JPS5924721B2 - アルコ−ル改質装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はアルコールを気化させるアルコール蒸発器と、
ここで得られるアルコールガスを水素、−酸化炭素等の
改質ガスに変換するアルコール改質器と、これら蒸発器
と改質器に加熱ガスの熱を伝える手段とを有するアルコ
ール改質装置に関し、特にその熱伝導がばらつき少く良
好に行われるように改良を図ったものである。

この種アルコール改質装置における改質器としては、例
えば第１図に示すようなアルコール改質器が既に提案さ
れている。

ここで、１は金属等で作られた外匣、２は外匣１内に収
容されたステンレス等による改質器母材、３はコーテイ
ング材であり、このコーテイング材３で覆われた改質器
内部には穴あき板４により仕切られた触媒質を形成し、
その内部にアルミナを担体とするペレット形状のアルコ
ール改質用触媒５を充填して、穴あき板４（こよりこの
触媒５を改質器内部に封じ込める。

更に、第１図において、６は改質器を加熱するために加
熱ガスを外匣１内に供給するための加熱ガス入口、７は
改質器母材２と外匣１との間に形成される加熱ガス通路
、８は加熱ガス出口、９は改質器内部にアルコールガス
を導入するアルコ−ルガス入口、１０はアルコールガス
人口９から供給されるアルコールガスを水素や一酸化炭
素等の改質ガスに変換して取出すための改質ガス出口で
ある。

アルコールガス人口９から供給されたアルコールガスは
、触媒室において、加熱ガス人口６から導入されたエン
ジン排気ガス等を利用した加熱ガスにより加熱される。

それによって、アルコールガスは触媒５との間で熱反応
を起こして、水素や一酸化炭素等の改質ガスに変換され
て改質ガス出口１０から取出される。

第２図は、第１図示の改質器を加熱ガス（こより加熱し
た場合の触媒５中の温度分布の一例を示すものである。

ここで、第１図示の改質器ではアルミナを担体とするペ
レ゛ｙト形状の触媒５を触媒室に充填しているので、加
熱ガスの熱はまず改質器の外壁から外壁部近傍の触媒に
伝えられ、次いで中心部の触媒に伝えられるから、熱伝
導が悪く、例えば、６００°Ｃの加熱ガスに対して外壁
近傍の触媒の温度は４２００Ｃ程度であっても触媒層の
中心部では２８０°Ｃ程度であり、外壁近傍の触媒温度
と中心部の触媒温度とでは図示のように大きな温度差か
生じてしまう。

第３図はアルコール空間速度Ｓｖ二１ｏｏｏｈ ’のさ
きの触媒の加熱温度さアルコール分解率との関係を示す
もので、分解率は加熱温度さほぼ比例して増加しており
、本例では触媒が３５０℃以上に加熱されると分解率が
ほぼ９５％以上となることがわかる。

したがって、第２図に示すように触媒層の表面温度と中
心温度との間に温度差が生じると、分解率も触媒層の中
心部で６０％、外壁近傍では９０％以上さいうように大
きくばらつく。

従って、触媒層全体ζこわたって高い分解率を得るため
には、加熱ガス温度を更に高くして中心部の触媒の温度
を一層高める必要がある。

しかし、加熱ガスを高温ζこして改質器中心部の触媒の
温度を高めると、改質装置の耐熱性、耐圧性、耐久性に
悪影響をおよぼすので、一般には改質装置が一定以上の
温度にならないように制御する温度制御装置を設けてい
る。

このように、第１図に示した既提案の改質装置では、加
熱ガスを所定以上の温度昏こは上昇できないので、触媒
層中心部では温度が低く、アルコールの分解率も悪い。

従って、改質装置全体の分解率が悪い点を補って所望量
の改質ガスを取り出すためには、改質器に充填する触媒
の量を増加する必要があったが、充填する触媒の量を増
大させるためには改質器を大きくせざるを得ず、コンパ
クトな装置が要求される車輛用等の改質装置としては好
ましくない。

本発明の目的は上述した欠点を除去して、熱交換性能を
向上させ、以って温度分布を均一となし、アルコール分
解率を高め、しかも小型軽量に構成することのできるア
ルコール改質装置を提供すること多こある。

以下に図面に基づいて本発明の詳細な説明する。

第４図は本発明改質装置の要部の構成を示し、ここで、
１１は改質器外壁、１２は触媒の担体材料、例えばセラ
ミックス等により構成した隔壁であり、この隔壁１２に
よりアルコールガスか通過するアルコールガス通路１３
を形成し、この通路１３の隔壁１２の内壁には触媒１４
を被着する。

１５は例えばエンジン排気ガスか通過する加熱ガス通路
で、内通路１３および１５は触媒の担体材料（こよる隔
壁で仕切られて、内通路１３と１５とが交互に配置され
る。

今、加熱ガス、例えばエンジン排気ガスを加熱ガス通路
１５ζこ供給し、アルコールガス通路１３にはアルコー
ルガスを供給すると、触媒の担体で構成される内通路１
３および１５の隔壁さ、アルコールガス通路１３の内壁
ζこ被着した触媒１４、およびアルコールガス通路１３
を流れるアルコールガスは加熱ガスにより加熱され、ア
ルコールガスは触媒１４との間の熱反応（こより、水素
や一酸化炭素等の改質ガスに変換される。

このように、本発明（こよれば、加熱ガス通路とアルコ
ールガス通路は交互に配置され、しかも触媒の担体によ
り構成されるアルコールガス通路隔壁の内壁には触媒が
被着され、この触媒は隣接する加熱ガス通路を流れる加
熱ガスによりアルコールガス通路隔壁を介して均一かつ
効率よく加熱される。

従って、第１図の構成に比較して熱伝導が著しく向上し
、触媒の加熱温度はどの部分も均一となり、しかも触媒
はアルコール通路内壁に被着された薄層をなしているの
で、高いアルコール分解率が得られる温度にまで容易に
加熱される。

本例において、改質器隔壁１２として、アルミナ等のセ
ラミックスを用いる場合には、改質ガスがアルコールガ
ス通路１３の隔壁１２を通過して漏洩するおそれがある
ので、その漏洩防止のためには、第５図に示すように加
熱ガス通路１５の内壁に金属シール材、例えばニッケル
層１６を被着するのが好適である。

本例によれば、アルコールガス通路１３内で得られる水
素等の改質ガスか、触媒１４、アルコールガス通路１３
の隔壁１２を通過しても、シール層１６により加熱ガス
通路１５中への漏洩か阻止される。

従って、水素等の改質ガスが加熱ガス通路１５に漏洩し
て燃焼することがなく、燃費の低下を防ぐことかできる
。

第６図はアルコールガス通路上加熱ガス通路とを第４図
に示すように構成した改質器を組込んだ本発明アルコー
ル改質装置の一実施例を示し、ここで、２０は加熱ガス
通路を構成する加熱ガス管であり、その一端に加熱ガス
人口２１、他端（こ加熱ガス出口２２を設ける。

この管２０内には、第４図に示した本発明の原理的構成
に基づいてアルコールガス通路と加熱ガス通路さを交互
に配置した改質器２３を挿設する。

２４は改質器２３ヘアルコールガスを導入するアルコー
ルガス入口、２５は改質器２３から改質ガスを取出す改
質ガス出口である。

加熱ガス人口２１から供給される加熱ガスにより改質器
２３は加熱され、その後加熱ガスは加熱ガス出口２２よ
り排出される。

かかる加熱により改質器２３ではアルコール人口２４か
らのアルコールガスが改質されて改質ガス出口２５から
取出される。

上述した改質器２３の具体的構造の一例を第７図〜第１
１図に示す。

第７図は第６図示の改質器２３の底面図である。

本例では図示を容易とするためにアルコールガス人口２
４および改質ガス出口２５はそれぞれ３個づつ設けであ
るが、実際には更に多数の入口２４および出口２５を設
ける。

アルコールガス人口２４から改質器２３内に導入された
アルコールガスは、第８図に示すように、アルコール流
入部２６を経てアルコールガス通路２７に導入される。

このアルコールガス通路２７は第４図と同様にセラミッ
クス等の触媒担体からなる隔壁２８により形成され、そ
の内壁には触媒が被着されているが、第８図ではその詳
細は省略して単に隔壁２８のみを示しである。

アルコールガス通路２７（こおいて、触媒（こより改質
されたアルコール改質ガスは改質ガス流出部２９を経て
改質ガス出口２５から取出される。

更に、第６図において、加熱ガス人口２１から導入され
た加熱ガスは、第９図および第１０図に示すように、改
質器２３中をアルコールガス通路２７と平行に貫通する
加熱ガス通路３０を通って加熱ガス出口２２から排出さ
れるか、ここで、アルコールガス通路２７と加熱ガス通
路３０とは、第４図に示したように触媒担体の隔壁２８
ζこより仕切られて、交互に配置される。

そして、第１０図および第１１図に示すように、複数個
のこれら通路２７および３０は交互に整列されて、所謂
ハニカム構造を構成する。

第６図において、アルコールガスをアルコールガス人口
２４から改質器２３内へ供給し、加熱ガスを加熱ガス人
口２１から加熱ガス管２０内に供給すると、アルコール
ガスはアルコールガス通路２７を流れ、加熱ガスは改質
器２３を貫通して形成される加熱ガス通路３０を流れる
。

両通路を形成する触媒担体からなる隔壁２８、アルコー
ル通路内壁に被着された触媒およびアルコールガスは、
アルコールガス通路２７と隣接する加熱ガス通路３０を
流れる加熱ガスにより加熱されるから、アルコールガス
通路２７を流れるアルコールガスは触媒との間で熱反応
を起して、水素や一酸化炭素等の改質ガスに変換されて
、改質ガス出口２５から取出される。

尚、上述したように加熱ガス通路３０の内壁に第５図に
おいて説明した改質ガス漏洩防止用のシール材、例えば
ニッケル材を被着すれば、アルコールガス通路内で得ら
れる改質ガスが加熱ガス通路側へ漏れて燃焼することが
ないので、アルコール通路と加熱ガス通路との隔壁をセ
ラミックス等の担体材料で形成しても燃費が低下するこ
とはなＧ）。

以上説明したように、本発明によれば、アルコールガス
通路と加熱ガス通路とを仕切る隔壁を触媒の担体となる
材料で形成するとともに、アルコールガス通路内壁に触
媒を被着して、アルコールガス通路と加熱ガス通路とを
交互に配置してアルコールガスの改質を行うように構成
したので、触媒の担体である隔壁は加熱ガスにより直接
にかつすみずみまで均一に加熱され、従って触媒さ、触
媒の担体であるアルコール通路内壁さ、アルコールガス
とは、隣接した加熱ガス通路を流れる加熱ガスにより直
接にしかも均一に加熱されるので、熱伝導が良好であり
、アルコール通路内壁および触媒は均一に、しかも、高
い分解率か得られる適宜な温度にまで加熱される。

更に、改質器内の加熱ガス通路とアルコールガス通路と
をハニカム構造の形態で交互に配置することにより、改
質器内のアルコールガス通路全域にわたって一層高い分
解率を得ることができる。

また、これと相俟って、本発明では、触媒量が少くてす
み、それだけアルコール改質装置の容積を小さくし、軽
量のものとすることかできる。

更に、加熱ガス通路内壁すこは、ニッケル等のシール材
を被着することにより、アルコールガス通路内で得られ
る水素等の改質ガスか加熱ガス通路中に漏洩して燃焼し
てしまうこともなく、従って、セラミックス等で改質器
を構成しても従来より燃費が低下するこさもない。

なお、以上では、触媒をアルコール通路にのみ被着する
例（こついて述べてきたか、本発明はこれζこのみ限ら
れず、加熱ガス通路上アルコールガス通路の双方に触媒
を被着しても支障ない。

これによれば、改質器のユニットを製造するのが容易と
なる。

このように双方の通路に触媒を被着するか、あるいはア
ルコールガス通路のみに触媒を被着するかは必要に応じ
て選択できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は既提案のアルコール改良器の縦断面図、第２図
は第１図示の改質器内の温度分布図、第３図は加熱温度
さアルコール分解率との関係を示す特性図、第４図は本
発明における改質器の構成の一例を示す断面図、第５図
は本発明の他の構成例を示す断面図、第６図は本発明ア
ルコール改質装置の一例の構成図、第７図は第６図示の
アルコール改質器の底面図、第８図は第７図のＩ−Ｉ線
断面図、第９図は第７図の■−■線断面図、第１０図は
第７図示のアルコール改質器の左側面図、第１１図は第
７図の■−■線断面図である。 １・・・・・・外匣、２・・・・・・改質器母材、３・
・・・・・コーテイング材、４・・・・・・穴あき板、
５・・・・・・触媒、６・・・・・・加熱ガス入口、７
・・・・・・加熱ガス通路、８・・・・・・加熱ガ゛ス
出口、９・・・・・・アルコールガ゛ス入口、１０・・
・・・・改質ガス出口、１１・・・・・・外壁、１２・
・・・・・隔壁、１３・・・・・・アルコールガス通路
、１４・・・・・・触媒、１５・・・・・・加熱ガス通
路、１６・・・・・・シール材、２０・・・・・・加熱
ガス管、２１・・・・・・加熱ガス入口、２２・・・・
・・加熱ガス出口、２３・・・・・・改質器、２４・・
・・・・アルコールガ゛ス入口、２５・・・・・・アル
コールガス通路、２６・・・・・・アルコールガス流入
部、２７・・・・・・アルコールガス通路、２８・・・
・・・隔壁、２９・・・・・・アルコールガス流出部、
３０・・・・・・加熱ガス通路。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ アルコール改質触媒と、アルコールガスを前記触媒
   に接触させながら流すアルコールガス通路と、談通路中
   の触媒を加熱する加熱ガス通路とを有し、前記アルコー
   ルガスを前記触媒との間の熱反応により改質ガスに変換
   するアルコール改質装置において、前記アルコールガス
   通路と前記加熱ガス通路とを触媒の担体材料により形成
   した隔壁により仕切り、前記隔壁の前記アルコールガス
   通路側の内壁をこ触媒を被着したことを特徴とするアル
   コール改質装置。 ２、特許請求の範囲第１項記載の改質装置において、前
   記アルコールガス通路と前記加熱ガス通路とをハニカム
   構造の形態で交互に配置し、前記アルコールガス通路内
   壁面に触媒を被着したことを特徴とするアルコール改質
   装置。 ３ 特許請求の範囲第１項または第２項に記載の改質装
   置において、前記触媒の担体をセラミックスとしたこと
   を特徴とするアルコール改質装置。 ４ 特許請求の範囲第１項乃至第３項のいずれかに記載
   の改質装置（こおいて、前記加熱ガス通路内壁面にシー
   ル材を被着して、前記アルコールガス通路中で得られる
   改質ガスが前記加熱ガス通路へ漏洩しないようにしたこ
   とを特徴さするアルコール改質装置。 ５ 特許請求の範囲第４項記載の改質装置において、前
   記シール材をニッケルとしたことを特徴とするアルコー
   ル改質装置。