JPS5921924B2 - 低燐キルド鋼の製造方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は低燐キルド鋼の製造方法に関する。

従来、転炉で低燐キルド鋼を製造するには次の２つの方
法が考えられている。

その−はリレードル法で第一の炉で吹錬後鍋に溶鋼をう
け、さらに第二の炉に装入して吹錬を行い低燐鋼を溶製
し、これを取鍋に出鋼するとき脱酸剤を投入して低燐キ
ルド鍋を製造する方法であるが、これは２つの炉を使用
し、２度吹錬を行なうことにより低燐鋼を溶製すること
はできても生産性が低下し能率が落ちるとともに副原料
、精錬用酸素などを多量に要し、諸原単位が悪いなどの
欠点を有するものである。

又その二はスラグカット法であり、スライディングゲー
ト、スラグボール、ノロ止め、ノロ切りなどの特殊の出
鋼方法により転炉より取鍋内に入るスラグ量を出来るだ
け少なくして出鋼時に脱酸しスラグからの復燐を抑制し
ようとするものであるが、斯る方法にで転炉より直接取
鍋に出鋼する場合にはスラグ量を零にすることは不可能
であり、スラグ中の燐の酸化物が脱酸剤により還元され
るので、スラグからの復燐（通常０．００３ ％程度）
は避けられないなどの欠陥を有する。

このように従来の第一のリレードル法では低燐鋼を溶製
することはできても経済的でなく、又第二のスラグカッ
ト法ではスラグからの復燐は避けられず、Ｐく０．０１
８％程度の低燐キルド鋼を得ることは容易でない。

然るに最近のラインパイプ用鋼、例えばＡＰＩ Ｘ −
６０，６５，７５などは靭性の改善のために低燐化への
要求が酷しく、Ｐく０．０１８％程度の真空処理を施す
工程を必要とする低燐キルド鋼を能率よく経済的に大量
生産する方法の確立が望まれている。

本発明は斯る技術的要望に答えるため、従来の出鋼法と
異なりキルド鋼を製造するに当り、転炉吹錬後の１００
トン以上の低燐溶鋼を未脱酸のま〜出鋼し、出鋼時の脱
酸によるスラグ中の燐の酸化物が脱酸剤により還元され
ることにより生ずる復燐を防止して脱酸剤を添加しない
状態で、スライディングノズルを有する第一の取鍋に収
容し、こ〜において溶鋼と溶滓とに完全に分離し、浮上
する溶滓を残して溶鋼のみを第一の取鍋よりスライディ
ングノズルを利用して取出して第二の取鍋に移すもので
あり、この際に第二の取鍋には合金鉄を人置きし、これ
に脱酸剤と共に装入して脱酸及び鋼成分の調整を行ない
、さらに必要に応じ真空処理して所要のラインパイプ用
の低燐キルド鋼を得るものである。

本発明は以上のようにスライディングノズルを利用して
完全に除滓するので脱酸剤添加の際にはスラグがないた
め復燐が防止できるほかスラグにより酸化される脱酸剤
の量を大巾を減少することができるので脱酸剤の歩留は
向上し、その添加量を減少することができるばかりでな
（合金鉄の歩留も向上することができ、合金鉄は予熱し
て８いて合金鉄に付着している水分からの水素含有量の
増加も防止することができるほか、さらに取鍋の注入を
適当に分割すれば、小ロツト対策として有効であるなど
の幾多の工業的効果を有するものである。

なお本発明にＢいてはスライディングノズルを利用する
が、これは溶鋼と溶滓の分離が完全に行えると同時に操
作が簡単であるためで、同様の効果を得るものであれば
必ずしもこれに限るものではないことは謂うまでもない
。

次に本発明の実施例を示す。

２５０ｔの転炉を利用して下表に示す低燐鋼を吹錬後、
未脱酸溶鋼をそのま又スライディングノズルを有する２
５０ｔの第一の取鍋に装入する。

約０．１時間静置後、スライディングノズルを通じて溶
鋼を下記成分を含有する高炭素フェロマンガン５．３に
９／’ｌ’及びフェロシリコン３．２ Ｋ９／ ’ｌ’
の合金鉄を１０００℃程度に予熱して入れ置いた容量２
５０ｔの第二の取鍋に、脱酸剤アルミニウム１、 ＯＫ
ｐ／ ’ｌ”と共に装入して下表に示す鋼成分を得、さ
らにＤＨ真空処理後連続鋳造により下表に示す低燐キル
ド鋼を得た。

下表にその成分及び温度の推移を示す。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 転炉にて低燐鋼を吹錬し、この溶鋼を未脱酸のま瓦
   スライディングノズルを有する第一の取鍋に移し、次い
   でこの第一の取鍋のスライディングノズルを通じて完全
   に除滓した溶鋼を合金鉄を入れ置きした第二の取鍋に脱
   酸剤と共に移すことを特徴とする低燐キルド鋼の製造方
   法。