JPS5923901B2 - 連続鋳造押出法及びその装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は例えは電線等長尺線条体の製造に有利な連続鋳
造押出法及びその装置に関する。

従来、銅荒引線の効率的な製造法としてはベルトキャス
タ一式の連続鋳造機を用いた連続鋳造圧延法というのが
ある。

この方法によれは、一般に前記連続鋳造機を用いて長尺
の棒状鋼材（キャストバー）を連続鋳造する工程とそれ
に続く圧延工程とが同一ライン上に連結されているため
に、銅荒引線の製造効率が非常に良いという利点がある
。

ところが、このようにして得られた銅荒引線を伸縮する
場合には、通常圧延工程と伸線工程とは夫々別ラインで
あるから、圧延工程後の銅荒引線をいったん巻取ってか
ら伸線工程へ移す必要があり、そのためには少なくとも
巻取、計尺、荷造、輸送等の工程が必要である。

さらにこの場合つぎの伸線工程では線の品質および伸線
加工性を考慮するために通常銅荒引線の洗浄及び加熱（
焼鈍）工程が必要である。

したがってこのような中間工程は電線の製造を非常に複
雑にするものであった。

このような中間工程を省略できれは、電線の製造はきわ
めて簡単なものとすることができる。

一方、摩擦抵抗により押出圧力を発生させる方式の連続
押出法というのがある。

この方法は、固定部材と共に該固定部材よりも押出しす
べき素材との接触係合面積の大きい可動部材を用いて、
摩擦抵抗により前記素材を強制的にダイ方向に送り込み
ダイから押出すというものである。

本発明者らは、この押出法の連続性および押出しすべき
素材としてワイヤロッドを使用するという点から、この
押出法がきわめて伸線機的である点に着目し、上記連続
鋳造機と一体に結びつけることによって本発明をなすに
至ったものである。

本発明の一つの目的はかかる中間工程を省略して電線等
長尺線条体の製造をきわめて有利なものとすることがで
きる連続鋳造押出法を提供することであり、もう一つの
目的は前記方法に使用される装置を提供することである
。

本発明の要旨は、その上面に鋳型兼押出用コンテナとし
てのエンドレス溝を有する鋳造−押出用水平回転体を用
い、これに前記溝の開口側の面の一部を蓋しかつ溝の一
端を閉塞する固定ブロックを組合せて用いることにより
、前記溝内において溶融材料の鋳造とこの鋳造材料の押
出しを連続して行なうようにした点にある。

鋳造材料の押出しは、上記溝と鋳造材料との摩擦抵抗に
基づくものテアって、この押出しの実施可能性について
はすでに実用機が存在し、これによりアルミニウム、銅
等が押出せることは本発明者らも確認済みである。

次に添付図面により本発明の一実施例を説明すると、１
０は駆動軸１１に回転可能に取付けられた鋳造−押出用
水平回転体にして、上面にエンドレス溝１２を有し、動
力伝達歯車１３により回転されるようになっている。

１４は水を噴射させて溝１２を冷却する冷却装置、１５
は水平回転体１０の溝１２の一部を蓋し、溝１２ととも
に材料のため細長い輸送通路１６を形成するとともにこ
の通路１６の奥にダイ１７を設けてなる固定ブロックで
ある。

なお、１８は水平回転体１０の下面と接触して回転しな
がら水平回転体１０を支持するロール、１９及び２０は
夫々整形ロール、２１は湯口近くに設けられた逆流防止
用セキである。

このような構成の連続鋳造押出装置において、水平回転
体の一方においてバーナー２２等で加熱された溶融炉２
３から溶湯溜２４を通してエンドレス溝１２に連続的に
注入された溶融材料２５は、水平回転体１０の回転とと
もに矢印方向に移動していき、途中で冷却装置１４から
水を浴びて冷却凝固されて鋳造される。

このようにして得られた鋳造材料２６は、ついで水平回
転体１０のエンドレス溝１２と固定ブロック１５との間
に形成された細長い輸送通路１６に導かれ、そこで水平
回転体１０の回転により生じる材料２６と通路１６内面
との間の接触摩擦抵抗により通路１６の奥に導かれてそ
こからダイ１７を通して線条体２７となって押出される
。

したがって材料２６と通路１６内面との間の摩擦抵抗は
、材料の押出圧力を決定する意味で非常に重要であり、
その値は固定ブロックの長さ、即ち通路１６の長さと水
平回転体の回転速度に関係する。

このことから、溝１２の内面を粗くし、摩擦抵抗を大き
くすることは押出圧力を高める一つの方策であるといえ
る。

水平回転体１０の回転速度、冷却水量などは、材料の凝
固速度、材質、温度または溝寸法、溝の□径などによっ
て決められる。

この実施例をみれは明らかなように、本発明はベルトキ
ャスタ一式の連続鋳造機と摩擦抵抗を利用した可動ホイ
ール部材による連続押出機を組合せた点にその基本的特
徴がある。

両様は夫々回転体の周端面にエンドレス溝を有する構造
であるが、連続鋳造機の場合はそれに鋳造ベルトが組合
せられ、連続押出機の場合はそれに固定部材が組合せら
れている。

このような構造であるから、かかる鋳造機と押出機を組
合せるといっても技術的に簡単なものではない。

そこで本発明においては、水平回転体の上端面にエンド
レス溝を有する構造とし、鋳造ベルトを不要化せしめる
ことにより、上記組合せを可能にしたものである。

本発明の連続鋳造押出法およびその装置によれは、鋳造
と押出しを一つの工程でしかも連続的に行なうことがで
きるために、従来とくらべると圧延等の工程が省略され
て線条体の製造がきわめて簡単かつ迅速なものとなり、
価格的にも安くそれを製造することができるようになり
、その工業的価値はきわめて犬なるものがある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示すもので、連続鋳造押出
装置の正面図、（ただしこれは図面の便宜上第２図中Ａ
−Ａ’断面図を展開したものである。 ）第２図は第１図の平面図である。 １０；鋳造−押出用水平回転体、１１；駆動軸、１２；
エンドレス溝、１３；歯車、１４；冷却装置、１５；固
定ブロック、１６；輸送通路、１７；ダイ、１８；支持
ロール、１９，２０；整形ロール、２１；逆流防止用セ
キ、２２；バーナー、２３；溶解炉、２４；溶湯溜、２
５；溶融材料、２６；鋳造材料、２７：線条体。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ その上面に鋳型兼押出用コンテナとしてのエンドレ
   ス溝を有する鋳造−押出用水平回転体の前記溝の一方か
   ら溶融材料を注入し、この溶融材料を前記水平回転体の
   回転とともに移動させて冷却により鋳造し、これにより
   得られた鋳造材料を上記溝から取り出すことなく溝とこ
   の溝の開口側の面の一部を蓋しかつ溝の一端を閉塞する
   固定ブロックとの間に形成されたコンテナ相当通路に導
   き、この通路内において上記水平回転体の回転により溝
   と鋳造材料との間に生じた摩擦力を利用して、前記鋳造
   材料を前記通路の奥の閉塞端付近に設けたダイから押出
   し、これにより鋳造材料を上記溝の外へ排出することを
   特徴とする連続鋳造押出法。 ２ その上面に鋳型兼押出用コンテナとしてのエンドレ
   ス溝を有する鋳造−押出用水平回転体と、前記水平回転
   体の冷却装置と、前記水平回転体の上記溝の開口側の面
   の一部を蓋しこれにより当該水平回転体との間にコンテ
   ナ相当通路を形成するとともにこの溝の一端を塞ぐ閉塞
   端を有する固定シューブロックと、前記通路の奥の前記
   閉塞端付近に設けたダイとよりなることを特徴とする連
   続鋳造押出装置。