JPS5919290Y2 - ア−ク回転形しや断器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本案はアーク回転形しゃ断器の改良に関する。

周知の如く、アーク回転形しゃ断器はしゃ断時アークを
絶縁消弧流体中で回転駆動せしめ狭隘な空間で消弧せし
めるものである。

而して、この構造は、例えば第１図に示す通りである。

即ち、固定接触子１の外側に磁気駆動コイル２を配設し
両者を電気的に接続している。

前記接触子１とコイル２の間には導電性材料で構成した
円筒状の短絡環３が配設されており、この環３の下端内
周には耐アーク性材料より成るアークランナー４が、又
、下端外周にはコイル支持用円板５がそれぞれ溶接等に
より固定されている。

前記円板５若しくは短絡環３の先端は前記コイル２の他
端に電気的に接続されている。

更に前記コイル２の略々中央部には必要に応じ鉄心６が
配設され、これで磁界強化が計られている。

そしてこの鉄心６はアーク走行部に対向する部分が絶縁
カバー７で覆われ、鉄心６が中間電極となってアークラ
ンナー４へのアークの移行を遅らせるのが防止せしめら
れている。

前記固定接触子１に対応して可動接触子８が配設され、
これら全体がＳＦ６ガス、圧縮空気、電気絶縁油等の絶
縁消弧流体９を充填した容器１０中に収納されている。

上述の構成において、閉路状態では両液触子１゜８が接
触しているので支障なく通電が行なわれる。

しゃ断に際し、可動接触子８を固定接触子１から開離す
ると、この間にアークが発生し、やがてこれがアークラ
ンナー４と可動接触子８間にアーク１１として移行する
。

このため、磁気駆動コイル２が回路に挿入されて回路電
流が前記コイル２に流れ、これを中心として破線の如く
磁束１２が発生する。

この磁束１２の前記アーク１１と直交する成分によりア
ーク１１はアークランナー４と可動接触子８の間で回転
駆動せしめられる。

これにより、アーク１１は絶縁消弧流体９のうばうエネ
ルギーがアーク１１のそれを上まわるとアーク１１は消
弧せしめられる。

上述の構成によれば大電流域におけるしゃ断性能は充分
これを満たすことができるが、小電流域においては、ア
ークの磁気駆動力が不足する。

加えて、中小電流域においてはＩＥＣ規格にも見られる
如く、最近の要求は再起電圧条件が極めて過酷であり、
この様な領域では消弧性能が不足するといった欠点があ
る。

本案は上述の点に鑑み案出されたもので、隔壁によりし
ゃ筒室と下部空間を形成し開路動作によって前者から可
動接触子の中空部を介して後者に至る吸込み流体流を発
生させると共に後者の圧力上昇が所定値を越えると逆止
弁を開いて前者と連通させることにより、小電流域にお
けるしゃ断性能をより安定化させ、全電流域にわたって
充分な消弧能力を保有するアーク回転形しゃ断器を提供
することを目的とする。

ｊ以下、第２図に示す実施例に基づき本案を説明す
る。

同図において容器１０には隔壁２１が取付けられており
、容器１０内をしゃ筒室２９と下部空間２６に仕切って
いる。

この隔壁２１は突状空間によってピストン室２２をその
一部で形成している。

又、前記隔壁２１の頂部には可動接触子２８の挿通する
内孔が設けられている。

前記可動接触子２８には中空部２３が設けられると共に
、その外部に前記ピストン室２２の壁面を略々摺動する
吸込み用のピストン２４が取付けられており、このピス
トン２４はストローク途中、遅くとも全開離位置におい
て前記ピストン室２２より脱出して隔壁２１との間に開
口２５を構成し下部空間２６とピストン室２２の連通を
許す。

前記可動接触子２８には開口２７が設けられていて、中
空部２３の下端とピストン２４の上面部分とを常時連通
せしめている。

更に、前記隔壁２１には下部空間２６としゃ筒室２９と
の間を連通させる開口３０が設けられており、この開口
３０は逆止弁３１によって常時は閉止されており、下部
空間２６の圧力がしゃ筒室２９より若干上昇すると連通
せしめられる。

その化第１図と同一符号は同−若しくは相当部分を示す
。

而して、上述の構成では、投入状態において可動接触子
２８が固定接触子１に接し、ピストン２４が上動し、ピ
ストン室２２は狭小となっている。

しゃ断に際し、可動接触子２８が下動を開始すると同時
にピストン２４も連動してピストン室２２の容積を拡げ
る。

すると鉄車２２の圧力は減少し、中空部２３、開口２７
を経由してしゃ筒室２９の絶縁消弧流体９を吸込み、可
動接触子２８の先端部に矢印Ａの如き流体流を生じ、こ
れがアーク１１に吹付けられる。

同時に、下部空間２６の絶縁消弧流体９はピストン２４
の下動により圧縮されしゃ筒室２９はピストン室２２と
連通しているので減圧される。

このため、微弱な圧力差で動作するように設定された逆
止弁３１が動作して開口３０を開き、下部空間２６から
しゃ筒室２９へ絶縁消弧流体９が移動し吸込みバッファ
、即ちピストン２４、可動接触子２８の動作を円滑にす
る。

従って矢印Ａに示す流体流がより生じやすくなり、これ
による吹付けが、アーク回転や自刃昇圧吹付をそれほど
期待できない小電流域の消弧力として極めて有効となる
。

又、吸込みプアツファはアーク発生部より遠方にあるの
でアーク発生部の流体密度の急速な低下を抑止でき消弧
能力が低下しない。

そのうえ流体流Ａは中心軸方向に吸込まれるのでアーク
１１が中心付近から離れる事がない。

又、大電流域においてはアークエネルギーによりしゃ筒
室２９の絶縁消弧流体９は加熱昇圧される。

ところで、ピストン２４はストローク途中、即ちある距
離以上ではピストン室２２から脱出して隔壁２１との間
に開口２５を形成するのでしゃ筒室２９の前記昇圧され
た絶縁消弧流体９は中空部２３、開口２７．２５を経由
して下部空間２６に流出し可動接触子２８の先端に強い
流体流を生じ、アーク１１は回転駆動力に加えて流体吹
付けを受け、しゃ断性能が一段と向上する。

以下の如く、本案によるときは、開路ストローク初期に
は吸込み吹付けを行ない、途中からピストンがピストン
室より脱出してしゃ筒室の絶縁流体排出を容易ならしめ
ると共に、逆止弁を設けて下部空間の圧力がしゃ筒室の
それを所定値だけ上まわると両者を連通せしめるように
し、且つ前記ピストン、ピストン室、開口をアーク発生
部から離隔配置したので、アーク発生部における絶縁流
体密度の急速な低下を抑止でき、しかもアークが中心付
近から離れる事がなく、小電流域におけるしゃ断性能を
より安定化させることができる。

ピストン室は隔壁の一部を兼用しているので構成が簡単
である。

アーク回転形しゃ断器の消弧能力を小電流域から大電流
域に至るまで充分に保有せしめ得るほか、可動部の動作
が円滑になるという極めて実用的な効果を奏する。

なお、可動側と固定側を逆転させ、可動接触子２８に磁
気駆動コイル２を設けた形のものにも同様に本案を適用
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来装置を、第２図は本案のｌ実施例を、それ
ぞれ示す縦断面図である。 １・・・・・・固定接触子、２・・・・・・磁気駆動コ
イル、９・・・・・・絶縁消弧流体、１１・・・・・・
アーク、２２・・・・・・ピストン室、２４・・・・・
・ピストン、２６・・・・・・下部空間、２８・・・・
・・可動接触子、２９・・・・・・しゃ新車、３１・・
・・・・逆止弁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 絶縁消弧流体を充填した容器内を隔壁をもってしゃ断室
   と下部空間とに仕切ると共に下部空間にピストン室を形
   成し、前記しゃ断室にはしゃ断に際し磁気駆動コイルを
   回路に挿入しアークを絶縁消弧流体中で回転駆動せしめ
   る機構を収納して戊り、前記機構の一部を構成する可動
   接触子が前記隔壁を貫通摺動しており、この可動接触子
   には前記消弧室に連通した中空部を形成すると共に開路
   ストロークの途中から前記ピストン室より下部空間に脱
   出するピストンを設け、前記中空部の下端を前記ピスト
   ンの上面部分に開口し、前記しゃ断室と下部空間の間に
   は下部空間の圧力が所定値を越えるとしゃ断室との連通
   をはかる逆止弁を設けて成る事を特徴とするアーク回転
   形しゃ断器。