JPS5927374B2 - 耐摩耗性および耐割損性にすぐれた車輪用鋼 - Google Patents

耐摩耗性および耐割損性にすぐれた車輪用鋼

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JPS5927374B2
JPS5927374B2 JP55113288A JP11328880A JPS5927374B2 JP S5927374 B2 JPS5927374 B2 JP S5927374B2 JP 55113288 A JP55113288 A JP 55113288A JP 11328880 A JP11328880 A JP 11328880A JP S5927374 B2 JPS5927374 B2 JP S5927374B2
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JP
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steel
resistance
wheel
wear resistance
weight
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JP55113288A
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和男 外山
東男 坂本
勝行 時政
賢「じ」 平川
和夫 中瀬
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、耐摩耗性および耐割損性にすぐれた車輪用
鋼に関するものである。
従来、例えば鉄道車輪用炭素鋼一体圧延車輪は、JIS
規格によってその化学成分組成が規制されており、第1
表に示される成分組成のものが使用されていた。
このような成分組成は、主に車輪に必要な強度および耐
摩耗性の観点から定められたものであった。一般に、鉄
道車輌用車輪に要求される性能を大別スると、つぎの2
つのものに集約されることが知られている。
すなわち、1つは耐摩耗性であシ、いま1つは耐割損性
である。鉄道車輌用車輪に耐摩耗性が要求されることは
いうまでもないことであるが、車輪割損も板部破壊とと
もに脱線本設等の重大事故に結びつく可能性が大きく、
割損防止に様々の対策がとられている。車輪の割損は、
通常、つぎの3段階をたどるものである。すなわち、(
a) 苛酷な踏而ブレーキによる車輪表面熱亀裂の発
生、(b) 踏面ブレーキの繰返し負荷による熱亀裂
の成長、(c)亀裂が限界長さに成長した後輪、速破壊
、である。
したがって、車輪割損を防止するには、使用者側として
はブレーキ条件の管理と車輪の定期点検を励行する必要
があり、製造者側としては上記a”cの3つの各々の過
程において抵抗性の大きい材料を開発する必要がある。
しかしながら、耐摩耗性と、耐割損性という2つの性能
は鋼にとって互に相反する特性であり、同時に満足する
ことは困難であるので、従来の鉄道車輌用車輪はより卑
近な問題点である摩耗に重点を置き、耐摩耗性を優先し
て、前記第1表に示すような高炭素鋼材料を使用してお
り、そのため耐割損性が著しく劣っていた。
ところが、近年、鉄道車輌の高速化が著しく、乗客や荷
物の輸送頻度もより過密化する傾向にある中で、鉄道車
輌用車輪の耐熱亀裂性、耐割損性を強化する対策を講す
ることを余儀なくされるに至ってきたのである。本発明
者等は、上述のような観点75ラ、従来の鉄道車輌用車
輪と同等の耐摩耗性を有するとともに、耐割損性を飛躍
的に改善した車輪用鋼を得るべく、特に、亀裂が限界長
さに成長した後の急速破壊に対する抵抗性を示す破壊靭
性値が従来材の2倍以上である車輪用鋼を,児出すべく
種々研究を行なった。ここで、破壊靭性値を従来材の2
倍以上にすることを目標としたのは、この破壊靭性値を
2倍とすることは同一応力条件下で4倍以上の亀裂長さ
を許容することを意味するものであり、従来材の亀裂長
さの許容値が20m程度であったことを考慮するとそれ
が80頭程度にまで改良されるものであって、これは車
輪のリム厚にほぼ等しく、実際上はほとんど割損を生じ
ないということを意味するものであるからである。そし
て、本発明者等は、上記研究の結果、従来使用されてい
た高炭素フエライト・パーライト鋼では耐割損性と耐摩
耗性という相反する2つの特性を同時に満足することは
非常に困難である75ζ耐摩耗特性を有する高炭素鋼に
特定量のCrを含有し、さらに靭性を向上するためにM
OおよびSOt.AIC固溶At)を含有して焼戻しマ
ルテンサイト組織を有せしめた高炭素低合金鋼は、従来
車輪用鋼に劣らぬ耐摩料件を呈するとともに、すぐれた
耐割損性をも兼ね備えた材料となるとの知見を得るに至
ったのである。
したがって、この発明は上記知見にもとづいてなされた
ものであって、車輪用材料を、重量係で、C:0.50
係を越え0.75係以下、Si:0.80〜1,50俸
、 Mn: 0.80〜1.50%、 P :0.030係以下、 S :0.030係以下、 Cr: 0.50〜1.20%、 MO: 0.15〜0.30%、 SOl.Al: 0.015〜0.060%、Feおよ
び不可避不純物:残り、からなる組成で構成したことに
特徴を有するものである。
ついで、この発明の車輪用鋼において、C,Si,Mn
,P,S,Cr.MO,およびSO,ff.At成分の
成分組成範囲を上述の通りに限定した理由を説明する。
(i) C C成分には、この材料に強度および耐摩耗性を付与する
作用があるが、その含有量が0.50重量係以下では十
分な耐摩耗性を得ることができず、一方、0.75重量
俸を越えると、鋼の共析点を越えてしまうので、その含
有量を0.50〜0.75]i量係とした。
(!i) Si Si成分は、脱酸元素であると同時に、焼入性を向上さ
せ、さらには焼戻し軟化を抑制する作用をもつが、その
含有量が0.80重量係未満ではこれらの作用が十分で
なく、一方、1.50重量係を越えて含有させると前記
効果が飽和するので、その含有量を0.80〜1.50
重量係とした。
仙)MnMn成分は、脱酸、脱硫元素であるが、この成
分を0.80重量係以上含有させることによって焼入性
の向上に顕著な効果を奏させるものである。
一方、その含有量が1.50重量%’&越えてもその効
果が飽和してそれ以上の向上効果が現われないので、そ
の含有量KO.8O〜1.50重量係とした。+1V)
PおよびSPおよびS成分は、不純物であって、靭
件の点からは少ない方が好ましいが、経済性を考慮して
共に0.030重量%を上限とした。
(ψ Cr Cr成分は、鋼材の強度の向上および耐摩耗性の向上の
両者に焼を有するものであって、これらの効果を期侍す
るためには少なくとも0.50重量係の含有量が必要で
あり、一方、その含有量が1.20重量係を超えた場合
には鋼材の靭性に与える悪影響が極端に大きくなるので
、その含有量を0.50〜1.20重量係とした。
(Vi) MO MO成分は、鋼の焼入れ、焼戻し組織に対してその靭性
向上に極めて効果があシ、ざらにP成分による脆化を防
ぎ耐熱亀裂性を改善する効果があり、そのために0.1
5重量係以上の含有量が必要であり、この値よりも少な
いとその効果が期待できない。
一方、その含有量が0.30重量%を越えた場合には、
その効果か飽和してそれ以上の向上か望めないので、含
有量を0.15〜0.30重量係とした。←(V!!.
) SOt.I−1 At成分は、鋼材の靭性向上にすぐれた効果を有するも
のであるが、SOt.Al含有量で0.015重量係未
満では、その効果があまり顕著でなく、その含有量が0
.015重量係以上、特に0.020重量係以上で著し
い効果を発揮するようになる。
一方、その含有量が0、060重量俸を越えても、それ
以上の効果の向上がみられないばかりでなく、非金属介
在物を増加させるので、その含有量を0.015〜0.
060重量係とした。なお、この発明の車輪用鋼には、
その使用にあたって、引張強度が90kgf/RrrA
以上となるように焼入れ、焼戻し処理を行なうものであ
って、このように焼入れ、焼戻し組織とすることによっ
て、耐割損性にすぐれるとともに強度および耐摩耗性を
も併せ持った車輪用部材が得られるのである。
つぎに、この発明を実施例により比較例と対比しながら
説明する。実施例 第2表に示される成分組成をもった試料を、通常の溶解
法に従って溶製した。
試料應1および2のものは本発明鋼であり、試料通3の
ものは比較のだめに作製した従来の鉄道車輪用鋼であり
,JISに規定された鉄道車輪用鋼の中でも最も多く使
用されている車輪材である。これら第2表に示した3種
の試料について機械的性質を測定した値を第3表に示す
第3表において、試料AIおよび20本発明鋼は焼入れ
・焼戻し組織を有するものであり、試料A3の従来鋼は
その使用状態と同じく焼ならし組織を有するものである
。ついで、これらの試料について、各温度での破壊靭性
値を測定し、その結果を第4表に示した。
破壊靭性値は耐割損性の評価のために測定したものであ
る。この破壊靭性試験は米国試験協会の規格(ASTM
E− 399)で定めるCT試験片(COmpactT
ensiOnTypeSpecimen厚さ1inch
)を用いて、ASTME−399に準じて行なった。こ
の試験で得られる破壊靭性〉C値は、亀裂が存在する部
材が脆性破壊を生ずる目安を与えるものであるが、得ら
れた破壊靭性値は、0℃において試料Alのものが32
7kgf/.3/2、試料A2のものが336kgf/
♂、そして試料JFy.3のものが132kgf/Rr
rInイという値を示しており、本発明鋼が従来のもの
より著しくすぐれていることがわかる。上記の結果は、
同一応力状態で6.1倍の亀裂長さを許容することを意
味し、また、逆に、同一亀裂長さに対しては2.5倍の
応力に耐えることをも意味するものである。
つぎに、上記3種の試料について摩耗試験を行なった。
これは、西原式摩耗試験機を用いて乾式にて行なったも
のであるが、この試験機は相対的に異なる回転数で2円
筒を駆動し、所定荷重を加えるものであって、レールと
車輪間の摩耗をシュミレートするものである。
試験条件は、荷重Pを80kgf( Pmax= 70
kgf/Rrafi)とし、すべり率を3係、繰返し数
を5X105回としたもので、この試験結果を第1図に
示す。第1図からも、本発明停は従来鋼に比して摩耗量
が小さく、耐摩耗性にすぐれていることがわかる。以上
の試験はいずれも、各々の性能を比較するだめの小型試
験であったが、つぎに実際の車輪の使用状態を再現する
ために、実体車輪によるブレーキ試験を行なった。
この試験は、実車と同じ車輪およびプレーキンユ一を用
いたものであって、ほぼ実車走行条件を再現することの
できるものであり、最終確認試険としては最良のもので
あ−る。こめ試験では、輪重14.9}ンのものを使用
し、初速度70m/ Hrから停止ブレーキを繰返し与
えて、割損までの繰返し数を比較した。この結果、従来
鋼たる試料I6.3で作製した車輪が524回で割損し
たのに対して、本発明鋼たる試料A2で作製した車輪は
1000回の繰返しブレーキの負荷によっても割損せず
、その性能が著しく改良されていることが確認された。
上述のように、この発明の鋼は、割損に対して著しくす
ぐれた抵抗力を有し、しかも高強度およびすぐれた耐摩
耗性をも兼ね備えているので、この鋼で車輪を製造すれ
ば、車輪割損が原因の鉄道の重大事故を防止できるとと
もに、車輌整備の手数を大幅に軽減することができるな
ど、工業上そして社会上有用な効果がもたらされるので
ある。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明鋼と従来鋼の摩耗試験結果を賀す棒グ
ラフである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 C:0.50%を越え0.75%以下、Si:0.
    80〜1.50%、Mn:0.80〜1.50%、 P:0.030%以下、 S:0.030%以下、 Cr:0.50〜1.20%、 Mo:0.15〜0.30%、 Sol・Al:0.015〜0.060%、Feおよび
    不可避不純物:残り、(以上重量%)からなることを特
    徴とする耐摩耗性および耐割損性にすぐれた車輪用鋼。
JP55113288A 1980-08-18 1980-08-18 耐摩耗性および耐割損性にすぐれた車輪用鋼 Expired JPS5927374B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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