JPH0258837B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、カラーVTRに使用して好適な色
信号のノイズ低減装置に関する。

従来から使用されているノイズ低減装置として
は、第１図又は第２図に示す構成のものが知られ
ている。第１図に示す従来の装置は、VTRの再
生側の輝度信号系に設けられるもので、１で示す
入力端子に再生輝度信号が供給され、この再生輝
度信号がハイパスフイルタ４を介してリミツタ５
に供給され、リミツタ５において例えば輝度信号
のピーク値に対して−20dB程度に振幅制限され、
更に減衰回路６によりｋ（ｋ＜１）倍されてから
減算器２において再生輝度信号から減算され、そ
の出力端子３にノイズが除去された出力信号が得
られる。

かかる第１図に示すノイズ低減装置は、輝度信
号の小レベルの高域部分は視覚特性が弱いことを
利用して高域ノイズ成分を低減するものである。
このようなノイズ低減は、復調後の色信号（即ち
３原色信号，色差信号）に対しても適用すること
ができる。しかし、VTRのように色信号を搬送
色信号の形で出力する必要がある場合には適用で
きず、また復調後の２チヤンネル或いは３チヤン
ネルの信号路毎にノイズ低減装置を設けねばなら
ない。

また、ガードバンドレスの記録を行なうカラー
VTRに設けられるもので、第２図に示すように、
入力端子１及び出力端子３間に1H（１水平周期）
遅延線７と減算器８と1/2倍の減衰器９とからな
るくし形フイルタによつて隣接トラツクからのク
ロストークノイズを除去するノイズ低減装置が知
られている。この場合、低域変換色信号が隣接ト
ラツクで周波数インターリブするような記録を行
なつておく必要があり、その具体的方法として、
隣接トラツクの一方に記録される低域変換色信号
のキヤリアの位相を1H毎に反転するものがある。

かかる第２図に示すノイズ低減装置は、1H単
位でしかノイズが軽減されないこと、1H遅延さ
せた信号を合成することによる垂直解像度の劣下
という問題点を生じ、また、色信号の垂直相関が
ない部分ではミスレジストレーシヨン（色ずれ）
を起こす欠点がある。

この発明の目的は、従来のノイズ低減装置の問
題点が解決された装置の提供を目的とするもので
ある。つまり、この発明は、振幅変調色信号の段
階でノイズを低減することができ、また、1H遅
延された出力を合成することによる垂直解像度の
劣下、ミスレジストレーシヨンの問題が生じない
ノイズ低減装置を実現せんとするものである。

以下、この発明をカラーVTRの色信号処理回
路に適用した一実施例について第３図を参照して
説明する。この第３図は、減算器２を含むネガテ
イブフイードフオワードの再生低域変換色信号に
対するノイズ低減装置と共に、オン状態のスイツ
チ１０と加算器１１を含んで構成され、記録信号
出力端子１２に導かれるポジテイブフイードバツ
クの記録低域変換色信号に対するノイズ低減装置
との両者を示している。

まず、入力端子１に対してキヤリア抑圧の振幅
変調された色信号例えば再生された低域変換色信
号が供給され、減算器２及びトラツプ回路１３に
供給される。トラツプ回路１３は、第４図におい
て１９Ａで示すように、キヤリア周波数fc（例え
ば688〔ＫHz〕）付近の成分を除去するもので、一
例としてキヤリア周波数fcにおいて−30〔dB〕の
減衰量を有している。このトラツプ回路１３から
現れる色信号の高域成分がリミツタ１４に供給さ
れる。このリミツタ１４によつて入力のピーク値
に対して−20〔dB〕程度に振幅制限されてからバ
ンドパスフイルタ１５に供給される。

バンドパスフイルタ１５は、第４図において破
線で示すように、略々平担でかつキヤリア周波数
fc付近を強調する周波数特性１９Ｂを有してい
る。この強調する量は、例えば10〔dB〕程度とさ
れている。このバンドパスフイルタ１５が設けら
れていることによつて、低レベルの低域変換色信
号に対してトラツプ回路１３のＱを第４図におい
て一点鎖線１９ｃで示すように等価的に高くする
ことができ、色信号の低域までノイズ低減帯域が
広げられている。

また、バンドパスフイルタ１５の出力がゲート
回路１６に供給される。ゲートパルス発生回路１
７によつて、同期信号部分とバースト信号部分と
でゲート回路１６がオフするように制御するゲー
トパルスが形成される。かかるゲートパルスは、
再生輝度信号から分離された水平同期信号から形
成することができる。このゲート回路１６は、ノ
イズ低減動作によつて、同期の乱れ、バースト信
号への悪影響が生じるのを避けるためである。そ
して減衰器１８によりｋ倍（ｋ＜１）されてか
ら、減算器２に供給され、入力低域変換色信号か
ら減算され、出力端子３には、高周波で低レベル
のノイズが除去された再生低域変換色信号が取り
出される。

また、記録時では、スイツチ回路１０がオンと
され、前述のトラツプ回路１３から減衰器１８に
至るまでの回路系を通つた信号が加算器１１によ
つて記録低域変換色信号に対して加えられる。こ
れによつて再生時の逆伝達関数を得ており、記録
時に再生波形劣化分を補正している。

上述の一実施例の説明から理解されるように、
この発明は、色信号の小レベルの高域成分が失な
われても視覚上の影響が少ないことを利用し、色
信号の小レベルの高域成分を搬送色信号の段階で
取り出してこれを入力信号から減算する構成のも
のである。したがつて、搬送色信号の形態で出力
する必要があるVTRに対してこの発明は使用し
て好適であり、また、1H遅延した信号を合成す
るものと異なり、垂直解像度の劣下などの問題が
生じない。また、この発明では、色信号の高域成
分を取り出すためのトラツプ回路１３のＱをバン
ドパスフイルタ１５によつて等価的に高くしてい
るので、エツジ部のすそ引きをおさえることがで
きる。

つまり、ノイズ低減の帯域を広げるためには、
トラツプ回路１３のＱが高く、なるべくキヤリア
成分だけ除去される方が好ましい。ところが、第
５図Ａに示すような搬送色信号をトラツプ回路に
供給すると、Ｑが余り高くないときには、第５図
Ｂに示すような出力信号が得られるのに対し、Ｑ
が高い場合には、同図Ｃに示すようにエツジ部の
すそ引が大きい出力信号が発生し、このような信
号を入力信号から減算したときには、エツジ部の
色信号が失なわれたり、バースト信号への悪影響
が生じてしまう。然るに、この発明では、バンド
パスフイルタ１５によつて等価的にトラツプ回路
のＱを高くしているので、このような問題点が生
じない。然も、この発明では、リミツタ１４をバ
ンドパスフイルタ１５の前段に設けることによつ
て、エツジ部のすそ引をおさえている。

更に、この発明の一実施例のように、記録時に
補正を行なつておけば、再生時にある程度は生じ
るエツジ部の波形劣化を防止することができ、減
衰器１８の定数ｋを１に近づけることができ、ノ
イズ除去効果を大きくすることができる。

なお、上述の一実施例と異なり、本来のサブキ
ヤリア周波数（NTSC方式で3.58MHz）の搬送色
信号の段階でノイズ低減を行なうようにしても良
く、また、記録補正と再生系のノイズ低減とを別
個の回路により行なつても良い。更に、この発明
は、PAL方式の搬送色信号に対して適用して同
様の効果がある。勿論、カラーVTRに限らず、
カラーカメラ、有線テレビジヨンシステムなどに
この発明は適用することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図の夫々は従来の色信号のノイ
ズ低減装置の一例及び他の例を示すブロツク図、
第３図はこの発明の一実施例のブロツク図、第４
図はこの発明の一実施例の説明に用いる周波数ス
ペクトル図、第５図はこの発明の一実施例の説明
に用いる波形図である。 １……入力端子、２……減算器、３……出力端
子、１３……トラツプ回路、１４……リミツタ、
１５……バンドパスフイルタ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 振幅変調色信号が供給され、この振幅変調色
   信号のキヤリア成分を減衰させるトラツプ回路
   と、このトラツプ回路の出力が供給されるリミツ
   タと、このリミツタの出力が供給される減衰回路
   と、上記振幅変調色信号から上記減衰回路の出力
   を減算する合成回路とを備え、この合成回路から
   出力を取り出すようにした色信号のノイズ低減装
   置。