JPS5928056Y2 - テクスチユア−ド加工用ノズル - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、マルチフィラメント糸をテクスチュアード加
工するのに用いられるノズルに係り、特に少なくとも１
本以上の好ましくは２本以上のマルチフィラメント糸に
ループや絡みを効率良く均一に付与するのに好適なテク
スチュアード加工用ノズルに関する。

従来、マルチフィラメント糸にループや絡みを付与する
装置としては、すでに特公昭３５−１６７３号公報等に
見られるようにエア又は圧縮できる流体の流れを、制限
された空間から迅速に噴出して撹乱区域を作り、処理す
べきマルチフィラメント糸をこの流れの中に給送して個
々のフィラメントに開繊し、ループや絡みを付与するテ
クスチュアード加工用ノズルが広く知られている。

さらに該テクスチュアード加工用ノズルの基本的構造に
改良を加え、マルチフィラメント糸にループや絡みをよ
り高速に且つ経済的に付与するテクスチュアード加工用
ノズルも棟々提案されている。

しかし、これら従来のテクスチュアード加工用ノズルに
よると、高速加工時に消費される流体の流量も多く、ま
た得られた糸に糸軸方向に張力がかけられるとループや
絡みが弱いためｌこ形成されたループや絡みが解けやす
くなるなどの欠点が生じ、嵩高に富む糸を効率良く製造
することは困難であった。

さらにまた、複数本のマルチフィラメント糸を異なるオ
ーバーフィードで供給し、オーバーフィードの低いマル
チフィラメント糸を芯糸にし、オーバーフィードの高い
マルチフィラメント糸に主としてループを形成させる方
法も知られているが、この方法によって得られた糸は、
芯糸が糸の長手方向の張力を支えるためループが解けに
＜＜、より嵩高なループ糸であるものの、この方法は、
糸入口通路が１個であるノズルを使用しているために、
異なる速度のマルチフィラメント兵相万が壬渉し合い、
特にオーバーフィードの高いマルチフィラメント糸の走
行が不安定となる欠点を有していた。

本考案は、従来のノズルと異なり、マルチフィラメント
糸に効率良く強固にループや絡みを高速に付与するのに
好適なテクスチュアード加工用ノズルを提供することを
目的とする。

本考案は、かかる目的を達成するため次のような構成を
有する。

すなわち、本考案は、互いに微少間隙を設けて同心的に
配された２つの円錐形側面によって形成される空間、該
空間の底部に開口した少なくとも１個の流体噴入孔、糸
出口側の前記円錐形側面の頂部に開口する糸出口通路及
び糸入口側の前記円錐形側面の頂部に開口する糸入口通
路を含んで構成されたテクスチュアード加工用ノズルに
おいて、前記糸入口通路は、その糸入口端からその途中
まで実質的に複数個に分割され、さらにその先端部分に
空間及び唯一の絞り部を有するとともに、複数個の分割
糸入口通路のうち少なくとも１つが前記円錐形側面の中
心に対して前記流体噴入孔のほぼ反対側に偏って配され
、かつ前記流体噴入孔が前記空間の底部に傾斜して開口
し、前記絞り部が該流体噴入孔の反対側に偏って配され
た１個の絞り孔を有することを特徴とするテクスチュア
ード加工用ノズルである。

以下に図面（こ示す実施例に基づいて本考案を説明する
。

第１図は、本考案に係るテクスチュアード加工用ノズル
の縦断面図である。

図（こおいてハウジング１は、その中心を貫通する孔２
を有する。

またハウジング１には圧縮流体を孔２へ導ひくための少
なくとも１個の流体噴入孔３が、空間２２の底′部２３
に糸出口側の円錐形側面６に向って傾斜して開口せしめ
られている。

これは、限られた流体を効率良く利用すべく糸入口通路
１６の先端部分の仝間２０及び仝間２０の前方（空間２
２の一部）に撹乱流を形成するためである。

流体噴入孔３には図示しない高圧流体供給源に接続され
たパイプ４が螺着されている。

もつともパイプ４の接続方法は、螺着に限定されず、他
の適宜な手段によってもよい。

ハウジング１の孔２の糸出口側に嵌合される部材゛ｌの
中心部には、糸出口通路５が設けられ、糸出口通路５は
、その糸入口側Ｇこおいて、細い円筒形の狭隘部２Ｔを
有し、糸出口側に向って（図に向って左側方向）徐々に
拡大している。

その出口端にはマルチフィラメント糸（こよる摩耗を防
ぐため（こ出口ガイド８を設けることが好ましい。

糸出口通路５の形状としては、図のものに限られないが
図のものが好ましい。

出口ガイド８の材質としてはセラミック等の耐摩耗性材
料などが挙げられる。

糸出口通路５の糸入口端は糸出口側の円錐形側面６の頂
部に開口する。

狭隘部２７も、マルチフィラメント糸による摩耗を防ぐ
ため硬化処理を施すか、他の耐摩耗性材料で置換せしめ
た方が好ましい。

部材７の周辺部９の内側にはネジ１０が設けられており
、ネジ１０はハウジング１の周辺に設けられたネジ１１
と螺合している。

１２は部材７を調整位置に固定するためのストップリン
グである。

１３はリングシールで流体の逃出を阻止するものである
。

なお、図では部材Ｔは周辺部９と一体で成型されている
が、別設これに限定されない。

部材１の周側面にネジを切り、また孔２の内側にもネジ
を切って両者を螺合して周辺部９を省略などしてもよい
。

ニードル部１４は、孔２の中に密着して挿入又は螺合さ
れ、その先端は糸入口側の円錐形側面１５をなしている
。

この２つの円錐形側面６，１５によって空間２２が形成
される。

ニードル部１４はハウジング１と一体（こ成型してもよ
い。

糸入口通路１６はニードル部１４のほぼ中心部に設けら
れており、糸入口通路１６は、その糸入口端からその途
中まで実質的に複数個に分割されている。

図では例として内挿パイプ１７，１８が糸入口通路１６
中に途中まで挿入されたものが示されている。

これは、走行するマルチフィラメント糸の相互間におい
て走行速度又はオーバーフィードによる相互干渉を防止
するためである。

また、糸入口通路１６は、その先端部分に空間２０及び
唯一の絞り部１９を有する。

絞り部１９は、糸入口通路１６の先端より若干内部にあ
ってあたかも空間２０を形成することを有する。

絞り孔１９′は、第２図の如く流体噴入孔３の反対側に
偏って配されている。

絞り部１９は流体の逆流を防ぐ作用を有する。

第２図は、第１図の絞り部１９の部分を拡大したもので
絞り孔１ｇが偏っている場合を示すものである。

この理由は次の通りである。

第２図に平面的ｌこ示す如く流体噴入孔３から高速流体
が空間２２に噴入され、空間２０に２つの渦流３１．３
２が形成される。

仝間２２に噴入する高速流体の流速は、上部と下部とで
異なり、流体噴入孔３より直接的に噴入する上部の流速
が大きく、ニードル部１４の先端前方で拡散して下部に
まわる流速が小さいため、空間２０中にできる上部の渦
流３２の方が下部の渦流３１に比して大きくなり、その
境界は流体噴入孔３と反対側に偏り、この境界が最も開
繊撹乱機能を有する。

従ってマルチフィラメント糸の糸経路を確実に保って効
果的にマルチフィラメント糸を撹乱処理するためには第
２図の如く絞り孔１９′を前記境界に沿わせることが必
要なのである。

空間２０は、すでに述べたことから明らかなように渦流
を効果的に形成するものである。

もちろん空間２０の前方においても高速流体の衝突など
（こより渦流は形成され−る。

空間２０の深さは糸入口通路１６の直径の１７３〜２倍
程度にすることが、渦流を形成して効果的にループや絡
みを形成する上で好ましい。

空間２０は、図の如く凹部にするかわりに直線又は曲面
で形成された末広がりに拡大した構造であってもよい。

次に、分割糸入口通路のうち少なくとも１つ例えば内挿
パイプ１７の中心が第３図の如く円錐形側面６，１５の
中心に対して流体噴入孔３の反対側に偏って配される。

第４図は分割糸入口通路が３個の場合を示す。

内挿パイプ１７．１８’、１８’のうち１個の内挿パイ
プ１７が流体噴入孔３の反対側に偏って挿入されており
、内挿パイプ１７゜１８’、１８“にマルチフィラメン
ト糸が走行せしめられるのである。

２４は円柱部分であり、２１は流体の逃出を防止するリ
ングである。

２５はマルチフィラメント糸を導入するためのガイドで
あり、その内部は内挿パイプの位置に合わせて仕切板２
６が設けられる。

３０はテクスチュアード加工用ノズルの取付は用のネジ
穴である。

次に本考案の作用を説明する。第１図において２本のマ
ルチフィラメント糸（図示せず）は、夫々ガイド２５か
ら内挿パイプ１７．１Ｂに異速度でオーバーフィードし
て供給され、絞り部１９に至る。

この際に内挿パイプ１７の中を通るマルチフィラメント
糸は、絞り部１９の流体噴入孔３と反対側に偏りをもつ
糸経路をとる。

絞り部１９を通過した２本のマルチフィラメント糸は、
空間２０及びその前方の空間２２の一部からなる流体撹
乱区域で瞬間的に開繊され、撹乱され、個々のフィラメ
ント間にずれを生せしめて、ループや絡みを形成して糸
出口通路５をへて外に導ひかれるのである。

なお、異速度で２本以上のマルチフィラメント糸を供給
する場合には、速度の犬なるマルチフィラメント糸を内
挿パイプ１７に通す方が均斉なループを形成する上で効
果的である。

１本のマルチフィラメント糸を加工する場合にも流体導
入孔３と反対側の分割糸入口通路例えば内挿パイプ１７
に通すことが好ましい。

このように本考案によれば、マルチフィラメント糸に効
率良く強固（こループや絡みを付与することができ、ま
た消費する流体も従来より少なくてすみ、さらに２本以
上のマルチフィラメント糸を異なるオーバーフィードで
供給して加工する場合にも糸相互の干渉もなく安定状態
で流体撹乱能の最もすぐれた位置（こマルチフィラメン
ト糸を導ひいて安定したループや絡みを有する加工糸を
製造することができるという顕著な効果が奏される。

【図面の簡単な説明】

図は本考案に係るもので、第１図は本考案に係るテクス
チュアード加工用ノズルの一例の縦断面図、第２図は第
１図のニードル部付近の拡大縦断面図、第３図は第１図
を■−■線に沿って矢印方向に見た断面図、第４図は他
側の断面図である。 ３・・・・・・流体噴入孔、６・・・・・・糸出口側の
円錐形側面、１５・・・・・・糸入口側の円錐形側面、
１６・・・・・・糸入口通路、１９・・・・・・絞り部
。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 互いに微少間隙を設けて同心的に配された２つの円錐形
   側面によって形成される空間、該空間の底部に開口した
   少なくとも１個の流体噴入孔、糸出口側の前記円錐形側
   面の頂部に開口する糸出口通路及び糸入口側の前記円錐
   形側面の頂部に開口する糸入口通路を含んで構成された
   テクスチュアード加工用ノズル（こおいて、前記糸入口
   通路は、その糸入口端からその途中まで実質的（こ複数
   個に分割され、さらにその先端部分に空間及び唯一の絞
   り部を有するとともに、複数個の分割糸入口通路のうち
   少なくとも１つが前記円錐形側面の中心（こ対して前記
   流体噴入孔のほぼ反対側に偏って配され、かつ前記流体
   噴入孔が前記空間の底部に傾斜して開口し、前記絞り部
   が該流体噴入孔の反対側（こ偏って配された１個の絞り
   孔を有することを特徴とするテクスチュアード加工用ノ
   ズル。