JPS5923789B2 - 抗生物質a−28086生産微生物 - Google Patents

抗生物質a−28086生産微生物

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JPS5923789B2
JPS5923789B2 JP58067674A JP6767483A JPS5923789B2 JP S5923789 B2 JPS5923789 B2 JP S5923789B2 JP 58067674 A JP58067674 A JP 58067674A JP 6767483 A JP6767483 A JP 6767483A JP S5923789 B2 JPS5923789 B2 JP S5923789B2
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ロバ−ト・エル・ハミル
マルビン・マルチン・ヘ−ン
ウオルタ−・ミツオ・ナカツカサ
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Eli Lilly and Co
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    • C07H19/01Compounds containing a hetero ring sharing one ring hetero atom with a saccharide radical; Nucleosides; Mononucleotides; Anhydro-derivatives thereof sharing oxygen
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、因子A)因子Bおよび因子Dからなる抗生物
質A−28086複合体生産能を有する微生物に関する
抗生物質A−28086複合体およびその構成因子は、
抗細菌、抗糸状菌、抗ビールス、抗牛胸膜肺炎菌(抗P
PLO)、抗コクシジウム、殺昆虫、および殺だに剤と
して有用であり、かつ反例動物類の飼料利用能率を増加
させるために有効である。
本発明はストレプトマイシス・オーレオフアシエンス(
Streptomycesaureofaciens)
NR−RL5758またはストレプトマイシス・オーレ
オフアシエンス( Streptomycesaure
ofaciens)NRRL8092などの抗生物質A
−28086複合体生産能を有するストレプトマイシス
・オーレオフアシエンスに属する微生物を提供するもの
である。
これらの菌株は、それらの利用可能な炭素源、窒素源お
よび無機塩類を含有する培養基中で培養し、該微生物に
よつて培地中に価値ある量の抗生物質活性が現われるま
で攪拌通気発酵条件下で培養することより、構成因子A
l因子Bおよび因子Dを含む抗生物質A一28086複
合体を生産する。抗生物質A−28086因子Aは白色
の結晶状化合物(アセトン−水から結晶化)であり、低
級アルコール類、ジメチルホルムアミド、ジメチルスル
ホキシド、酢酸エチル、クロロホルム、アセトンおよび
ベンゼンに可溶であるが、ヘキサンには僅かに溶解し、
水には不溶である。
約98〜100℃で融解し、再凝固し、更に約195〜
200℃で再融解する。この抗生物質は下記の理化学的
性状〔(a)〜―〕を持つている。(a)分子量764
(スペクトル測定法によつて測定)、(b)元素分析値
(近似値〕、C,66.69%;H,9。
85%;0,23.10%。
(c)実験式:C43H72Oll(質量スペクトル分
析法により測定)、(d) 〔α〕D25:一54゜(
C=0.2,メタノール)、(e)赤外線吸収スペクト
ル(クロロホルム中で測定)において下記の識別吸収帯
のピークが現れる。
2.85,3.34,5.83,6.82,7.22,
7.53(弱),7.78(弱),8,75(強),8
.95(強),9.15,9.50(強),9.55(
強),9.60,9.85,10.15,10.45,
10.70(弱)ミクロン。
(f)紫外部吸収スペクトル(エタノール溶液)では2
00mμ以下に末端吸収を示すだけである。
(g)核磁気共鳴スペクトル(重水素化クロロホルム中
で測定)の特徴:δ6.01,4.21,4.113.
993.893.803。673.653.573.5
52.832.762.742.682.662.58
2。
562.302.222.172.102.051.9
61.901.851.701.621.601.47
1.391.311.251.180.950.930
.900.880.850.770.750.730.
680.66ppm.(h) 80%のジメチルホルム
アミド水中においてPKa値7.9の滴定し得る基を有
する。
(1)以下のような格子間隔(単位:オングストローム
)を持つ特徴あるX一線粉末回析のパターン(Cu++
照射、1.5405λ照射、ニツケルフイルタ一)を示
す。
)バチルス・ズブチリス(Bacillussubti
lis)ATCC6633株を検出生物とし、シリカゲ
ル上で、展開溶媒としてベンゼン一酢酸エチル(3:2
)の系で試みた薄層クロマトグラフ法で0.24のRf
値。
;)バチルス・ズブチリスATCC6633株を検出生
物として用いた下表のペーパークロマトグラフ系におい
て表に示すようなRf値。
(1)塩類およびエステル誘導体の形成可能な酸基が1
つ存在する。
(ホ)エステル化の可能な水酸基が少くとも1個存在す
る。
本明細書において、(抗生物質A−28086)因子A
なる用語は.前後の文章から矛盾のない限り、上記の因
子AおよびそのC2〜C6アシル・エステル誘導体なら
びにその生理学的に許容される塩類を包含するものとす
る。
抗生物質A−28086因子Bは白色の結晶状化合物(
アセトン一水から結晶化)で、低級アルコール類、ジメ
チルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、酢酸エチル
、クロロホルム、アセトンおよびベンゼンに溶解するが
、ヘキサンには僅かしか溶解せず、水には不溶である。
そして本物質は、下記(a)〜(自)の理化学的性状を
具えている。(a)約150〜153℃の融点、(b)
分子量762(高分解能の質量分析器で測定)、(c)
実験式C43H7OOll(高分解能の質量スペクトル
法により測定)、(1)赤外線吸収スペクトル(クロロ
ホルム中)において次の識別吸収帯のピークが出る:2
.82,3.30,5.77,5.85,6.80,7
.20,7.50(弱),7.72(弱),7.80(
弱),8.57(強),8.68,8.90(強)9.
10,9.50,9.83(強),9.90,10.1
0,10.17(強),10.43(弱),10.80
(弱),11.20(弱),11.35(弱),11.
73(弱),12.03(弱)ミクロン。
(e)紫外部吸収スペクトル(エタノール溶液)で1%
は220mμに最大吸収(E =137.5;1cm
ε=10,477)を示す。
(f)核磁気共鳴スペクトル(重水素化クロロホルム中
)では次の特徴が見られる。
δ7,20,7.09,6.26,6.15,4.19
,4.124.053.953.89,3.783.6
23.59,3.523.48,2.812.732.
632.542.52,1.991.911.841.
711.67.1.641.551.431.33,1
.18,1.110.960.940.900.87,
0.840.770.740.68ppm(自)バチル
ス・ズブチリスATCC6633を検出微生物として用
い、ベンゼン一酢酸エチル(3:2)の系で行つたシリ
カゲル上での薄層クロマトグラフイ一のRf値は0,4
2である。
(h)バチルス・ズブチリスATCC6633を検出微
生物として用いて行つたペーパクロマトグラフ系におけ
るRf値は次の如くである。
(1)塩類およびエステル誘導体を形成しうる酸基が1
つ存在する。
(J)ケトン残基2個、 (k)ヒドロキシル残基が少くとも1個存在する。
本明細書において、(抗生物質A−28086)因子B
なる用語は、前後の文章から矛盾のない限り、上記の因
子Bおよびその生理学的に許容される塩類を包含するも
のとする。抗生物質A−28086因子Dは白色の結晶
状の化合物(アセトン一水から結晶化)である。
このものはメタノール、エタノール、ジメチルホルムア
ミド、ジメチルスルホキシド、酢酸エチル、クロロホル
ム、アセトンおよびベンゼンに溶解するが、ヘキサンに
は僅かしか溶解せず、水には不溶である。本物質は96
〜98℃で融解し、かつ次記の(a)〜(ホ)の性状を
持つている。(a)分子量778(高分解能の質量スペ
クトル分析法で測定)(b)元素分析値(近似値)C,
67.59%;H,9.38%;0,22.77%6(
c)実験式C44H74Oll(高分解能の質量スペク
トル法で測定)、(d) 〔α〕甘 :一56゜(C=
0.1、メタノール).(e)赤外線吸収スペクトル(
クロロホルム中で測定)では下記の吸収帯ピークが見ら
れる:2.89,3.39,3.43,3.50,5.
88,6.90,7,27,160,7.84,9.0
0,9.26,9.62,10.31,10.58,1
1.10フ11.49ミクロン。
(f) 95%の含水エタノールで紫外部吸収は観察さ
れない。
(g)クロロホルム中での核磁気共鳴スペクトルは次の
特徴がある、δ6.00,4.20,4.10,4.0
03.98,3.923.863.833.793.6
7,3.643.573.542.882.81,2.
712.622.582.482.43,2.372.
292.212.152.10,2.041.971.
891.831.76,1.681.611.581.
551.47,1.391.301.251.180.
95,0.900.880.840,740.68pp
m0(h) 80%のジメチルホルムアミド水の中で、
8.67のPKa値を持つ一個の滴定し得る基を有する
(1)以下のような格子間隔(単位:オングストローム
)を有する特徴あるX一線粉末回折のパターン。
(Cu++照射、1.5405λ、ニツケル・フイルタ
一)。(j)バチルス・ズブチリスATCC6633を
検出生物として用い、下に示すようなシリカ.ゲル薄層
タロマトグラフ系に於て次の様なRf値。
(k)バチルス・ズブチリスATCC6633を検出生
物として用い、下に示すペーパークロマトグラフ系で求
められる次のようなRf値。(1)塩類およびエステル
誘導体の形成可能な酸基が1個― エステル化の可能な
水酸基が少くとも1個本明細書において、(抗生物質A
−28086)因子Dなる用語は、前後の文章から矛盾
のない限り、上記の因子DおよびそのC2〜C6のアシ
ルエステル、ならびにその生理学的に許容される塩類を
包含するものとする。
今日、抗細菌剤は多数知られているが、なお弓続き新し
い進歩的な抗生物質が要求されている現状である。
現今の抗生物質療法上の一問題として、抗生物質の間で
病原生物に対する効力に差異があるという事実があげら
れる。またいま一つ、基準抗生物質に抵抗性を持つ生物
株の発生が問題とされている。さらに今一つの問題とな
るのは、罹病者が個別的に、特定の抗生物質から過敏症
や毒性などに基づいて、しばしば危険な副作用を受ける
という事実である。現今の療法にはこうした問題がある
ので、新抗生物質が要求され続けるのである。人間の病
気治療に有用な新抗生物質の要求に加えて、家畜病治療
の分野においてもまた進歩した抗生物質が必要となる。
重要な局面の一つとして、家禽や家畜類の生育を促進さ
せるのにも進歩した抗生物質が必要とされる。例えば、
生育の促進は病気を減少させることによつて、かつ飼料
利用効率を増加させることによつて達成される。家畜病
治療学上、さらに特に、家禽飼育産業上、経済的に重要
性を持つ疾患の一つが、原虫病コクシジウム症(COc
cidiOsis)であることは周知のところである。
コクシジウム症はエイメリア(Eimeria)または
イソスポラ(IsOspOra)の一種またに多種によ
る感染に起因する(概要は、米国アイオア州.アメス、
アイオア州立大学刊行,ピースタ一およびシユワルテ編
纂の“゜デイジージズ・オブ・ポウルトリ一゛第5版中
のルンドおよびフ了−を参照)。コクシジウム症に起因
する莫大な経済的損失ならびに既往の抗コクシジウム薬
剤の不利益性という見地から、さらに優れた抗コクシジ
ウム剤の探索が続けられている。
今一つ家畜業者に著しい経済的損失を与える疾患として
腸炎がある。
腸炎は幼鶏、豚、牛および羊に発生し、主として嫌気性
細菌、特にクロストリジウム・ペルフリンゲンス(CO
lstridiumperfringens)とビール
ス類に起因する。反動物における腸内中毒症、例えば羊
の過食症はクロストリジウム・ペルフリンゲンスの感染
で惹起される症状である。次に、牛のような反例動物の
生育を促進させることが獣医学での今一つの経済上の目
標とされている。
飼料の利用能率を高めることにより成育促進を達成する
ことが特に関心の的となつている。反剖動物の飼料の主
栄養物(炭水化物類)が利用される機構はよくしられて
いる。該動物の第1胃内の微生物が炭水化物類を分解し
て単糖類とし、更にこれらの単糖類をピルビン酸関連化
合物に変換するのである。ピルビン酸塩は微生物学的作
用により代謝されて酢酸、酪酸あるいはプロピオン酸な
ど、一括して揮発生脂肪酸(FA)として知られるもの
を生成する。更に詳細な論説についてはレング(フイリ
ツプソンら著:フイジオロジ一・オブ・ダイゼツシヨン
・アンド・メタポリズム・イン・ザ・ルミナント(英国
ニユーカツスル・アポン・タインオリエル出版社(19
70年)刊の408〜410頁))の論文がある。VF
A利用の相対的効果は、フイードスタフス1971年6
月19日号19頁においてマツカラフにより、また、J
.An.Sci.33巻282頁(1971)において
エスケランド等により、また“ダイゼスチブ・フイジオ
ロジ一・アンド・ニユートリシヨン・オブ・ルミナンヅ
第2巻622〜625頁(1971)においてチヤーチ
等によつて議論されている。
酢酸塩や酪酸塩も利用されるが、プロピオン酸塩の利用
には更に重要な意義があり、その利用能率が著るしく低
下すると動物はケトン症をひき起す。従つて動物を刺激
して炭水化物から高い比率でプロピオン酸を生成させ、
これが動物の炭水化物利用効率を高めさせ、かつまたケ
トーシス症の影響を低減させるのである。抗生物質A−
28086因子A,BおよびDはポリエーテル型抗生物
質群の新しいメンバーである。
この群のメンバーの例としては、モ不ンシン・(米国特
許第3,501,568号)、ダイアネマイシン〔ハミ
ル,R.L.;ホエーン,M.M.;ピツテンガ一,G
.E.;チヤンバリン,J.;およびゴーマン,M,;
ジヤーナル・オブ・アンテイバイオテイクス,22巻1
61頁(1969)〕ニゲリシン〔L.K.スタインラ
ウフ,マルーピンカートンおよびJ.W.チヤンバリン
,ビォヒミカ・ビオフイジカ・リサーチ・コムニケーシ
ヨン.33巻29頁(1968)〕、およびサリノマイ
シン〔日本特許公告47−25391,1972年10
月20日付、出願番号19620/1971;Derw
ent屋.76960T,米国特許第3,857,94
8号、およびH.キナシ、N.オタケ、H.ヨネハラ、
S.サト一およびY.サイト一、テトラヘドロン・レタ
ーズ、49巻4955〜4958頁(1973)〕が含
まれる。
発酵学ならびに本明細書に於て使用せられるような“抗
生物質複合体(AntibiOticcOmplex)
″という用語は、化学でいう錯体を指すものではなく、
相伴つて生成される個々の抗生物質因子の混合体を指す
ものである。抗生物質複合体中に生成される個々の因子
の比率が、発酵条件によつて変ることは、抗生物質の発
酵生産に精通する者なら是認できるであろう。A−28
086抗生物質複合体は、新規な菌株ストレプトマイシ
ス・オーレオフアシエンスNRRL5758を抗生物質
活性が程よく発生するまで攪拌通気発酵条件下で培養す
ることによつて生産される。
A−28086抗生物質複合体は、また、ストレプトマ
イシス・オーレオフアシエンスの今一つの新菌株NRR
L8O92を培養することによつても生産される。スト
レプトマイシス・オーレオフアシエンスNRRL575
8またはストレプトマイシス・オーレフアシエンスNR
RL8O92の何れによつて生産された場合でも、A一
28086抗生物質複合体は発酵プロスならびに菌糸体
から極性のある有機溶媒で抽出される。抽出された抗生
物質混合物は溶媒を濃縮して分離され、濃縮物に過剰の
石油エーテルを加えて不純物を沈降させ、濾過し、かつ
その濾液を蒸発させると、A−28086抗生物質混合
物が得られる。該抗生物質混合物はカラム・クロマトグ
ラフ法によつてさらに精製され、かつ個々の因子に分離
される。A−28086化合物類は動植物体の病原とな
る生物の生育を阻止する。
この阻止活性の一つの局面が、A−28086化合物類
の抗コクシジウム作用である。このほか、A−2808
6化合物類は抗細菌−、抗ビールス一、抗牛胸膜肺炎菌
(抗−PPLO)、殺昆虫−、殺だに一作用物質であり
、かつ反別動物類の飼料利用効率を増加させる作用があ
る。クロロホルム中でとつた赤外線吸収スペクトルを図
で表わすと次のようである。
A−28086因子類は構造上互に関連性がある。
発酵の期間中に、少くとも4種類の抗生物質因子が一緒
に生産され、混合物として得られる。因子類は相互に分
離され、かつ因子A,BおよびDは、以下に記載するよ
うな個々の化合物として単離される。A−28086因
子類の混合物は大ていの有機溶媒に可溶性であるが、水
には不溶である。以下の項目にA−28086因子A,
BおよびDO物哩的ならびにスペクトル的性質を記載す
る。
抗生物質A−28086因子Aはアセトン一水から結晶
する。A−28086因子Aは約98〜100℃で融解
し、再凝固して約195〜200℃で再び融解する。因
子Aの元素分析結果として、次のような平均百分組成が
得られている:C,66.69%;H,9.85%;0
,23.10%。因子Aには実験式C43H72Oll
が提案されている。質量分析法によつて決定された、見
かけ上の分子量は764である。クロロホルム中におけ
る因子Aの赤外線吸収スベクトルは付図(第1図)に示
した。
次のような吸収帯のピークが観察される。2.85,3
.34,5.83,6.82,7.22,7.53(弱
),7.78(弱),8.75(強),8,95(強)
,9.15,9.50(強),9.55(強),9.6
0,9.85,10.15,10.45,10.70(
弱)ミクロン。
因子Aのエタノール中における紫外線吸収スベクトルは
220mμ以下に末端吸収があられれるだけである。重
水素化クロロホルム中で測定したA− 28086因子Aの核磁気共鳴スペクトルに次の特徴が
ある:δ6.01,4.21,4.11,3.99,3
.89,3.803.673.653.573.552
.832.762.742.682.662.582.
562.302.222.172.102.051.9
61.901.851.701.621.601.47
1.391.311.251.180.950.930
.900.880.850.770.750.730.
680,66ppn10 アセトン一水から結晶させた抗生物質A−28086因
子Aは次のような特徴のX一線粉末回析パターンを示す
(Cu++照射、1.5405λ、ニッケル・フイルタ
一、dは格子間隔(単位:オングストローム))。抗生
物質A−28086因子Aの比旋光度は、温度2.5℃
で測定した時、−54゜(C=0.2、メタノール)で
、この比旋光度は数回の測定に基づく平均値である。
80%ジメチルホルムアミド水中における因子Aの電気
滴定法では、PKa値7.9を持つ滴定し得る基の存在
を示した。
抗生物質A−28086因子Aは種々の有機溶媒(メタ
ノール、エタノール、ジメチルホルムアミド、ジメチル
スルホキシド、酢酸エチル、クロロホルム、アセトンお
よびベンゼン)に可溶性であるが、ヘキサンの様な極性
のない有機溶媒には難溶であり、かつ水には不溶である
抗生物質A−28086因子Aには、塩類およびエステ
ル誘導体の形成可能な一個の酸基が存在し、かつエステ
ル化の可能な水酸基が少くとも一つ存在する。
以上に列挙した物理学的性状に基づいて、抗生物質A−
28086因子Aの構造が提案されうるのである。しか
しながら、その構造決定は単に推定されたものであり、
ここに提出された構造が単に一つの実験に基づく仮説に
基いて表現されたものであると理解されるべきである。
A一28086因子Aの推定構造は式1に示されている
。抗生物質A−28086因子Bは白色結晶状化合物(
アセトン一水より)で、約150〜153℃の融点を持
つ。高分解能の質量分析法によつて測定された様に、因
子Bは見かけ上762の分子量を持ち、C43H7OO
llなる実験式が提示されている。
クロロホルム中での因子Bの赤外線スペクトルは付図の
第2図に示されており、次のような吸収帯のピークが観
察さる:2.82、3.30、5.77、5.85、6
.80、7.2017.50(弱)、7.72(弱)、
7.80(弱)、8.57(強)、8.68、8.90
(強)、9.1019.5019.83(強)、9.9
0、10.10110.17(強)、10.43(弱)
、10.80(弱)、11.20(弱)、11.35(
弱)、11.73(弱)、12.03(弱)ミクロン。
因子Bのエタノール中での紫外部吸収スペクトルは22
0mμ最大吸収(E1!L=137.5;ε=10,4
77)を示す。
A−28086因子Bの核磁気共鳴スペクトル(重水素
化クロロホルム中)では次の特徴が現われる。
δ7.20、7.09、6.26、6.15、4.19
、4.12、4。
05、3.95、3.89、3.78、3.62、3.
59、3.52、3.48、2.81、2.73、2.
63、2.54、2.52、1.99、1.91、1.
84、1.71、1.67、1.64、1.55、1.
43、 1.33、1.18、1.11、0.96、0
.94、0.90、0.87、0.84、0.77、0
.77、0.74、0.68ppm0抗生物質A−28
086因子Bは、例えばメタノール、エタノール、ジメ
チルホルムアミド、ジメチルスルホキサイド、酢酸エチ
ル、クロロホルム、アセトンおよびベンゼンのような種
々の有機溶媒に可溶性であるが、ヘキサンのような非極
性有機溶媒には極めて僅かしか溶解せず、また水には不
溶である。
A−28086抗生物質因子Bの化学構造は明らかにさ
れていないが、これまでに得られた物理的化学的データ
は、因子Bには唯一のカルボン酸残基、2個のケトン残
基および1個以上のヒドロキシル残基のあることを示し
ている。
抗生物質A−28086因子Dは、ストレプトマイシス
・オーレオフアシエンスNRRL5758によつて生成
される時には微量因子である。
しかし、ストレプトマイシス・オーレオフアシエンスN
RRL8O92によつて生成される場合には、A−28
086因子Dは回収された抗生物質活性の10%に達す
る。抗性物質A−28086因子Dは約96〜98℃の
融点をもつ白色結晶状物質(水−アセトンから)である
高分解能質量分析により測定されたようにその見かけの
分子量は778である。A−28086因子Dのナトリ
ウム塩の質量スベクトル中のピークの分子量は800.
5050であると観察された(C44H73O,lNa
一800.5050が計算値)。A−28086因子D
の遊離酸の質量スペクトル中、778に小さいピークが
760.5117(C44H72O,O76O.5l2
5が計算値)に大きいピークが観察された。遊離酸の質
量スペクトルに於けるm/E76Oは分子イオンから水
を失つた結果である。従つて因子Dの遊離酸の分子イオ
ン組成はC44H74Ollである0 A−28086因子Dの実験式としては、C44H74
Ollが提示されている。
因子Dの元素分析の結果は次の百分組成を示す:C,6
7.59(!);H,9.38%:0,22.77%0
C44H74011としての理論的百分率組成は、C,
67.87(!);H,9.5l%;0,22.77%
である。
A−28086因子Dの赤外線スペクトル(第8図)に
は次の観察される極大吸収が含まれている。
:2.89、3.39、3.43、3.50、5.88
、6.90、7,27、7.60、7.84、9.00
19.26、9.62、10.31、10.58、11
.10111.49ミタロン。95%含水エタノール中
でA−28086因子Dは全然紫外部に吸収帯を示さな
い。
重水素化クロロホルム中でのA−28086因子Dの核
磁気共鳴スペクトルは次の特性を示した:δ6.001
4.2014.10、4.0013.98、3.92、
3.86、3.83、3.79、3.67、3.64、
3.57、3.54、2.88、2.81、2.71、
2.62、2.58、2.48、2.43、2.37、
2.29、2.21、2.15、2.10、2.04、
1.97、1.89、1.83、1.76、1.68、
1.61、1.58、1.55、1.47、1.39、
1.3011、25、1.18、0.95、0.90、
0.88、0.84、0.74、0.68ppm0アセ
トン一水から結晶させた抗生物質A一28086因子D
は下記の特徴あるX一線粉末回折のパターンをもつてい
る(Cu++照射、1.5405λ、ニツケル・フイル
タ一,d=格子間隔(オングストローム))。
温度25℃で測定した時、抗生物質A 28O86因子Dの比旋光度は−56 0.1、メタノール)である。
80%の含水ジメチルホルムアミド中におけるA−28
086因子Dの電気滴定の結果、PKa値8.67を持
つ滴定し得る基の存在を認めた。
抗生物質A−28086因子Dは、メタノール、エタノ
ール、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、
酢酸エチル、クロロホルム、アセトンならびにベンゼン
のような種々の有機溶媒に可溶である。A−28086
因子Dは、ヘキサンのような非極性の有機溶媒には極め
て微量しか溶解せず、水には不溶である。抗生物質A−
28086因子Dは塩類およびエステル誘導体類を形成
しうる1個の酸基を有し、かつエステル化のできる水酸
基を少くとも一個有する。
以上に列挙した物理学的性状に基いて、抗生物質A−2
8086因子Dの構造が提案されている。
しかしながら、その構造決定は単に推定されたものであ
るから、ここに提示された構造が単に一つの実験に基づ
く仮説を表したものであることを理解されるべきである
。A−28086因子Dの推定構造は式に示される。〔
式中、R1がCH3,R2がC2H5であるかもしくは
R1がC2H5,R2がCH3である。
〕検出生物としてバスルス・ズブチリスATCC663
3を用いた時の種々の系の濾紙クロマトグラフイ一にお
ける抗生物質A−28086因子A,BおよびDのRf
値を第1表に掲げる。第2表に、再び、バチルス・ズブ
チリス ATCC6633を検出生物として用い、シリカゲル(
層の厚さ0.25mmに予め塗布された平板、F−25
4,E.メルタ社製品)上で行つた2種類の薄層クロマ
トグラフ系における抗生物質A28O86因子A,Bお
よびD(7)Rf値を掲げる。
A−28086−1と仮称した今一つの物質が抗生物質
A−28086複合体に伴つて副生する。このA−28
086−1には微生物学的に活性はないが構造的にA−
28086抗生物質類と関連性がある。A−28086
−1は白色結晶性化合物(アセトン・水より結晶化)で
あり、約160〜162℃の融点をもつている。A−2
8086一と合成により調製したA−28086因子A
のメチルエステルのNMRスペクトルや他の性質の比較
研究の結果、A−28086−1はA−28086因子
Aのメチルエステルないしは立体異性体のような近縁化
合物である証拠が得られた。A−28086−1は活性
のA−28086抗生物質因子類に混ざつて最初に沈澱
してくるが、シリカゲル・クロマトグラフ法によつて他
から容易に分離される。溶出溶媒に酢酸エチルを用い、
検出にバニリン噴霧試薬(3%のバニリンのメタノール
溶液に、本液100m1につき濃H2SO4O.5ml
を添加したもの)を用いるシリカゲル薄層クロマトグラ
フ法での概略のRf値は0.53である。バニリンを噴
霧して加熱すると、A−28086−1は青色のスポツ
トを与えるが、一方A−28086抗生物質類は明るい
桃色のスポツトを与え、このものはすみやかに暗褐色昧
を帯びた青色に変る。
抗生物質A−28086因子A,BおよびD1ならびに
本明細書記載の因子AおよびDのアシル・エステル誘導
体は塩類を形成しうるものである。
生理学的に許容される塩は、薬理学的にも許容される塩
、すなわち、温血動物に対する全体としての毒性が、塩
でない状態と比較して増加しない塩を意味する。A−2
8086因子AおよびBの代表的な、かつ適切なアルカ
リ金属塩やアルカリ±類金属塩にはナトリウム、カリウ
ム、リチウム、セシウム、ルビジウム、バリウム、カル
シウム、およびマグネシウム塩等がある。またA28O
86因子AおよびBの適切なアミン塩としてはアンモニ
ウム塩ならびに第四級のC1〜C4アルキルアンモニウ
ム塩およびヒドロキシ−C2〜C4−アルキルアンモニ
ウム塩等がある。
アミン塩の具体的な例としては、A−28086因子A
およびBが水酸化アンモニウム、メチルアミン、第2級
ブチルアミン、イソプロピルアミン、ジエチルアミン、
ジイソプロピルアミン、エタノールアミン、トリエチル
アミン、3−アミノ−1−プロパノール等と反応して生
成する塩がある。A−28086因子A,BおよびD1
ならびに因子AおよびBのアシル・エステル誘導体のア
ルカリ金属およびアルカリ土類金属のカチオン性塩類は
通常のカチオン性の塩類の公知の調製法によつて造られ
る。
例えば、遊離酸の状態の抗生物質因子ないしはエステル
誘導体を加温したメタノールまたはエタノールのような
適当な溶媒に溶解し、この溶液に、希望する無機塩基の
厳密な計算量をメタノール水に含ませた溶液を加えれば
よい。こうしてできた塩は、溶媒の濾過や蒸発のような
常套の方法によつて単離できる。有機アミン類との反応
で形成される塩も同様の方法で調製することができる。
例えば、アセトンのような適当な溶液中で、ガス状ない
しは液状のアミンを抗生物質因子の溶液に加え、溶媒と
過剰のアミンを蒸発除去すればよい。家畜病治療薬剤学
の技術でよく知られているように、抗生物質で家畜を治
療する場合、抗生物質の形状はあまり重要ではない。
大抵の場合には、動物の体内の状態によつて、薬物は服
用させられた状態以外の諸状態に変化する。
従つて、塩の形で服用させることは、治療法自体には意
義がない。
しかし経済上、便宜上、ならびに毒性の理由から塩の形
が選ばれることがある。A−28086因子Aはアシル
・エステル誘導体を形成する。エステル化は任意のC2
〜C6一酸無水物ないしは酸クロライドで処理した時に
、A−28086因子Aの水酸基群の一個所で起る。例
えば、このようなエステル類の典型的な調製法としては
A−28086因子Aを、相手の酸の無水物と室温で反
応させる方法がある。これらのエステル誘導体はまた抗
生物質として有効であり、かつ飼料利用効率を増加させ
る薬剤としても有用である。以下の各項に、これらのA
−28086因子Aのアシル・エステル誘導体類の特性
を記述する。
A−28086因子Aのアセチル・エステル誘導体は融
点約100〜103℃の白色結晶性(アセトン一水より
)の物質である。A−28086因子Aアセチル・エス
テル誘導体の実験式はC45H74Ol2で、分子量は
約807であるが、何れもA−28086因子Aに提案
された実験式を基礎にしたものである。因子Aのアセチ
ル・エステル誘導体の元素分析値を示す。計算値、C4
5H74Cl2として、C,66.97Ol);H,9
.24%;0,23.79%、実測値、C,67.67
%:H,8.7l%;0,23.130!)。
A−28086因子Aのアセチル・エステル誘導体のク
ロロホルム中でとつた赤外線吸収スペクトルを第3図に
示した。下記の極大吸収帯が観察される。2.85、3
.36、3.38(強)、5.80、6.83、7.2
5、7.52(強)、7.60(弱)、7.80(強)
、8.45(強)、8.80(強)、8.95(強)、
9.10(強)、9.20、9.63、9.80(強)
、10.12(弱)、10.25(弱)、10.50ミ
クロン。
エタノール中でのA−28086因子Aアセチルエステ
ルの紫外線吸収スペクトルでは末端吸収だけが観察され
た。
80%の含水ジメチルホルムアミド中におけるA−28
086因子Aアセチルエステル誘導体の電気滴定の結果
8.5のPKa値を持つ滴定し得る基の存在が示された
A−28086因子Aのプロピオニルエステル誘導体は
、融点約96〜98℃の白色結晶性(アセトン一水から
)の化合物である。
A−28086因子のプロピオン酸エステル誘導体は、
A28O8゛6因子Aについて提案された実験式に基く
と、その実験式はC46H76Ol2で、分子量は約8
21である。
因子Aのプロピオン酸エステル誘導体の元素分析値の結
果から下記の百分率組成の値が得られた。計算値、C4
6H76O,2として、C,67.29%;H,9.3
3(Ff);0,23,38%、実測値、C,66.O
6Ol);H,9.l7%;0,23.41%0A−2
8086因子Aのプロピオン酸エステル誘導体のクロロ
ホルム中における赤外線吸収スベクトルを第4図に示し
た。
下記の極大吸収が観察された。2.85、3.33、3
.38(強)、3.45(強)、5.75(強)、5.
82、6.81、7.22、7.30(強)、7.50
(弱)、7.60(弱)、7.8018.43、8.7
5(強)、8.90、9.05、9.15(強)、9.
50(強)、9.63、9.83(弱)、10.05(
強)、10.13、10.20(強)、10.45、1
0.68ミクロン。
エタノール中でのA−28086因子Aのプロピオン酸
エステル誘導体の紫外線吸収スペクトルでは末端吸収だ
けが観察された。抗生物質A−28086因子Aの酪酸
エステル誘導体は、融点約96〜98℃の白色結晶性(
アセトン一水から)の化合物である。
A−28086因子Aの酪酸エステル誘導体は、A−2
8086因子Aについて提案された実験式から推察され
るように、その実験式はC47H78Ol2で、分子量
は約835であり、C,67,6O%;HJ9.4l%
;0,22.99%の近似的組成を持つている。A−2
8086因子Aの酪酸エステル誘導体のクロロホルム中
における赤外線吸収スペクトルを第5図に示した。下記
の極大吸収が観察された。2.89、3.40、3.4
5、3.51、5.85、5.92(強)、5.97(
強)、6.9017.3017.84(弱)、8.55
、8.85(弱)、9.01(強)、9.26、9.7
6、9,95、10.31、10.64ミクロン。
抗生物質A−28086因子Aのきつそう酸エステル誘
導体は、約173〜175℃の融点を持つ白色結晶性化
合物(アセトン一水より)である。
A−28086因子Aのきつそう酸エステル誘導体は、
A−28086因子Aの実験式から推察した実験式は、
C48H8OO,2、分子量約849でC,67.89
%;H,9.5O(f/);0,22.61%なる近似
元素組成を持つている。A−28086因子Aのきつそ
う酸エステル誘導体のクロロホルム中における赤外線吸
収スペクトルを第6図に示した。
下記の極大吸収が観察された。2.90、3.40、3
,45、3.51、5.87、5.92(強)、5.9
9(強)、6.91、7.30、7.69(弱)、7,
87(弱)、8.16、8.58、8.85(弱)、9
.26、9.76、10.00(弱)、10.31、1
0.64ミタロン。
抗生物質A−28086因子Aのカプロン酸工スチル誘
導体は、約163〜167℃の融点を持つ白色結晶性化
合物(アセトン一水より)である。
A−28086因子Aのカプロン酸エステル誘導体は、
A−28086因子Aとして提示された実験式から推定
した実験式C4,H82O,2、分子量約863および
C,68.l8%;H,9.58%;0,22.24%
なる近似元素組成を持つている。A−28086因子A
のカプロン酸エステル誘導体のクロロホルム中における
赤外線吸収スペクトルを第7図に示した。下記の極大吸
収が観察された。2.90、3.40、3。
45、3.51、5.87、5.92(強)、5.97
(強)、6.90、7.30、7.66(弱)、7.8
4(弱)、8.16、8.58、8.85(弱)、9.
05(強)、9.17、9.72、9.95、10.2
9、10.62ミクロン。
A−28086因子Aをアシル化すると、1H核磁気共
鳴スペクトルにおいて次のような変化の起ることが分つ
た。カルビニル共鳴が約4ppmにおいて起り、約5.
3ppmだけ(正確な位置は種々のアシル誘導体で僅か
に変る)下の領域に移行(シフト)する。その結果ビニ
ル・プロトン・シグナルも移行する。このシフトは、下
に示した部分構造中に現わされている変化に特徴的であ
る。(この図ではRはC1〜C,−アルキルを現わす。
)この部分構造は、1H一同一核内共役解除(ホモメク
レア・デカツプリング)実験結果ならびに、酢酸および
プロピオン酸・エステル誘導体からの13C一核磁気共
鳴実験結果と完全に一致する。A−28086因子AO
I)C2〜C6−アシル・エステル誘導体類はメタノー
ル、エタノール、ジメチルホルムアミド、ジメチル・ス
ルホキシド、酢酸エチル、クロロホルム、アセトン、お
よびベンゼンのような種々の有機溶媒に溶解する。しか
しヘキサンのような非極性有機溶媒には僅かしか溶解せ
ず、かつ水には不溶である。A−28086のC2〜C
6−アシル・エステル誘導体はどれも塩やエステル誘導
体を形成しうる酸基を1個有する。
本発明における新規抗生物質は、ストレプトマイシス・
オーレオフアシエンスのA−28086生産性を有する
菌株を、実質的に抗生物活性が産出されるまで、好気的
撹拌条件の下で適切な培養基中で培養することによつて
生産される。
生成した抗生物質類は公知の種々の分離精製法によつて
回収される。A−28086抗生物質の構造に有用な新
型微生物の一つは、トルコのアララト山上で採集された
士壊試料から分離された。
この生物は、シヤーリング(E.B.)およびゴツトリ
ブ(D.)によつて“゜コオペラチブ・デスクリプシヨ
ン・オブ・タイプ・カルチユア一・オブ・ストレプトマ
イシス、Lアデイシヨナル・スペシーズ・デスクリプシ
ヨンズ・ブロム・フアースト・アンド・セコンド・スタ
デイズ′3インターナシヨナル・ビウレチン・オブ・シ
ステマテイツク・バクテリオロジ一.18巻、279〜
392頁(1968)に記述されている如く、ストレプ
トマ・rシス・オーレオフアシエンス8ダツガ一(St
reptOmycesauresfaciensDug
gar)の一菌株として分類されている。この分類法は
若干の付加的標準を添えてインターナシヨナル・ストレ
プトマイシス・プロジエクト〔シヤーリング(E.B.
)およびゴツトリープ(D)、メソツズ・フオア・キヤ
ラクタリゼーシヨン・オブ・ストレプトマイシス・スペ
ーシーズ・インターナシヨナル・ビユレチン・オブ・シ
ステマテイク・バクテリオロジ一、16巻313〜34
0(1966)〕で推挙されている方法に基づくもので
ある。色彩名はSCC一NBS法に従つて選定した〔ケ
リ一(K.L.)およびジヤツド(D.B.)の゜“ザ
・ISCC−NBS・メソツド・オブ・デジグネーチン
グ・カラー・アンド・ア・デイクシヨナリ一・オブ・カ
ラー゜ネームズ″U.S.Dept.OfCOrrrn
erce,二Circ.553,l955,Washi
ngtOn,D.C.)。括弧内の数字や記号はトレス
ナ一およびバツカス式の色彩系列を参照した〔トレスナ
一(H.D.)・アンド・バツカス(S.J.)、′6
システム・オブ・カラー・ホイールズ・フオア・ストレ
プトマイシ エス・タクソノミ一”アプライド・ミクロ
バイオロジ一・11巻,335〜338(1966)〕
o色命名表には下に線を引いた。メルツおよびポウルの
カラープロツクは括弧内に入れた〔メルツ(A)アンド
・ポウル(M.R.)、゛゜デイクシヨ 3ナリ一・オ
ブ・カラー”マツクグロウニヒル・ブツク・コンパニ一
、インコーポレーシヨン、ニユーヨーク、N.Y.,〕
o培養菌は特に註を加えておらぬ限り30℃で14日間
生育させた。
5A−28086生産菌
株NRRL5758の特性記述。形態 胞子形成気菌糸は鉤状、輪状、および螺旋状のものから
成る。
典型的な屈曲直腸型の形態も観察 4される。胞子は短
くかつ円筒形で、10〜50個の胞子が鎖状につながつ
ている。胞子は1.3μ×1.75μの大きさである(
1.3μ〜1,95×1.3μの範囲)。電子顕微鏡に
よつて観察したところ、胞子の表面構造は平滑である。
各種の培地上におけるNRRL5758の培養的特徴・
ISPβ2(酵母エキズ−麦芽工キズ)培地:発育旺盛
、裏面は中位の黄色〔11K3〕、気菌糸の発生は中位
ないし良好、胞子形成、白色(W)12baおよび暗灰
色(Gy)31n1溶解性色素なし。
・ISPβ3(オートミール)培地: 発育良好、裏面は灰黄色〔11B2〕、気菌糸の生成は
十分、暗灰色(Gy)31n、褐色溶解性色素少々。
・SPβ4(無機塩類一澱粉寒天)培地:発育旺盛、裏
面は淡黄褐色〔12E5〕、気菌糸および胞子(W)紫
がかつた白色13baないし(Gy)明るい灰色d1溶
解性色素なし。
・ISPβ5(グリセリンーアスバラギン寒天)培地:
発育良好、裏面は青昧がかつた黄緑色〔10B0気菌糸
発生良好、胞子(Gy)黄灰色2dc、ない明るい灰赤
褐色5fe、溶解性色素なし。
・トマト・ペーストオートミール寒天培地:発育旺盛、
裏面は淡黄褐色〔13H7〕、気菌糸および胞子生成中
位ないし良好(W)白色aないし(Gy)培地は灰色g
:極微量の褐色溶解性色素。
・グリセリン−グリシン寒天培地: 発育旺盛、裏面は暗灰黄色〔1216〕、気菌糸および
胞子形成良好(Y)青昧ある黄色2db、溶解性色素な
し。
・葡萄糠−アハスパラギン寒天培地: 発育旺盛、裏面は灰緑黄色〔12E2〕、気菌糸および
胞子多し(Gy)黄灰色2dc、極微量の褐色溶解性色
素。
・普通寒天培地: 発育良好、裏面は灰黄色〔12B2〕、気菌糸および胞
子あるも、生成貧弱のため色の指定なし、溶解性色素な
し。
・ベネツトの寒天培地: 発育旺盛.裏面は灰黄色〔12K3〕、気菌糸および胞
子生成貧弱(Gy)黄灰色2dc、溶解性色素なし。
・リンゴ酸カルシウム寒天培地: 発育良好、裏面は灰褐色〔15C8〕、気菌糸.および
胞子形成なし、褐色溶解性色素あり、接種位置透明。
・ツアベツタの寒天培地: 発育貧弱、生育貧弱のため色の指定なし。
・エマーソンの寒天培地: 発育旺盛、裏面灰黄色〔11J5〕、気菌糸および胞子
なし、溶解性色素なし。
・チロシン寒天: 生育旺盛、裏面淡いオリーブ褐色〔14C4〕、気菌糸
および胞子多し、(W)b(中央部)ないし(Gy)淡
褐灰色3fe(周辺部)、僅かな褐色溶解性色素。
・トリフトン−酵母寒天培地: 生育貧弱、色の指定なし。
次に、標準処方に従つて、NRRL5758菌の生理学
的性質を調べた。
観察された性状と知り得た特徴は次の如くである。生育
温度(ISP26〜30℃生育良好:培地β2酵母工キ
ズ、0〜37℃生育旺盛かつ胞麦芽工キズ斜面) 子
形成:45℃菌糸のみ僅かに生育、赤色溶解性色素生成 さらに、NRRL5758菌について行つた炭素源利用
能をしらべた結果は下に示す如くで、菌の生育の度合を
示すのに用いた記号は、+ 生育良好、炭素利用陽性 (+) 貧弱ないしまずまずの生育 (−) 生育微弱、炭素利用多分なし 生育せず、炭素利用せず、 今一つの新規のA−28086生産微生物は、化学的な
変異処理を施した後、一連の自然淘汰法によつてストレ
プトマイシス・オーレオフアシエンスNRRL5758
から誘導したものである。
NRRL8O92として同一種と同定された本微生物は
まよストレプトマイシス・オーレオフアシエンス(St
reptOmycesaureOfaciens)夕1
カーの一菌株として分類した。この分類は以前に記述さ
れたストレプトマイシス分類法ならびに類似の培養条件
を使用したNRRL8O92菌の研究に基づく。これら
の研究に於て観察されたN田也8092菌の特徴を以下
の諸項目に総括記述した。A−28086生産菌株NR
RL8O92の特性記述形 態 ISPβ7培地(チロシン寒天)上で、本培養菌は往々
鉤状気菌糸(HOOk)を形成するが、主として短い直
立した胞子柄(SpOrephOre)を形成する。
胞子鎖は一連あたり10胞子以下で、通常は一連につき
4〜7胞子である。
短い、直立した胞子鎖が次の培地で観察された:ISP
β3、ツアベツク溶液寒天およびISPβ5。またエマ
ーソンの寒天上では多数の集束菌糸が観察された。チロ
シン寒天(ISPβ7)と葡萄糖一アスパラギン寒天上
で電子顕微鏡観察を行つた。胞子は平滑で、長さ1.2
μ〜2.0μ、幅約1.0μの大きさの範囲で分布して
いる。平均的な胞子の大きさは1.6μ×1.0μo各
種培地におけるNRRL8O92の培養的特徴:・IS
Pβ2(酵母エキズ−麦芽工キズ)培地:発育十分、裏
面は淡黄褐色〔12H8〕、気菌糸十分、胞子形成貧弱
、気菌糸は淡灰色〔11A1〕、溶解性色素なし。
・ISPβ3(オートミーノ(ハ)培地:生育まばら、
裏面透明、気菌糸なし。
溶解性色素なし。・ISPβ4(無機塩一澱粉寒天)培
地:発育中位、裏面灰黄色〔11B2〕、気菌糸に乏し
くて、胞子形成す、気菌糸は青昧ある黄灰色〔10A1
〕、溶解性色素なし。
・ISPβ5(グリセリン−アスパラギン寒天)培地:
発育中位、裏面は青味ある黄色〔10F2〕、気菌糸十
分、胞子形成貧弱、気菌糸は白色〔10A1〕、溶解性
色素なし。
・トマトペースト−オートミル寒天培地:発育中位、裏
面は灰色がかつた緑黄色、気菌糸十分、胞子形成中位で
淡青灰色〔53A2〕、溶解性色素なし。
・グリセリン−グリシン寒天培地: 発育旺盛、裏面は灰黄色〔11EA〕、気菌糸中位で白
色〔10A1〕、胞子形成せず、溶解性色素なし。
・葡萄糖−アスパラギン寒天培地: 発育中位、裏面は淡黄色〔10F2〕、気菌糸胞子形成
とも中位、白色〔10A1〕、溶解性色素なし。
・普通寒天培地: 生育まばら(Sparse)、裏面は青昧ある黄色〔1
0B2〕、気菌糸なし、溶解性色素なし。
・ベネツトの寒天培地:発育十分、裏面の培地黄桃色〔
11A7〕、気菌糸極めて貧弱、胞子形成なし、溶解性
色素なし。
・リンゴ酸カルシウム寒天培地:発育極めて不良、透明
、気菌糸なし、溶解性色素なし。
・ツアベツク液寒天培地: 生育極めて不良、裏面透明、気菌糸なし、溶解性色素な
し。
・エマーソンの寒天培地: 発育中位、裏面灰黄色〔1115〕、気菌糸点在す、胞
子形成なし、溶解性色素なし。
・チロシン寒天培地: 発育中位、裏面は淡黄褐色〔12H6〕、気菌糸中位、
周辺は淡青灰色〔53A2〕、中心部は白色に近い、胞
子形成は中程度、溶解性色素なし。
・トリフトン一酵母寒天培地:生育極めて不良、透明、
気菌糸なし、溶解性色素なし。
NRRL8O92菌はまた、標準処方に従つて、特定の
生理学的性質を調べた。
観察した性状と、知り得た特徴は次の如くである。生育
温度(ISP培地β2酵母工キズ麦芽工キズ斜面):2
5℃で旺盛に生育、十分(まずまず)な気菌糸生成、裏
面淡褐色、溶解性色素なし、3『Cで生育旺盛、気菌糸
十分、裏面淡褐色、溶解性色素なし、37℃で生育旺盛
、気菌糸十分、裏面は褐色、溶解性色素褐色、40℃、
生育旺盛、気菌糸はまばら、裏面は赤褐色、溶解性色素
深赤褐色あり、45℃、生育十分、気菌糸なし、裏面は
赤褐色、中程度の赤褐色色素。
次に、NRRL8O92菌について行つた炭素源利用能
を吟昧した結果は下に示す如くであり、用いた記号は生
育の度合を示す。
+ 生育良好、利用能陽性 (+) 生育弱ないし十分(まずまず) (−) 生育微弱、利用能なしと推定 生育せず、 利用能なし (炭水化物無添加) A−28086生産性のストレプトマイシス・オーレオ
フアシエンス株の若干の性質は、シヤーリングおよびゴ
ツトリーブにより記述されている生物の性質と異つてい
る。
これらの差異を第3表に総括表示した。NRRL575
8菌(5NRRL8092菌との特異性の差異を第4表
に総括した。
レプトマイシス・オーレオフアシエンスの培養物は、寄
託されて、米国イリノイ州ペオリア61604にある米
国農務省の農業研究サービスの北方市場取引ならびに栄
養研究部(TheHOr一ThernMarketin
gandNutritiOnRese一ArchDiv
isiOn.U.S.Dept.OfAgricul−
Ture.AgriculturalService,
PeOria,lllnOis,6l6O4)の保管収
集物の一部となつており、そこからNRRL5758お
よびNRRL8O92なる寄託番号で入手できる。
また、ストレプトマイシン・オーレオフアシエンスNR
RL5758およびストレプトマイシス・オーレオフア
シエンスNRRL8O92は千葉市稲毛東5丁目8番1
号に住所を有する工業技術院微生物工業技術研究所にそ
れぞれFERM−PNO.3O98号およびFERM−
PNO.3O99号として寄託されている。ストレプト
マイシス・オーレオフアシエンスNRRL5758ある
いはストプトマイシン・オーレオフアシエンスNRRL
8O92の生育は、多くの培養基のうちの任意のものが
用いられる。
しかしながら生産上の経済性、即ち収率の善し悪し、な
らびに生成物分離の難易をいう点で好適な培養基という
ものがある。大規模な発酵で好ましい炭水化物源は、例
えばタピオカのデキストリンと蔗糖であるが、その他葡
萄糖、とうもろこし澱粉、果糖、マンノース、麦芽糖、
乳糖等々もまた用いることができる。他にもコーン油、
ピーナツト油、大豆油および魚油が有利な炭素源となる
好ましい窒素源は酵素で分解されたカゼインであるが、
ペプトン大豆粉、綿実粉、グルタミン酸のようなアミノ
酸等々もまた用いられる。培養基に加えられる無機栄養
塩類としては、ナトリウム一、マグネシウム一、カルシ
ウム一、アンモニウム一、塩酸−、炭酸−、硫酸−、硝
酸−イオンの様なイオンを作るような従来の可溶性塩類
がある。微生物の生育と増殖に必要な微量要素もまた培
地に含有させるべきであり、かかる微量要素は通常、微
生物の生育要求に見合うだけの量は培地中の他の成分の
夾雑物として混入している。
大規模な発酵培養基において、泡立ちが問題となるなら
、ポリプロピレン・グリコールのような消泡剤を少量(
例えば0.2m1/l)添加することも必要であろう。
その他、絶対に必要ではないけれども、A一28086
生産性のストレプトマイセス・オーレオフアシエンス株
の該抗生物質生産は、大豆油のような油の少量の添加に
より増強される事を付記しておく。
次に、A−28086抗生物質の実質上有意義な量だけ
生産するためには、タンク内で通気攪拌発酵するのが好
ましいが、少量のA−28086抗生物質なら振盪フラ
スコ培養によつて得られるであろう。
微生物を胞子の形態のままで大型タンクに接種すること
に伴なう抗生物質産生の時間的なずれ(1ag)のため
、生育力のある種菌を接種することが好ましい。生育力
のある種菌とは、微生物の新鮮で、活発に増殖している
培養物のことで、これは、少量の培地に胞子形または菌
糸片を接種して調製される。この生育力のある種培養物
を、更に大型タンクに移殖する。生育力ある種培養物の
増殖に使用する培地は大型タンクに用いるものと同一で
あつてもよいが、またそれ以外の培地も用いられる。次
に、本A−28086生産微生物は約20〜40℃の温
度で増殖しうるが、約27〜30℃の温度に於てA−2
8086の最も好ましい生産が起るようである。
好気的攪拌培養では慣例として滅菌空気が培地に吹き込
まれる。
微生物を十分に増殖させるために、タンク生産で用いら
れる空気量は、通常毎分、培養液量の0.1容量以上で
あることが好ましいとされている。このA−28086
抗生物質を効果的に生産させるための、タンク生産に使
用する空気量は、タンク中の培養プロスの0.25容量
以上であることが殊に好ましい。高度の溶解酸素のため
に該抗生物質の生産が抑制され、低下するようなことは
ない。抗生物質生産は、発酵期間中、培養プロスないし
は培養菌苔固形物抽出物を試料として、目的とする抗生
物質類に感受性のあることが知られている微生物を対象
とした抗生物質活性試験によつて追跡することができる
本発明の抗生物質類の試験に有用な検定用生物の一つは
バチルス・ズブチリスATCC6633である。この生
物学的検定法は寒天平板上でペーパー・デイスク(Pa
per−Disc;濾紙平円板)を用いることにより好
適に遂行される。培養物無接種時の培地の当初のPHは
、使用する培地により多様である。
一般にそのPHは6.0〜7.5の範囲にあればよく、
発酵の終末期(生産物の収穫期)のPHはやや高まり、
6.5〜8.0の範囲となるのが普通である。一般に、
抗生物質活性が検出されてくるのは発酵の二日目からで
あり、通常約6〜10日の間に最大の成果が現われてく
る。
前記のA−28086抗生物質は、通常攪拌発酵条件下
での産生に続き、発酵技術上公知の方法によつて、発酵
液から回収することが出来る。
A−28086産生微生物の発酵中に出来る抗生物質活
性は菌糸塊および培養濾液の何れにも見出される。従つ
て、濾過、抽出ならびに吸着クロマトグラフ法を含む諸
方法を組合せることによつて、A−28086抗生物質
類の最大限度の回収が達成されるのである。発酵プロス
の全部ないしはその濾液からA−28086抗生物質類
を分離するのに好ましい溶媒は酢酸エチルであるが、そ
の他、通常用いられている溶媒類でも十分である。A−
28086因子A,BおよびDを分離するのに特に有利
な方法の一つは全発酵プロスのPHを約3.0位に下げ
ることである。このPH3.Oでは、A−28086因
子A,BならびにDは菌糸塊から都合よく濾別できる。
A−28086因子類を分離する今一つの有利な方法は
、例えば、重炭酸ナトリウムのような重炭酸塩をプロス
1リツトル当りほぼ1グラムの計算で全発酵プロスに添
加することである。それによつて、A−28086因子
類は塩の形で菌糸塊と都合よく分離されるのである。該
抗生物質類を菌糸塊から分離するためにメタノールは好
ましい溶媒であるが、その他の低級アルコール類やケト
ン類もまた用いられる。次に共沸蒸溜法もまたA−28
086抗生物質類の回収に使用すると有利である。この
方法では、発酵プロスに、水と適当な共沸混合物を形成
する有機溶媒が加えられる。この溶媒−プロス混合液を
共沸蒸溜してプロスから少くとも半量の水を除すると、
A−28086抗生物質類が有機溶媒中に溶存している
水一溶媒混合物が得られる。不溶性の副生物は濾過また
は遠心分離法のような適当な方法で分離し、A−280
86抗生物質類は溶媒の蒸発、非溶媒の添加による沈降
あるいは抽出法のような公知の方法によつて有機溶媒か
ら回収される。かかる回収方法を行うために水と適当な
共沸混合物を形成する有機溶媒には、例えば、ブチルア
ルコール、アミルアルコール、ヘキシルアルコール、ベ
ンジルアルコール、酢酸ブチル、酢酸アミル、1,2−
ジクロロエタン、3−ペンタノン、2−ヘキサノン、ベ
ンゼン、シクロヘキサノン、トルエン、その他キシレン
類等がある。
大規模な発酵製造工程では共沸蒸溜法による回収が特に
有利である。
共沸蒸溜液として確保された水と溶媒の両液は既知の技
法で分離し、更に以后の使用にまわすことができる。ま
たこのようにして除かれた水には汚染物が含まれていな
いし、廃液処理操作を必要としない。また、このように
して分離された溶媒は同じ工程に再利用できる。次に、
抽出や吸着の操作を追加してA28O86抗生物質の純
化が進められるのである。
シリカ・ゲル、炭素、フロリジル(硅酸マグネシウムの
商標、フロリヂン社製品(米国フロリダ州タラハシ一私
書函第989在))その他が有利に用いられる。あるい
は、培養固形物に培養液の諸成分や菌糸が含まれている
ので、抽出や分離を行わず、出来れば水分だけ除いてA
−28086抗生物質供給源として用いられる。
すなわちA−28086の抗生物活性が出た後、培養プ
ロスを凍結乾燥して直接に飼料のプレミツクスに混合す
ることができるのである。今一つの着眼として、培地中
にA−28086活性が生じた后に、菌体を分離乾燥し
たものは直接に飼料プレミツクスに使用できる製品とな
る。
こうした用途のための菌体を分離する場合に、炭酸石灰
(約109/l)を加えると、濾過し易く、改良乾燥産
品となる。このように永年用いられて来た条件下で、前
記のNRRL5758およびNRRL8O92と命名さ
れたストレプトマイシス・オーレオフアシエンス株は、
抗生物因子A−28086を主産物として産生するので
ある。
その時々の発酵条件によつて生成因子の比率は変つてく
るが、一般的には因子AはNRRL5758株からの全
回収抗生物質活性の99%以上を占め、NRRL8O9
2株からの全回収抗性物質活性の90%以上を占めてい
る。A−28086因子BはNRRL5758株からの
残りの抗生物活性部の大部を占め、因子Dは微量因子で
ある。
これに反して、A−28086因子DはNRRL8O9
2株からの全回収抗生物活性の約8〜10%に上り、こ
の時は因子Bが微量因子である。抗生物質A−2808
6因子A,BおよびDは、カラムクロマトグラフ法、薄
層クロマトグラフ法、その他の公知の方法を用いて個々
の化合物として相互に分離される。
例えば、シリカ・ゲル土でのカラムクロマトグラフ法を
用い、ベンゼン一酢酸エチルのような、種々の溶媒混合
物でカラムを溶出することによつて、因子A,Bおよび
Dが分離される。シリカゲルカラムにベンゼケ一酢酸エ
チル溶媒混合物を用いると、初めに因子Bが溶出し、因
子A.(5Dはおくれて溶出される。これ迄に記述した
様に、薄層クロマトグラフ法は溶出過程を探知するのに
手軽な方法である。A−28086化合物類は動植物体
に病原性のある細菌や糸状菌の生育を阻止する作用があ
る。
下記の第5表にA−28086の因子A(5Bの微生物
活性を比較表示した。試験方法は通常のデイスク拡散法
(Disc−Diff−UsiOnmethOd)、〔
6mmの吸取紙を生産物1即/溶液1m1の溶液に浸し
、被検生物を接種した寒天平板上にこの吸取紙を置く方
法〕てある。
次に重要なことは、A−28086化合物類が嫌気性細
菌の生育を阻止することである。A−28086因子A
が種々の嫌気性細菌を阻止する最少阻止濃度(MIC)
を、標準の寒天稀釈法で測定した結果を第6表に総括記
載した。
終末点は24時間培養後に判定したものである。A−2
8086因子A(7)C2〜C6エステル誘導体類はま
た抗細菌ならびに抗糸状菌活性を持つものである。また
、ある観点からすると、これらの誘導体は、グラム陽性
菌に対する活性が因子Aよりも増強されたという面も見
られた。そこで、これらの誘導体の若干のものの相対的
なグラム陽性菌活性を、因子Aの持つ活性と比較した。
対照となる化合物類をN.R.クゼルおよびF.W.カ
バナウが、ジヤーナル・オブ・フアルマシユーチカル・
サイエンス60巻(5)、764〜767頁(1971
年)に記載する半自動化されたシステム(エランコ社の
オートターブ8式の微生物試験システム)上で濁度測定
試験法によつて検査した。このA−28086抗生物質
類の検定においては、次のようなテスト・パラメーター
を用いた。検定用の細菌スタフイロコツカス・アウレウ
ス(H−ヒートレ一)NRRLB−314を栄養培地(
PH7)中で37℃で4時間培養したものを使用した。
被検試料および標準品をメタノール一水(10:90)
に溶解した。標準品のA−28086因子Aを2,3,
4、,および50g/mlの濃度でオートターブ8・カ
ラーセル(AutOturb8carOusel)にか
けた。検体化合物類は希釈して1m1当り約3〜4mc
gの活性物質が含まれるようにしてからカラーセルにか
けた。標準品の活性と対比して求められた検体化合物の
相対的活性度を次に示す。A−28086化合物類の抗
微生物活性の今一つの有用な面はミコプラズマあるいは
マイコプラズマ(MycOpIasma)に対する活性
である。
プロイロプロイモニア様(PPLO)としてもまた知ら
れているミコプラズマの種は人間や種々の動物に病原性
がある。このPPLO生物に対して効果のある薬剤は特
に家畜生産業者から要望されている。生体外でのプロス
希釈研究法で測定した種々のミコプラズマに対する抗生
物質A−28086の最低阻止濃度(MIC)を下の第
7表にまとめた。その1m1あたりに10mc9程度の
微量の抗生物質A−28086を含んだ溶液でも動物を
ミコプラズマ種から保護する外用消毒剤として有効であ
る。
次にA−28086化合物類はまた、抗ビールス剤でも
ある。
A−28086因子Aは型の小児麻痺ビールス(Typ
ellpOIiOvirus)、牛痘ビールス(Vac
ciniavirus)、泡疹ビールス(Herpes
virus)およびセムリキ・フオトレスト・ビールス
(SemlikiFOrestvirus)に対して活
性的であり、これらはシミノフによつて記載された〔ア
プライド・ミクロバイオロジ一9巻(1),66〜72
頁(1961)〕試験法と類似の生体外プラーク抑制試
験(InvitrOplaquesuppressiO
ntests)により確証を得たものである。A−28
086因子Aはまた、伝染性胃腸炎ビールス、ニユーカ
ツスル病ビールスおよび感染性牛属鼻孔性気管支炎ビー
ルスに対しても活性を示すが、これらも類似の組織培養
試験で確めたものである。従つて、ある面に於ては、A
−28086化合物はどれも皆、ビールスの抑制を目的
として、経口的にも、局所的にも、あるいは注射によつ
ても哺乳動物に投与することができるのである。
ビールス病の予防または治療上有効な投与量は対照とな
るビールスならびに薬物使用の目的が予防的か治療的か
に基き、哺乳動物の体重1kgに対し約1〜5〜と変動
し、一定しないのが普通である。以上のほか、A−28
086化合物を含有する溶剤は、できれば界面活性剤と
共に、小児麻痺あるいは泡疹のような諸ビールスの存在
している生体外棲息地の消毒にも用いることができる。
かかる場合には約1〜1500mcL41のA−280
86化合物を含有させた溶剤がビールス類の抑制に効果
的である。抗生物質A−28086因子Aの急性毒性は
、マウスの腹腔内注射による投与法でそのLD5Oは7
.15η/Kgである。
次にA−28086化合物類はまた殺虫剤でありかつ殺
だに剤でもある。
A−28086化合物類は昆虫類、例えばメキシコのビ
ーン・ビートル、ミルクウイード・バツクならびに家蝿
に対して効力があるし、ツ一・スポツテド・スパイダー
・マイト(TwO−SpOttedspidermit
e)のようなダニ類にも有効であり、使用も500pp
m程度の少量で足りる。さらにまた、A−28086化
合物はぼうふら(MOsquitelarvae)にも
有効で、使用量は1ppmの少量でよい。このA−28
086化合物の重要な一性質は、その抗コクシジウム活
性である。
例えば、飼育実験の結果、このA−28086のどの化
合物でも0.003%という少量をひよこ(雛鶏)の餌
に人れてやると体重増加が改善され、さらに0.005
%という少量では、コクシジウム症原体に犯されたひよ
この死亡を防ぎかつ損害数が減少する。各種のエイメリ
ア属の病原体を与えたひよこ群における因子Aの効力試
験の諸結果を第8表から第10表に示した。家禽のコク
シジウム症の予防ないし治療のため lには、A−28
086化合物のどれかを、毎日経口的に、無毒で而もコ
クシジウム原虫に有効な量を毎日経口的に鳥に投与する
のが好ましい。
鳥にA−28086化合物を与える方法は多くあるが、
最も簡便なのは生理学的に許容できるような担体1,と
共に与えること、特に好ましいのは鳥の接種する飼相と
共に与える方法である。また、A一28086化合物の
適量を決定する上で種々の因子が考慮されねばならない
が、投与の割合は通常薬物無添加飼料の0.003ない
し0.04%の範囲、2,好ましくは0.005〜0.
02%の範囲にあるであろう。A−28086化合物類
の今一つの重要な性質は、動物の飼制利用効率を改善す
るという性能である。
2例え
ば、A−28086化合物類は発達した反別機能をもつ
反別動物類の飼料利用能率を改良するのである。これま
でにも論じて来た様に、反別動物類における炭水化物利
用効率は、その動物のルーメン 3(反別胃)内の分布
生物相を刺激してアセテートまたはブチレートよりもむ
しろプロピオネートを生成させるように操作することに
よつて高められる。
飼相の利用効率は、ルーメン中のプロピオネート化合物
の生成と濃度とを次の方法を用いて観5察することによ
り探知される。先ず、ルーメン分秘物は、棲管(Fis
tula)を外科的にルーメン内に拡げて設置した雄の
子牛から得られる。
この子牛に穀類に富んだ飼料を与えて保育する。ルーメ
ン流動液の飼相は四枚重ねの。チーズクロス(Chee
seclOth)を透して浸み出させ、この濾液を収集
する。チーズクロスに残留した粒状物質は、初めのルー
メン液量にもどすのに十分な生理的緩衝液に浮遊させ、
再度浸出させる。ジヤーナル・オブ・デ一り一・サイエ
ンス、38、巻1225〜1230頁(1955)中の
チユン等の記載によれば、この際用いられる緩衝液は次
の様な組成を持つている。この2つの濾液を混合して放
置し、浮遊物質を表面に浮遊分離させる。
透明層を分離し、同一緩衝液(1:1)で希釈し、しか
る後PH6.8〜70の間に調節する。希釈されたルー
メン液(10m1)を、上記の飼相40η、大豆蛋白質
追加分17!1f7、ならびに被検化合物を人れた25
m1フラスコに加える。一回の処理ごとに四個の反復フ
ラスコを用いる。また、2組の4個のフラスコがコント
ロールに用いられ、またO時間目のコントロールと培養
16時間目のコントロールが使用される。試験フラスコ
は何れも38℃で16時間培養する。培養が終ると、各
フラスコのPHを測定し、25%のメタ燐酸(2m0を
各フラスコに加える。各試料は放置して沈澱させた後、
上澄液をガスクロマトグラフイで分析してプロピオネー
ト、アセテート、およびブチレート化合物類を測定する
。コントロール以上にプロピオネート生成の増加の認め
られたものか活性化合物としての意義がある。被験化合
物の結果は推計学的にコントロールの結果と比較する。
第11表に処理フラスコ中の発性脂肪酸(FA)の濃度
とコントロール・フラスコ中の濃度との比を示す。炭水
化物利用効率は、ルーメン(反別胃)の内容物の標品を
抜きさることが出来るようにルーメン中に棲管(Fis
tulas)を装置した動物で行われた生体(Invi
vO)試験により更に解明される。
第12表に表示する試験結果は、それぞれ目力か約10
001bs.の棲管を取り付けた成熟した層牛で行つた
ものである。2頭の層牛は正常食で飼育し、各処理群に
おける4頭はこれと同じ飼相にA−28086因子Aを
加えたもので飼育した。
とり出した各100m1づつのルーメン流動液に100
1)のメタ燐酸(100m0を添加し、飼刺を静置し、
しかる後透明液をガスタロマトグラフ法で分析してプロ
ピオン酸濃度を測定した。第12表の結果は14日間の
処理期間中における5回以上の平均をとつたルーメン中
のプロピオン酸濃度の平均増率(パーセント)である。
この際のコントロールには大略20モル・パーセントの
プロピ1オン酸があつた。なおそのうえに、羊の場合に
もA−28086因子Aが飼料利用効率を増進させる事
を証拠づけることが、InvivO試験で証明された。
これらは56日間以上の期間をかけて実行し、その結果
を第13表に総括した。A−28086一因子−D一化
合物類は抗ビールス剤である。
A−28086因子DはメリーランドB型ビールス、m
型小児麻痺ビールス、COEビールス、泡疹ビールス(
Herpesvirus)、およびセミリキ・フオレス
ト・ビールスに対して有 .効である、これはシミノフ
の記載〔アプライド・ミクロビオロジ一、9巻(1)6
6〜72頁(1961)〕と類似の生体外プラーク抑制
試験によつて確認された。A−28086因子Dはまた
、伝染性胃腸炎ビールス、ニユーカツスル病ビールス、
ならび lに感染性牛鼻孔気管支炎ビールスに有効であ
るが、これも同様の組織培養試験により確認したもので
ある。かくの如くA−28086一因子−D化合物類か
ビールスならびに嫌気性細菌の両者に対して抑制活性を
有する事実は、該化合物類を雛鶏、豚、牛、ならびに羊
の腸炎の治療ないし予防用として有利ならしめるもので
ある。
該A−28086一因子−D化合物類はまた反別動物類
の腸内中毒症の治療にも有効である。次に本発明にかか
るA−28086一因子−D化合物類の重要な性質の一
つとして抗コクシジウム症活性があげられる。
InvitrOでの実験の結果、A−28086因子D
はエイメリア・テネラに効く抗コクシジウム活性のある
ことが証明された。以下にその使用法を記載する〔詳細
に関しては、エクスペリメンタル・パラシトロジ一、3
4巻189〜196頁(1973)のL.R.マクダガ
ルドおよびR.B.ガロウエイの報告参照のこと〕。宿
主細胞の培養物はレイトン管(LelghtOntub
e)、プラスチツク製の皿ないしその他の適当な培養容
器類を用いる簡易法によつて調製する。
任意の適当な培地(イーグルの最少必要培地、アーレま
たはハングの調和食塩水中ラクトアルブミン加水分解物
を加えたもの、培地199等)で2〜3日間生長させる
と、通常、適当な単層が生成して感染処理や薬物処理が
容易になる。これらの研究にはひよこの腎臓細胞の一次
培養物を用いた。生活力を有するエイメリア・テネラ(
Eimeriatenella)に感染したひな鳥の便
からその接合子襄を採取し、使用に先立つて清浄にして
殺菌する。この接合子襄を懸濁し、懸濁液に通気発泡さ
せるかまたは羽根付シューカーもしくはその他の適当な
装置でおだやかに浸透しながら室温に保持して発芽させ
る。発芽処理の間、細菌やかびの発育を防止するため、
ニクロム酸カリウム、硫酸または他の薬品を使用するこ
とができる。接合子襄の外壁を機械的に破り、子襄から
出た種虫を活動させるためにトリプシンおよび胆汁酸塩
で処理することにより、子襄から感染力を有する種虫を
完全にはい出させる。
容器中の細胞培養物に生活力のある種虫を導入すること
により、細胞培養物を感染させる。
次いでこれに試験化合物を導入することができる。試験
化合物は好ましくは生理的食塩水中、10(!1Iジメ
チルホルムアミドを使用して導人する。試験の終了時点
における抑制は無性生殖段階に対する抑制である。感染
96時間後、培養物を固定、染色し、顕微鏡で観察する
ことによりその終了時点を測定する。第2世代としての
シゾント(SchizOnCが存在するか否か、単一細
胞層に対する毒性が明らかであるか否かにより、その結
果を活性伍)、不活性(N)または細胞毒性(C)とし
て記録する。上記試験により証明されるA−28086
因子Dの抗コクシジウム活性を要約して第14表に示す
。第14表 抗生物質A−28086因子DA−280
86因子D化合物の有する上記以外の特色は反別動物の
第一胃の機能を高めて飼相の利用効率を増大せしめ得る
ことにある。
反羽動物飼料中の主栄養成分(炭水化物)の利用機構は
よく知られている。動物の第一胃中の微生物が炭水化物
を単糖類に分解し、この単糖類をピルビン酸化合物に変
換する。ピルビン酸化合物は微生物による代謝作用によ
り、揮発性の脂肪機(VFA)として知られたアセテー
ト、ブチレートまたはプロピオネートを形成する(より
詳細には、プーリプリンら著:フイジオロジ一・オブ・
ダイジエスチヨン・アンド・メタポリズム・イン・ザ・
ルミナント(英国ニユーカースル・アポン・ターン在オ
ーリエル・プレス(1970年)刊)408〜410頁
レングの記載参照)。VFA利用の相対的効率について
は、マッググローブ(フードスタフス(1971年6月
19日)19頁)、エスクランドら(J.An.Sci
.第33巻282頁(1971年))、およびチヤーチ
ら(デジエステイブ・フイジオロジ一・アンド・ニユー
トリシヨン・オブ・ルミナンツ第2巻(1971年)6
22および625頁の報告がある。
アセテートおよびブチレート化合物も利用されるが、プ
ロピオネート化合物の効率かより大である。加うるに、
プロピオネート化合物が非常に少ないときには動物がケ
トン症に羅患する可能性がある。それ故、有用な化合物
は動物体内の炭水化物からより高い量のプロピオネート
を産生するように刺激を与え、炭水化物の利用効率を増
大せしめ、またケトン症の羅患率を減少させる。有用な
化合物の第1胃中におけるプロピオネート化合物の生成
および濃度に対する影響を因子Aの場合と同様の操作で
観察することにより、その有用な化合物の活性を測定す
ることができる。試験化合物の結果を対照化合物の結果
と統計学的に比較する。第15表はA−28086因子
Dで処理したノラスコ中の揮発性脂肪酸濃度と対照フラ
スコ中の揮発性脂肪酸濃度の比を示すものである。本発
明の化合物はプロピオネート化合物を増加させることに
おいて典型的効果を有し、それ故にこの化合物を約0.
05〜5.0〜/Kg/日の割合で,反倒動物に経口的
に投与するとき、飼相利用効率を高めることができる。
本発明の化合物を約0.1〜2.5〜/Kg/日の割合
で投与することにより最もよい結果が得られる。本発明
目的化合物の好ましい投与方法は、これを動物飼制と混
合する方法であるが、これを他の方法、たとえば錠剤、
トレンチ剤、大丸薬、カプセル剤の剤型で投与すること
ができる。これら種々の投与剤型は獣医薬理学的によく
知られた方法により製剤化することができる。個々の投
与単位剤型は本発明化合物を処置すべき動物の1日当た
りの投与量に直接関連する量で含有させたものとすべき
である。家畜飼刺とそのトン当りA−28086の30
9から成る飼刺組成物を肥育用家畜に与えることにより
本発明に係る化合物を利用することができる。
この分野で知られているように、牛の飼刺は他の飼相た
とえば家禽の飼制とは異なる。
牛の飼料は粗飼相たとえば綿実穀、トウモロコシサイレ
ージなどを含む。加うるに、牛の飼相はより高率(しば
しば15〜25%)の非蛋白質性窒素源を含有する。通
常、この非蛋白質性窒素源は尿素である。前記のごとく
、本発明のA−28086化合物は抗ビールス剤であり
、また嫌気性菌、特にクロストリジウム・ペルフリンゲ
ンス(ClOStridiU[Tlperfringe
ns)に対して活性を有する。
それ故、にわとり、豚、牛、羊などの腸炎を処置し、予
防するため有用である。またA−28086化合物は反
別動物の腸性中毒症を処置するために有用である。次に
実施例を挙げて本発明の具体的実施態様を説明する。
実施例 1 (4)ストレプトマイシス・オーレオフアシエンス(S
.aureOfaciens)NRRL5758を使用
するA−28086の振盪フラスコ発酵:下記操作に従
つてストレプトマイシス・オーレオフアシエンスNRR
L5758の培養物を作成した。
すなわち、上記組成を有する寒天斜面培地にストレプト
マイシス・オーレオフアシエンスNRRL5758を接
種し、接種した培地を30℃で6〜10日間培養した。
菌体の生育した斜面培養物を牛血清で保護しながら減菌
した白金耳でこすつて胞子を散乱させた。こうして得ら
れた胞子と菌糸片の牛血清浮遊液を凍結乾燥して6個の
ペレツトを造つた。得られた凍結乾燥ペレツト1個を下
記組成の生育用培地50m1に接種した。
250m1容のエルレンマイエルフラスコに収められた
上記の接種済みの生育培地を、直径2インチの円弧運動
をする振盪機上で250rpmの速度で旋回振盪しなが
ら30℃で24時間培養した。
(B)ストレプトマイシス・オーレオフアシエンスNR
RL5758を使用するA−28086のタンク発酵:
多量の接種菌を造るため、上記のようにして培養した生
育培養液10mjを前記の生育用培地と同じ組成をもつ
次の段階の生育培地400m1に接種し、この二度目の
接種培地を21容のフラスコに人れ、直径2インチの円
弧運動式旋回振盪機上で250rpmで24時間30℃
で培養した。
この二度目の生育培養液11を下記組成の減菌された生
産用培地1001に接種するために用いた。
この培地は、15〜20ポンドの圧力で120℃に30
分間加圧殺菌した後のPHが6.7であつた。
このように調整して菌を植えた生産用培地を1651の
発酵タンク内で29℃の温度で10日間発酵させた。
この間発酵液には、毎分培養液量の0.4容量の割合で
無菌空気を通気した。また培養液は250rpmの割合
で普通の攪拌器で攪拌した。実施例 2 下記組成のフラスコ培養基を用いること以外は実施例1
の方法に従い、A−28086抗生物質を生産した。
実施例 3 ストレプトマイシス・オーレオフアシエンスNRRL5
758によつて生産されたA−28086抗生物質複合
体の分離:実施例1に記載した方法によつて得られた発
酵液1321全部を濾過助剤(ハイフロ・スーパーセル
、硅藻士の一種で、ジヨンズーマンビル製造会社製品)
で濾過し、濾液971が得られた。
この濾過液はほぼ同量の酢酸エチルで抽出を試みた。水
層から酢酸エチル抽出液を分離し、500m1ぐらいの
量に濃縮した。この濃縮酢酸エチル抽出物に過剰の石油
エーテル(SkellySOlveF;約101)を加
え、その結果できる不用物質を沈澱させて分離した。分
離後の濾液を減圧下で蒸発し、A−28086抗生物質
複合体6.99を得た。次に、菌体部に含まれるA−2
8086抗生物質複合体は、濾過した菌体を約半量のメ
タノールで2回抽出(621と591)して得られた。
これらの2回のメタノール抽出液を合した後、減圧下で
メタノールを濃縮除去した。この濃縮後に約101の水
層が残つた。この水層を希薄な水酸化ナトリウム溶液で
PH約75に調節した。かくして得られた溶液をほぼ同
量の酢酸エチルで2回(91と101)抽出した。該酢
酸エチル抽出液を合した後、約400m1の量に濃縮し
た。この濃縮酢酸エチル抽出物を大過剰の石油エーテル
中に加えて不要物質を除去したが、その方法としては、
濾過培養液の濃縮抽出物について上に記載した方法を用
いた。濾液中の菌体部から得たA−28086抗生物質
複合体の目方は20.69であつた。実施例 4A−2
8086中の個々の因子AおよびBの単離;A−280
86抗生物質複合体(実施例3に記載したように調製し
たもの)2359を約80dのベンゼンに溶解した。
このベンゼン溶液にシリカゲルカラムクロマトグラフ法
を応用した(9×130?、81sMathes0ng
rade62シリカゲル)。カラムは種々の割合のベン
ゼン一酢酸エチル混合液で溶出した。溶出挙動は薄層ク
ロマトグラフ法で追跡した。溶媒系としてベンゼン一酢
酸エチル(90:10)を用いると、因子Bが最初に溶
出し、個々の因子の一つとして単離された。因子B(4
3〜)はアセトン一水から結.晶させた。Mpl5O〜
153℃。酢酸エチルの割合を徐々に増加しながらベン
ゼン一酢酸エチル混合液で溶出を継続すると、因子Aが
溶出して来た。
因子Aを含む種々の分画を合わせて減圧下で濃縮し、あ
とに残つた残留物をアセトン約150m1に溶解し、こ
のアセトン溶液に水約150m1を加えた。こうして得
られた溶液に1N塩酸を加えてPH3に調節した。酸性
にした該混合液を約1時間攪拌すると、その間に沈澱が
出来る。この沈澱を濾別してアセトン約150m1に溶
かし、水約60m1を加えて再結晶した。生成した結晶
は一夜真空乾燥し、因子A約6.69を得た。結晶の濾
液からアセトンを部分的に蒸発したところ、因子Aの二
次的収得物約1.29が得られた。実施例 5A−28
086因子Aのアセチル・エステル誘導体の製造:抗生
物質A−28086因子A7.49をピリジン150W
LIに溶解、この溶液に無水酢酸50Tn1を添加した
この溶液を十分に混和し、ついで室温で一夜放置した。
水200TLIを加えて十分に混和し、この混合液を室
温で4時間放置した。白色の固形物が沈澱するので、こ
れを濾別し、水洗して風乾した。こうして得た固形物を
アセトン100m1に溶解し、次いでこのアセトン溶液
を真空下に蒸発乾燥した(この操作を3回くりかえした
。)。こうして得られた残渣はアセトン100m1一水
50m1から結晶させ、A−28086因子Aのアセチ
ルエステル誘導体6.14gを得た。融点100〜10
3誘C0実施例 6〜9 実施例5の力法により、ピリジンの存在の下で無水プロ
ピオン酸を因子Aに反応させ、抗生物質A−28086
因子Aのプロピオニル・エステル誘導体を得た。
融点96〜98゜C0実施例5の方法に従い、ピリジン
の存在の下で因子Aを無水n一酪酸と反応させ、抗生物
質A一28086因子A(7)n−ブチリル・エステル
誘導体を得た。
融点79〜81℃。実施例5の方法により、ピリジンの
存在の下で因子Aを無水カプロン酸と反応させ、抗生物
質A一28086因子AO)n−カプロイル・エステル
誘導体を製造した。
融点163〜167℃o実施例5の方法に従い、ピリジ
ンの存在の下に因子Aを無水吉草酸と反応させ、抗生物
質A−28086因子A(7)n−バレリル・エステル
誘導体を製造した。融点173〜175℃。実施例 1
0 A−28086因子Aのナトリウム塩の製造:抗生物質
A−28086因子A5OOηをアセトン50m1に溶
解した。
この溶液に水50m1を加え、さらに5Nの水酸化ナト
リウム溶液を加えて液のPHを10.5〜11にした。
こうして得られた溶液を1時間撹拌し、次いで酢酸エチ
ルで抽出した。酢酸エチル抽出部を真空下に蒸発乾固し
た。残渣をアセトン一水の溶液から沈澱させ、A一28
086因子Aのナトリウム塩378ηを得た。融点12
0〜123℃。実施例 11〜15 実施例10の方法を用いて、抗生物質A一28086因
子(500′19)と飽和水酸化バリウム溶液とから、
抗生物質A−28086因子Aのバリウム塩369ηを
製造した。
融点188〜190ウC0実施例10の方法を用いて、
抗生物質A一28086因子A(500〜)と5Nの水
酸化カリウム溶液とから363〜のA−28086因子
Aのカリウム塩を製造した。
融点165〜167℃。実施例10の方法を用い、抗生
物質A−28086因子A5OOηと1N水酸化セシウ
ムとから540〜のA−28086因子Aセシウム塩を
得た。融点190〜210℃o実施例10の方法により
、抗生物質A−28086因子Bと5N水酸化ナトリウ
ムとから抗生物質A一28086因子Bのナトリウム塩
を製造した。
実施例 16ストレプトマイシス・オーレオフアシエン
ス(S.aureOfaciens)NRRL8O92
を用いるA一28086の振盪フラスコ発酵:下記の組
成の寒天斜面培地でストレプトマイシス・オーレオフア
シエンスNRRL8O92の培養物を製造した。
R68\wつハ一Jiノ ノ すなわち、この斜面培地にストレプトマイシス・オーレ
オフアシエンスNRRL8O92を接種し、接種培地を
30℃で約7日間培養した。
菌の生育した斜面培養物を無菌の牛血清で保護しながら
殺菌した白金耳でこすつて斜面培養物から胞子と菌糸の
浮遊液を調製した。こうして出来た浮遊液を凍結乾燥し
6個のペレツトを調製した。こうして作つた凍結乾燥ペ
レツトの1個を下記組成の生育用培地50m1に接種す
るのに用いた。
′J)′シ;;′JS〜−b′iζ―−一C1−、7p
Hを稀薄なHaOHで6.5に調節した。250m1の
エルレンマイエル・フラスコ中の菌を接種した生育培地
を、2インチの円弧運動する旋回式振盪機上で250r
pII1の速度で、48時間30℃で培養した。
次に、下記組成の発酵用培地50m1に、上記の菌体の
生育した培地(0.5m111パーセント)を接種使用
した。
フ PH(未調整のまま)6.6 ※StaleyDextrin#11(A.E.Sta
leyCO、(米国イリノイ州デカツール在)製)。
※※AnlberEHC(AmberLabOratO
ries(米国ウイスコンシン州ジユニユウ在)製)。
※※※NZ,.AIIllnA(SheffieldC
hemi一CaICOl(米国ニユーヨータ州ノーウイ
チ在)製)。実施例 17 ストレプトマイシス・オーレオフアシエンスNRRL8
O92を用いたA−28086のタンク発酵: A−28086の振盪フラスコ発酵法として実施例16
の冒頭に記載した方法をタンク発酵の場合にも適用した
多量の接種菌を作るために、菌を培養した生育培地10
m1を最初の生育培地と同じ組成の次の段階の生育培地
400m1に植えつけるのに使用した。21容のエルレ
ンマイエル・フラスコに入れたこの第二段階の培養液を
、2インチの円弧で旋回する振盪機に載せ250rpI
で24時間30℃で培養した。
この菌を培養した二次的生育培地800m1を下記の組
成をもつ無菌の発酵用培地1001に接種するのに用い
た。※StaleyDextrin#11(A−E−S
taleyCO(米国イリノイ州デカツール在)製)。
※※AmberEHC(AmberLabOratOr
ies(米国ウイスコンシン州ジユニユウ在)製)。※
※※NZAmineA(SheffieldChemi
calCO.(米国ニユーヨーク州ノーウイチ在)製)
。15〜20ポンドの圧力で30分間121℃で加圧殺
菌した後のこの培地のPHは6.8±0.1であつた。
菌の接種された生産用培地は、要領1651の発酵タン
ク中で10〜12日間28±1℃で発酵させた。
また該発酵培地には毎分培養液の0.4容量の割合で無
菌空気を通気した。またこの培養液は300rp?の割
合で普通の攪拌器でかきまぜた。実施例 18下記組成
の振盪フラスコあるいはタンクによる生産培地を使うこ
と以外は実施例17の方法に従つてA−28086抗生
物質を生産した。
※StaleyDextrinNO.ll(A.E.S
taleyCO.(米国イリノイ州デカツール在)製)
※※ArIlberEHC(AInberLabOra
t一0ries(米国ウイスコンシン州ジユニユウ在)
製)。※※※NZArr)IneA(Sheffiel
dChemicalCO.(米国ニユーヨーク州ノ゛−
ウイチ在)製)。実施例17に記載した如く、加圧法に
より殺菌した後の培地のPHは6.4であつた。
実施例 19 ストレプトマイシス・オーレオフアシエンスNRRL8
O92によつて生成されたA−28086抗生物質複合
体の分離:実施例17に記載した方法によつて得られた
全発酵液60リツトルに希HClを加えてPH3に調節
した。
こうして出来た溶液を濾過助剤(Hy一FlOSupe
r−Cell硅藻土の一種、JOhns−Man−Vi
lleprOductsCOrp・)を用いて濾過した
。分離した菌糸塊を30′のメタノーノレで抽出L抽出
液には1.561<9のNaHCO3を攪拌しながら加
えて行つた。この抽出液を分離した後、菌糸塊を更に3
01のメタノールで再度抽出した。両メタノール抽出液
を合わせ、メタノールを除去するために真空濃縮した。
残留水溶液約7jを希HClでPH7,5に調節した。
こうして得られた溶液を酢酸エチル7lづつで2回抽出
した。この酢酸エチル抽出液を合わせ、真空濃縮して油
状の残渣を得た。この油状残留物をアセトン1500m
1に溶解し、このアセトン溶液に水1500m1を添加
した。こうして出来た溶液を希HClでPh3に調節し
て1時間攪拌した。生成して出来た沈澱を濾別し、次い
でアセトン1500m1に溶解し、この溶液に水400
m1を加えた。こうして出来た溶液を結晶を析出させる
ために16時間放置した。
生成した結晶を濾別し真空乾燥したところ、A−280
86因子AおよびDならびにその他の結晶状の不純物を
含んだ粗結晶状の生成物749を得た。この粗結晶状生
成物40gを約250m1のベンゼンに溶解した。
次いでこのベンゼン溶液にシリカゲルカラムクロマトグ
ラフ法を適用した(9一×120−?カラム;Grac
e−DavidsOn等級62のシリカゲル使用)。カ
ラムは下記の各溶媒401づつで順次溶出した。1)ベ
ンゼン 2)ベンゼン:酢酸エチル (9:1) 3) 〃 〃 (4:1) 4)ベンゼン:酢酸エチル (7:3) 5) 〃 I/ (1:1)6)酢酸エチ
ル 7)メタノール これらから11づつの分画を収集した。
各部分毎に溶出化合物を同定するために、バチルス・ズ
ブチリスの生育阻止試験法と薄層クロマトグラフ法とに
より検査を行つた。A−28086はベンゼン:酢酸エ
チル(4:1)で溶出された。A−28086因子Bは
ベンゼン:酢酸エチル(7:3)で溶出された。A−2
8086因子A(5Dとはベンゼン:酢酸エチル(7:
3および1:1)で得られた部分(119〜156まで
の部分)に溶出された。これらの部分を合わせ、真空下
で蒸発乾燥した。こうして得られた残渣をアセトン50
0aに溶解した。このアセトン溶液に水500m1を加
え、且つ、この溶液を希HClでPH3に調節し、1時
間攪拌した。生成した沈澱を濾別し、さらにアセトン5
00m1一水180m1から結晶させた。こうして出来
た結晶は濾別して真空乾燥したところA−28086の
因子AおよびDの混合物20.1gが得られた。
実施例 20 因子AおよびDの単体の分離と精製: 実施例18で得られたA−28086の因子AとDの結
晶状混合物18689をベンゼン50dに溶解した。
このベンゼン溶液にシリカゲルカラムクロマトグラフ法
(7一×100一礪カラム:E.Merck等級60の
シリカゲル、230メツシユ(ASTM)より細かい)
を適用した。カラムは次の溶媒で毎時90m1の流速で
順次に溶出した。1)ベンゼン121 2)ベンゼン:酢酸エチル(9:1)混合物3)ベンゼ
ン:酢酸エチル(4:1)混合物12!4)ベンゼン:
酢酸エチル(7:3)混合物5)メタノール101溶出
の進行を監視するためにバチルス・ズブチリスによるバ
イオオートグラフ法を薄層セルロースクロマトグラフ法
(MerckDarmstadtセルロース、アルミニ
ウム支持板上)と共に行つた。
用いた溶媒系は次のものである。水:メタノールリアト
ン(12:3:1)。初めにNH4OHでこの溶液をP
HlO.5にしその後、HCIでPH7.5に調節する
。活性が検出される迄の1〜21分を集め、以後200
m1づつ収集した。
A−28086因子Dだけを含んだ部分を合し、真空蒸
溜して残渣を得た。この残留物はアセトン一水(1:1
)から結晶した。結晶を分離して真空乾燥し、結晶状の
A一28086因子Dl4O〜を得た。僅かにA−28
086因子Aの混つたA−28086因子Dを含む部分
を同じやり方で処理すると、さらに少量のA−2808
6因子Aを含む結晶状のA−28086因子Dが150
Tf19得られた。
同様の方法でA−28086因子Aだけを含む部分を処
理し結晶状のA−28086因子4.79を得た。実施
例 21 下記組成の斜面培地を使用すること以外は、実施例16
の方法に従つて、A−28086抗生物質類を生成した
PHはKOHで7.0に調節。
またこの場合は菌を植えた斜面を約7日間28℃で培養
した。
実施例 22 フラスコ培地にも生産用培地にも下記組成のものを使用
すること以外は、実施例17の方法に従つてA−280
86抗生物質類を生産した。
※StaleyDextrin#11(A.E.Sta
l一EyCO.(米国イリノイ州デカツール在)製)。
※※AmberEHC(AmberLabOratOr
ies(米国ウイスコンシン州ジユニユウ在)製)。実
施例 23下記組成の培地を中間の第三段階の生育培地
に用いること以外は実施例21の方法に従つて、A−2
8086系抗生物質を生産した。
実施例 24 コタシジウム症抑制を目的としたA−28086で改良
されたひな鳥飼料の製造:体重が速く増加するようにひ
な鳥を飼育するのに適したバランスのとれた高性能な飼
料を次のような配合処方で作成する。
ノ これらの物質は標準飼料配合技法に従つて混合する。
投与する水には制限を加えない。こうした餌で飼育した
ひな鳥はコクシジウム症感染から保護され、体重増加も
コクシジウム症のない該薬剤無添加の類似の餌で飼育さ
れたひなに匹敵する。実施例 25A−28086で改
善した肉牛の飼料の製造:ーバランスのとれた高性能の
肉牛の飼料は次のように調製される。
※1ポンド当りの含量:2,000,000国際単位の
ビタミンAl227,2OO国際単位のビタミンD2な
らびに1%の油を付加した大豆飼料385.79。
※※トウモロコシ製ウイスキ一を作る時に、穀粒1ポン
ドにつき20,000国際単位のd−α−トコフエリル
ーアセテートを含む可溶物を添加して穀粒を乾燥する。
該混合飼料は圧縮して小塊にする。
動物1頭あたり15ポンドの飼料を日々の平均摂取の割
合とすると、この飼料は1日に動物1頭あたり約300
即のA−28086因子Aを供給していることになる。
実施例 26 A−28086因子Dのアセチル・エステル誘5導体の
製造:抗生物質A−28086因子Dをピリジンに溶解
する。
この溶液に無水酢酸の計算量を添加する。この溶液を十
分に混和してから一夜室温に放置する。ついで、水を過
剰に加えて混合物を室温に数1時間放置する。生成する
沈澱を濾別し、水洗乾燥する。こうして得られた固形物
をアセトンに溶解し真空下で蒸発乾固して、A−280
86因子Dのアセチルエステル誘導体が得られた。実施
例 27〜301 実施例26の方法に従い、ピリジンの存在下でA−28
086因子Dを無水プロピオン酸と反応させることによ
り、抗生物質A−28086因子Dのプロピオニル・エ
ステル誘導体を製造した。
実施例26の方法に従い、ピリジンの存在下で2A−2
8086因子Dを無水n一酪酸と反応させることにより
、抗生物質A−28086因子Dのn一酪酸エステル誘
導体を製造した。実施例26の方法により、ピリジンの
存在下でA−28086因子Dを無水カプロン酸と反応
さ,せ、抗生物質A−28086因子Dのn−カプロイ
ル・エステル誘導体を製造した。
実施例26の方法に従つて、ピリジンの存在下でA−2
8086因子Dを無水吉草酸と反応させ、抗生物質A−
28086因子Dのn−バレリル・エステル誘導体を製
造した。
実施例 31 A−28086因子Dのナトリウム塩の製造:一抗生物
質A−28086因子Dをアセトンに溶解する。
この溶液に等量の水を加えこの溶液のPHが約11にな
るのに十分な5N水酸化ナトリウムを加える。得られた
溶液を約1時間攪拌し、次いで酢酸エチルで抽出する。
真空下で酢酸エチルを蒸発させるとA−28086因子
Dのナトリウム塩が得られる。実施例 32〜34 実施例31の方法を用いてA−28086因子Dと5N
水酸化カリウムとから抗生物質A一28086因子Dの
カリウム塩を製造した。
実施例31の方法を用いてA−28086因子Dと飽和
水酸化バリウムとから抗生物質A一28086因子Dの
バリウム塩を製造した。実施例31の方法を用いてA−
28086因子Dと1N水酸化セシウムとから抗生物質
A一28086因子Dのセシウム塩を製造した。実施例
35コクシジウム症抑制を目的としたA−28086
因子を含有させたひな鳥飼料の製造:体重が速く増加す
るようにひよこを飼育するのに適したバランスのとれた
高性能な飼料は次の様な配合処方で調製される。
} J覧一 乙 υ υ υ υに〜 』 ▲ノ
ν・ v 一これらの物質を標準飼料配合技法
に従つて混合する。
投与する水には制限を加えない。こうした餌で飼育した
ひな鳥はコクシジウム症感染から保護され、体重の増加
はコクシジウム症にかかつていない該薬剤無添加の類似
飼料で飼育されたひなに匹敵する。実施例 36 A−28086因子Dを含有する肉牛の飼料の製造:バ
ランスのとれた高穀物の肉牛用の飼料は次のように製造
される。
ビタミンD2および1%の油を加えた大豆飼料385.
79。
※※トウモロコシ製ウイスキ一製造時に穀類1ポンドに
対して20,000国際単位のd−α一トコフエリルア
セテートを含む可溶物質を添加して穀粒を乾燥する。
該混合飼料は圧縮して小塊とする。
動物1頭につき15ポンドの飼料を日々の平均摂取の割
合とすると、この飼料は1頭につき約300即のA−2
8086因子Dを供給していることになる。
【図面の簡単な説明】
図面はすべて本発明の抗生物質A−28086の赤外吸
収スペクトルを示す図面であつて、第1図は抗生物質A
−28086因子A1第2図は抗生物質A−28086
因子B、第3図は抗生物質A−28086因子Aのアセ
チルエステル誘導体、第4図は抗生物質A−28086
因子Aのプロピオニルエステル誘導体、第5図は抗生物
質A一28086因子Aのブチルリエステル誘導体、第
6図は抗生物質A−28086因子Aのバレリルエステ
ル誘導体、第7図は抗生物質A−28086因子Aカプ
ロイルエステル誘導体、第8図は抗生物質A−2808
6因子Dのそれである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 (イ)i−イノシツトおよびラムノースは利用する
    が蔗糖は利用せず、(ロ)14日間で30%以上のゼラ
    チンを液化し、(ハ)ミルクをペプトン化して白色また
    は黄色の生長環を生じせしめ、(ニ)因子A、因子Bお
    よび因子Dからなる抗生物質A−28086複合体生産
    能を有する、ストレプトマイシス・オーレオフアシエン
    スに属する微生物。
JP58067674A 1974-06-10 1983-04-14 抗生物質a−28086生産微生物 Expired JPS5923789B2 (ja)

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