JPS5926417Y2 - 算盤の置数状態検知装置

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【考案の詳細な説明】本考案は算盤の置数状態検知装置に関する。

経理事務等における四則演算を行うには、近年普及して
いる小型卓上計算機（いわゆる電卓）も用いられるが、
加減算における便利さから算盤も依然として汎用されて
いる。

ここにおいて、算盤も本来の算盤としての使用法、すな
わち玉操作によって置数および計算し、上位置によって
和差積商を読取るという使用法に留まらず、玉操作に応
じた電気信号を形成して電気的演算に利用すること゛が
考えられ始めている。

そして、従来、この電気信号を取出すには、各桁軸の５
個の玉１つづつの動きを各別に取出し、工数と同数以上
の出力線によって回路に接続するようにしている。

しかしながら、このように出力線の数が多いと、回路接
続等が煩雑であり、作業性も悪い。

したがって本考案の目的は、引出線の数が少くて済む算
盤の置数状態検知装置を提供することである。

本考案はこの目的達成のため、算盤の各桁毎に、それぞ
れインピーダンスが異なる５個の素子の直列回路、およ
びこれら素子と並列に接続された置数状態に応じて開閉
する５個のスイッチを設け、置数状態に応じたインピー
ダンスを呈するような装置を構成したものである。

以下添付図面を参照して本考案の一実施例を説明する。

図において、ＳＷ１〜ＳＷ５は算盤のある桁における５
個の玉に対応して設けられたスイッチであり、たとえば
玉を置数状態にしたとき開放する。

つまり、算盤の上段にある５を表わす玉を置数状態にし
たときスイッチＳＷ１が開き、また下段にある１を表わ
す４個の玉のうち１個を置数状態にすればＳＷ２が、２
個であればＳＷ３が、３個でＳＷ４が、４個でＳＷ５が
開く。

このように開閉するものであるから、各スイッチはたと
えば桁軸内にリードスイッチを配し、また、善玉にはマ
グネットを設ける等の構成を採ればよい。

一方、インピーダンスすなわちインダクタンス、キャパ
シタンス、抵抗のうちここでは代表例としての抵抗Ｒ１
〜Ｒ５は、算盤玉の置数状態に対応させて、Ｒ１：Ｒ２
：Ｒ３：Ｒ４：Ｒ５−５：１：２：３：４という比率関
係で抵抗値を定めれば、１０進数に比例した電圧信号を
取出すことができる。

インダクタンス、キャパシタンスも同様に取扱える。

そして、このスイッチＳＷ１〜ＳＷ５および抵抗Ｒ１〜
Ｒ５からなる回路を定電流回路ＣＣに接続すれば、置数
状態に正確に対応した電圧出力が得られる。

上記実施例のスイッチＳＷ１〜ＳＷ５は置数時に開放す
るようにしてもよい。

この場合は抵抗Ｒ１〜Ｒ５の抵抗値を上記と異ったもの
にしなければならない。

本考案は上述のように、５個のリードスイッチと算盤玉
に設けたマグネットとにより、算盤玉の置数状態に応じ
てスイッチを開閉する検知部を構成したため、玉と桁軸
との間に接続を要せず、しかも確実に動作する置数状態
の検知部を提供することができる。

その上これらの５個のリードスイッチによりそれぞれ異
なるインピーダンスを有し、互いに直列接続された５個
のインピーダンス素子の一部を短絡して、置数状態に応
じたインピーダンス変化を得るようにしたため、１桁当
りの引出し線数は最少限であり、回路構成が著しく簡単
となる。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例の回路図である。ＳＷ・・・・・・スイッチ、Ｒ・・・・・・抵抗。

【実用新案登録請求の範囲】