな機械的
慣性を有するフライホイールで前記交流発電機９とはカ
ツプリング１０ａで機械的に直結されている。以上で構
成部品の説明を終り、次にその動作を説明する。

まず起動準備として第一のサイリスタ変換器４および第
二のサイリスタ変換器７のゲートをオフして両変換器を
非導通状態にし、商用電源引込み用断路器１を無負荷で
投入し、続いて受電用しや断器２を投入し、更に負荷短
絡用バィパススイツチ５を投入し負荷スイツチ６ａを開
放する。以上の如き準備が完了したら次に運転指令によ
りサイリスタ変換器のゲートを制御して起動を開始する
。始動時には電動機となる交流発電機９には逆起動電力
が無いため自然転流を行なうことができず何んらかの強
制始動方法を採用する。即ち例えばサイリスタ変換器の
低速領域の転流時に一度α制御の位相を絞り負荷電流を
完全に零にしてからあらためて次に点弧すべきサイリス
タにゲートパルスを与えると言う電流断続始動法などは
その一例である。始動時の電力の流れは次の如くである
。即ち商用電源から得た交流電力は第一のサイリスタ変
換器４で直流に変換され、その出力電圧は頭初低い値か
ら発電機９の加速に従つて連続的に高くする。その直流
可変電圧の電力は負荷を通らずバイパススイツチ５を通
り直流リアクトル５ａにより平滑化されて第二のサイリ
スタ変換器７に供給される。第二のサイリスタ変換器７
はこの直流電力を交流電力に変換する逆変換作用を行な
い、その交流出力で発電機９を電動機として付勢加速す
る。発電機９には図示してないが回転子の位置を検出す
る装置が付属してあり、その位置信号で逆変換作用をし
ている第二のサイリスタ変換器７のゲートを制御してい
る。即ち発電機９の速度が上昇し逆起電力が充分に発生
したら強制始動から上記の位置信号による自然転流始動
に切り換え更に第一のサイリスタ変換器４の出力電圧を
増加させ加速する。この様に発電機９を電動機として起
動加速しそれに直結されているフライホイールに回転エ
ネルギを蓄積する。発電機９が全速に達したら次に以下
の如くにして負荷である磁場コイルに直流大電流を供給
する。即ち第一のサイリスタ変換器４のゲートをシフト
として直流電流を零にしゲートオフした後バイパススイ
ツチ５を無電圧無電流で開放する。そして第一および第
二のサイリスタ変換器を順変換動作させゲートをオンし
フライホイール１０に蓄積された機械エネルギを発電機
９を介して電気エネルギに変換し商用電源からの電気エ
ネルギとの和とし第一および第二のサイリスタ変換器に
より直流大電流として磁場コイル６に一気に供給する。
若し商用電源を切り離す必要がある場合は第一のサイリ
スタ変換器４をバイパスペア運転により短絡状態にして
商用電源と切り離すこともできる。第２図に他の一実施
例の単線結線図を示す。第１図と同一部品には同一符号
を付して説明を省略する。１１は並列用しや断器、１２
ａは第一のサイリスタ変換器４用の第一のゲート制御装
置、１２ｂは同用第一の直流変流器、１３ａは第二のサ
イリスタ変換器７用の第二のゲート制御装置、１３ｂは
同用第二の直流変流器である。

第一のゲート制御装置１２ａは発電機９を起動加速する
時加速電流が一定となるよう電流制御するもの、第二の
ゲート制御装置１３ａは負荷の磁場コイル６に直流大電
流を流す時その電流値を一定に制御するものである。第
３図は第２図に示す装置の動作のタイムチヤートである
。基本的には第１図に示す実施例で説明した動作と同じ
で、ただ負荷の磁場コイル６に発電機からだけ直流大電
流を供給する時第一のサイリスタ変換器４にも整流作用
を行なわせるよう発電機９の出力を並列用しや断器１１
を通して第一のサイリスタ変換器４に供給する点が異な
るだけなので説明を省略する。以上記載の本発明装置に
よれば交流発電機駆動用の交流電動機およびその励磁装
置と起動装置が不用となるので経済的でかつ回転機の設
置スペースが節減され据付も容易になり、かつバイパス
スイツチにより発電機の起動時に負荷に影響を与えない
などの利点がある直流大電流発生装置を得ることができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による直流大電流発生装置の一実施例の
単線結線図、第２図は同じく他の一実施例の単線結線図
、第３図は同じくその動作タイムチヤートである。 １；引込用断路器、２；受電用しや断器、３；第一の変
圧器、４；第一のサイリスタ変換器、５；バィパススィ
ツチ、５ａ：直流リアクトル、６；磁場コイル、６ａ；
負荷用スイツチ、７；第二のサイリスタ変換器、８；第
二の変圧器、９；交流発電機、９ａ；静止形励磁装置、
１０；フライホイール、１０ａ；カツプリング、１１；
並列用しや断器、１２ａ；第一のゲート制御装置、１−
２ｂ；第一の直流変流器、１３ａ；第二のゲート制御装
置、１３ｂ；第二の直流変流器。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ フライホイールを有し電動機起動可能な交流発電機
   と、同発電機出力の整流および逆に同発電機に可変電圧
   、可変周波の電力を供給し電動機起動を行なわせること
   もできる順および逆変換装置と、商用電源又は前記交流
   発電機出力を整流し可変電圧出力を負荷又は負荷のバイ
   パス回路装置を介して上記順および逆変換装置に供給で
   きる順変換装置とから成り、順変換装置と逆変換装置と
   の組合せで交流発電機を付勢し電動機として起動してフ
   ライホイールに回転エネルギを蓄積し、その後逆変換装
   置を順変換装置に切換え交流発電機を発電運転しその出
   力を整流し回転エネルギを電気エネルギとして負荷に放
   出供給するようにした直流大電流発生装置。