JPS5924685Y2 - プロテクタ−付きキヤツプ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、鏡面が上下に出没自在に凹凸することにより
周壁の複数個の弾性鉤止片が開閉するキャップに、上面
に環状の引手環を有するプロテクターを被冠させて組み
合わせたプロテクター付きキャップの改良に関する。

従来、第１図乃至第３図に示す如き上面に環状の引手環
５を有する金属製のプロテクター６は、その引手環５の
内外縁部を折り曲げて金属破断面を出さないようにして
いるため引手環５が基部だけによる片持支持となり、そ
のうえキャップ３が閉した状態のときは、キャップの鏡
面が上方へ弧出しているので゛、プロテクターとキャッ
プを組み合わせた場合、引手環５の基部の反対側（先端
部）は斜上方に浮き上がり、輸送時、或いはキャッパ−
（蓋嵌込機）の整送装置内で攪拌された際、プロテクタ
ーの引手環同志が互いに絡み合ってしまうといった不都
合があった。

そこで、これらの欠点を解消せんとして、第１図および
第２図のようにプロテクター６の引手環５の基部を立ち
上げ、更に先端部を下方へ折り曲げて浮き上がりを防止
するといった考案も考えられたが、このようにしても、
キャップ３の鏡面は凸レンズの如く上方へ弧出している
ため、引手環５の先端部は上方へ持ち上げられ、引手環
の横方向は本体の上面より上方へ突出して間隙が生じる
と共に、引手環５は水平に形成されているので、その内
縁部がキャップ３の鏡面に当接して外縁部が浮き上がっ
て本体の上面より突出しまうといった欠陥が当然上じる
。

更に、上記の欠点を補う方法としてプロテクター６の上
面に突条をめぐらせて引手環５の絡み合いを防ぐように
したものもあるが、これらは必要以上に工程を掛け、或
いは使用する板材の量を増大せしめ、いたずらにコスト
を引き上げる結果となった。

本考案は、以上のような従来の欠点に鑑み、プロテクタ
ーの引手環の巾を相当広く形成し、且つ、その外縁部の
全周が本体の上面より下方に位置すると共に、その内縁
部の全周を本体の上面より上方に位置させて、開封の際
、指腹に面接触状態で当接するように、キャップの弧出
せる鏡面に間隙少なく沿うようにテーパー状に形成する
ことにより、輸送時や容器口部に装着させる際に、引手
環が浮き上がって互いに絡み合うことを確実に防止する
ことができ、また、開封・除去が容易にできるプロテク
ター付きキャップを得るにある。

以下、図面に示す実施例により、本考案を詳細に説明す
る。

第４図および第５図の実施例は、鏡面１が上下に出没自
在に凹凸することにより周壁の複数個の弾性鉤止片２が
開閉するキャップ３の前記鏡面１が上方へ弧出して閉じ
た状態のものに、短円筒形で下方が開口せる本体４の上
面に環状となる引手環５が連接せるプロテクター６を被
冠させて組み合わせたプロテクター付きキャップであっ
て、このプロテクター６はブリキ、或いはアルミニュー
ム等の金属材料からなり、環状となる引手環５は、その
基部７のみにより本体４の上面８と連接されており、そ
の内縁部９および件縁部１０は内方へ折り曲げて金属破
断面が出ないように形成されている。

そして、前記プロテクター６の本体４の上面８に連接せ
る引手環５は、その巾を相当広く形成されており、且つ
、その外縁部１０の全周を前記本体４の上面８より下方
に位置させると共に、その内縁部９の全周を前記本体４
の上面８より上方に位置させて、前記キャップ３の弧出
せる鏡面１に間隙少なく沿うようにテーパー状に形成さ
れている。

１１はキャップに内蔵せるバッキング、１２は開封用切
溝である。

上記構成にあっては、プロテクター６の引手環５の外縁
部１０の全周が本体４の上面８より下方に位置している
と共に、その内縁部９の全周を前記本体４の上面８より
上方に位置させて、環状となる引手環５がキャップ３の
鏡面１に間隙少なく沿うようにテーパー状となっている
ので、従来のもののように引手環の横方向が本体の」一
面より上方へ突出することなく、また、外縁部が浮き上
がって本体の上面より突出しない。

従って、輸送時、或いは容器口部に装着させる場合でも
、引手環が浮き上がって互いに絡み合うことはない。

更に、プロテクターを開封するにあたり、引手環を指先
でもって引き上げ除去する際、従来の引手環を水平に形
成したものは第１１図の如く内縁部のみが指腹に食い込
んで痛みは大きいが、前記実施例の如く引手環５の巾を
相当広く形成し、且つ、テーパー状となっていれば、第
１２図の如く指腹との接触面が多くなるので痛みは少な
く容易に開封することができる。

次に、第６図乃至第１０図に示す他の実施例につき説明
する。

第６図の実施例において、前記本考案の実施例と主に異
なる点は、プロテクター６を熱可塑性合成樹脂等を射出
成形し一体に形成した点で、金属製の場合は引手環部分
を折り返すといった多工程を要するが、熱可塑性合成樹
脂等にすれば全体をソフトな端縁部となすことができ、
量産によるコストの引下げ゛も容易である。

第７図の実施例において、前記本考案の実施例と主に異
なる点は、プロテクター６の本体４はブリキ・或いはア
ルミニューム等の金属材料からなり、引手環５を熱可塑
性合成樹脂製として、両者を基部にて一体に連設した点
で、このように引手環部分を熱可塑性合成樹脂にすれば
、開封、除去する際も金属製のものに比べて、痛みは少
なく、更に、本体４は金属製であるから、封緘は確実に
行える。

第８図乃至第１０図の実施例において、前記本考案の実
施例と主に異なる点は、引手環５の内縁部９を稍厚めに
形成し、外縁部１０を薄く形成した点で、このように内
縁部９を梢厚めに形成すれば、開封、除去する際、より
痛みは少なく容易に開封することができる。

以上の説明から明らかなように、本考案にあっては次の
ような効果がある。

（１）プロテクターの引手環を、その外縁部の全周が本
体の上面より下方に位置すると共に、その内縁部の全周
を本体の上面より一ヒ方に位置させて、キャップの鏡面
に間隙中なく沿うようにテーパー状に形成したので、従
来のもののように引手環の横方向が本体の上面より上方
へ突出することなく、また、外縁部が浮き上がって本体
の上面より突出することがなく、輸送時や容器口部に装
着させる際に、引手環が浮き上がって互いに絡み合うこ
とを確実に防止することができる。

（２）プロテクターの引手環はその巾を相当広く形成し
、且つ、テーパー状に形成されているので、開封・除去
する際、従来の引手環を水平に形成したものは内縁部の
みが指腹に食い込んで痛みは大きいが、本考案は指腹と
の接触面が多くなるので痛みは少なく容易に開封するこ
とができる。

（３）プロテクターの引手環の内縁部を稍厚めに形成す
れば、開封、除去する際、より痛みは少なく容易に開封
することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、従来のプロテクター付きキャップの断面図、
第２図は、従来のプロテクター単体の断面図、第３図は
第１図の平面図、第４図は本考案の一実施例の断面図、
第５図は第４図の平面図、第６図および第７図は、それ
ぞれ本考案の他の実施例の断面図、第８図乃至第１０図
は、それぞれ本考案の他の実施例の一部断面図、第１１
図は、従来のプロテクターを開封する際の説明図、第１
２図は本考案の一実施例のプロテクターを開封する際の
説明図である。 １・・・・・・鏡面、２・・・・・・弾性鉤止片、３・
・・・・・キャップ、４・・・・・・本体、５・・・・
・・引手環、６・・・・・・プロテクター ７・・・・
・・基部、８・・・・・・上面、９・・・・・・内縁部
、１０・・・・・・外縁部。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）鏡面が上下に出没自在に凹凸することにより周壁
   の複数個の弾性鉤止片が開閉するキャップであって鏡面
   が上方へ孤出し閉じた状態のキャップに、短円筒形で上
   方が開口せる本体の上面に環状となる引手環が基部のみ
   により連設せるプロテクターを被冠させて組み合せたプ
   ロテクター付きキャップにおいて、前記プロテクタ一本
   体の上面に連接する引手環を、その巾を相当広く形成し
   、且つ、その外縁部の全周が前記本体の上面より下方に
   位置すると共に、その内縁部の全周を前記本体の上面よ
   り上方に位置させて、開封の際、指腹に面接触状態で当
   接するように、前記キャップの孤出せる鏡面に間隙少な
   く沿うようにテーパー状に形成したことを特徴とするプ
   ロテクター付きキャップ。
2. （２）前記引手環は内縁部を稍厚めに、外縁部を薄く形
   成したことを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項
   記載のプロテクター付きキャップ。