JPS5924306Y2 - ミシンの糸立棒装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 技術分野 この考案はミシンの糸立棒装置に関し、ことに糸立棒が
ミシン天板と平行をなす形式の糸立棒装置に関する。

従来技術 ポータプルミシンのようなケースに収められるミシンに
おいて、ケースが嵩張らないようにするためミシン収納
時に天板上に突出する糸立棒を折りた・めるようにした
ものは既知である。

既知のこの種装置のうち、糸立棒がミシン天板と水平を
なすものでは天板上に突出する糸立棒をミシン背後に倒
すようになっている。

しかしながらこうした方法ではミシンすなわち収納ケー
スの丈は低くすることができても前後方向の幅はミシン
背後に突出した糸立棒分だけ広くなる。

糸立棒がミシン天板より傾斜して突出するタイプの装置
において、収納する際には糸立棒を一旦起して垂直状態
にしたのち押込むことによって行うようにしたものも知
られているが、か・る装置では引出して使用する際にも
糸立棒の引出し操作と回動操作の二操作が必要であった
。

目 的 この考案はミシン天板と平行に突出する糸立棒を太根上
にもまた側壁よりも突出することなく折った・むことが
でき、かつまた収納された糸立棒の使用位置への切換え
が簡易に行えるようにしたミシンの糸立棒装置を提供す
ることを目的とする。

解決手段 上記課題は収納時に糸立棒を倒してミシンフレーム内へ
押込むことにより、かつまた使用位置へ切換える際に行
われる糸立棒の回動並びに摺動のうち、回動をバネの作
用によって行い、引出し操作の一操作のみで糸立棒を使
用位置に切換えられるようにすることによって解決され
る。

実施例 第１図に示すようにミシン天板１上の後部（図において
は前部）−側寄りに糸巻２を水平状態に取付ける形式の
糸立棒装置が設けである。

同図では糸立棒装置のうち、天板１より直立する支持板
３と該支持板上端に取着の天板長手方向に沿り糸立棒４
とを示している。

一端に糸立棒４を取着した支持板３は第２図に示すよう
に他端部において、つる巻バネ５を取着する軸６と上記
バネの一端が係止するピン７とを並設するとともに端面
を円弧面８に形成し、かつ一側面は後述する支持部材の
通路に摺接される一方他側面には糸立棒４寄りに段部９
が設けである。

天板１には第１図に示すように折りた・み時の糸立棒４
を収納する凹所１０が形成されるとともに該凹所端には
支持板３が嵌挿するスリット１１がミシン天板１の側壁
より上面に至る角部に設けてあり、太根下には上記スリ
ットと同一方向に延びる支持部材１２が取着される。

支持部材１２には上記スリット直下に位置し、上記支持
板の円弧面８と適合する円弧路１３と該円弧路に連結し
上記スリットの延長方向に延びる直線状の通路１４を形
成しており、円弧路１３で直立時の支持板３下端面を支
持し、通路１４で折りた・み時の支持板−側面を摺接か
つ支持するようになっている。

つぎに前述のつる巻バネ５は第３Ａ−Ｃ図に示すように
、一端をピン７に係止し、他端部を天板１内壁に弾接さ
せ、支持板３を図において反時計方向に付勢しており、
上記円弧路１３上に支持される支持板の直立時には側面
をスリット端面に弾接させて支持板を直立状態に保持さ
せる一方、支持板の収納時には天板内壁に強く弾接して
支持板をその状態に保持する機能を有している。

ここで、上記バネ５を設ける代りに支持板３を天板１上
面側のスリット端面に弾接させて直立状態に保持させる
バネと天板内壁に弾接して支持板を収納状態に保持する
バネとの二個のバネに置き代えてもよい。

操作 支持板を第３Ａ図に示す直立状態より収納する際は、支
持板３をバネ５の作用に抗して時計方向に回動して倒し
たのち（第３Ｂ図）支持板−側面を支持部材１２の通路
１４に摺接させつ・天板１内へ段部９がスリット端面に
つき当るまで押込む（第３Ｃ図）。

このとき糸立棒４は天板１の凹所１０内に収められる。

支持板３を第３Ｃ図に示す収納状態より第３Ａ図の直立
状態にするには、支持板を天板内壁面に弾接するバネ５
の作用に抗して外方に軸６が上記凹所１０を形成する立
上り面につき当るまで引出すのみでよい。

その後支持板はバネ５の作用で時計方向に回動し、スリ
ット端面につき当って停止する。

効果 この考案によれば、太根上に直立する支持板並びに該支
持板に天板と平行に取着される糸立棒は、折った・んで
収納したのちはミシン天板上にもまた側壁よりも突出す
ることがないのでミシンを収納するケースの嵩はその分
少くすることができる。

また本装置では収納された糸立棒を引出して使用する際
には引出すのみであとはバネの作用で自動的に回動して
スリット端に押付けられた状態で保持され、−操作で使
用位置に切換えられるため使用位置への切換操作がきわ
めて簡単である。

上記実施例では支持部材１２に円弧路１３と通路１４を
設けて支持板３を直立状態にあるいは直立状態より折っ
た・んで収納状態に保持するようにしているが、支持部
材は支持板の軸６自由端が回動かつ摺動可能に嵌合する
レールとなしてもよい。

この場合、直立状態では支持板は、垂直方向にはレール
に嵌合する軸によって、また水平方向にはバネの作用に
より側面をスリット端面に弾接させることによって保持
される。

また収納状態においては支持板はレールに嵌合する軸と
天板側壁のスリット他端面とによって保持される。

さらに上記実施例では、支持板３を太根上に直立させ糸
立棒４を天板上面と平行に保持し使用する一方糸立棒の
収納時には支持板３を直立状態から水平状態に回動した
のち天板内に押込むが、これらの動作状態とは逆にミシ
ン天板後部側面１′に支持板３を直立して糸立棒４を天
板後部側面１′と平行に保持して使用し収納の際には支
持板３を水平状態から天板１の上面に対して直立状態に
回動せしめて天板内に押込むこともできるのは勿論のこ
とである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る糸立棒装置を備えたミシン天板の
斜視図であり、図は糸立棒装置の使用状態を示す。 第２図は同装置の分解斜視図、第３Ａ〜Ｃ図は操作説明
図である。 １・・・・・・ミシン天板、１′・・・・・・ミシン天
板後部側面、２・・・・・・糸巻、３・・・・・・支持
板、４・・・・・・糸立棒、５・・・・・・バネ、６・
・・・・・軸、７・・・・・・ピン、８・・・・・・円
弧面、９・・・・・・段部、１０・・・・・・凹所、１
１・・・・・・スリット、１２・・・・・・支持部材、
１３・・・・・・円弧路、１４・・・・・・通路。

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）ミシンの天板１の側壁より上面に至る角部に穿設
   されるスリット１１と、該スリットに遊嵌される支持板
   ３と、天板１よりミシン外方に突出する支持板３の先端
   部に上記天板に対して平行に取着される糸立棒４と、ス
   リット１１に嵌挿した支持板３がスリットを通して天板
   １１より出没し、かつ引出された状態においてスリット
   の範囲内で回動しうるように支持板３を摺動かつ回動可
   能に支持する支持部材１２と、該支持部材に支持される
   支持板３を一方向に回動すべく付勢し、スリット１１よ
   り引出したたきに支持板３端面をスリット端面につき当
   るまで回動して起すよう作動するバネ５とを有し、支持
   板３の収納は該支持板を上記バネ５の作用に抗して回動
   し倒したのち天板内に押込むことによって行い、またそ
   の使用は天板内に収納された支持板３を引出すことによ
   り行われ、引出された支持板はバネ５の作用で回動して
   起されスリット端面に弾接した状態で保持されるミシン
   の糸立棒装置。
2. （２）上記バネ５は天板内の支持板３に取着の軸６に装
   着され、その一端を支持板適所に係止するとともに他端
   を天板内壁に弾接させたつる巻バネである登録請求の範
   囲第１項記載のミシンの糸立棒装置。
3. （３）支持板３は起したとき下端となる一端面を円弧面
   ８に形成する一方、支持部材１２には上記円弧面８と適
   合し、支持板３を回動可能に支持する円弧路１３と、該
   円弧路に接続され、倒した状態の支持板３を天板１より
   出没させる際に支持板側面を案内する直線状の通路１４
   とを備えている登録請求の範囲第１項記載のミシンの糸
   立棒装置。
4. （４）支持部材１２は支持板３に取着の軸端を回動かつ
   摺動可能に嵌合するレールである登録請求の範囲第１項
   または第２項記載のミシンの糸立棒装置。