JPS5922272Y2 - ピストン - Google Patents
ピストンInfo
- Publication number
- JPS5922272Y2 JPS5922272Y2 JP8750978U JP8750978U JPS5922272Y2 JP S5922272 Y2 JPS5922272 Y2 JP S5922272Y2 JP 8750978 U JP8750978 U JP 8750978U JP 8750978 U JP8750978 U JP 8750978U JP S5922272 Y2 JPS5922272 Y2 JP S5922272Y2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- aluminum
- piston
- ring carrier
- alloy
- ring
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired
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- Pistons, Piston Rings, And Cylinders (AREA)
Description
【考案の詳細な説明】
ディーゼルエンジンのピストンは軽量化の目的でガソリ
ンエンジンに於けると同様にアルミニウム合金鋳物が採
用されることが多いが、高出力エンジンやシリンダ径の
大きいエンジンではアルミニウム合金鋳物材の高温強度
が不足して、第1リングのリング溝の部分の耐久性が不
充分となることがある。
ンエンジンに於けると同様にアルミニウム合金鋳物が採
用されることが多いが、高出力エンジンやシリンダ径の
大きいエンジンではアルミニウム合金鋳物材の高温強度
が不足して、第1リングのリング溝の部分の耐久性が不
充分となることがある。
その対策として、第1図に示すようにこの部分に鉄基合
金製リングキャリヤ2を鋳包んだアルミニウム合金製ピ
ストン1が使用されている。
金製リングキャリヤ2を鋳包んだアルミニウム合金製ピ
ストン1が使用されている。
3は第1リングのリング溝で゛ある。従来、このリング
キャリヤは通例ニレジスト(2〜3%C112〜14%
Ni、約1.5%Cr、約5.5%Cu、残部Feの組
成を有するオーステナイト鋳鉄)で造られ、アルフィン
法により表面をアルミニウムで被覆したのち、これがセ
ットされた鋳型にアルミニウム合金を鋳込み、ピストン
に鋳包まれて使用されている。
キャリヤは通例ニレジスト(2〜3%C112〜14%
Ni、約1.5%Cr、約5.5%Cu、残部Feの組
成を有するオーステナイト鋳鉄)で造られ、アルフィン
法により表面をアルミニウムで被覆したのち、これがセ
ットされた鋳型にアルミニウム合金を鋳込み、ピストン
に鋳包まれて使用されている。
ニレジストは熱伝導が悪いので放熱性に劣り、また、ア
ルミニウムとの密着性が悪いのでアルミニウム合金との
接着力が低いという欠点を有している。
ルミニウムとの密着性が悪いのでアルミニウム合金との
接着力が低いという欠点を有している。
特に、黒鉛や炭化物の多い場合に顕著である。
本考案はニレジスト製リングキャリヤの上記の欠点を解
消し、放熱性及びアルミニウム合金との接着力が良好で
耐摩耗性の優れたリングキャリヤを提供することを目的
としており、17×10′/℃以上の熱膨張係数を有す
る鉄基焼結合金の空孔を予めアルミニウムで充てんした
リングキャリヤを有するピストンに関する。
消し、放熱性及びアルミニウム合金との接着力が良好で
耐摩耗性の優れたリングキャリヤを提供することを目的
としており、17×10′/℃以上の熱膨張係数を有す
る鉄基焼結合金の空孔を予めアルミニウムで充てんした
リングキャリヤを有するピストンに関する。
リングキャリヤはピストンの材料に近い熱膨張係数を有
することが要求され、20〜200℃の熱膨張係数が1
7 X 10−6/’C以上であることが必要である。
することが要求され、20〜200℃の熱膨張係数が1
7 X 10−6/’C以上であることが必要である。
熱膨張係数がこの値以下であると、エンジンの運転中に
、アルミニウム合金との境界部に亀裂を生じたり、ピス
トンの異常な変形が起る。
、アルミニウム合金との境界部に亀裂を生じたり、ピス
トンの異常な変形が起る。
また、ピストンリングとの接触部の耐摩耗性も重要で、
鉄、クロム、モリブチ゛ン等の炭化物がオーステナイト
基地中に分散した組織を有することが望ましい。
鉄、クロム、モリブチ゛ン等の炭化物がオーステナイト
基地中に分散した組織を有することが望ましい。
このような焼結合金はクロム、ニッケル、モリブチ゛ン
、更に必要に応してマンガン、銅等を含む低炭素のオー
ステナイト系ステンレス鋼粉に黒鉛粉を0.7〜2.5
%配合し、更に適量の型潤滑剤を加えて金型中で4〜7
t/cm2の圧力で圧縮、成形したのち、1000〜1
200℃の温度で真空または還元性雰囲気中で焼結して
得られる。
、更に必要に応してマンガン、銅等を含む低炭素のオー
ステナイト系ステンレス鋼粉に黒鉛粉を0.7〜2.5
%配合し、更に適量の型潤滑剤を加えて金型中で4〜7
t/cm2の圧力で圧縮、成形したのち、1000〜1
200℃の温度で真空または還元性雰囲気中で焼結して
得られる。
なお、原料粉のオーステナイト系ステンレス鋼粉に0.
001〜0.05%のカルシウムまたは0.05〜1.
0%の硫黄を含有するものを使用すると被削性が改善さ
れる。
001〜0.05%のカルシウムまたは0.05〜1.
0%の硫黄を含有するものを使用すると被削性が改善さ
れる。
また同じ目的で二硫化モリブデン粉゛ン鉄、硫化銅等の
金属硫化物粉末を配合しても良い。
金属硫化物粉末を配合しても良い。
更に、耐摩耗性を一層向上させる目的で、フェロモリブ
デン粉、フエロクロム粉、ステライト合金粉等の硬質合
金粉を15%以下配合しても良い。
デン粉、フエロクロム粉、ステライト合金粉等の硬質合
金粉を15%以下配合しても良い。
更に、強度を向上させる目的でニッケル粉や銅粉を配合
するのも良い。
するのも良い。
かくして得られた焼結体を600〜800℃に加熱した
のち、圧力容器内に設置された溶融アルミニウム浴中に
浸漬し、5〜10kg/cm2の圧力を加えて焼結体の
空孔中にアルミニウムを充填せしめ、浴から引上げ、次
いで余剰の付着した溶融アルミニウムを落し、常圧に戻
してから圧力容器外に取出し、冷却する。
のち、圧力容器内に設置された溶融アルミニウム浴中に
浸漬し、5〜10kg/cm2の圧力を加えて焼結体の
空孔中にアルミニウムを充填せしめ、浴から引上げ、次
いで余剰の付着した溶融アルミニウムを落し、常圧に戻
してから圧力容器外に取出し、冷却する。
得られたリングキャリヤは第2図に模式的に示すように
、焼結体中に容積比で10〜30%存在する空孔がアル
ミニウム5で充填され、表面にアルミニウム被覆層6を
有する構造となる。
、焼結体中に容積比で10〜30%存在する空孔がアル
ミニウム5で充填され、表面にアルミニウム被覆層6を
有する構造となる。
4は鉄基焼結合金である。
空孔を充填したアルミニウムは熱伝導を改善して放熱性
を良好にすると共に、被削性を改善する。
を良好にすると共に、被削性を改善する。
上記のようにして得られたリングキャリヤは鋳型内の所
定位置にセットされたのち、Y合金やローエックス系合
金のようなアルミニウム合金で鋳包まれ、次いでアルミ
ニウム合金製ピストン素材と共に切削加工によって第3
図に示す7の部分が削り取られ、第1図に示すようなピ
ストンが製造される。
定位置にセットされたのち、Y合金やローエックス系合
金のようなアルミニウム合金で鋳包まれ、次いでアルミ
ニウム合金製ピストン素材と共に切削加工によって第3
図に示す7の部分が削り取られ、第1図に示すようなピ
ストンが製造される。
次に実施例について説明する。
0.02%C117%Cr、11%Ni、2%Mo、残
部は実質的にFeよりなるオーステナイト鋼粉96.5
%、黒鉛粉1.5%、電解銅粉2%を配合し、これに型
潤滑剤として0.7%のステアリン酸亜鉛粉末を添加、
混合し、金型中で圧縮、成形したのち、AXガス中で1
150℃に30分間加熱、焼結し、密度6.5 g/c
c、熱膨張係数17.3 X 10−6/’Cの焼結体
を得た。
部は実質的にFeよりなるオーステナイト鋼粉96.5
%、黒鉛粉1.5%、電解銅粉2%を配合し、これに型
潤滑剤として0.7%のステアリン酸亜鉛粉末を添加、
混合し、金型中で圧縮、成形したのち、AXガス中で1
150℃に30分間加熱、焼結し、密度6.5 g/c
c、熱膨張係数17.3 X 10−6/’Cの焼結体
を得た。
次にこれを溶融アルミニウム浴中に浸漬し、6kg/c
m2の圧力で含浸処理を行ない、第2図に模式的に示し
た断面構造を有するリングキャリヤを得た。
m2の圧力で含浸処理を行ない、第2図に模式的に示し
た断面構造を有するリングキャリヤを得た。
4は焼結合金、5は空孔を充填しているアルミニウム、
6は表面を被覆しであるアルミニウム被覆層である。
6は表面を被覆しであるアルミニウム被覆層である。
これの上、下面をハンマーで叩いてアルミニウム被覆層
の剥離した部分の面積率を求める密着性の試験を行なっ
た。
の剥離した部分の面積率を求める密着性の試験を行なっ
た。
比較のために、ニレジストにアルフィン処理を施した従
来品について同様の試験を行なった。
来品について同様の試験を行なった。
従来品の剥離面積率は19%であったのに対し、本考案
のものは3%であって、本考案リングキャリヤはアルミ
ニウム被覆層の密着性が大幅に改善されていた。
のものは3%であって、本考案リングキャリヤはアルミ
ニウム被覆層の密着性が大幅に改善されていた。
次に密着性試験前のリングキャリヤをローエックス系ア
ルミニウム合金で鋳包んだピストン素材を製作し、これ
から第4図に示すような引張試験片を切り出し、矢印の
方向に引張って接着力試験を行なった。
ルミニウム合金で鋳包んだピストン素材を製作し、これ
から第4図に示すような引張試験片を切り出し、矢印の
方向に引張って接着力試験を行なった。
8はリングキャリヤの部分、9はアルミニウム合金の部
分である。
分である。
従来のニレジスト製のものは8kg/mm2の引張応力
で接着部から破断したのに対し、本考案リングキャリヤ
では11 kg/mm2の引張応力で破断しており、本
考案リングキャリヤはアルミニウム合金との接着力が大
きく改善されていた。
で接着部から破断したのに対し、本考案リングキャリヤ
では11 kg/mm2の引張応力で破断しており、本
考案リングキャリヤはアルミニウム合金との接着力が大
きく改善されていた。
第1図はアルミニウム合金製ピストンの縦断面図で、2
はリングキャリヤ、3は第1リングのリング溝である。 第2図は本考案リングキャリヤの構造を模式的に示した
縦断面図で、4は鉄基焼結合金、5は空孔を充填してい
るアルミニウム、6はアルミニウム被覆層である。 第3図はリングキャリヤの縦断面図で、7はピストン素
材に鋳包まれたのち、切削加工によって削り取られる部
分である。 第4図はピストン素材から切り出された接着力試験用試
験片の斜視図で、8はリングキャリヤの部分、9はアル
ミニウム合金の部分である。
はリングキャリヤ、3は第1リングのリング溝である。 第2図は本考案リングキャリヤの構造を模式的に示した
縦断面図で、4は鉄基焼結合金、5は空孔を充填してい
るアルミニウム、6はアルミニウム被覆層である。 第3図はリングキャリヤの縦断面図で、7はピストン素
材に鋳包まれたのち、切削加工によって削り取られる部
分である。 第4図はピストン素材から切り出された接着力試験用試
験片の斜視図で、8はリングキャリヤの部分、9はアル
ミニウム合金の部分である。
Claims (1)
- 外周面のほは沖央に環状のリング溝を有するリングキャ
リヤを備えるピストンにおいて、前記リングキャリヤが
17 X 10−6/’C以上の熱膨張係数を有する鉄
基焼結合金からなり且つその内部の空孔に予めアルミニ
ウムを充てんさせたものからなることを特徴とするピス
トン。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8750978U JPS5922272Y2 (ja) | 1978-06-27 | 1978-06-27 | ピストン |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8750978U JPS5922272Y2 (ja) | 1978-06-27 | 1978-06-27 | ピストン |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS556419U JPS556419U (ja) | 1980-01-17 |
JPS5922272Y2 true JPS5922272Y2 (ja) | 1984-07-03 |
Family
ID=29013097
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8750978U Expired JPS5922272Y2 (ja) | 1978-06-27 | 1978-06-27 | ピストン |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS5922272Y2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE19848649C5 (de) * | 1998-10-22 | 2008-11-27 | Peter Greiner | Kohlenstoffkolben für eine Brennkraftmaschine |
-
1978
- 1978-06-27 JP JP8750978U patent/JPS5922272Y2/ja not_active Expired
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE19848649C5 (de) * | 1998-10-22 | 2008-11-27 | Peter Greiner | Kohlenstoffkolben für eine Brennkraftmaschine |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS556419U (ja) | 1980-01-17 |
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