JPS5918784Y2 - ビデオ信号用輪郭補正回路 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はテレビ受信機やＶＴＲ（ビデオテープレコーダ
）などのビデオ信号を処理する回路における輪郭補正回
路に関するものであり、更に詳述すれば、−水平走査期
間遅延装置を用いた垂直方向の輪郭補正と、水平方向の
輪郭補正と多重された副搬送波を除去するくし形フィル
タに関するものである。

垂直方向め輪郭補正は、これに用いる一水平走査期間遅
延装置が高価なことから、テレビ受信機やＶＴＲなどに
用いられた例はなく、現状ではカラーテレビカメラに用
いられているだけである。

第１図ないし第４図を用いて従来技術である、カラーテ
レビカメラに用いられている垂直方向及び水平方向の輪
郭補正装置の説明をする。

第１図はカラーテレビカメラのブロック図、第２図はカ
ラーテレビ受信機画面に再生された、カラーテレビカメ
ラのとらえた被写体を示す図、第３図は輪郭補正装置の
原理を説明するためのブロック図、第４図は第３図の各
部の信号波形図である。

第１図において、カラーカメラ１の３つの出力のうち、
４（赤）、５（青）はカラーエンコーダ３に供給され、
６ （緑）はその一部がエンコーダ３へ、その他は輪郭
補正装置２に供給され、その出力信号７もまたカラーエ
ンコーダ３に供給される。

いま、カラーテレビカメラ１が有彩色の方形パターンを
とらえているとすると、第２図に示す再生画面９は有採
色の方形パターン１１と、無彩色の背景１０により構成
される。

なお、第２図中のａ。ｂ、Ｃ９ｄ、ｅは上記方形パター
ンの垂直及び水平方向の輪郭部を含む時間的に連続した
走査線を示すものである。

いま、第２図に示すａ−ｅの走査線に相当する電気信号
が輪郭補正装置２の入力に印加されたとして、第３図及
び第４図を用いて輪郭補正装置の原理を説明する。

輪郭補正装置２の入力に第４図６に示す波形が印加され
ると、この波形６が２分岐され、一方は一水平走査期間
遅延回路１２を通り、さらに水平方向の一絵素分に相当
する遅延時間（約１５０ ｎ５ｅｃ）を有する遅延回路
１３を通り、第４図１９のような波形を得る。

波形１９はさらに２分岐され、一方は水平走査期間遅延
回路１４を通り、さらに水平方向の一絵素分に相当する
遅延時間を有する遅延回路１５を通り、第４図２０のよ
うな波形を得る。

第４図２０の波形と波形６と波形１９とが減算回路１６
に印加されて、その出力に垂直及び水平方向の輪郭補正
信号を得るわけであるが、このためには減算回路１６の
特性が波形１９と波形６の差及び波形１９と波形２０の
差を取り出すようなものでなけれは゛ならない。

いま、減算回路１６の特性を（波形１９−％（波形６千
波形２０））のように選べば、その出力信号は第４図７
のようになる。

従って、カラーエンコーダ３の出力には第４図８のよう
な複合映像信号波形を得る。

なお、図中斜線を施した部分はカラーエンコーダ３にお
ける処理に付加される多重された副搬送波で変調された
クロマ信号を示すものである。

カラーテレビカメラで従来から用いている輪郭補正装置
をカラーテレビ受信機等に応用しようとする場合、問題
が２つ生じる。

１つは、受信機等であつかう映像信号は副搬送波が多重
されており、このため垂直輪郭補正を行なうと副搬送波
によるドツト妨害が増加してしまうことである。

垂直輪郭補正を行なうには互に一水平走査期間だけ時間
の異なる２つの信号の差を強調しなければならず、ＮＴ
ＳＣ方式では周知のように副搬送波は一水平走査期間ご
とに位相が反転しており、従って、互に一水平走査期間
の異なる２つの信号の差を強調することは副搬送波をも
強調することになってしまうわけである。

上述したカラービデオカメラにおいては、輪郭補正を行
なうために取扱う信号は、色副搬送波を多重する前の信
号であるため、このような副搬送波が強調されるという
問題はなかった。

しかし、色副搬送波が多重された映像信号を処理すると
きに問題となる。

問題の他の一つは、映像信号の帯域幅である４゜２ＭＨ
ｚという広い帯域をもつ一水平走査期間遅延装置が極め
て高価であり、テレビ受信機等に採用することがむずか
しいことである。

本考案は、このような欠点を無くした、副搬送波抑圧効
果をもつ垂直方向、水平方向輪郭補正装置を提供するこ
とを目的とする。

以下、図面に例示した実施例により、本考案を説明する
。

第５図は本考案の一実施例を説明するブロック図、第６
図は第５図の信号波形図である。

いま、テレビ受信機が第２図に示すような有彩色の方形
パターンを受信しており、ａ−ｅの走査線に相当する波
形（第６図３５）が第５図の映像回路入力端子２２に印
加されたとすると、波形３５は３分岐され、一部は一水
平走査期間遅延回路１２を通り波形２３となり、さらに
２分岐される。

２分岐された波形２３は加算回路４３及び減算回路４４
に印加される。

加算回路４３には波形２３と、遅延されない波形３５が
印加され、その出力に第６図４５のような副搬送波の除
去された映像信号を得、これを高域ろ波回路２８を通す
ことにより第６図４６のような水平方向輪郭補正信号が
得られる。

加算回路４３で副搬送波が除去される理由は、前述した
ように副搬送波が水平走査期間ごとに位相反転して伝送
しているためである。

減算回路４４にも同様に一水平走査期間遅延した波形２
３と遅延されない波形３５とが印加され、その出力に第
６図４７に示すような副搬送波ｆと垂直方向輪郭補正信
号ｇが得られる。

この副搬送波が現われる理由は前述のとおり水平走査期
間ごとに位相反転されているので、減算によって強調さ
れるからである。

この波形４７は低域ろ波回路２７を通過させることによ
り、副搬送波が除去され、第６図４８に示すような垂直
方向輪郭補正信号ｇとなる。

入力波形３５の３分岐された残りの一つは、低域ろ波回
路３６を通って副搬送波が除去され第６図４９に示す波
形となり、加算回路２９に印加される。

加算回路２９では、この波形４９の他に、水平方向輪郭
補正信号と垂直方向輪郭補正信号である波形４６及び４
８が印加されて加算される。

その結果、出力端子３０には、第６図５０に示すような
垂直及び水平方向の輪郭補正がなされ、かつ、副搬送波
が除、去された映像信号が得られる。

この第５図に示した回路を用いると、回路構成が簡単で
あり、かつ、低減輝度信号が遅延されていないのでクロ
マ信号をくし形フィルタを通さないときは、垂直方向輪
郭補正によって生ずる画面上下方向の色のはみ出しが少
ないので、色の解像度の劣化の少ない輪郭補正が得られ
る。

また、この実施例では、減算回路４４の出力からクロマ
信号を取り出すことができるので、垂直方向輪郭補正信
号を取り出す回路と、クロマ信号抜き取り用くし形フィ
ルタ回路とを兼用することができ、経済的に高性能な装
置を実現できる。

この場合、減算回路４４の出力には上に述べたように垂
直方向輪郭補正信号が含まれているので、クロマ信号の
みを取り出すためには高域ろ波回路あるいは帯域ろ波回
路を設ける必要があることは言うまでもない。

なお、第５図の回路において、低減済波回路３６は、減
算回路４４の設計のやり方により除去することが可能で
ある。

即ち、減算回路４４の特性を（（波形３５）−α×（−
水平走査期間遅延回路の出力））、０〈α〈１のように
選べばよい。

以上述べたように本考案によれば、搬送色信号が多重さ
れた映像信号を処理し、垂直方向輪郭補正され、かつ、
副搬送波が除去された映像信号を簡単な構成により得る
ことができ、性能対コストの優れた輪郭補正回路を実現
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図はカラーテレビカメラのブロック図、第２図はカ
ラーテレビ受信機画面に再生された、カラーテレビカメ
ラのとらえた被写体を示す図、第３図は従来の輪郭補正
装置の原理を説明するブロック図、第４図は第１図及び
゛第３図の信号波形図、第５図は本考案の一実施例を示
すブロック図、第６図は第５図の動作を説明するための
信号波形図である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 水平走査周波数に対してインターリーブ関係を有するカ
   ラー副搬送波が多重された複合映像信号を一水平走査期
   間遅延させる１つの広帯域−水平走査期間遅延回路と、
   この遅延回路で遅延された信号と前記複合映像信号との
   差信号を作る減算回路と、この減算回路の出力信号の低
   域成分を取り出す低域ろ波回路と、上記遅延回路で遅延
   された信号と前記複合映像信号との和信号を作る加算回
   路と、この加算回路の出力信号の高域成分を取り出す高
   域ろ波回路と、この高域ろ波回路の出力信号と上記低域
   Ｐ波回路の出力信号とを合成する合成回路とを備え、こ
   の合成回路の出力に垂直方向輪郭信号が強調されるとと
   もにカラー副搬送波の除去された広帯域な映像信号を取
   り出すことを特徴とするビデオ信号用輪郭補正回路。