JPS5918489B2 - 安定液掘削工法におけるスライムの処理方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は安定液掘削工法におけるスライムの処理方法
に関する。

従来より地中に土留壁・止水壁・構造物の基礎あるいは
地下構造物の一部として地下壁を構築する場合の縦孔掘
削方法の一つとして、掘削縦孔内馨ベントナイト、その
他の安定液を添加した混合泥水で満たし、掘削壁面に安
定液による不透水のフィルムを形成して当該地盤の崩壊
を防止しながら掘削する安定液掘削工法が広く用いられ
ている。

しかしながら掘削された縦孔底部には、安定液中に浮遊
している掘削土粒子が経時的に沈降したり、排出されな
いで残留している掘削土あるいは掘削径建込む鉄筋篭で
掘削壁面からかき落されたマッドフィルムなどによる沈
澱物が所謂スライムとして堆積し、打設したコンクリー
トに反応してゲル化させてコンクリート強度が低下する
。

従ってこれら堆積したスライムをコンクリート打設前に
除去する必要があるが、混合泥水中に浮遊しているスラ
イムが完全に沈降するのを待っていたのでは工期の短縮
は計れず、かと云ってスライムが残っている状態で混合
泥水をコンクリート置換する場合には当該スライムと接
触してゲル化したコンクリートを廃棄しなければならな
い等の欠点があった。

そこで本発明は上記の欠点を解消するスライムの処理方
法として、掘削が原子した直後安定液の混合泥水が満た
された縦孔内に、比重が当該混合泥水より重くしかもコ
ンクリートより軽く、ファイネル粘性が混合泥水より大
きい液体状の組成物を注入して縦孔底部に沈澱せしめ、
上記組成物上にスライムを沈降させる。

そして鉄筋篭を建込んだのち、組成物の下側から生コン
クリートを給送することに当該組成物およびスライム、
更には混合泥水を押上げると共に、上部からこれら混合
泥水等を吸引排出させてスライム処理と混合泥水のコン
クリート置換とを併せて行うものである。

従って工期が短縮出来るとともにコンクリートとスライ
ムおよびスライムの浮遊している混合泥水とは、前記組
成物によって常に分離された状態にあるので、両者の接
触によるゲル化現象をなくして使用コンクリート量を節
約すること可能な経済的工法を提供し５るものである。

以下本発明方法の実施例を図面により詳記する。

まず第１図に示すように安定液としてベントナイトを添
加せしめた混合泥水１を掘削孔内に満たして壁面の崩壊
を防止しなから縦孔２を掘削し、当該縦孔２の底部に沈
澱しているスライム乞含む掘削土砂を図示しないがパケ
ット等で大半を処理したのち、サクションポンプ３に連
結した処理パイプ４で吸引して底ざらいを行う。

この場合の処理パイプ４は上下はもちろん矢視の如く縦
孔２内を左右に移動させて吸引処理が行なわれる。

次いで底ざらいにより掘削が完了した縦孔２内には第２
図に示すようにトレミー管５を垂下し、混合泥水１中に
浮遊しているスライムが沈澱する以前に当該トレミー４
５Ｙ介して液体状の組成物Ａを縦孔２の底部に注入する
。

この液体状の組成物Ａは比重がベントナイト泥水より重
くコンクリートより軽い略１．５〜２．０で、ファンネ
ル粘性がベントナイト泥水より大きい略３０〜４０ Ｓ
ｅｃの組成物であり、例えばグリセリンに重金属を溶解
せしめたグリセリン系統又は塩素系化合物等後工程で打
設するコンクリートに反応しないものを選定して使用す
る。

そして上記組成物Ａは縦孔２の底部に略１ｍ程の沈澱層
を形成し、この上に混合泥水１中のスライムを沈降せし
むるものである。

そして第３図のように縦孔２内に予め組立てした鉄筋篭
６を建込んだのち、トレミー管５で組成物Ａの下側に生
コンクリート７を給送すると共に、混合泥水１をサクシ
ョンポンプ３に連絡した処理パイプ４で吸引する。

これにより組成物Ａおよび組成物上に沈澱したスライム
層８が押上げられながら順次コンクリート置換されるが
、スライム層８およびスライムが浮遊した混合泥水と打
設した生コンクリート７とは組成物Ａで分離されて接触
しない構成のために、スライムに反応してコンクリート
がゲル化し強度が低下したりゲル化したコンクリートを
廃棄する必要がない。

更に沈澱したスライム層８は組成物Ａと緒に特別な処理
工程を設けることなくコンクリート置換され、第４図に
示すようにコンクリート打設の完了と共に排出処理され
る。

叙述のとおり本発明のスライムの処理方法によると、掘
削完了直後の混合泥水１中にスライムが浮遊している状
態でも鉄筋篭６を建込んですぐにコンクリート置換が可
能であると共に、特別にスライム処理工程を必要としな
いため工期の短縮に寄与する。

更にスライムとコンクリートとが常にコンクリートに反
応しない組成物Ａで分離してゲル化が防止され、従来の
安定液掘削工法で大量に廃棄していたコンクリートの節
約を計ることができる等実用的効果を奏するものである
。

【図面の簡単な説明】

図面はいずれも本発明の実施例を示すもので、第１図は
掘削完了直前の底ざらいの説明図、第２図は組成物Ａの
注入状態を示す説明図、第３図は鉄筋篭を建込み後生コ
ンクリートを給送しながら混合泥水を吸引してコンクリ
ート置換する状態を示す説明図、第４図はコンクリ−打
設の完了状態を示す説明図である。 符号の説明、１・・・・・・混合泥水、２・・・・・・
縦孔、３・・・・・・サクションポンプ、４・・・・・
・処理パイプ、５・・・・・・トレミー管、６・・・・
・・鉄筋篭、７・・・・・・生コンクリート、８・・・
・・・スライム層、Ａ・・・・・・組成物。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ベントナイトその他の安定液による混合泥水を満た
   しながら掘削した縦孔内に、比重が混合泥水より重くコ
   ンクリートより軽く且つファンネル粘性が混合泥水より
   大きい液体状の組成物を注入して縦孔底部に沈澱せしめ
   、次いで縦孔内に鉄筋篭を建込んで前記組成物上にスラ
   イムを沈澱させたのち縦孔の底部にコンクリートを給送
   し、当該組成物でコンクリートとスライムとを分離させ
   た状態で組成物およびスライムを押上げると共に、縦孔
   上部から混合泥水を吸引排出することにより、混合泥水
   をコンクリート置換させながらスライム処理したことを
   特徴とする安定液掘削工法におけるスライムの処理方法
   。 ２ 前記組成物は比重が略１．５〜２．０、ファイナル
   粘性が略３０〜４０ ｓｅｃの液体状である請求の範囲
   第１項記載の安定液掘削工法におけるスライムの処理方
   法。